北朝鮮の物価が、先週よりもさらに上昇した、とする情報があります。『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトによれば、食糧品や燃料などの基本的な物価が急騰しているのだそうです。これに加え、CNNは「コーヒー1包1万円」などの極端な物価上昇も見られるとしています。ただ、その一方で、北朝鮮ウォンの為替レートが暴落しているという兆候はないそうです。北朝鮮で現在、何が発生しているのでしょうか。
北朝鮮の物価高騰
先日の『北朝鮮で食糧危機?トウモロコシの価格が倍との情報も』では、『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトが運営する、『<北朝鮮>市場最新物価情報』というページをもとに、北朝鮮でトウモロコシ、コメといった食糧品価格が6月15日を境に暴騰した、とする話題を取り上げました。
これについて、同ウェブサイトを眺めてみると、本日時点でデータが更新されているようですが、やはりさまざまな物価が「高止まり」している様子が確認できます(図表)。
図表 北朝鮮の物価
(【出所】『<北朝鮮>市場最新物価情報』データをもとに著者作成)
そもそもの前提条件として、北朝鮮では不思議なほどに物価が安定しており、調査対象品目についても、石油関連製品(ガソリン、軽油など)を除けば、この2年半ほど、物価はほぼ「一定値」と言っても良いほどに落ち着いていました。
2020年初頭から始まった新型コロナウィルス感染症拡大による混乱に際しても、一時的に物価が「乱高下」する様子も見られましたが、長いスパンで見れば、これもレンジ内の動きに過ぎなかったと考えて良いでしょう。
それなのに、なぜかこのところ、突如として物価が上昇しているのです。
しかも、ガソリン、軽油、コメ、トウモロコシという4品目すべての価格が上昇する一方で、為替相場(対米ドル、対人民元)についてはいずれも不思議なほどに安定しています。
このことから、今回の物価上昇は、北朝鮮ウォンという通貨の供給量が増えたことによるものではなく、純粋に「モノ不足」、あるいは「売り惜しみ」を理由としたものである、という仮説が成り立つのです。
実際、『アジアプレス・ネットワーク』は6月22日の物価について、「市場は物価急騰で大混乱」するとともに、「様子見で売買がなかなか成立しない」、「商人は少量販売しかしない」、「不安心理が広がっている」、などとしています。
為替相場は安定しているのに…
これについて、『アジアプレス・ネットワーク』に先週掲載された次の記事に、いくつか考えられる仮説が掲載されています。
<北朝鮮内部> 食糧が謎の高騰で市場混乱 トウモロコシ2.4倍に 「市場は阿鼻叫喚です」
―――2021.06.15付 アジアプレス・ネットワークより
『アジアプレス・ネットワーク』は「食糧価格の高騰の原因は謎だ」としながらも、北朝鮮内部の「取材パートナーたち」の次のような見解を紹介しています(表現は当ウェブサイト側にて改めてたうえ、便宜上、①~④の番号を付しています)。
- ①北朝鮮では自国通貨に対する信用がなく、資産防衛のために米ドルや人民元を保有しようとしていたが、外貨の使用統制が厳格化したことを契機に人民元が急落。外貨であれ内貨であれ、現金を忌避し、人々がモノを持とうとしている
- ②当局が価格統制をやっていない理由は、財政難の当局が市場の資金を吸収するために、国家保有米を高値で販売しようとしているからだ
- ③もともと、いまは秋の収穫期までの端境期で食料が品薄になる傾向にあり、これに加え営農資材不足で今年の収穫減が予想されている
- ④コロナ禍の長期化が確実視されるなか、各地で貿易再開に悲観的な雰囲気が蔓延し、そのため物価高騰に拍車がかかった
…。
アジアプレス・ネットワークの調査が事実であるという前提を置くならば、これら4つの見解のなかで、やはり一番説得力があるのは①でしょう。もしも北朝鮮経済の貨幣経済そのものが崩壊する兆候であれば、米ドル、人民元のレートも同様に急騰していなければおかしいからです。
それが、米ドルのレートは不思議なほどに安定していて、、人民元のレートが急落し、「モノの価格」だけが急騰しているわけですから、やはり自然に考えて、「カネよりモノを持ちたい」という需要が高まっているという可能性が高い、というわけです。
一方、②の仮説も成り立ちますが、ガソリン、軽油も含めた価格も同時に上昇していることの説明がつきません。③、④に至っては、「6月15日を境に物価が突如として上昇したこと」に関する合理的理由が成り立ち辛いのです。
CNN「コーヒー1包1万円も」
こうしたなか、米CNNには昨日、こんな記事も掲載されていました。
コーヒー1包1万円の北朝鮮、金正恩氏が抱える問題は
―――2021.06.21 20:07付 CNNより
CNNによると、北朝鮮の「最高指導者」である金正恩(きん・しょうおん)が先日、重要な政治会合を開き、自国がいままさに深刻な事態に直面しているとして、「状況は緊迫している」と述べた、と朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた、などとしています。
CNNはまた、北朝鮮の農業部門がいまだに「昨年受けた台風の被害」の影響を引きずり、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から国境封鎖も長引く中で、国内の食料供給を輸入で賄うのも難しい状況が続いている、などとしています。
記事タイトルにある「コーヒー1包1万円」というのも、首都・平壌(へいじょう)の市場で一部洙用品の値段が高騰していることを指しており、「専門家によると米と燃料の価格はまだ比較的安定しているものの、輸入品の砂糖や大豆油、小麦粉は値上がりした」、などとしています。
アジアプレス・ネットワークの調査だと、むしろ米と燃料の価格が急騰しているわけですが、逆に言えばそれだけ北朝鮮における「モノ不足」が深刻化している、という可能性があるでしょう。
また、CNNの記事には、国連食糧農業機関(FAO)が最近、北朝鮮で不足している食料の量について、「全国的な食糧供給量の約2ヵ月分に相当する約86万トンと試算した」、などと述べているのだそうです。
経済制裁がボディブローのように効いている可能性も
なお、現時点においては、北朝鮮における唐突な物価急騰は、本格的な食糧不足を原因としたものというよりはむしろ、一種の「パニック的」なものと見る方が正確でしょう。そもそも論として、食糧不足・モノ不足という意味では、北朝鮮は恒常的にそのような悩みに直面しているからです。
たとえば、北朝鮮でモノ不足が深刻化するなか、外国大使館員が続々と国外に撤去しているとする話題は、すでに今年の冬頃から聞こえて来ており(『ついにチェコが北朝鮮大使館を「一時閉鎖」へ=RFA』等参照)、べつに今に始まった問題ではありません。
6月15日以降、突如として物価上昇が始まったことに関しては、やはり北朝鮮内部の何らかの政策にあると見るのが自然でしょう。
もっとも、北朝鮮は2017年の国連安保理決議(具体的には2017年9月11日付『国連安保理決議第2375号』や2017年12月22日付『国連安保理決議第2397号』)の効果が、ボディブローのように、かなり効いてきている可能性はあるでしょう。
もちろん、北朝鮮が違法な瀬取りなどを通じ、国連安保理制裁逃れを行ってきたことはたしかでしょうし、最近だとサイバー空間での犯罪活動などを通じた現金の窃盗も相次いでいるようです(『国連パネル「北朝鮮が暗号通貨3億ドル窃盗」等を報告』等参照)。
しかし、こうした北朝鮮の犯罪に対する取り締まりが徐々に厳しさを増し、これにコロナ禍による国境封鎖が追い打ちとなっているのであれば、北朝鮮経済も相当に疲弊しているという可能性はあるでしょう。今回の物価の急変も、北朝鮮における体制のタガが緩んできた証拠と見るべきなのかもしれません。
いずれにせよ、日本人拉致事件を完全に解決させるためにも、北朝鮮の完全かつ検証可能・不可逆的な非核化を達成するためにも、北朝鮮の現体制を徹底的に締め上げるというのは基本形のひとつでしょう。
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北朝鮮は基本国家統制が効いている筈なのに、物価がインフレ様相状況になるという事は、通貨統制の部署が何か操作を始めたのか、もしかすると旧ソ連のネップと同じ様な個人売買が認められる様になりつつあるのか。
見えない部分だらけなので、よく分かりませんが。
北朝鮮は1990年代の苦難の行軍時代に実質的に市場経済が機能しています。
統制経済はとっくに有名無実なものになっています。
ご返信ありがとうございます。
ここに来る皆さんは知見深く凄いと思います。
多々拝見させた頂きたく思います。
ちょっと順番が違うかもしれません。
90年代「苦難の行軍」の時代というのはその通りですが、物資が不足し過ぎて、配給制度が機能しなくなり、それまで闇市扱いで摘発対象だった自由市場を黙認せざるを得なくなったというのが始まりです。現在でも、自由市場の位置づけがどうなっているのか、禁止はされていないようですが、経済活動の基本となっているかどうかは不明です。その意味では、北朝鮮で市場経済が機能しているというのは、ちょっと言い過ぎではないかと思われます。
何しろ、情報が乏し過ぎるので、あまり確実なことは言えませんが、おそらく北朝鮮は現在でも社会主義計画経済の看板を下ろしてはいません。そのため、米や燃料などの重要物資は今でも統制対象ではないかと考えられます。そう考えれば、米や燃料の価格変動がないというのはむしろ当然の話であり、もしそれらの価格が変動するとなれば、よほどのことが起きていると考えなければなりません。
まあ、いずれにしても、北朝鮮に関しては、僅かに漏れてくる程度の情報しかなく、情報の確度も確認のしようがありません。外部からの観察で、どう考えてもうまく回っているようには思えない、最悪すでに破綻状態にあるかもしれないとは言えますが、実際のところは、北朝鮮がかつてのソ連のように国家崩壊という事態にでもならない限り、明らかにはならないような気がします。
龍様、
現実には、北朝鮮は市場経済化しています。苦難の行軍以降何度か国が統制しようとする試みして、市場経済が退行しかけたこともありますが、結局そのたびに市場経済が盛り返しています。
さらに金正恩政権になってからは、明示的に市場経済に舵をきっており、今はほとんどの物品が市場経済経由で流通しています。配給はほぼゼロです。
建前はともかく、実態は市場経済ですね。
下記の Wikipedia のページが参考になるかと思いますが、ここにはまだ書かれていないコロナ以降の経済苦境のことを言えば、従来わずかに残っていた統制経済(配給)すら、ほぼ消え去っています。この二年で配給はほぼゼロになりました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%B0%91%E4%B8%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%8F%B2#%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96
北朝鮮の実態をつかみにくいのは確かなのですが、配給が機能しているか程度であれば、脱北者や北朝鮮専門のメディアを通じて我々も見ることができます。
ソ連時代を思えば、かなり情報が入ってきていて驚くほどです。
なるほど、多少私自身の認識を修正しなければなりませんね。
とはいえ、生活必需品などのための市場が存在する、そしてそれが機能している(らしい)からといって、北朝鮮が国家として市場経済国家に移行したというわけではなく、あくまでも資本主義的手法を一部導入したに過ぎず、国家としては社会主義計画経済の看板を維持していると考えます。その理由は私企業の不在と金融市場の不在に依ります。当たり前ですが、私企業の存在しないところでは証券市場など無用ですから。
例えば、中国は社会主義市場経済を謳っています。それなりの規模の民営企業も存在しますし、証券市場だって存在します。しかし、依然としてそれらの上には国家、というか党が君臨しており、企業経営に容喙したり(時にはボスを捕まえたり)、証券市場への露骨な介入を躊躇いません。市場経済とは言いながら、かなり異形の市場経済であることは否めません。
あるいは、ソ連末期にはグラスノスチと称して、私企業の自由な活動を認めたり、かなり大胆に資本主義的要素の導入を図りました。結局は、社会主義的計画経済との折り合いを付けられず、失敗に終わり、さらにはソ連崩壊に繋がりました。
北朝鮮の現況はというと、グラスノスチのレベルにも至っておらず、ようやく資本主義的手法の一部を、致し方なく導入しただけです。それは物資のあまりの欠乏から配給システムが完全に崩壊したためですが、経済構造の根幹を転換したわけではなく、一部の統制を放棄しただけとも言えます。その意味では、北朝鮮経済が市場経済化したと言うには、かなりの不足があると考えます。
市場があって、そこで活発な取引が行われていたというだけなのであれば、グラスノスチ以前のソ連にだって自由市場は存在していました。ある意味、グラスノスチはそれを拡大し、公認しただけとも言えます。それでもソ連は崩壊するまで計画経済の旗を降ろしませんでした。それは結局、木に竹を継ぐ努力に過ぎなかったのです。
中国がグラスノスチの失敗に大いに学んでいることは明らかです。当然、北朝鮮もまた学んでいるでしょう。そして、その失敗を繰り返してはならないと強く思っているはずです。北朝鮮は、生活必需品などに関しては、致し方なく市場に委ねましたが、おそらくそれ以上に踏み込もうとはしないでしょう。しかし、その市場までもが機能しなくなったらどうなるか。北朝鮮はさらに重大な局面に差し掛かりつつあるのかもしれないという気はします。
龍様、
まずは超マイナーな世界である共産圏の国々に興味を持っていただきありがとうございます。大変うれしいです。
北朝鮮が市場経済化されているかですが、「市場経済」とは経済の実態を表す言葉でもあると同時に、政治的な意味合いも持ちますよね。
そこで、政治体制と現実の経済の実態にわけて考えるとすっきりするのではないかと思います。
まず政治的に北朝鮮は共産主義の看板をおろしたわけではなく、統制経済の名残がまだまだ残っています。この点では、龍様のおっしゃるとおり、北朝鮮は普通の民主主義国家のような体制とは大きく違います。
一方、実態としては物品の流通のほとんどが市場を通じてとなっており、この部分が市場経済であるのは否定しがたい事実です。私が「北朝鮮が市場経済化されている」と言ったのは、この経済の実態の話です。
また、北朝鮮で市場経済の比率が大きくなってきたきっかけが、闇経済からだったのがたぶん引っかかってる部分ではないかと思うのですが、経済学ではそれが表の経済(国家統計にあらわれる経済活動)でも、裏の経済でも扱います。裏の経済を扱うのはインフォーマル経済と言うのですが、国によってはこのインフォーマル経済が相当に大きく、無視できないこともしばしばです。北朝鮮も苦難の行軍時代の市場経済は、まさにインフォーマル経済でした。
一方、金正恩政権の初期は中国型の経済を目指していて、公に市場経済の導入がはじまりました。この段階で、北朝鮮の市場経済はインフォーマル(裏)ではなくて、表の存在になっています。そして、この市場経済で流通しているのは生活必需品だけでなく、ありとあらゆる物品が流通しています。(市場経済ってそういうものですし)
もちろん、普通の民主主義国家のような市場経済とは違いますが、経済の実態は市場経済が主体になっているというのが実情です。
なお、ソ連についての記述、ありがとうございます。少し指摘させていただくと、グラスノースチは情報公開を意味していて、経済とは直接関係ありません。おそらく仰りたいのは、ペレストロイカではないでしょうか。ペレストロイカは当初経済改革を意味していましたが、のちに政治的な改革の意味合いが強くなります。
ペレストロイカ以前に闇市場が存在したのは、以前別のところでコメントさせていただいた次第ですが、ペレストロイカはその闇経済の後追い承認というよりは(そういう側面もありましたが)、企業の養成とその企業群による市場の形成を目指したものでした。抜本的な経済改革を志向していたわけで、革命的とすら言われます。ソ連の最後の段階では、社会主義すら捨て去っていますね。
つまり、政治的には社会主義の枠の中で市場経済を実現しようとしている現在の中国とは対照的です。
また、ソ連の崩壊は経済が直接の理由ではありません。ペレストロイカの進行は、やがて抜本的な政治改革を必要とし、その政治改革が急激に行われた結果、勢いづいた改革勢力と反動勢力の角逐して国家の分裂という形になりました。
ペレストロイカは小手先の改革ではなく抜本的な経済改革(を志向していて)で、むしろそれが急進すぎたがゆえに政治的な問題を生み、結果としてソ連全体の崩壊につながったと理解していただければよいかと思います。
以上、御参考になれば幸いです。
チキンサラダ様
丁寧なご説明ありがとうございます。そうでした、ペレストロイカでしたね。お恥ずかしい。お詫びして訂正します。
さて、「市場経済」については、チキンサラダ様と私とでは、概念定義とパースペクティブに違いがあるようですので、おそらくこれ以上の議論は不毛と思われるため、ここまでとさせてください。北朝鮮の経済構造が、私が想定していたもの以上に"市場経済"化が進んでいることは理解しましたが、それでもなお、私としては北朝鮮を「市場経済国家」と呼ぼうとは思いません。理由は以前ご説明した通りです。
でも、一連のやり取りはいろいろと発見もあり、語弊を承知で言えば楽しかったです。また機会がありましたら、お付き合いいただけたら幸いです。ありがとうございました。
龍様、
こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました。また、是非よろしくおねがいします。
北朝鮮は市場経済という大袈裟なものでなく
闇市で物々交換とか偽札(米ドル)と交換なんじゃありませんか!
以下立読みの記憶...です
嘗て資本主義という言葉が人気がなくなって、代わりに市場経済という言葉を使い出した。
即ち 資本主義=市場経済
するとChinaが言い出した
社会主義市場経済とは、
社会主義資本主義であり見るからにインチキ!と勘づきました。
需要と供給により価格が決定されて、取引が行われれば、それは市場経済ですね。貨幣を用いなくても市場経済と呼びます。もちろん、偽札でもそれが支払手段として機能する限り市場経済です。
たぶん、市場経済と民主主義を混同されてます。市場経済とは経済用語であって、本来は政治体制を問いません。中国や今の北朝鮮は、社会主義市場経済ですね。それが、良い体制かどうかはともかくとして、現実として存在していますね。
そして、北朝鮮ではコロナの苦境により物々交換が復活してきたようですが、それまでは貨幣が主な支払手段になっていました。
思ったよりは近代化している部分もあるのが、北朝鮮の現状ですね。
1980年代にミャンマーに入国したことがある。外国人旅行者の泊まるホテルでもコーヒー、ビールはなかった。外国人向けに一定量はホテルに届いていたようだが、ほぼ全量闇市に横流しされてしまう。高くてもミャンマーの紙幣でなら買いたい人はたくさんいたのだろう。需要と供給の関係ですごい値段で取引されていたのではないだろうか。その価格を公定レートで換算すると目をむくような値段になる。ただし闇レートで換算すると、”なーんだ”という値段。北朝鮮でもこんなことが起こっているのでは?
> 米ドルのレートは不思議なほどに安定していて、、人民元のレートが急落し、「モノの価格」だけが急騰している
6月4日から、程度の差はあれ、人民元・米ドル共に急落していました。
この一週間で、人民元は続落、米ドルは戻してきましたね。
実は、この件について、「中国は北朝鮮を捨てるのでは」という仮説を立てて、考察していました。
結果、「人民元だけ急落」ではなく「人民元・米ドル共に急落」が引っ掛かって、納得のゆく結論にたどり着けませんでした。
「人民元は続落、米ドルは戻してきた」ことで、再検討する必要が生じてきたように感じます。
イーシャさま
嫌な妄想ですが、米中対立でアメリカは韓国を助けて、中国は北朝鮮を助けるんじゃないかと思います。
途中のプロセスとかは、思い付かないんですけど、説明出来るようになったらまた話します。
経済に詳しい方にお尋ねします。もし、人々が通貨を信用せずに、通貨をモノに変えたいと思うのなら、いずれ、日々の買い物は物々交換に行きつくのではないでしょうか。
さらには、北朝鮮では、一般庶民は、外貨をもつことは、事実上、禁止されているのでしょうか。(つまり、外貨があっても(どうやっても)国内では使用できず、国外に持ち出すことも出来ないとなると、外貨に交換する必要はないのではないか、ということです)
よろしく、お願いします。
北朝鮮では、実質的な通貨は人民元と米ドルになっていると言われて久しいですね。
人民元が暴落したせいなのか、国の取り締まりが強くなったせいか、最近では物々交換も増えていると聞きます。
外貨で物は買えない、だから外貨を持たないということにはならないと思います。外貨を欲しがる金持に外貨を渡せば現地通貨の大金と交換してくれます。
韓国からプロパガンダの風船を北朝鮮に飛ばす際、1ドル紙幣をくくりつけるのはドルを欲しがらない人はいないという前提です。
この記事を読んでふと思ったのですが、例えばこの価格変動を、北朝鮮政府が外貨を含めて資産を放出して食料や燃料などの物資を集め始めたことによるものだということはあり得ないでしょうか。
もしそうであれば戦争、もしくはそれに準ずる大規模な実力行使を行う前兆の一つと言えなくもない気がいたします。
もちろん北朝鮮国内で流通する物資で韓国やアメリカと全面戦争を賄えるかは甚だ疑問ですが、「絶望から開戦に踏み切った国」が歴史上存在する以上、可能性そのものは否定できないのではないでしょうか。
ガソリンだ軽油だって一般庶民には無関係なのでは?
公共交通機関だって平壌以外ろくになさそうだし、米やその他の食品だって
闇が主だろうし都市住民以外はろくに購入もできないのでは?
要はこのサイトの物価リポートってごく一部の国民の動向であって大多数の国民(中共に輪をかけて奴隷状態)の存在なんて無視してんでしょ。
農業用のトラクターはガソリンで動くんですが...
また、平壌以外の地方都市でもタクシーは走ってるし、バスも走ってますね。
ガソリンも軽油もいらないなら、それは中世ですよ。
北朝鮮の農業事情(使ってる機械だとか、どこまで人力や牛馬頼みなのか)ってどうなんでしょう、ちょっと気になります。ヘタすると中世かもですね。
小型の非乗用トラクター…というか耕運機(5馬力とか)や、他用途の小型機械はガソリンで、日本や欧米で主流の所謂トラクター(乗用で10馬力程度以上、PTOで回転動力を伝えてアタッチメント次第で作業内容を変えられる)はディーゼルエンジン=軽油ですね。刈払機などはガソリン+オイル添加です。燃料油種には気をつけましょう!
ガソリン・軽油が現代では個人でも必須というのは仰るとおりです。世間でも京アニ事件を機に気にされだしたようですが、「事件や事故の元になってばっかりだ、個人にガソリンなんか売るな!」とか言う方も居るのですが、世間知らずもいいところで。田舎の景観は、オッサンがガソリン炊いて草刈って保たれているのです。
あの事件のせいなのか、元々ある程度の規制をしたかったところを後押ししただけかわかりませんが、GSで農作業用にガソリンを携行タンクで買う際に署名が必要になってしまいました。
人力や牛に頼る部分は少なくないようですが、トラクターは結構使ってるようですね。農場には共同所有のトラクターがあり、部品や燃料などを農場同士で互いに窃盗しあうようです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20210525-00239551/
なお、トラクターは社会主義国が得意な生産物の一つでして、第二次世界大戦前から盛んに作られています。旧ソ連ではトラクター工場で戦争中は戦車をつくり、戦後はまたトラクターを作っていました。スターリングラードの戦いでは、ドイツ軍がトラクター工場の占領を戦略目標にしています。旧ソ連の戦車とトラクターは共用の部品がわりとあったようで、そのせいかトラクターが、どことなく戦車っぽい外観をしています。
もちろん北朝鮮も自国製のトラクターを生産しています。
http://dprkanalysis.info/news/news_detail_378.html
日本などの先進国のトラクターに比べれば、質量ともにみるべくもないものでしょうが、一応自国産のトラクターもあり、それなりに使用されているという点は留意すべきでしょう。
(記事ではトラクターと共に「農業機械」と書かれてることが多いのですが、農業知識のない私は「農業機械」=トラクターだと解釈していたりします。現実にはきっともっと多くの種類の機械があるのでしょうね)
なるほど、勉強になりました。主要な産業機械は国策=独裁者の「号令」で生産推進しそうですね、納得です。そして貸し借りや共有をせずに盗み合うというのがいかにもあの国って感じです……あ、ウチの周りでもトラクター盗難多いのですが、行き先って……
ちなみに韓国にもトラクターメーカーがあります。安くて壊れます。「やめとけ」という評価しか聞いたことがアリマセン。しかし、日本では00年代前半では韓流ゴリ推しかのように韓国製はスゴイとかいう内容スカスカの提灯記事が踊り、数年前はミャンマーと二国間合意で大口契約されたトラクターが馬力不足だとかで交換を要求され、近年ではそんな"優秀な韓国製"を尻目にナゼカ日本製が韓国へ輸出増してたりしています。
評価の一貫性&客観性の無さやら、不誠実な取引やら、喧伝と実態の乖離やら…建設や兵器でも全く同じ、一事が万事ですね。
韓国トラクターは、そんなに酷いのですか。
旧ソ連製の質実剛健なトラクターの方がまだマシかもしれませんねw
④' コロナがここのところ急激に北朝鮮国内に広まっており、生産活動どころではない
という説を提唱します。
森ゆうこ議員の「北朝鮮にワクチン提供したら」という提案や、文在寅大統領の
「北朝鮮が同意するなら、ワクチン供給の協力を積極的に推進する」という発言が
ここ最近に唐突に出てきたことの辻褄は合います
それは確かに有り得る話ですね。
最近、ラジオプレスは記事アップの頻度が上がっていますね。北朝鮮の状況がそれだけ逼迫してるということかもしれません。
別の記事を読むと、街や村の至るところに死体が転がってるそうです。
これは、20世紀最悪の飢饉であるホロドモールを連想するほどです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB
北朝鮮の問題はさらに大きくなっていますが、陰に陽に支える中国と、どこまでも北朝鮮に媚を売り続ける韓国の現政権という変数が大きすぎて、今後どうなるか全く読めませんね。
元々北朝鮮の農業は素人もいい所の「首領様」の気まぐれで滅茶苦茶な政策を乱発したおかげで基礎が壊滅状態なんですけどね。
>なお、現時点においては、北朝鮮における唐突な物価急騰は、
>本格的な食糧不足を原因としたものというよりはむしろ、
>一種の「パニック的」なものと見る方が正確でしょう。
この状況で私が思いつくシナリオは「突然北朝鮮のエリート裕福層に何等かのショックが襲った」というものです。
例えば「ヤミ市場で米ドルでの食料売買が出来なくなった」とか。
アジアプレス・ネットワークの指標に、北朝鮮米やトウモロコシがありますが、日本から「帰国事業」で帰らされて、日本帰国が叶った人の話では「日本人なら、米は臭くて不味く、トウモロコシは湯がいても硬く、潰さないと食べれない」シロモノだそうです。
それらが台風による品不足か端境期の為か、何十年も同じ言い訳してますが、ハゲ山にするほど木を伐採しまくり、ツメツメに種や苗蒔いて酷使した土壌に、良い作物など出来るはずがありません。
金首領一族と高官のみ日本や欧米産の食糧、嗜好品を貪り、国民の事など何も考えて来なかった支配階級に責任があります。
ガソリン、軽油などは北朝鮮貧民の生活に要らないでしょう。しかし、最近の暴騰ぶりは異常ですね。ボディブローで効いていると思います。しかし、万景峰号が日本に来れないのに、多少でも輸入が成り立っているのは、韓、中、露の工作のお陰でしょう。