北朝鮮で食糧危機?トウモロコシの価格が倍との情報も
北朝鮮というのは、基本的な経済統計をほとんど発表しておらず、信頼に足る情報がなかなか見当たらない、ある意味でベールに包まれた国でもあります。ただ、『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトに掲載された情報によると、トウモロコシの価格がいきなり前回調査比で2倍にも膨れ上がったのだそうです。コロナ禍の最中でも見られなかった物価変動の大きさです。
北朝鮮という「どうしようもない国」
私見ですが、北朝鮮は基本的に、国としての体をなしていません。
国、あるいは社会を成り立たせるためには、人々が安心して生活していけるような「基盤」が必要です。それは単なる鉄道、道路、港湾、建物、ダム、発電所、送電線、電話線、水道などといったインフラ構築物だけではありません。
たとえば、法律を作ったり改正したりする仕組み、法律を守らせる仕組みなども必要ですし、財貨・サービスの流れには通貨も必要です。子供が生まれたら、きちんとした社会の構成員となるよう、教育や医療などのサービスが提供されていなければなりません。
そして、人類というのは、社会のさまざまな面において、学問、技術を発展させ、経済を活発にすることで、人々は発展してきました。当然、大学や各種研究機関、可能ならば民間企業などが、技術、産業のイノベーションを推進していくべきでしょう。
北朝鮮には、こうした社会全般を成り立たせ、円滑に運営していくための、根本的な仕組み自体が欠落しているのではないかと思えてなりません。
そもそも北朝鮮自体、1960年代ごろまでは、韓国をはるかに上回る工業生産力、発電量を誇る豊かな国だったとされていますが、これも著者私見に基づけば、北朝鮮が日本統治時代に整備されたさまざまなインフラにタダ乗りしてきただけのことでしょう。
それらの設備が耐用期限を終え、老朽化しているにも関わらず、ろくに設備投資などがなされていなければ、社会のさまざまなインフラがズタボロになり、社会が行き詰まるのは当然のことではないかと思うのです。
多くの人が知っているとおり、北朝鮮は人民が飢餓や貧困に苦しむなかで、独裁者はブクブク肥え太り、核、生物化学兵器、弾道ミサイルなどの危険な大量破壊兵器を一生懸命にこさえているような国です。
北朝鮮の人民には人権などなく、多くの人が強制収容所などで塗炭の苦しみを味わっているとの話も耳にします。日本が理念として掲げる、「自由、民主主義、法の支配、人権」といった普遍的価値とは、さまざまな意味で「真逆」にいる国が、まさに北朝鮮なのです。
北朝鮮という「興味深い国」
さて、その一方、金融評論家の立場から見た北朝鮮は、非常に「興味深い国」でもあります。
そもそも北朝鮮には物価、マネタリーベース、GDPといった基本的なさまざまな経済統計などが欠如しているようなのですが、その一方で、非常に限定的ながらも北朝鮮の置かれている経済状態を「数字で」見ることができるウェブサイトがあります。
それが、『アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトが運営する、『<北朝鮮>市場最新物価情報』というページです。
このページでは、北朝鮮国内の「協力者」から提供された情報に基づき、「北朝鮮産米」、「トウモロコシ」、「ガソリン」、「軽油」という4つの品目の物価水準に加え、人民元と米ドルの実勢為替水準について調査し、公表してくれています。
このページに記された情報がどこまで正しいのかという議論は、とりあえず脇に置きます。
ここで注目したいのが、ガソリン、軽油に加え、トウモロコシ、コメなどの基本的な食糧品の価格が、6月15日時点の調査で跳ね上がっている、という調査結果です(図表)。
図表 北朝鮮の物価
(【出所】『<北朝鮮>市場最新物価情報』データをもとに著者作成)
これは、なかなか興味深い調査結果です。
『アジアプレス・ネットワーク』によると、6月15日時点の調査地点は3ヵ所で、とくにコメ、トウモロコシに関しては「昨年は穀物価安定のため当局が市場介入していた」が、「今のところ(介入せずに)放置している」、というのです。
北朝鮮で食糧不足が深刻化?
このうち、ガソリン、軽油などの価格が上昇している理由はよくわかりませんが、少なくとも食糧品については、韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に、昨日、こんな記事が出ていました。
金正恩総書記「食糧事情が厳しい…農業が最優先の戦闘課題」労働党中央委で発言
―――2021-06-17 12:27付 ハンギョレ新聞日本語版より
ハンギョレ新聞によれば、北朝鮮の『朝鮮中央通信』が16日、北朝鮮で党大会があり、独裁者である金正恩(きん・しょうおん)が次のように述べた、としています。
「現在、人民の食糧事情が厳しくなっている。農業に力を集中することが切実だ」。
ハンギョレ新聞によると、金正恩は「食糧事情が悪化した理由」として、「昨年の台風被害で穀物生産計画が達成されなかったこと」を挙げた、などとしていますが、このあたりは説明として不自然な気もします。「昨年の台風」の影響で穀物が足りないのであれば、そのことは昨年の時点でわかっていたはずです。
このあたり、「北朝鮮が基本的かつ正確な統計を作成することすら怠っている」、あるいは「北朝鮮政府が食糧不足を予見し得なかった」、「(予見していたのかもしれないが)対処していなかった」、という仮説に信憑性を与えるように思えてなりません。
これについてハンギョレ新聞は、韓国の李仁栄(り・じんえい)統一部長官自身も、北朝鮮の昨年の作況が水害のため「平年より20万~30万トン減った」などとし、食糧・肥料支援の意思を何度も明らかにしているのだそうです。
また、国連食糧農業機関(FAO)も「北朝鮮の今年の食糧不足量が86万トンに達する」などとする見積もりを出しているのだとか。
北朝鮮の現状に注目
北朝鮮は国の体をなしていない反面、厳しい経済制裁を生き延びてきたという意味では、「しぶとい国」でもあります。ただ、武漢コロナ禍の際にも大きく動いていなかったとされる北朝鮮の物価(とりわけ食糧品)の価格が跳ね上がったというのは、近年あまり例にないことでもあります。
その意味では、北朝鮮の現状とその動向については、注意を払う価値はあるかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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>北朝鮮で食糧危機?
元々国際支援、中ロの支援で食い繋いで来た国ですから、慢性食料不足。
数え切れない数の人が、餓死するんだと思います。
それでも立ち上がらない国民は、奴隷根性が身に染みているんだと思います。
森ゆうこ「北朝鮮にワクチンを送れ」は、お里丸出しでしたね。
まぁ世界的に穀物、原油は上昇傾向ですが、制裁でこれらがほとんど輸入できてないはずの北の状況がそれに連動するのも面妖なw
周辺国関係国は一致団結して北朝鮮を援助せよという国際世論を作り上げるための「情報工作」かも知れません(タイミングが怪しい)ので、真実を得るためには集合知で乗り切るほかないでしょう。
その可能性が一番高い様に思われますが、韓国からの人道支援を拒んでいた手前、どういう詭弁を使うか見ものです。
別の視点では、今まで、モノが無かったので価格はあってない様なものだったのが、中国から国連制裁破りの物資が入ってくるようになり需給で価格が決まる余地が出てきただけとも考えられます。
確かに、モノが無ければ、市場メカニズムなど働きようがありませんからね。
ということは、価格高騰は、むしろ北朝鮮にとって喜ぶべきことなのかもしれません。価格を付けられるモノがあるということですから。
なんとなく、末期ソ連のモスクワ市民が「どれほど金を持っていても、店に買いたいものが並んでない。買いたくはないモノさえ並んでない」と嘆いたという話を思い出してしまいました……
そのソ連時代の物不足の話は有名ですが、現実と少々違います。
実際には闇市場があり、そこではそこそこ物が流通してました。但し、値段は数倍です。
値札が安い国営商店には物が全然なく、その店の前の露天商が同じ商品を数倍の値段で販売しているということもありました。
その一方で、パンを買うためにまだ暗いうちから何時間も並ばねばならなかったという話もありますね。あのクソ寒いロシアの、しかも冬場でも朝暗いうちから年金生活者がパンを買うために行列しなければならないというのは論外です。学生の頃、この話を聞いて以来、私は共産主義(正確には、マルクス=レーニン主義)に対して根本的な疑問を持つようになりました。
私は社会主義国家の経済運営を賞賛しているわけではないのですが、恐らく普通の日本人が知らない生な知識を共有したくて、書かせていただいてます。
必要なものを買うのに並ばないといけないのは確かだったんてすが、面白いことに人間、いったん慣れるとそれほど苦痛でもなくなってきます。そもそもロシア人は恐ろしく忍耐強いですしね。
私の記憶では、パンを買うのにそこまで並ぶ必要があったようには思いませんが、パンならパン屋、ミルクならミルク屋と、いちいち別の店に行かないといけない(そしてその度に並ぶ)のが苦痛でした。
まあ、それも慣れると割となんとも思わなくなってきます。
繰り返しますが、私はそれが望ましいとも素晴らしいとも思ってるわけではないです。ただ、西側の国で思われてるより、実感覚はそこまで悲惨でもなかった、ということを伝えたいのです。
西側世界を知らなければ、あの人たちは大して不満にも思わなかったんじゃないでしょうか。
知らざる者は幸いなりき。
なんとなく貼れと言われているような気がしたので…
Pink Floyd: Sheep
https://www.youtube.com/watch?v=3-oJt_5JvV4
更新ありがとうございます。
北朝鮮の食糧不足は、ずっと言われ続けましたが、このレポートでは近年安定していました。私は怪しさも感じてましたが、ここに来てトウモロコシが昨年同時期比2.5倍、北朝鮮産米が1.5倍以上と聞いて、「やっぱりな」と思いました。
今は秋の収穫から次年の秋までの端境期で、最も窮乏する期間です。それに長年の田んぼ、畑の土壌を休ませず、酷使しまくった表れです。普通、1〜2年作物を作った後は休ませて、土壌の回復と整備をしますが、北なんて「速度戦」で、年中使われて土は痩せ、病気になりがちです。
こんなもの、計画経済ではありません。更に年間50万トンを上限に油の提供を受け、人道的配慮から食糧も得ています。しかし、それが人民に行き渡ってない。韓国、中国、露国は内情知ってるでしょう。
それなら、人道的配慮などやめ、食糧、油の提供もストップし、すべて飢餓地獄にする、という提案をします。中国、韓国の瀬取りも徹底監視、山越えも衛星で監視。拉致日本人が数百人居る、他の外国人も抑留されていますが、金体制を潰すには、コレが一番手っ取り早い。
最後の足掻きで委員長は核ボタンを押す手前、燃料を注入し、発射台が上がり始めたら、先にピンポイントでミサイル攻撃する。カネも人の命(北朝鮮人はカウントしない)も失われるが潰すのはコレが一番早く出来ると思います。2022年が狙い目。
北朝鮮は万年食料不足ですよね。
特に昨年は、夏に台風が3つも朝鮮半島を直撃してますからね。
雑談のほうでも書きましたが、食用ウサギの飼育を奨励!というのも今更感満載です。りょうちんさんの御指摘のように、既に金正日のキャッチコピーの一つに「巨大ウサギの飼育」があげられていました。
思うに、北朝鮮の人々が多少でも人間らしく暮らせたのは日韓併合時代を含む前後くらいではないかと。35年+前後、せいぜい約50年程度?
それ以前の500年近い李氏朝鮮時代は、現在の状態と似たかよったかな?状況だったというか。人口はずっと少なかったし、平均寿命も短かったと思います。
なんというか、そのような状況が普通だったという記憶が、そこに住む人々のDNAに刻み込まれているとしか、思えないのです…。
賛同します。
もともと朝鮮半島は花崗岩質の土地のため、農業に適した土地は多くないと聞いています。
ただでさえ貧しいのに、モンゴルの支配(収奪)や、その後の李氏朝鮮の悪政及び明の収奪のため、極貧の環境下に人民はおかれました。つまり日韓併合期を除けば、北朝鮮の人たちは今も昔も同じような生活をしているのだと思います。
これが北朝鮮で反乱(政権打倒)が起きない大きな理由ででしょう。もちろん朝鮮人特有の死を賭しても戦うという根性のなさもあるとは思いますが・・・。
しかし、「座して死を待つ」よりは戦って違う社会を作ろうという、他の民族なら当たり前の根性が、なぜ彼らにはないのでしょうか。
クマさんのパパ様
「朝鮮民主主義人民共和国」こそが、彼らが戦って手にしたこの世の楽園?だからではないでしょうか。
クマさんのパパ 様
戦うことなく逃げ惑った民が行き着き、それ以上逃げることさえできなくなった吹きだまりが、あの半島だからでは?
私はユーラシア大陸の大腸の付け根にある突起=虫垂が朝鮮半島だと思っています。 「小腸から大腸に移動している内容物からさえも爪弾きにされた者の吹き溜まり」と言う事です。
併合により増やしてしまった棲息数が、本来の数に戻りつつあるだけの話です。
南側も近々そうなるでしょう。
イーシャ様
「増やしてしまった棲息数が、本来の数に戻りつつあるだけの話」
論理的にはその通りだとは思うのですが、その過程は相当悲惨。
アフリカとかが例になるのでしょうか。
殺しあっていて、見るに堪えません。
ミャンマーなど、東南アジアも同様かも。
日本がなんとかできるとも思えないし・・・。
成功できなかった新薬開発経験者 様
生命にかかわる話でどこまで踏み込むかは、判断の分かれるところですね。
・【読者投稿】工学研究者の武漢肺炎考
・【読者投稿】ゲーム理論最終回:FOIPの対極・韓国
でも、原文では、こちらのサイトに掲載された以上にはっきり書いている部分があります。
田舎育ちで、逆さに吊した鶏をつぶすところを見たりして育っているので、その辺りの現実は冷徹に見ています。
半島では共喰いも発生するでしょう。
そうなったとき、結局は助けるのか、助けないかの問題になります。
南北朝鮮に関しては、一切助けない。それが私の答えです。
南北とも、中国に併合された後、民族浄化されてしまうのではないかと心配です。
トウモロコシが不作ですか……
努々山博士を招聘すれば良いのではないでしょうか?
コーン王国を作ってハーバーボッシュ法すればいいんですよ!
(Dr.STONE面白かった)
「コーンが食べられないならステーキを食べれば良い」なんて金氏は考えているのではないかな。
現代の支那でも都合が悪いニュースを持って来るメッセンジャーを処罰するなんて事があるのだそうですが、北朝鮮ではどうなんでしょうかね。
ところで、「陸地で栽培するコーンが食べられないなら、海でお魚を獲って来れば良い」は選択肢の一つである筈ですが、なんでも「北朝鮮は沿岸漁業権を支那に売り渡した」と言う報道が数年前にあったからそれもままならないのかな。
近場の好漁場を中国に売ったので、はるざる日本近海に進出して漁をしていると聞きます。
日頃Googleマップ(写真版)をよく見るのですが、
北朝鮮と中国の国境箇所の西側付近。
https://www.google.com/maps/@40.6183725,125.1687392,8239m/data=!3m1!1e3?hl=ja
リンクが上手くつながるかわかりませんが、川の中で北の中国側には生簀か養殖場かの姿が多数確認できるのに、南の北朝鮮側にはほとんど見られない、水産もそんな状況なのでしょう。
大変興味深い衛星写真のリンクを有難う御座いました。
ひょっとして、北朝鮮側では脱北者が続出するのを恐れて国境部での産業活動を制限しているのかも知れませんね。
それ程流れの急でない大河を200メートル程泳げば北朝鮮から脱出できるのなら挑戦する人(失礼!)も出てくるでしょう。
食糧事情としては、トウモロコシ・コメともに手元の現物が種子として作付けされ、収穫された麦類が行き渡るまでの端境期なのかもですね。
*価格の高騰要因は、種子としての需要って可能性も無きにしも非ずなのかな?
朝鮮半島には「春窮」という言葉があります。要するに、晩春の端境期に食糧が底をついて飢えに苦しむということなんですが、北朝鮮の場合、春だけではないことが問題なようです。一年中窮しているのでは、「春窮」という言葉もいずれ死語になるのかもしれません。
# なお、歳時記にもあるようなので、「春窮」という言葉自体は日本にも伝わってますが、
# 日本ではほとんど使われませんね。季語としての用例もごくわずかです。
そうだ、ポリコゲですね。その単語が思い浮かばなくて無駄に時間を費やしてました。
考えてみると、秋の収穫期前に食料が不足するのはどこの国でも同じはずですが、なぜ朝鮮半島だけポリコゲという言葉がよく使われるのですかね。
やはり慢性的に生産不足で食料の蓄積がろくにないからですかね。
↓教えていただいた「春窮」のワードで検索してHITしました。
<北朝鮮内部>6月に入り飢えが一気に深刻化、なぜ? 「栄養失調で出勤不能、山菜食べ死亡も」 金正恩時代で最悪
(アジアプレス・インターナショナル21.06.14)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd59691c220b8f04b842f4943cc839a55ca611cb
>住民の疲弊は危険水位に達しているというのに、当局は、国家保有の食糧を放出するというような具体的な対策を取っていない。
そもそも「国家保有の食糧」自体が存在するのだろうか・・?
カズ様
この記事は既に、だんなさんが雑談スレに投稿されています(6月15日19:49)。
ちかの@老婆心様
もっと頻繁に雑談版にも行かないとですね・・。
m(_ _)m
首領様がお太りですから、これ以上何かする必要も無いと思います。半島は北も南も元栓を閉めて放っておくと自壊に向けて勝手に走りますので、丁寧に無視に限ります。拉致被害者には申し訳ないのですが。
秋の収穫前は最も食糧不足に陥る時期のようですね。朝鮮語でこの時期のことをなんというのだっけ…
今年の食糧不足はやはり、コロナによる国境閉鎖の影響が大きいと言われています。北朝鮮は何十年も農地を酷使しているので化学肥料なしでは収穫があがりません。その化学肥料が国境閉鎖によって輸入できなくなったのが主因のようです。
足りない肥料を補うために必死で人糞を発酵させてるようですが、その原料の人糞を盗難するために他人の家のトイレに侵入する事件も起こっているとどこかで読みました。ラジオプレスだったかな。
もちろん、慢性的に食糧不足というのがありますけどね。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、素人が舞い上がってしまうので)
北朝鮮の食糧事情がひっ迫しているとして、(希望的観測も含めて)その後の動きを予想してみました。
①韓国が北朝鮮に「是非、コメをもらってくれ」と泣いて頼む。
②北朝鮮軍が、ソウルにコメを取りにくる。(きっと、文大統領が歓迎してくれるでしょう)
③アメリカが、北朝鮮への、非核化交渉のための梃に使う。(成功するかは分かりません)
④③のアメリカの動きを、中国がけん制する。
⑤ロシアが、自国の利益を見据えて様子見をする。
駄文にて失礼しました。
チキンサラダ様
>盗難するために他人の家のトイレに侵入する事件も起こっていると ...
食べないので出るものも出ません。
江戸時代、下肥は有力な肥料として商品化されていたそうですが、貧乏長屋の下肥よりも大名屋敷の下肥の方が高値で取引されたそうです。やはり、良い製品を作るためには良い材料が必要であるということで。
1951昭和26年の新宿駅近くに、糞尿の取引場所がありました。伊勢丹からほど近いところに当時は聚楽という食堂・酒場・ナイトクラブなどが入居するビルがあって、その向かいの空き地で糞尿桶を積み上げて売買が行われていました。写真をみると、決裁は野菜で行われている様子です。
百万人の社交場 サロン聚楽
高級洋装店 東京スタイル
明朗喫茶 スタンド(ビール、盛り合わせ、コーヒー、ケーキ、いずれも150円)
糞尿市場
サロン メトロ
みたいな街並みです、
伊勢丹そばに糞尿市場があったなんて、今では想像できませんね!
興味深い情報、ありがとうございます。
面白いですね。本当に食べるものによって、糞の栄養化まで違うんですね。
面白い話ですね。
堆肥はC/N比(炭素/窒素比率)で効果が変わりますが、魚などを頻繁に食せる上流階級の方が窒素割合が上がるということなんでしょうかね?(魚粉堆肥はC/N 約5、鶏糞で約7、牛糞で約16、植物そのものの藁や落葉が50~120あたり)
「お殿様の方が高級!」という単純な発想がたまたま当たったのか、大名屋敷ご謹製の方が窒素放出が多いというのが経験則で見えていたのか。
北の社会環境では、まだまだ重要資源なのですかね。さすがに火薬にはしないでしょうが。
面白いですね。窒素の比率で効果が変わるのですね。本当にお殿様の糞の方が栄養価が高いとは。
きっかけは、「お殿様の方が高級!」という発想だったとしても、やはり何度も実践する中で違いを確認したというのが順当なところでしょうか。
おそらく、経験則として、武家屋敷産のほうが施肥効果が高いことがわかったのだろうと思います。縁起物ならばともかく、この手のモノの価格付けはかなりシビアだったようなので。
石川英輔氏の大江戸シリーズに活写されていますが、江戸時代のリサイクル術はそれはもう感嘆するほどに徹底していました。しかもそれが「エコ」などという御大層な名目からではなく、ビジネスとしてちゃんと回っていました。例えば、蝋燭の流れ買いというのは、融けた蝋燭を買い集め、もう一度蝋燭に仕立てて売るという商売で、これでもとにかく生計が成り立っていたのです。
このところ、エコだ、SDGsだ、カーボンフリーだ、などと世間では喧しいですが、江戸時代の暮らしぶりをもっと参考にすべきでしょう。最新テクノロジーが問題を解決するなどというのは、きっと幻想です。
ご指摘のとおりと思います。
株主第一主義が 近江商人の 三方良しに やっと追いついたか。
なんか北の偉い方が、国民に乳製品を支給するって張り切っているらしい。
主食の穀物も足りないのに、穀物喰わせて乳牛飼うつもりらしい。
永久に報われない国民。
肉にすると、人間が直接穀物を食べる時の3倍の穀物消費になるんでしたっけ。従って国民が肉食するようになると、どこの国でも深刻な食糧危機になるとか。
乳牛の場合も似たようなものですかね。豆乳の方が資源効率良さそうですね。
北朝鮮の農業政策といえば主体農法ですかね。
「食料が足りないなら山を畑にすればええやんけ」という単純な理屈で山林を伐採して開墾していった結果、山の保水力が失われ、ちょっとまとまった雨が降るだけで土砂災害や洪水が多発するようになったていう本末転倒なアレ。
台風の影響以外にも、この農業政策の失敗が食糧事情に影響してたりするのでしょうか?
中国の大躍進政策といい、どうして共産主義国ってのはこうなっちゃうのかな。
科学万能な現代でさえ、土の中って宇宙並に理解されていないのですよね。農業は原始的なせいか、解析が進んでいなくても植物は育ってしまうし、逆に土壌分析をしても生産に失敗するほど複雑な(ひょっとしたら未知の)要素がある。
一般の方で、園芸が趣味という方なら窒素・リン酸・カリウムが三大要素というのは知っているでしょう。次いでマグネシウムやカルシウムなども大事だと知るには少し経験が必要そうです。植物にアルミニウムが必要だとか想像出来る人はほとんど居ないでしょう。
しかしながら、作業者や研究者の少なくない経験則によって無理やり食糧増産しているのが現実に思えます。しかし、共産圏でなくとも指導者達は、農学の知識も無ければ農夫ほどの経験もありませんが、独裁者は強力に口出しできてしまいます。むしろ口出ししまくって権威を積みましていかないと権力が維持できない。
ソ連ではその農学者が「植物が得た”経験”は遺伝する」として、指導者から絶賛され権威を持ち、大失敗に至っても方針転換されず、エライことになったそうですし。大躍進スズメさん大虐殺もさもありなん。逆にドイツでは、ヒトラーのありがてぇ指導をガン無視してアサルトライフルを発明して成功を収めたり。
農民様、
私は農業のド素人なので、大変興味深く読ませて頂いています。
植物にアルミニウムが必要だなんて、全く知りませんでした。
ルイセンコ学説は、いかにも社会主義的ですね。食物にも革命の気合が注入できるというのが社会主義的に好ましいから、その論理は正しいに決まっているとされたんですね。
社会主義は科学的であるはずなのに、現実非科学的なところばかりなのが、皮肉なところです。
結局のところ、農業は理論よりも敬虔がまだまだ優位な分野で、無理に理論だけで行おうとすると大失敗するということですね。
最近増えてきた、企業による工場でのデジタル技術を利用した植物生産なんかは、かなり科学的だと思うのですが、なぜか社会主義国では生まれなかったのも、皮肉ですね。
ルイセンコ学説については、メドヴェージェフの「ルイセンコ学説の興亡 – 個人崇拝と生物学」によくまとまっています。かなり昔に読みましたが、感想を一言でいうと「あ~あ」でした。
ルイセンコ学説が持て囃されたのは、簡単に言えば、スターリンのお墨付きを得ることに成功したからですが、毛沢東の大躍進政策と同様、惨事を齎しただけでした。さすがに独裁者の失敗はスケールが大きいです。
> 社会主義は科学的であるはず
そもそもこれがエンゲルスの謬見で、新しいドグマを産み出したに過ぎなったと考えるべきなんでしょうね、今となっては。
一応、かつて園芸オタクだったので一言。
> 土の中って宇宙並に理解されていないのですよね。
土壌を団粒構造に保つために必須の「腐蝕」の化学構造が、未だに分離不可能のため明らかになっていないのが典型例ですね。
養分としてはケイ素も無視できませんね。例えば米や麦の籾殻にたっぷり含まれています。ただし、一般的な土壌には、ケイ素、アルミニウム、鉄は普通に含まれていますから、わざわざ与える必要は、基本的にはないと思います。(例外はあると思います。)
とまれ、土壌中微生物の働きも含め、余りにも複雑な環境であるため、
> 作業者や研究者の少なくない経験則によって無理やり食糧増産しているのが現実に思えます。
こうなるしかないのが実情ですよね。時々、経験則だけでなく、思い込みを混ぜ込んだトンデモ農学本を見ることがありますが、業界の構造的に、そういう者を排除できないのは仕方がないと思います。
ソ連の統治下、流入河川の淡水を大々的に借用(盗用?)して綿花の増産に努めた結果、それまで漁協が盛んであった内陸の塩湖のアラル海がごく一部の残して干上がってしまったという事例を思い出しました。結局、綿花産業・漁業・内陸海観光事業が全て壊滅して、塩に覆われた砂漠と塩分の極端に高い沼が残ったという塩湖がメンカでエンコしたというシャレにもならない事態になったそうです。
アラル海の悲劇は有名ですね。
一応補足しておくと、アラル海が干上がるのは織り込み済みで灌漑は実行されています。塩害は予測してなかったようですが。
また、大部分が干上がったとはいえ、小アラル海と言われる部分ではある程度水位も回復して漁業も行われています。