米政府にとって高まる日本の存在感
ジョー・バイデン政権の北朝鮮政策の見直しが完了したようです。ホワイトハウスのジェニファー・サキ報道官の発言から判断すると、「CVID」ないし「FFVD」などの表現が引き継がれるのかについてはよくわかりませんが、大所として、「朝鮮半島の非核化」という最終目標は堅持されるとともに、「行動対行動」、「段階的非核化」、「政策的忍耐」などを「過去の失敗」と位置付けたことは間違いなさそうです。
目次
非核化の方法
「北朝鮮政策の継続」を求める文在寅氏
ジョー・バイデン政権が発足したのは今年1月20日のことですが、それ以来、バイデン政権は外交政策などの見直し作業を進めています。
こうしたなか、先日の『文在寅氏「米国は北朝鮮と対話を」=米紙インタビュー』では、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が米紙ニューヨークタイムズのインタビューに応じ、バイデン政権にドナルド・J・トランプ前政権代のような「トップダウンアプローチ」を求めた、などとする話題を取り上げました。
【参考】『文在寅氏「米国は北朝鮮と対話を」=米紙インタビュー』
いちおう、該当するニューヨークタイムズの記事のリンクについても示しておきますので、もし興味があればご一読ください(ただし、もし読むならば自己責任でどうぞ。「時間を無駄にした」という苦情については受け付けませんのであしからずご了承ください)。
After Trump ‘Failed,’ South Korean Leader Hopes Biden Can Salvage Nuclear Deal
―――2021/04/21付 ニューヨークタイムズより【2021/04/23更新版】
ざっと要点を振り返っておくと、次のような主張です。
- 米国は気候変動などの諸懸案で中国との協力を深めるべきだ。米中対立が激化すれば、北朝鮮はその状況を利用するからだ
- バイデン政権はトランプ政権時代の2018年6月の米朝共同宣言の精神を引き継ぎ、引き続き北朝鮮との対話路線を継続すべきだ
- 米朝両国は非核化を段階的かつ漸次的に進めなければならず、そのためには両国が相互に信頼できるロードマップを作るべきだ
…。
段階的核放棄、あるいは「行動対行動」
端的に言えば、「てんでお話にならない」というレベルの代物です。とりわけ、「段階的かつ漸次的」という記述には、強い違和感を抱きます。
ただ、この「段階的かつ漸次的」、「ロードマップ」などの表現を巡って、何がどうおかしいかについては、少し補足説明が必要でしょう。
一般に「北朝鮮の段階的核放棄」とは、「いきなり北朝鮮が核兵器を全廃するのではなく、まずは核放棄までの道筋を立て、相互に信頼を醸成したうえで、北朝鮮が核放棄のプロセスを歩むのに応じて、段階的に制裁を解除すべきだ」、とする主張です。
一見すると、合理的に見えますが、じつはこの考え方には大きな落とし穴があります。
現実に、過去に何回も何回も、何回も何回も、日本、米国、そして国際社会が、北朝鮮による「段階的核放棄論」に騙されて来たからです。
たとえば、北朝鮮がときどき、ごく一部の核関連施設を派手に爆破するなどし、「これで核開発はできなくなった」とうそぶくという猿芝居を演じますが(※)、実際には北朝鮮は核施設、ミサイル開発拠点などを、しっかり温存しているのです。
(※さすがに「猿芝居」は言い過ぎかもしれません。北朝鮮政府を猿に例えたことに関しては、猿に対して深くお詫び申し上げます。)
たとえば、2008年6月には寧辺(ねいへん)の原子炉を、2018年5月には豊渓里(ほうけいり)の核実験場を派手に爆破して見せるというパフォーマンスを実施し、しかも外国メディアの関係者にそれを見せつけたりしています。
このあたりの事実関係については、韓国の「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)に昨年6月に掲載された、次の記事あたりが参考になるでしょう。
寧辺、豊渓里、そして開城で…北朝鮮は節目の度に「爆破政治」
―――2020-06-18 08:03付 ハンギョレ新聞日本語版より
(※余談ですが、ハンギョレ新聞はこうしたパフォーマンスを「重要な節目ごとに『実践の意志』を示すための方策」などと評しているのですが、もし本気でそう思っているのならば、正直、「おめでたい発想」だとしか言いようがありません。)
北朝鮮は安倍晋三を騙すことはできなかった
そして、過去にはこの手の「爆破」を含めたパフォーマンスを国際社会に見せつけるなどして、国際社会が制裁を部分解除したのを見届けたうえで、しっかりと核・ミサイル開発を継続する、ということを繰り返してきたのです。
その結果が、経済は世界最貧国レベルであるはずの北朝鮮に、核弾頭や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを自力で開発するのを許してきたという現在の状況なのでしょう。
安倍晋三総理大臣が「北朝鮮に対しては外交的に話し合うという手法は効果がない」、「国際社会が一致団結して圧力を加えなければならない」と繰り返し述べてきたのも、こうした苦い経験を踏まえたものなのです。
(※なお、安倍総理の2017年9月17日付・ニューヨークタイムズへの寄稿記事については、外務省ウェブサイトの下記リンクで確認することができます。)
ニューヨーク・タイムズ紙(米国)への安倍総理大臣寄稿「北朝鮮からの脅威に連帯を」
―――2017年9月17日付 外務省HPより
ちなみに、この「段階的核放棄」論がアプローチとして完全に誤っている間接的な証拠をもうひとつ紹介しておきましょう。これを強く唱えている日本国内の政党が、日本共産党だからです。
日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』に2018年6月20日付で掲載されたのが、次の記事です。
「行動対行動」が原則/朝鮮半島非核化 井上氏が指摘
―――2018年6月20日付 しんぶん赤旗より
これによると、日本共産党の井上哲士参議院議員が2018年6月19日の参院外交防衛委員会で河野外相らに対し、「『行動対行動』を通じて信頼醸成を図り、朝鮮半島の非核化と平和体制構築のプロセスを前に進める」ことを要求したそうです。
この「行動対行動」とは、まさに北朝鮮が主張する「段階的核放棄論」をそのまま繰り返したものでもあります。
当ウェブサイトでは、「日本のためにならないことを主張する」という点では、日本共産党の行動はむしろ一貫していると考えており、日本共産党が北朝鮮と実質的に同じ主張をしている時点で、段階的核放棄論の本質が露呈している間接的な証拠、というわけです。
トランプ政権下で「対話路線」?
以上を踏まえたうえで、文在寅氏の主張の論点に話を戻しましょう。
先ほど紹介した文在寅氏のインタビュー記事では、文在寅氏はバイデン氏に対し「トランプ政権が敷いた、対話を通じて北朝鮮非核化を達成するという路線を変更すべきではない」、といった主張をしているのですが、ここには大きな違和感があります。
そもそも『国連安保理決議第2375号』(2017年9月11日)や『国連安保理決議第2397号』(2017年12月22日)はトランプ政権時代に米国が賛同したものですし、また、べつにトランプ政権下で北朝鮮制裁を緩和しようとする動きが具体化したことはないからです。
それどころか、米国は一貫して、CVIDないしFFVD(※)方式の非核化を推進していました。
※CVIDとは核兵器等の「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)、FFVDとは「最終的かつ完全に検証された非核化」(Final, Fully Verified Denuclearisation)のこと。
もちろん、CVIDとFFVDという用語の違いについては諸説あるのですが、当ウェブサイトとしては、いずれも実質的に「段階的非核化を許さない」という点では一致しているものと理解しています。安倍総理が提唱した「国際社会の圧力による非核化」、と言い換えても良いでしょう。
おそらく安倍政権時代の官邸は、当時の菅義偉官房長官あたりが中心となり、「国際原子力機関(IAEA)による核査察を北朝鮮が受け入れ、また、北朝鮮が抱えている核技術者らを第三国に移送するなどして、北朝鮮から完全に核開発能力を奪う」、といったところまで詰めていたのではないでしょうか。
バイデン政権でも非核化方針は継続へ
バイデン政権下での北朝鮮政策、レビュー完了
こうしたなか、米国時間の4月30日には、こんな話題がありました。
Press Gaggle by Press Secretary Jen Psaki Aboard Air Force One En Route Philadelphia, PA
―――2021/04/30付 ホワイトハウスHPより
これは、ホワイトハウスのジェニファー・サキ(Jen Psaki)報道官がフィラデルフィアに向かう大統領専用機「エアフォース・ワン」で会見に応じた、というものですが、記者から「バイデン政権の北朝鮮政策の見直しは終了したか」と問われ、サキ報道官はこれについて概要を説明しました。
Q Has the administration finished the North Korea policy review? And if so, what approach will they be taking?
PSAKI: Sure. I can confirm that we’ve completed our DPRK policy review, which was thorough, rigorous, and inclusive. We consulted closely with outside experts and our predecessors from several previous administrations, and our way forward draws from their lessons learned and shared.
サキ氏の発言を意訳すると、次のとおりです。
「バイデン政権としての北朝鮮政策の徹底的、厳格、包括的な見直しが完了した。我々は外部専門家や以前のいくつかの政権の担当者らとも協議し、その教訓を踏まえて今後の見通しを描いた」
「以前のいくつかの政権(several previous administrations)」とありますので、トランプ、オバマ、ブッシュ、クリントン政権が含まれるのでしょう。サキ氏の発言は次のように続きます。
“Our goal remains the complete denu- — denuclearization of the Korean Peninsula. With a clear understanding that the efforts of the past four administrations have not achieved this objective, our policy will not focus on achieving a grand bargain, nor will it rely on strategic patience. “
ここは、非常に興味深いポイントです。
サキ氏は「引き続き、我々の最終目標は、『朝鮮半島の非核化』だ」と断言したうえで、次のように述べているからです。
「過去4代の政権では『朝鮮半島の非核化』という目標を達成することができなかった。そのことを明確に踏まえるなら、我々の政策の焦点は大幅な譲歩ないし戦略的忍耐にはない」。
この発言、まさに2017年の安倍総理の主張をそのまま繰り返したものです。
大幅な譲歩や戦略的忍耐が北朝鮮に対して通用しなかったというのは当然すぎる話です。なにせ、北朝鮮も韓国と同じく「インチキ外交」を好む国なのですから。
日韓両国などとの連携
ちなみに、サキ氏の発言は、こうも続きます。
“Our policy calls for a calibrated, practical approach that is open to and will explore diplomacy with the DPRK, and to make practical progress that increases the security of the United States, our allies, and deployed forces. “
ここでいう “calibrated, practical approach” 、すなわち「調整され、実用的なアプローチ」とは、おそらく、サキ氏が示した「朝鮮半島の非核化」という最終目標を踏み外さない限りにおいて、北朝鮮との外交を続ける、という意味でしょう。これも、前政権時代から大して変わっていません。
“We have and will continue to consult with the Republic of Korea, Japan, and other allies and partners at every step along the way.”
「米国は韓国、日本、その他の同盟国、パートナーと、あらゆる段階で協議を続ける」。
これも、トランプ政権時代の米国の姿勢から何も逸脱するものではありません。
もっとも、そもそも論として韓国が「連携すべき相手」として適切なのかどうかについては議論すべきことがらではありますが、少なくとも現段階で米国の政権としてこれを否定できるものではないのでしょう。
菅義偉総理との協議に言明
では、いったいなぜ、バイデン政権はトランプ政権の方針をほぼ引き継いだのでしょうか。
これについて判断するうえで興味深いのが、次のような質問と、それに対するサキ氏の回答です。
“When was the President briefed on the final review? And has he been speaking with allies since they’ve completed it?”
質問自体は「最終的なレビューが大統領に報告されたのはいつの時点か」、「それ以降、バイデン大統領は同盟国とそれについて何か議論を行ったか」、というものですが、これに対するサキ氏の回答が次のとおりです。
“Well, we’ve been in close touch with allies and partners through the process of the review. And obviously, when he spoke — when he met with Prime Minister Suga, just la- — two week — was it two weeks ago? — two weeks ago, they discussed there and we’ve discussed at every level as we’ve been conducting this review.”
なんと、サキ氏は、菅義偉総理大臣の名前を出してきたのです。しかも、「日本の総理大臣(Japanese Prime Minister)」などではなく、何の断りもなく、いきなり固有名詞で「菅総理(Prime Minister Suga)」、というわけです。
個人的には、これには素直に驚いてしまいました。
ひと昔前だと、日本の首相が訪米していたとして、それが米国で報じられることはめったにありませんでしたし、「日本の首相は誰?」と聞かれても、多くのメディア関係者は誰も気にも留めていなかったフシがあるからです。
それはさておき、サキ氏は「菅総理が2週間前にやってきたときに、そのレビューについてすでに話し合った」、「このレビューを導き出すに際し、彼ら(=日本政府)とも話し合った」とハッキリ明言した、というわけです。
次の記述などは、バイデン政権の政策レビューに日本政府の意向が強く反映されたことを、強く裏付けています。
“Their input and also the approaches we’ve taken in the past have all played a role in this effort. Since — I don’t have — I’m not going to have any details on when the President was r- — was briefed, but it’s been an ongoing discussion.”
つまり、「現時点で継続中のディスカッションについては詳細の説明は控える」としつつも、北朝鮮政策の見直しには、過去の政権担当者の意見に加え、日本政府などの知見も反映されている、というのがサキ氏の説明から判明するのです。
菅義偉総理の訪米目的
さて、ここで思い出しておきたいのが、当ウェブサイトで何度となく触れてきた、「北朝鮮(や韓国)が好むインチキ外交」です。
【参考】北朝鮮や韓国が大好きな「5つのインチキ外交」
- ①ウソツキ外交…あることないこと織り交ぜて相手国を揺さぶる外交
- ②告げ口外交…国際社会に対してロビー活動を行い、相手国を貶める外交
- ③瀬戸際外交…協定・条約の破棄、ミサイル発射、資産売却などの不法行為をチラつかせる外交
- ④コウモリ外交…主要国間でどっちつかずの態度を取り、それぞれの国に良い顔をする外交
- ⑤食い逃げ外交…先に権利だけ行使して義務を果たさない外交、あるいはドロボー外交
これらのうち、とくに「ウソツキ」については、大変に重要な事実です。
ひと昔前、「北朝鮮(や韓国)はウソツキ国家だ」、などと主張しようものなら、各方面から攻撃を喰らっていたものです。しかし、いまや「韓国は国を挙げてウソをつく」、「北朝鮮は国を挙げてウソをつく」と公然と述べても、名誉棄損には該当しません。
れっきとした事実だからです。
たとえば、北朝鮮は日本人拉致事件について、折に触れて「解決済み」とウソをつきます。
日本人拉致問題「すべて解決」 加藤官房長官発言を非難―北朝鮮メディア
―――2020年12月23日18時04分付 時事通信より
また、韓国の場合、2018年12月の火器管制レーダー照射事件などで、それこそ国を挙げ、全力で見え透いたウソをつきとおしました(『ウソツキ国家の真骨頂「日本の違反事例こそ徹底調査すべき」』等参照)。
基本的なところでウソをつく国は、信頼できません。
そして、当ウェブサイトの独自の見方ですが、こうした韓国や北朝鮮のウソツキ外交を、最も間近に眺めてきた人物のひとりこそ、「宰相・安倍晋三」を7年8ヵ月にわたり支えた、菅義偉総理その人ではないかと思うのです。
菅総理がコロナ禍のなか、「スーツの着こなしが下手」だ、「バイデン大統領との晩餐会も実施されない」だのと批判されながらも訪米した理由のひとつは、おそらく、菅総理自身がバイデン大統領やカマラ・ハリス副大統領と会い、北朝鮮との向き合い方を指南するためだったのではないでしょうか。
(もちろん、訪米目的はそれだけではなかったと思いますが。)
日韓首脳と非核化
万景峰号の入港を止めた、北朝鮮の「宿敵」
さて、ここだけ、ちょっとした余談です。
北朝鮮といえば、どうしても安倍総理を思い出す人が多いのは間違いありません。
ただ、じつは菅総理も、北朝鮮とは浅からぬ因縁を持っています。
少し古い話題ですが、『プレジデントオンライン』に今から7年前、こんな記事が掲載されていました。
菅 義偉・官房長官の叩き上げ人生録【2】
―――2014年4月14日付 プレジデントオンラインより
これは作家・評論家の塩田潮氏が執筆した記事ですが、これによると、安倍・菅両総理が出会ったキッカケが、まさに日本人拉致問題だったのです。
記事をもとにすると、安倍・菅両総理の交流が始まったのは、2002年、安倍総理が小泉純一郎元首相のもとで官房副長官を務めていた際、当時は政務官だった菅総理が北朝鮮の貨物船「万景峰(まんけいほう)号」の入港を禁止する法律を作るべきと主張したことにあったのだそうです。
「安倍との交流は、その4年前の02年、安倍が小泉内閣の官房副長官のときからだ。きっかけは北朝鮮の貨客船『万景峰号』の入港禁止問題だった。不審船の入港を止める法律がなかったため、菅は自民党の総務会で『自立した国は少なくとも入港を止める法律をつくるべきだ』と強く主張した。」
世間では菅義偉総理を「外交経験がない」、「海外と関わりが少ない」などと酷評する向きもありましたが、実際、拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』でも説明した「特定船舶入港禁止法」の成立に、菅総理が尽力していた、というわけです。
少し乱暴な言い方をするならば、安倍政権も、菅政権も、ある意味では北朝鮮が作ったようなものだといえるのかもしれませんね。
韓国大統領の訪米が決まったが…
さて、米国の北朝鮮政策の見直しが完了したと前後して、現地時間の木曜日には、こんな発表もありました。
Statement by White House Spokesperson Jen Psaki on the Visit of President Moon Jae-in of the Republic of Korea
President Biden looks forward to welcoming Republic of Korea President Moon Jae-in to the White House on May 21, 2021. President Moon’s visit will highlight the ironclad alliance between the United States and the Republic of Korea, and the broad and deep ties between our governments, people, and economies. President Biden looks forward to working with President Moon to further strengthen our alliance and expand our close cooperation.
―――2021/04/29付 ホワイトハウスHPより
バイデン大統領が2021年5月21日、ホワイトハウスで文在寅大統領を迎えて首脳会談を実施する、というものです。
発表文に出てくる “ironclad” 云々のくだりを意訳すると、「米韓が鉄壁の同盟であり、広くて深い関係にあることを確認する」、といったニュアンスでしょうか。おそらくまともに国際外交を観察している人のあいだで、この発表文をそのまま鵜呑みに信じる人は皆無でしょう。
朝鮮日報あたりは例の「ワクチンスワップ」に言及しているようですが(下記記事参照)、もちろん、サキ氏の発表の原文に、そんな文言はありません。
今月21日に韓米首脳会談、ワクチン・スワップも議題に
―――2021/05/01 08:21付 朝鮮日報日本語版より
というよりも、「ワクチンスワップ」は国務省のネッド・プライス報道官が21日時点ですでに否定していた(『ワクチンスワップ構想巡り米国務省「まずは米国優先」』等参照)はずなのですが…。
米国の同盟国として、米国から守っておいてもらいながら、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」に頑なにコミットせず、あろうことか中国と合同で海上パトロールをし始める(『韓国は中国と結託し始めた:「日米韓」はむしろ危険だ』等参照)…。
ワクチンについて議論する前に、そもそも米国が韓国に対して「言いたいこと」はいくらでもあるような気がしてなりません。
むしろ個人的には、韓国が北朝鮮と同様のウソツキ国家であることを米国政府がいつ認識するのか(あるいはしないのか)については、引き続き、重要な注目点のひとつだと感じている次第です。
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>President Moon’s visit will highlight the ironclad alliance between the United States and the Republic of Korea
Ironclad alliance とはこりゃ脅し文句ですな。
「ムン⋅ジェインさん、お分かりとは思いますが、そういう事なんで」ってね。彼がどう思ってるかは知りませんが。
今月21日行われる予定の米韓首脳会談で、双方の思惑の第一の議題が違い過ぎると思います。つまり水面下での事前交渉が、上手くすり合わせが出来ていない。
米国は対中姿勢の鮮明化、言わばFOIPに乗るのか赤組に行くのかの踏み絵を韓国に求める。韓国はワクチンの配分をねだるツートラックと「米国は北朝鮮と対話せよ」であり、北朝鮮の核の段階的処理を米国に請願する。
文在寅大統領は米朝仲介の役割を再び担うつもりです。むしろメッセンジャーですがね(笑)。周回遅れもいいとこです。
サキ報道官は「引き続き、我々の最終目標は、『朝鮮半島の非核化』だ」と断言。「米国の政策は大幅な譲歩ないし戦略的忍耐にはない」です。やる前から時間の無駄なような会談に見えて来ました。
大幅な譲歩や戦略的忍耐が北朝鮮に対して通用しなかったのは、誰が見ても一目瞭然。なにせ、どうせ文も会談では肝心な部分はウヤムヤにして、時間稼ぎをするだけ。米国は韓国には「米国と中国、どちらを選ぶんだ」「日韓関係の改善をせよ」と恫喝するで丁度いいぐらいです。
これだけの時間と工作しても大した結果が得られないなら、米国バイデン政権に韓国には駐留米軍だけ残して、合同演習や情報共有は、しなくて良いのでは無いでしょうか。
米政権による北朝鮮非核化方針の踏襲を確認でき、安心しました。
「菅総理」と、名指しの言及も頼もしく思います。
米、北朝鮮非核化に向け「現実的な」外交模索へ 大型取引目指さず(ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-northkorea-review-idJPKBN2CH2LR
>金正恩朝鮮労働党委員長との「グランドバーゲン(大型取引)」は求めていないと明らかにした。
>バイデン政権の政策の焦点は「グランドバーゲンの達成でも、戦略的な忍耐でもない」とし、北朝鮮との外交への門戸を開き、模索するための「適切に調整された現実的なアプローチ」を取り、米国と同盟国の安全保障を高める「現実的な進展」を目指すと述べた。
*『現実的な進展』とは、「不毛な取引に寄らず、こちらの都合での封じ込めを進める」って解釈でいいのでしょうか?(段階的緩和なんかではないですよね・・。
もはや 文大統領と青瓦台は 完全にCCPの支配下に入ったと思う。韓国の主張より、むしろ CCPの思惑こそが 時間稼ぎ。なんとか 人口オーナス前に覇権(武力、経済、金融、外交)を取りたい。新宿会計士さんの「北朝鮮や韓国が大好きな『5つのインチキ外交』」は CCPの戦略とも合致していると思える。
バイデン政権が、朝鮮半島についてトランプ政権から引き継ぎとその検証が、ほぼ完了したというのを以前書きました。
日米で協議した結果が、アメリカの対北朝鮮政策になったのも想定通りです。
韓国にとって「日米が協議した対北朝鮮政策」の存在は、許されない大問題の筈ですが、韓国政府の反応はまだ有りません。この理由は、事実と認める事が、政権に対してマイナスな為か、米韓首脳会談でアメリカに教えて変える自信が有るのか、まだ反応を考え中なのか、分かりません。
予想されるのは、G7での日米韓外相会談で、韓国が日米の結論を説明されるであろう事です。
韓国外交部長官は、千枚舌でトランプ-金正恩の米韓首脳会談を実現した張本人ですので、噛み合わない議論になるでしょう。そこで日米は、方針変更をせずに日米韓外相会談の合意が、見られないところまでは決まりだと思います。
米韓首脳会談でも、北朝鮮政策について議論されるでしょうが、同じながれになるでしょう。
アメリカが、左派政権の継続を好まないのであれば「ワクチンスワップ」に応じる事は有りませんので、文在寅大統領の支持率が、また下がる事になると思います。
身から出たサビとはいえ、どうするんですかね。
是非派手にやって貰いたいと思います。
千枚舌なら針千本呑んでも大丈夫ニダ。
約束、取引、交渉などは 双方が話し合いを通じて物事を解決する意志があって初めて成立します。
朝鮮人との交渉は、その上で全て無意味です。
朝鮮人は自分の希望欲望しかなく、それを達成するためには幾ら嘘をついても恥と思わない文化があるからです。
朝鮮人の取引は、自分が1出して相手に10出さすもので、決して自分は10出しません。相手が10出した時点でその取引を無かった事にします。
いわゆる食い逃げですね。
そのために相手の10をより低く、自分の1をより高く見せて、あくまで取引出来ると思わせます。
故に朝鮮人との取引は、まず殴り相手が10出さざるを得ない状況を作ってからでないとこちらから10を出してはいけないのです。
で、今の状況ですがアメリカの締め付けは効いてますが、朝鮮人の貧困に対する抵抗力が高いので効いて無い様に見えるだけです。
おそらく、北の住民の半数が餓死したり、凍死しても反乱は起こりません。
それをもって、制裁が効いてないと考えるのは間違いです。
こちらとは感覚が違うのです。
半島全体を制裁対象にすると、効果がわかりやすくなるかも知れませんが。
sey g様
「1対10の取引」、
「アメリカの締め付けは効いてますが、朝鮮人の貧困に対する抵抗力が高いので効いて無い様に見えるだけ」ーー仰る通りです。
見栄えの良いモノ、格好は人一倍気にしますが1年間エサ無くとも、死に絶えないゴキと同類です。
お約束ですので、型どおりの反応を。
「ゴキブリさんに謝れ!」
それはさておき、海の砂漠化と言われる「磯焼け」が世界的に進行しているそうです。海底に海藻が生えなくなり、魚や貝などの漁業資源がいなくなり、漁業関係者が大弱り、という事態です。そんな状態の海で、僅かに生えてくる海藻をガンガゼというウニの一種が食べ尽くし、磯焼けの回復を邪魔していると言うことで、日本全国の海でガンガゼ駆除が行われています。
僅かな餌でも生き残り、個体数が増えるので、忍耐強い駆除が必要だとか。
https://www.youtube.com/watch?v=u8OCWfcxWKs
見かけのドゲは立派でも、中身はスカスカ、不味くて食えず、やたらに増える…
先に謝っておきます。ガンガゼさん、ごめんなさい。
いつもお世話になっております。
阿野煮鱒様
磯焼けになる原因は多くありますが、地上からの栄養分の枯渇が
一番大きいように見られます。 特に下水道処理による栄養分の
枯渇とされております。 アラスカやロシアでサーモンが多く
獲れるのは、下水道等が少なく地上の栄養分がそのまま海に流れる
事によるものだと思っております。 尚、日本では海に栄養を与え
ようとして、宮城県松島で山林保護をしております。
又、ガンガゼの増殖は栄養分枯渇による海の砂漠化で、他に食べる
ものが無いから被害が大きく見えるだけであり、駆除というより
海への栄養分増加が第一の対策だと思います。 但し、現状では海藻
の量よりガンガゼの方が多いので、ガンガゼを陸上に引き上げキャベツ
ウニとして養殖した方がよろしいかと思います。 ガンダゼは他のウニ
と同じ食用だし、キャベツ以外の野菜でも養殖可能だと思います。
ガンガゼは「食えないことはないが不味い」です。また、トゲが長くて有毒なので、実を剥くのに他のウニより手間が掛かるのに、相対的に不味いので値が付きません。商業ベースには乗りにくいウニです。
ムラサキウニのキャベツ飼育は話題にはなりましたが、野菜が餌では海藻ほどには美味しくならないことも判っています。自治体や漁協は、そのことを隠したいのでしょう、正直に報道するマスコミはほとんどありません。味を追求するなら、キャベツでたっぷり太らせた後、出荷前だけ海藻を食わせる等の対策が必要になると思います。
栄養分の枯渇については、私には知識がありませんので、お説を信じます。
陸の森林を復活させて海洋資源も復活させる、
の手法は70年前に襟裳で実証済みですね。
襟裳砂漠を松林に変えて日高昆布を復活させたアレです。
50年に渡って植林事業を継続した地元漁民の皆様に脱帽です。
めがねのおやじ様
世界には色んな人が、住んでます。
彼等が自分と同じ価値観、法則で動くと思っていたのが過去の日本の間違いです。
彼等を知る為に、身近にあるもので例えるのはかれらの習性を知らしめるのにいいかも知れませんね。
北朝鮮が外交で核兵器を放棄することはほぼ100%ないでしょう。米国の主敵は支那ですから第二次朝鮮戦争もない。北朝鮮を占領しても米国に何の利益もないからです。アフガニスタンから撤退するのに北朝鮮と戦争をすることは考えられません。
しかしイランの革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したように、空爆やミサイル攻撃、要人暗殺といった行動はあり得ますし、それ以外に北朝鮮が核兵器を放棄することはあり得ません。
米国の主敵は支那ですから、北朝鮮を米国陣営に寝返らせて支那の喉元に刺さった骨にする。北京のすぐ側に核兵器を持つ100万の陸軍の敵対する軍事国家があると強く圧迫されます。荒唐無稽かと思われるかもしれませんが、米国はソ連を潰すために支那共産党と手を組んだ「先例」があります。
その際に拉致問題を「解決」したことにさせられ、北朝鮮の寝返りの見返りに日本が巨額の「賠償」を支払わされるシナリオを怖れます。安倍晋三も菅義偉も「日朝平壌宣言」を破棄していないのですから。
朝日新聞の本日の朝刊一面にこのニュースがありますが、「北朝鮮に対価を与えながら、段階的に非核化を目指す形に転換すると見られる」などと書いてますね。複数の米政府関係者によると「段階的アプローチに転換」で北朝鮮に対価を与える手法になる可能性が高いらしいです。
北朝鮮は、国連制裁決議の破棄が最低限の合意点。
アメリカは、それを否定していますの。
対価と釣り合うものがありませんので、朝日新聞の妄想でしょう。
メディアの「見られる」「見方が出ている」「批判が出そうだ」は禁止してほしいですね。もっと違和感があるのは韓国メディアの「評価される」。誰にだよ!
素直に「編集部では思っている」「記者は妄想している」「野党の皆さんよろしく」と書けば良い。
韓国は米国大統領との会談にしてもG7にしてもそうですが、会談をすると都合が悪い話が出るだろうに呼ばれたがりますね。
サキ報道官の発言は、北朝鮮の件について運転席に座っているといまだに信じ5月21日に訪米する文大統領に対して、①この問題について先ず日本の首相と相談した、②非核化については段階的なやり方を取らないことを継続する、とのメッセージだと思います。
①は韓国にとっては屈辱的な筈で「お主、このままだと梯子を外されかけているぞよ」
②では、アメリカ政府の方針をよく踏まえた上で21日の会談に臨め。いったい何を話し合うつもりなのか。
と文大統領に伝えているのだと思います。アメリカにとって韓国の唯一の存在意義は北朝鮮にあります。このアメリカからのメッセージに応えられる腹案を持ってこなければ、イアンフやワクチンスワップなどのいつもアメリカを苛立たせるお願い話だけでお茶を濁すしかできないなら、延期もあり得るという脅しに聞こえました。
文大統領にあっては、転んで足を怪我しないようお祈り申し上げます。