中国が主導する国際開発銀行であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)が「鳴かず飛ばず」であることは、『AIIBの融資実績額が「コロナ特需」で急増するも…』などを含め、当ウェブサイトで過去に何度か触れてきました。ただ、行き詰まりを見せているのはAIIBだけではありません。なんだか正体不詳の「一帯一路」なる構想も迷走しているようで、とりわけ中・東欧17ヵ国を中心に「失望が広がっている」、「会議体がゾンビ化している」などとする記事を発見しました。
目次
一帯一路構想
調べれば調べるほどわからなくなる「一帯一路」
最近、中国が掲げる世界的な戦略のなかで、とくに有名なもののひとつが、「一帯一路」です。ただ、それと同時に、調べれば調べるほど、「いったい何を目指しているのか」がよくわからない、非常に抽象的な概念でもあります。
この「一帯一路」、英語の “the Belt and Road Initiative” を略して、英米圏では「BRI」などと略されることもあるほど人口に膾炙しているのですが、その実態について詳しく知っているという人は意外と少ないのではないでしょうか。
なぜなら、中国自身もこれについて、ちゃんと定義しているわけでも、明確なロードマップを示しているわけでもないからです。
いちおう、一帯一路について包括的に記載されていると思しきものが、中国国務院の英語版ウェブサイトに2015年3月30日付で掲載されている次の記事です。
Full text: Action plan on the Belt and Road Initiative
―――2015/03/30 19:31付 中国国務院ウェブサイト英語版より
これによると、この「一帯一路」は「道路・港湾等の交通インフラを整える」というよりは、どちらかといえば一種の広域経済圏のような構想であることがわかります。
具体的には、一帯一路の主眼は習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席のイニシアティブに基づく、中央アジアや東南アジア諸国などを包含した「シルクロード経済圏」の建設にある、ということです。リンク先記事にあるこんな一文が、その証拠でしょう。
「一帯一路の建設を加速することは、一帯一路に沿った国々の経済的繁栄と地域経済協力を促進し、異なる文明間の交流と相互学習を強化し、世界の平和と発展を促進するのに役立ちます。それは世界中の人々に利益をもたらす素晴らしい事業です」(※著者訳)。
なんだか、よくわかりませんね。
おおきく「陸上」と「海上」の2ルート
「実際に中国がやっているのは世界の平和と発展とは真逆のことではないか」、というツッコミを入れたい気持ちは山々ですが、ここでは議論を先に進めます。この一帯一路構想を地図で確認すると、興味深いことがわかります(図表1)。
図表1 「新シルクロードと21世紀の海上シルクロード」
(【出所】中国国務院報道局英語版ウェブサイト “How the world will benefit from China’s Belt and Road?” )
上記でわかるとおり、「一帯一路」とは、陸路(シルクロード)、海路(海上シルクロード)により、中国から中央アジア・東南アジアなどを回遊し、欧州、アフリカなどを連結するというものです。
ただ、冷静に見解を述べさせていただくならば、海上ルートについては、何も中国に依存する必要はありません。すでに「地中海-スエズ運河-インド洋-マラッカ海峡-南シナ海-東シナ海-日本」というラインは、中国が経済発展し始める1990年代より遥か以前から確立しているからです。
海上交通ではなく陸上交通には確かにメリットもある
しかし、一帯一路の特徴は、どちらかというと「海」ではなく「陸」にあります。
なぜなら、東アジアと欧州が陸路(鉄道や道路など)で直結されれば、それはそれで効率的な輸送手段として機能し得るからです。これを物理的な距離で考えてみましょう。
たとえば、日本の神戸から欧州のロッテルダムまでは、直線距離だと9250キロメートルほどですが、海路だとマラッカ海峡やスエズ運河などを経由するため、最短ルートを通ったとしても2万キロメートル以上航行する必要があります。
これに対し、たとえば上海あたりとロッテルダムが陸上の最短距離で結ばれたとすれば、距離数は1万キロ以下で済みます。先ほどの一帯一路の地図にある西安を起点とすれば、ロッテルダムまでの所要距離数はさらに短く、直線距離で8000キロ少々で済みます。
この違いは、非常に大きいです。
というのも、日本・中国などのアジア諸国と欧州諸国の貨物は、現状、海上輸送に依存しているのですが、船便だと非常に時間がかかります。ルートにもよりますが、実際に船会社のウェブサイトなどで調べてみると、コンテナ船でだいたい30~60日程度の時間が必要とされます。
その理由は、コンテナ船の速度が時速約50キロ前後と遅いことだけでなく、上述のとおり、ユーラシア大陸を大きく迂回する必要があるからです(多くの場合は途中でシンガポールなどに寄港するため、さらに時間を要します)。
これに対し、たとえば上海からロッテルダムまでを直線で結ぶ、新幹線なみに高規格な貨物鉄道を建設することができれば、理屈の上では物流速度が飛躍的に向上します。仮に1万キロの行程を時速200キロでノンストップで走ったとしたら、50時間で走破できます。
あるいは、現在JR東海が東京・名古屋間で建設を進めているリニア新幹線のように、最高500キロで走れる夢の交通機関を整備すれば、物流速度をさらに上げることができます。海上輸送と比べて、時間を100分の1にまで圧縮することができるかもしれない、というわけですね。
戦略的一貫性に乏しい
なぜかロシアを迂回する不思議
ただ、そのような妄想を抱いたうえで、先ほどの地図をしげしげと眺めると、不自然な点がひとつ見つかります。先ほど紹介した「新シルクロード」なる地図を読むと、陸上の「新シルクロード」が、なぜかロシアをほとんど通っていないのです。
ここで把握しておくべきは、「地球は丸い」、という事実です。
上海からロッテルダムまでの直線の最短距離は、地図上で言えば上海から左斜め上を通り、北京の南西部をかすめ、モスクワの北部を通る、というルートです(図表2の赤線。ただし、このルートだと途中でバルト海に出てしまいますので、現実にはエストニアあたりから南下する必要があります)。
図表2 「地球は丸い」という事実を踏まえた場合の最短距離(赤線)
(【出所】中国国務院報道局英語版ウェブサイト “How the world will benefit from China’s Belt and Road?” を著者が加工)
これに対し、中国が意図している「新シルクロード」のルートは、アルマトイやテヘラン、イスタンブールなどを経由するため、どうしても「最短距離」には見えません。また、このルートの終着点がどうも東欧にあるというのも気になる点です。
というよりも、中国政府のさまざまなウェブサイトを調べた限りでは、ほかにも複数のルートが提示されている地図もあるようなのですが、不思議なことに、その具体的な手段(道路なのか、鉄道なのか、等)について詳しく触れられている記述はあまりみつかりません。
あるいは、探し方が悪いためでしょうか、中国政府のウェブサイトをひっくり返してみても、「いつまでにどの区間にいかなる交通手段を建設するのか」という具体的目標が示されたページがあまりありません。出てくるものといえば、地図と各都市の役割、中国のお偉いさんのインタビュー記事ばかり。
なんだか、この一帯一路自体、本気で実現させるつもりがあるのかが気になるところです。
中国の「17+1」構想が「ゾンビ化」=ディプロマット
こうしたなか、アジア太平洋の外交・安全保障問題専門のオンライン誌『ディプロマット』(THE DIPLOMAT)に先週、非常に気になる記事が掲載されていました。
How China’s 17+1 Became a Zombie Mechanism
―――2021/02/10付 THE DIPLOMATより
タイトルを意訳すると、「中・東欧17ヵ国と中国との連携が有名無実化した」、といったところでしょうか。それにしても「ゾンビ化」とはなかなか過激なタイトルです。リンク先記事自体は英文としてはさほど難しくなく、また、1600文字弱の文章であるため、英語が得意な方であれば直接読めると思います。
著者自身の文責において、記載内容を要約すると、次のようなものです。
「中・東欧諸国17ヵ国は欧州における中国からの「玄関口」となるはずだったが、現実にはその構想は実現せず、それどころか「頭痛のタネ」となっている」。
なかなか、興味深そうな記事ですね。
著者欄には「Andreea Brînză」とありますが、ルーマニアの方だそうです。正確にどう発音するのかはよくわかりませんが、本稿ではとりあえず「アンドレア・ブレンゼ」氏と呼称したいと思います。
ブレンゼ氏によれば、この「17+1」メカニズムとは、2012年に中・東欧諸国(CCE)16ヵ国と中国が合意したメカニズムのことで、のちにギリシャを加えて欧州側が17ヵ国となったものの、発足から10年近くが経過するにも関わらず、現実にプロジェクトは動いていない、とするものです。
その証拠に、これらの17ヵ国のほぼすべてが、華為(フアウェイ)の5Gネットワークのアクセスを対象とした米国との覚書などに参加したほどだ、ということです。
そのうえで、ブレンゼ氏は非常に重要なことを指摘します。
“It is very hard to define the 17+1 mechanism, just as it is hard to define the BRI.”
このくだりで、思わず苦笑してしまいました。
先ほど述べたとおり、「BRI」は一帯一路のことですが、「一帯一路と同様、17+1構想は定義することが非常に困難」、「中国はその目的を明確に説明したことがない」、などと一刀両断しているのです。要するに、理念だけで中身がスッカラカンだ、ということですね。
(※ちなみにこのBRI自体に「明確な定義がない」という点については、同じ著者の方が2018年3月20日付で寄稿した “Redefining the Belt and Road Initiative” という記事に詳しく触れられていて、それはそれで非常に面白いのですが、本稿では割愛します。)
なぜ「ゾンビ」なのか?
ちなみにこの「16+1」ないし「17+1」に参加する国々は、ギリシャを除くと、多くの場合は旧共産圏であり、また、発足当初はこれらの国々の間で、「老朽化したインフラを中国の資金で刷新してもらえる」といった期待もあふれていたようです。
ところが、ブレンゼ氏の論考によると、この「16+1」ないし「17+1」構想の参加国の間では、こうした期待が失望に変わっているのだとか。
具体的なインフラプロジェクトが動くわけでもなく、なんだかよくわからない人材交換プログラムなどでお茶を濁されているからであり、事実上、この枠組み自体が有名無実化しているからなのだそうです。これをブレンゼ氏は「ゾンビ化」と呼んだのでしょう。
これに関するブレンゼ氏の指摘は辛辣です。
「中国では収益性の低下したゾンビ企業を低利融資や国の補助金によって存続させているように、『17+1』のようなメカニズムを外交的ゾンビシステムとして存続させている。共産主義中国の政治文化では間違いを認めないため、失敗したプロジェクトの放棄を受け入れないからだ」。
といっても、この「17+1」メカニズムが完全に失敗に終わったわけではなく、ギリシャの「プレウス港プロジェクト」(日経新聞の下記記事参照)のように、なまじっか中途半端に成功したプロジェクトも混じっているだけに、撤退することができずに中途半端な状態に陥ってしまっている、というわけです。
中国、ギリシャ最大港に720億円 一帯一路で攻勢
―――2019年11月13日 18:09付 日本経済新聞電子版より
ブレンゼ氏によると、現在のCCE諸国では、プロジェクトの延期や未履行が相次いでおり、このことが中国に対する失望に変化しているのだそうです。
本質的な問題点とは?
では、このブレンゼ氏の指摘は、実際のところ、どうなのでしょうか?
「17+1」メカニズムを巡って、産経ニュースに先日、こんな記事が出ていました。
中国と中東欧17カ国首脳会議 5カ国は首脳欠席
―――2021.2.11 11:03付 産経ニュースより
記事タイトルでも何となくわかりますが、今月9日にオンラインで実施された「17+1」会議では、「欧州側の少なくとも5ヵ国の首脳が参加を見送った」のだそうです。具体的には、バルト3国とルーマニア、ブルガリアが、首脳ではなく閣僚級が参加したとしています。
しかも、バルト3国のうちのリトアニアについては、参加したスコディス運輸・通信相が声明で、「対中協力では欧州連合(EU)の枠組みを重視する方針を中国側に伝えた」と発表したのだそうです。なんだか、習近平氏のメンツも形無しですね。
(ちなみにディプロマット誌のブレンゼ氏の論考によると、首脳が参加しなかった国はこの5ヵ国とスロベニアだったのだそうです。)
中国のインフラ外交
AIIBは「鳴かず飛ばず」
ついでに、『AIIBの融資実績額が「コロナ特需」で急増するも…』などを含め、当ウェブサイトでもときどき言及している金融機関である「AIIB」についても触れておきましょう。
これは、中国が主導する国際開発銀行である「アジアインフラ投資銀行」のことで、AIIBのウェブサイト上、「AIIBは一帯一路を実現するためだけの金融機関である」、などと大々的に謳われているわけではありません。
しかし、一帯一路構想の国務院決定が2015年3月であること、AIIBが発足したのが同年12月であることなど、一帯一路パンフレットにAIIBが登場することなどを踏まえると、中国がAIIBを設立した狙いのひとつが、この一帯一路構想のファイナンスにあったことは間違いありません。
ただ、現実にAIIBがかき集めている1000億ドルという資金が一帯一路構想そのものに向かっているのかといえば、そのような事実はありません。
先日より報告しているとおり、AIIBの融資自体、世界銀行や日米が主導するアジア開発銀行(ADB)との協調融資案件が非常に多く、また、昨今は「コロナ特需」で融資が伸びているとはいえ、肝心の「長距離輸送インフラ」に向かっていると思しきものは、あまり見かけません。
というよりも、AIIBの融資には戦略的な一貫性がありません。
たとえば、先ほどの図表にもあった「西安からアルマトイを経てテヘラン、イスタンブールに向かう」というルートに関連し、それだけ長距離の鉄道建設案件がAIIBの融資リストに挙がってきているのかといえば、そのようなものは存在しません。
それに、そもそもAIIBの出資総額は1000億ドル弱、日本円にして10兆円少々ですが、2020年9月末時点において実行されている融資総額は100億ドルにも満たない額であり、しかもそれはコロナショックで増えたに過ぎません。
つまり、「一帯一路」、「AIIB」はともに、どうも当初の報道の華々しい理念とはかけ離れているのではないかと疑わざるを得ないのです。
もしかして、中国は外交下手?
さて、ディプロマット誌自身が中国に対して非常に批判的なメディアであるという可能性には注意が必要かもしれませんが、ただ、AIIBの財務諸表を定点観測している当ウェブサイトとしては、5年前に華々しく打ち上げた「インフラ外交」が行き詰まっていることを、財務面から把握していました。
現実に、「一帯一路」構想の「欧州側のゲートウェイ」であるはずのCCE17ヵ国においても、ピレウス港などの事例を除けば、中国が大々的に資金を出してインフラを改善しようとしているという話は聞きません。
それどころか、先ほど挙げたブレンゼ氏の論考では、ルーマニア政府が計画していたチェルナヴォダ原発の建設案件で、中国広核集団(CGN)を排除するなど、これらの国々では中国企業をインフラプロジェクトから排除する動きも見られるそうです。
その理由についてブレンゼ氏は、次のように述べます。
“Chinese companies tend to appeal the decision and thus delay the implementation of the projects.”
要するに、中国企業では一度合意した内容に異議を唱え、プロジェクトの進展を遅らせるようなことが「よくある」、というのです。ブレンゼ氏自身がルーマニア人であることを思い起こすならば、おそらくルーマニアの原発事業で中国企業が排除されるようなことがあったのでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、以前から個人的に感じていた疑問がひとつあります。
それは、「果たして中国という国は、外交上手なのだろうか?」という点です。
もちろん、中国を見くびるべきではないことは間違いないのですが、それと同時に、AIIBについても、自国通貨である人民元の国際化についても、うまくいっているとは言い難いのが実情です。
ちなみに『国際的な債券市場と人民元:2015年を境に成長停止』でも説明したとおり、人民元の国際化は2015年以来、事実上ストップしている状態にあります。オフショア債券市場、国際決済市場などの統計データを見ても、人民元国際化の動きが明らかに停滞しているからです。
また、『「時流を読み誤りAIIBに乗り遅れた日本」の末路』でも述べましたが、AIIB自体、アジアにおける国際インフラ金融の世界で豊富なノウハウを持つ日本が参加していません。
これについては、天下り先を確保するのが大好きな財務省あたりがいずれゴーサインを出すのかと思っていたのですが、現在に至るまで、「日本がAIIBに出資すると決めた」とする報道は見当たらないのです。
(※もっとも、『金融庁よ、AIIBにゼロ%リスク・ウェイトを適用するな!』でも指摘したとおり、金融庁はAIIBに対し「標準的手法採用行」に対するゼロ%リスクウェイトの適用を決めてしまいました。だからこそ金融庁は「霞が関の三流官庁」なのだと思いますが、この論点は本稿では割愛します。)
いずれにせよ、華々しくぶち上げた「一帯一路」構想が行き詰まりを見せる一方で、遅れてきた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想が韓国を除く西側諸国で広範に受け入れられているのも、もしかすると、「じつは中国は外交が下手な国ではないか」という仮説を裏付けるのかもしれません。
このあたり、じっくり研究する価値がありそうです。
View Comments (34)
会計士さま、みなさま
今回の図解はたいへん勉強になるすばらしいものでした。地図好きのはにわには10分見つめ続けても飽きない内容です。
この図解に当方ならもう一本陸路の点線を将来構想として付け加えるべきでないかと提言いたします。それは「印欧海陸路」とも呼ぶべきもので、経路は天竺国ボンベイから海路でイラン・パキスタン国境のすぐ西側へ、そこからアフガニスタンを経由して最終的に東欧を目指すというものです。
余り知られていない事実ですが、インド国軍はアフガニスタン治安支援に派兵しています。その理由は何かを想起すれば、中パの背後を衝く経路を確保することも視野のうちを思えてならないのです。
「イイね機能」があったら押したいです。
中・東欧諸国が中国に失望した背景には、チェコの存在が大きいと思います。
チェコは、中欧で最も歴史ある大学「カレル大学」を首都プラハに誇る、文化の香り漂う国です。
そのチェコが、台湾との関係を結ぶ口火を切ったのです。
チェコ上院議長、台湾訪問へ 中国の脅迫をよそに (AFP BB News 2020年6月10日 1:57)
「台湾訪問団の団長を務める予定だったものの、心臓発作で死去した故ヤロスラフ・クベラ(Jaroslav Kubera)元上院議長の訪問プランを踏襲するという。」
ヤロスラフ・クベラ上院議長の死については、
・中国当局のプレッシャーが影響した
・中国当局による暗殺
といった話も流れていました。
これに先立ち、プラハが、姉妹都市関係を北京とは解消し台北と結んでいました。
背景には、チェコスロバキア時代のプラハの春の経験があるのかもしれません。
いずれにせよ、チェコに対する中国の露骨な圧力が中・東欧諸国の結束を強め、更には EU 全体がチェコを支持する流れを作ったと感じています。
>背景には、チェコスロバキア時代のプラハの春の経験があるのかもしれません。
それとナチスに脅されて亡国となった経験も。中共とナチスはだぶるのでしょう。
イーシャ様
チェコを尊敬します
複雑な歴史背景、EUの存在があるに
しても、大国にケンカを売るなんて
なかなか小さな国が出来る事では
ないですよね
そして、世界最強レベルの美しい女性
うん、素晴らしい国だ
H さま
>そして、世界最強レベルの美しい女性
うん、素晴らしい国だ
タナカ珈琲さんのセリフかと思いましたら、Hさんでしたか。
老害 様
チェコ美人限定で話をするのは、H 様と私くらいです。
タナカ珈琲様はもっと守備範囲が広い。
そうそう、タナカ珈琲様むけの話題をば。
BS12 で「新・白蛇伝」という番組を放送しています。
白娘役の女優さん、美人ですよ〜。
アルファベット+数字のグループアイドルは趣味じゃないのですが、中国の上澄みはレベルが高いです。
イーシャ さま
>チェコ美人限定で話をするのは、H 様と私くらいです。
これは失礼しました。
>タナカ珈琲様はもっと守備範囲が広い。
そうでした、広すぎるぐらいでした。
>白娘役の女優さん、美人ですよ〜。
反応がないところを見ると、C国・K国は除外されているのですかね。
老害様
イーシャ様
コメントありがとうございます
タナカ珈琲様はああ見えて
かなりストライクゾーンが狭い
のかもしれません
イーシャ さま
不意に
ヴァーツラフ・ノイマンを思い出しました。
たか 様
中共は臓器売買までしているようですからね。
H 様
経済的には小国でも、歴史の浅い中共と違って古い歴史と文化を誇る国ですからね。
老害 様
私はスメタナやカフカを思い出します。
最短距離を確認するには、地球儀が手元にあるといいですね。
以前、イグアスへの行き方で、サンパウロまでは米国西海岸経由でもヨーロッパ経由でもあまり変わらないと書いたことがありますが、これはサンパウロが地球上で日本のほぼ真裏にあり、どちらを経由しても大圏コースだからです。
イーシャ 様
GoogleMapで2点間の距離測定を行うと最短経路を示してくれますよ。
農家の三男坊 様
情報ありがとうございます。
私は古い人間なので、地球儀をクルクル回しながら直感的に位置関係を確かめる方が向いているのです。
更新ありがとうございます♪
CCE17カ国は東欧諸国、最初は「共産圏の中国だし、AIIBにも顔を売っとくか」という思惑もあったでしょう。しかし何にも具体的行動や指針が出ない。
日本人から考えれば、以前から「絶対怪しい」「何か裏がある」と思うのですが、彼らはそこまで深読みしないのでしょうね。大中国様には付いておいた方が良い(笑)。
あの当時「中国ほど腹が黒い奴はおりまへんで〜」と言っても、聞く耳持たないでしょう、アンタラも(笑)。実績が100億ドル足らず、AIIBの出資総額は1000億ドル弱、日本円にして10兆円少々とは、やや淋しい。
これでシルクロード高速鉄道なんて、無理です。まさしく夢物語。コレに本気で乗って来る国はあるのか?鉄道はね、大陸間弾道を目指すモノではありません。長距離は飛行機。距離にして30〜800kmが鉄道の受け持つ範囲です。良くて1,200km。時間にして5時間超えたらシンドイです。12時間超えたら生鮮もフレッシュさが無くなります。
AIIBはコロナ禍という「絶好期」でもチャンス掴めません。外交下手だろ(笑)。
中華世界観では我々の言う“外交”とは違う“外交”がデフォルトなのかもシレマセンヨ
そのうえで「一帯一路」も“フワッとした”概念以上のナニモノデモナイ、とか?
>陸上の「新シルクロード」が、なぜかロシアをほとんど通っていないのです。
モンゴル帝国は、現ロシアの地域のほとんどを版図に収めていなかったからだと思います。
ちなみに、モスクワはモンゴル帝国内でしたが、きちんと収められています。
BRI発案に至った中国の思惑を推測すると、
1. 東アジアとヨーロッパとを繋ぐ陸路(高速鉄道 or 高規格道路)は、建設・維持コストを度外視すれば、それなりの経済的効果はある。
2. 中国としては、シベリア鉄道に依存する形にはしたくない。そこで、中央アジア諸国を通すルートであれば、自国がコントロールできる部分が大きくなるので、より望ましい。さらに、中央アジアルートの流通量が増大すれば、沿線各国が経済的にも潤うので、各国政府に恩を売れるのみならず、ちっとも成果がでない「西部大開発」の進展にも波及することが見込まれる。
3. 建設に当たっては、中国から資材と労働力を供給する。中国国内での「産能過剰」問題を一挙に解決し、さらに「盲流」や「黒孩子」を吸収させるのに好都合である。その後、維持・管理を中国企業が請け負えば、大量の人員を送り込むことができ、諜報活動の拠点とすることができる上に、駐在国への政治的・経済的影響力を増大させ、最終的には属国化することも視野に入れられる。
おそらく、BRIの思惑はこんな感じだったのだろうと思いますが、まずは「建設・維持コストを度外視すれば」のところで引っ掛かり、さらには関係各国に3の意図を見抜かれ、挫折しつつあるという感じでしょうか。BRIが純粋に経済的な思惑だけで発案されているなどとは誰も思わないでしょうし、中国としてもある程度は安全保障に絡めて負担する心積もりはあったでしょうが、さすがに全部を負担するだけの力はなく、元々それほど資金力があるとは思えない中央アジア~東欧各国では負担する能力がないという点もあるかと思います。結局のところ、資金の裏打ちをすることができなかったということなのかもしれません。
この問題を何とかするために、「人民元の国際化」と「AIIB設立」が目論まれたのでしょうが、どちらもうまくいってません。確かに、沿線各国をドル経済圏やルーブル経済圏から完全に切り離して人民元経済圏に取り込めれば、中国人民銀行が無制限に供給する人民元だけでなんとかなったのでしょうが、そんなにうまくいくはずもなく、AIIBも本物の資金量と融資ノウハウを持つ日米が参加しなかった時点で失敗がほぼ確定したと言えると思います。西欧諸国は「利権に一枚噛んでおく」以上の意図はなく、それ以外の参加国は皆資金を借りたがる国ばかりであり、拠出元になんかなるつもりは最初からありません。中国一国で支えられるのであれば、最初からAIIBなんてものを作る必要はなかったのです。
BRIに構想や計画の具体性が無いというのは、ある意味で当然のことだと思います。そもそもが他人(特に日米)のふんどしで1-3の思惑を実現しようという、あまりにもムシが良すぎる構想だったからです。仮に日本が参加していたとしたら、莫大な資金を拠出させられた上に、具体的なプロジェクトの作成から推進まで押し付けられたことでしょう。まあ、一切の実権を持たない副総裁というポストくらいは貰えたでしょうが、何も意味はありません。
習近平氏がいつまで今のポストに座っていられるか分かりませんが、彼が退いた暁にはBRIは瓦解するでしょう。その際に、AIIBの後始末をどうするのか、後継者は頭を悩ますだろうと思います。
参考になるかどうかわかりませんが、百度百科(wiki中国版のようなサイト)の「一帯一路」解説ページに掲載されていた世界地図はこちらです。
都市名等が全て中国語ですが、上から順に見ると次の通りです。
①中国-モンゴル-ロシア経済ベルト
北京-ウランバートル/ウラジオストック/ブラゴヴェシチェンスクからイルクーツク-モスクワ(莫斯科)を結ぶ黄色の線
②ユーラシアランドブリッジ
上海付近-西安-ウルムチ(烏魯木斉)を結ぶ黄色の線
③新ユーラシアランドブリッジ
ウルムチ(英语烏魯木斉)からモスクワ(莫斯科)を通ってロッテルダムをつなぐ黄色の線
④中国-中央アジア-西アジア経済ベルト
ウルムチ(烏魯木斉)-中国-中央アジア-西亜洲経済ベルト、ウルムチ(烏魯木斉)-アルマトイ(阿拉木図)-タシケント(塔什干)-イスタンブール(伊斯坦布爾)
⑤中国-パキスタン経済ベルト
アルマトイ(阿拉木図)の左下にあるオッシュ(奥什)-(ニューデリー/新徳里)-グワダル(瓜達爾)
⑥中国-中南半島経済ベルト
南寧-ハノイ(河内)-バンコク(曼谷)-クアラルンプール(吉隆坡)-シンガポール(新加坡)
南寧-ハノイ(河内)-昆明-ビエンチャン(万象)-シンガポール(新加坡)
⑦バングラデシュ-中国-インド-ミャンマー経済ベルト
昆明-ビエンチャン(万象)-バンコク(曼谷)
昆明-ビエンチャン(万象)-マンダレー(曼徳勒)-ダッカ(達卡)-コルカタ(加爾各答)-バンガロール(班加羅爾)
https://baike.baidu.com/pic/%E4%B8%80%E5%B8%A6%E4%B8%80%E8%B7%AF/13132427/1/ac345982b2b7d0a23b371e94c1ef76094b369a38?fr=newalbum#aid=1&pic=ac345982b2b7d0a23b371e94c1ef76094b369a38
倫敦とか巴里・曼谷は知ってましたが、ハノイ(河内)やビエンチャン(万象)はじめあらゆる都市が漢字になってしまうのですね。おもしろーい、と関係ないところに反応してしまいました。
ベトナムで菊水丸か!
…スミマセン、空目でした
一帯一路はEU、アメリカ、ASEANにまだ取り込まれていない中央アジア、東欧の国々を取り込み中国を中心とする経済圏を打ち立てる構想だと思ってました。
しかし経済圏を作って囲い込むためには自国通貨の”元”が国際通貨となっていない弱点があり、これをカバーすべくAIIBを設立したのに、参加国の産業を育成するという結構ノウハウと時間が必要な政策をとることができず、金の切れ目が縁の切れ目ということでしょうか。
実際に中国が海外インフラ建設の支援と称してやったことと言えば、大量の資材と中国人労働者を送り込み建設に従事させることでした。地元経済の活性化につながらない上に借金だけが残り、借金が返せねばインフラを借金のかたに取られてしまうのでは警戒されるのが当たり前です。
人民元の国際化の停滞と聞くと、デジタル人民元のことを考えてしまいます。
ドル基軸通貨体制を人民元に変えるための奥の手だ、という論説が多く見られますが、私にはどうもしっくりきません。
人民元がデジタルになろうがなるまいが、発行元中国の信用度に依存するだろうと思うからです。使い勝手の良さでドルを凌駕しようとするなら、ドルも同じものを用意すればよいわけで。
デジタル人民元についての、信頼ある専門家による評価分析とかあると、とても読みたいと思う今日このごろです・・・