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台湾半導体の日本進出で、さらに深まる「日台連合」

あくまでも個人的な見解ですが、日本の半導体産業といえば、民主党政権と白川方明体制下の日銀、そして日本の経営者らに潰されたと考えています。とくに今から9年前のエルピーダメモリの倒産は、悔やんでも悔やみきれないものでもあります。こうしたなか、久しぶりに「朗報」があります。台湾のTSMCが日本のつくば市に研究拠点を開設する、というのです。これは半導体産業に留まらず、日本にとって歓迎すべき話かもしれません。(なお、本稿は改題しております。)

日本の半導体産業を潰した張本人が中国企業へ

産業のコメといえば、半導体でしょう。

そして、半導体といえば、かつては日本のメーカーが優位を保っていた製品でもあります。

しかし、非常に残念なことに、現在、半導体市場における日本メーカーの存在感はほとんどありません。個人的には、その転機は2012年2月にエルピーダメモリが会社更生法の適用を申請して倒産したことではなかったかと思います。

「なぜエルピーダメモリが経営破綻したのか」を巡っては、個人的には強い思い入れもあるのですが、当ウェブサイトでは、(マスメディア各社やNHK、公営企業などを例外として)基本的には「個別企業の経営分析」にはツッコまないポリシーを取っています。

したがって、これについて詳細を述べることは避け、ここではいくつかの状況証拠を指摘しておくに留めます。

まず、マクロ面では、当時の日本は民主党政権・白川方明日銀総裁体制下にあり、金融・財政両面において緊縮基調が維持されることで、円高が放置されていました。一般に円高は日本の輸出産業にネガティブな影響を与えます。

また、2011年10月には野田佳彦首相(当時)が日韓通貨スワップの規模を700億ドルに拡大した直後でした。当ウェブサイトとしては、この日韓通貨スワップこそが、韓国が自国通貨安誘導を行うための安全弁だったと考えています。

さらに、当時の坂本幸雄社長は、現在は中国の半導体大手・紫光集団の日本法人のトップを務めていますが、その経緯の詳細については、ジャーナリストの有森隆氏がビジネスジャーナルに寄稿した『“国産”エルピーダメモリを倒産させた坂本幸雄元社長、中国半導体大手の副総裁に就任』に記載されています。

いずれにせよ、事実だけを述べるのであれば、「日の丸半導体」であったはずのエルピーダメモリは2012年2月に経営破綻し、現在、世界の半導体売上高のトップシェアは米国、次いで韓国、台湾、中国などが存在感を示しており、日本のシェアはかつてと比べて非常に低下しているというのが実情でしょう。

ちなみに “statistia” のデータによると、2019年における半導体供給は、国別では米国が47%でトップであり、韓国が19%、日本が10%、欧州連合(EU)が10%、台湾が6%、中国が5%なのだそうです。

半導体の世界で「日台連合」が成立か

さて、その「産業のコメ」である半導体を巡っては、昨日、ちょっと良いニュースがありました。半導体生産で「世界最大手」の台湾積体電路製造(TSMC)が9日、茨城県つくば市に本格的な開発拠点を設立すると発表したのです。

ここでは、日経電子版や時事通信などの記事を紹介しておきましょう。

TSMCがつくば市に拠点、半導体開発で日本勢にも恩恵

―――2021年2月9日 21:54付 日本経済新聞電子版より

台湾TSMC、つくばに子会社 日本で初の半導体開発拠点

―――2021年02月09日20時51分付 時事通信より

このうち時事通信は、台湾発の情報として、TSMCが9日の取締役会で、半導体技術開発子会社を茨城県つくば市に設立することを決定したとし、資本金は最大186億円、日本に進出するのは初めて、などと報じています。

また、日経の方の記事でも、TSMCが素材や製造装置で強みを持つ日本勢との連携を目的として日本に進出することについて、「日本の半導体関連産業にとっても最先端の製造技術を持つTSMC進出のメリットは大きい」と評価しています。

まったくそのとおりでしょう。

半導体はもはや、わが国の主力輸出品目ではなくなってしまいましたが、それでも以前の『貿易統計①輸出品目は「モノを作るためのモノ」に特化』でも指摘したとおり、日本企業は依然として、半導体製造装置などの生産装置、化学製品・原料別製品などの中間素材に強みを持っています。

いわば、半導体産業などにおいてもキーデバイスを握っている格好です。

そして、いったんは半導体市場を失った日本にとって、台湾の半導体メーカーが研究拠点を作ってくれることは、非常に良い話でもあります。日本が引き続き、半導体関連の生産装置や中間素材の分野で強みを発揮し続けるための良いきっかけとなり得るからです。

なぜTSMCは方針変換したのか?

こうしたなか、先ほど挙げた日経電子版の記事には、こんな記述もあります。

これまでTSMCは、最先端の工場や開発拠点はすべて台湾にとどめていた。技術流出を防ぐためだ」。

そんなTSMCは昨年5月、2024年の量産を目指し、海外初となる先端工場を米アリゾナ州に建設しました。今回の日本拠点はその第2弾、というわけです。

では、TSMCが方針を変換したのは、いったいどういう事情でしょうか。

日経電子版は、「背景に2つの思惑がある」と述べます。

ひとつはTSMC側の、技術競争への危機感です。回路の微細化の限界が指摘されるなか、ディスコ、東京精密という日本の2社が独占する「積層化」と呼ばれる技術、イビデンや新光電気工業が世界を牽引するパッケージング技術などに注目が集まっているそうです。

その一方、もうひとつの思惑とは、国内の半導体製造基盤が失われることへの危機感を募らせていた経済産業省のそれです。日経によると、今回のTSMCの誘致も経産省が主導したものであり、「基金などを通じて研究開発を支援する見通し」としています。

朝鮮日報「反中連合の先鋒に」

日経は「TSCMの日本の開発拠点が軌道に乗り、日台のサプライチェーンの結びつきが強まれば、将来的には製造工程の中核である前工程分野での連携期待も高まりそう」などとしていますが、その一方で、今回の連携を「反中連合」と見るメディアもあるようです。

それが、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に今朝掲載された、次の記事でしょう。

台湾TSMC、日本と組み反中連合の先鋒に

―――2021/02/10 08:45付 朝鮮日報日本語版より

(※なお、朝鮮日報の記事は掲載されてから数日経過すると読めなくなるようですので、原文を確認される場合は早めにお願いします。)

朝鮮日報は今回のTSMCの日本進出を、「中国の半導体崛起」の芽を摘む米日両国の戦略」としつつ、TSMCが「米日両国による全面的な支援を受け、サムスン電子を抑え、急成長するファウンドリー市場で独走体制を固める機会を得た」と評しています。

(※どうでも良いのですが、日本人向けと思われるわざわざ日本語版の記事で、わざわざ「日米」ではなく「米日」と書くというのも、いかにも韓国メディアらしいところですね。)

朝鮮日報は、半導体業界において、「TSMCを筆頭に米日台連合がさらに強固になると見ている」としていて、とくにTSMCが米国の華為(ファーウェイ)制裁に協力したことで、対中輸出が72%も急減したと指摘しています。

これに対し、中国も手をこまねいているわけではなく、今年はファウンドリー最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)に投資するなど、支援を拡大している状況なのだとか。

どっちつかずの態度を取ってきた自業自得

こうしたなか、朝鮮日報の記述には、さらに興味深い部分が含まれています。

それは、サムスン電子が中国・西安に、SKハイニックスが中国の無錫・重慶に、それぞれ半導体工場を持っている、という記述です。いわば、韓国企業にとっては日米台連合に着くか、中国に着くか、判断が難しい状況に追い込まれている、というわけです。

日米台連合が強固になれば、サムスン電子はTSMCとの競争でも急速に不利な立場に追い込まれ、中国企業に人材と技術を奪われるかもしれない、というわけですね。

ただし、これについては、国を挙げて米国、中国の間でどっちつかずの態度を取り続けてきた韓国の自業自得、という気がしてなりません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

こうしたなか、『貿易統計③日本の貿易上、台湾と韓国の地位は逆転へ?』でも指摘したとおり、日本の貿易統計上、韓国との貿易高が占めるシェアは低下し、そのかわりに台湾が占めるシェアが高まっているというのも、面白い傾向といえるかもしれません。

日本が今後、連携を深めていく相手は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という考え方を頑なに受け入れようとしない韓国ではなく、むしろ法律や約束をよく守る台湾ではないか、という点については、改めて指摘しておく価値があると思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (47)

  • 台湾=親日国家(敢えて国家と申し上げます)、TSMC=台湾企業という見方に疑義を申し立てておきます。

    その根拠の多くを深田萌絵という胡散臭い女性に負っていることには忸怩たるものがありますが、TSMCのみならず、nVIDIA, AMD, Qualcommなどの名だたるIPメイカーの首脳が中国系移民に支配されている事実は認識して頂きたいと思います。TSMCからHUAWEIに千人超の「引き抜き」という名目の人材移転が行われていることも無視できません。
    https://www.youtube.com/c/FukadaMoeTV/search?query=TSMC

    この度のTSMCのつくば市進出が、いかなる思惑に基づくかは不明ですが、もしかしたら日本に残るIPを最後の最後まで絞り尽くす可能性もあるかも知れません。

    安全保障もそうですが、他国を「親日」とかいう曖昧で当てにならない幻想にすがることなく、自らの力に依って立つ気概がない国が存続できるはずがありません。

    民主党政権のせいであれ、白川方明日銀総裁のせいであれ、日本を背負って立っていたはずの半導体企業群の経営者が、むざむざと他国企業にしてやられた経緯は自業自得です。平和ボケを脱する気概がないまま、中国・台湾・韓国に支配されつつある現実に目をつぶり、台湾=親日という幻想にすがる現状に、強い懸念を表明ます。

    • 阿野煮鱒さま
      トロイの木馬ですかね?
      ただ、日本国内で製造出来る様になるのは、メリットだと思います。

    • 「強い懸念を表明ます」→「強い懸念を表明します」
      に訂正お願いできますでしょうか?

      さすが、阿野煮鱒様、慧眼敬服します。
      しかし、台湾の企業だけでなく、日本の企業も同様ではありませんか?

      例えばNISSAN、日本の企業ではなく、中国大陸の企業のように見えます

      • 誤記のご指摘ありがとうございます。仰るように「強い懸念を表明します」の通りです。

        個人的に、地方の中小企業経営者との交流が深く、首都圏や関西圏の大企業とは縁が薄いため、経団連の平和ボケについてはメディア報道を通じた推測しかできませんが、新宿会計士様が仰るよう、にエルピーダメモリの終焉やルネサスの低迷には無念でなりません。

        そして、地方の中小企業経営者を直に見て思うには、彼ら彼女らは真摯ではありながら、多忙なプレイングマネージャーであるため、国際情勢の情報収集は後手に回りがちです。大企業ほどに優れた参謀にも恵まれません。

        では、丸の内に本社を構える一流企業の経営者が、国際情勢分析に怠りなく、また優れた参謀に恵まれているかと言えばそうでもなく、サラリーマン社長の身分に甘んじ、任期満了まで大過なく過ごせることに汲々としているように見えます。

        かつてRCAやIntelやTexax Instrumentsを蹴散らして世界最高の半導体生産国だった日本がこれ程までに落ちぶれた現状を、経団連も政治家も真剣に振り返っていただきたいと切に願うものです。

    • 阿野煮鱒 様

      > 台湾=親日国家(敢えて国家と申し上げます)、TSMC=台湾企業という見方に疑義を申し立てておきます。

       私も同意見です。
      TSMCについて詳しくは知りませんが、だからこそ本当に信用できる相手なのか不安です。TSMCの創業に関与した人物は大陸出身の外省人である事も不安要素です。

       台湾の2割を占める外省人は基本的に反日です。それどころか、外省人には台湾や台湾人を中共に売り飛ばし、自由民主主義を放棄してでも中台統一を要望する人が一定数います。そういう外省人にとって台湾は腰掛けの地に過ぎず、台湾人は敵ないし支配対象であり、自由民主主義は漢民族統一に及ばぬものです。自分達だけの自由は中共の庇護の下で台湾の支配層になる事でも得られますから。
       日本とは経済的に利益があるから接近しているだけで、いつ韓国同様の反日姿勢に転ずるか油断なりません。
       
       そして台湾の8割を占める本省人、つまり台湾人とて必ずしも親日ではありません。バリバリの反日派かつ媚中派であり、中共に呼応して沖ノ鳥島近海の不法侵入を主導した人物である、馬英九を覚えていますか?この馬英九を二度も総裁に選出したのは他ならぬ台湾人です。

    • 私は深田萌絵の話を興味深く聞いてます。
      大阪都構想の闇や中華利権についてや台湾の黒社会が沖縄に浸透してる件など。
      背乗り中国人を告発した件で警察は日本の安全保障をないがしろにしており、中国の権益は守る姿勢など興味深いです。

      最近の保守動画の論客にマンネリ感を感じてるので興味ある方は深田萌絵TV見てみてはいかがでしょうか、本人登録者増えないから悩んでるみたいです。

  • tsmcは東大と共同研究してるんでその延長じゃないですかね??日本政府に要請されたけど顧客も少ないし研究所でお茶を濁したと。tsmcの南京工場は設備投資しますよ。中国の半導体産業の基礎を作ったのは台湾人です。というかtsmcOBです。

    • よくよく考えて見ると、最大186億円の資本金てtsmcが買ってるEUV 1台より安いじゃんとか思うとつづくやっつけ感がします。

      • すんません、上記は私です。
        「つづく」は「つくづく」です。

        ついでにつらつら書くと、売国奴S本がいる紫光集団はこの数か月の間に不渡りをニ度出して、破綻か?!とか言われてたんですがその後の報道は無いです。傘下のCXMTはDRAM、YMTCはフラッシュを生産し続けてるみたいです。

  • 200億円の投資、後工程中心といった内容からすると期待値としては大きくなく、それほど騒ぐほどの内容ではないのかも、とおもったり。

    • 那七奈 様
      それでも中韓でなく、米でもなく、日本と言う処にアナウンス効果はあると持ってます。
      中国で無いのは勿論ですが、米でなく日本なら、なぜ韓国じゃないの?が大きいですね。
      半導体では韓国は日本に勝った筈なんですから。

      • 確かに、対外にたいするアナウンス効果は期待できますね。利にさとい台湾が米国の韓国外しを察知していることをプロモーションしているとも、、、

  • 新宿会計士 様

    ”日本の半導体産業を潰した張本人が中国企業へ”パラグラフの末尾に示される半導体供給の国別比率ですが、おそらく半導体メーカーの国別と思われます。
    この比率だと記事のTSMCなどファウンドリが埋没するので、念のため、生産地別の比率を示した記事を以下お知らせします。
    https://news.mynavi.jp/article/20200629-1070039/

    なお、昨日の羊山羊様の受け売りですが、過去記事にもあった通り半導体製造装置ランキングも心温まる数値のため以下お知らせします。
    https://news.mynavi.jp/article/20200324-1002594/

    • へちま様

      そのリンク貼った覚えないですw

      個人的にはtsmcと、キャノン・ニコン・レーザーテック・ギガフォトンの日本連合でEUVを開発・製造して欲しいです。日本政府も研究開発費を出すならここでしょう。

      • 羊山羊 様

        業界の人か専門家の人ですよね?記事投稿しません?読みたいんですけど。

        ともあれ、中身は内緒ですけど、昨日の件で今日の今日、ギリギリのギリで在庫間に合ったのでホントに感謝してます。

        • へちま様

          何の事かさっぱりわかりませんが、お役に立てて良かったです。

  • 新宿会計士様、本記事のタイトルのみ「TSMC」でなく「TSCM」となっております。
    それはさて措き、本件に関しては私は以下のように考えています。

    フォックスコンのテリー・ゴウなんかが典型的な例ですが、台湾で大陸でも成功している企業の経営者は、我々お人好し日本人が台湾人に期待しているような親日ではなくて実際には親中というか人民解放軍の上層部と強いコネを持っているのが常ですからね。そうでなければ、そもそも原理的に大陸で巨大投資をして大工場を作ったり大商いしたりはできません。

    TSMCも大陸で大きな工場を設置し設備投資が許されているということは、TSMCの経営者も親日でなくて親中だということの証拠だと考えるべきでしょう。

    ということで、TSMCのつくばへの研究所の設置は日本にとって喜ぶべき事柄かどうか大いに疑問です。

    寧ろ日本に残されている半導体関連の先端技術とそれを生み出している技術者の人脈を纏めて吸い取ってしまおう(そして最終的には共産チャイナの物としよう)という長期的な戦略の一貫だとぐらいに用心し如何に我が国の技術が流出しないように、またそれを生み出している技術者たちの人脈が高給などで流出しないようにガードをするかの具体的な方策を立てるのが適切だと思います。

    もっとも、国際化・市場主義の徹底という錦の御旗を立てて日本の産業を切り売りすることしか頭にない現代の経産官僚には国益の保護として我が国の半導体技術を盗まれないようにガードするなんて発想は無いのかも知れませんが。(だからTSMCを日本に誘致したのでは?とすら疑いたくなる)

    ともかく、「台湾は親日である」なんてのは「イージス艦を大量配備すれば弾道ミサイル防衛できる」とか「観測点をどんどん増やせば南海トラフ大地震は予知できる」などと同じぐらい当てにならない(あるいは当てにすべきでない)命題だと思います。

    台湾の経済界や報道界などで上層を占めている人々は、国民党の敗北に伴い国民党と共に大陸から移ってきた外省人が大半です。そのため、彼ら外省人は大陸に血縁を持っていたりする場合が多く日本よりも父祖の地である大陸に強い親しみを持っているのが普通です。

    台湾が国民党政権時代の「一つの中華」を主張する憲法を改正し、大陸を領土として主張せず台湾(と付属島嶼)のみを領土とするチャイナとは全く別の国家として独立宣言するまでは、日本は台湾を過度に信用すべきではありません。

    現時点では日本としては、少なくとも国の政策レベル(経済、軍事など)では台湾は共産チャイナの姿を変えた手先ぐらいに警戒して付き合っておくべきでしょう。

    もちろん蔡英文総統は大陸の手先だとは私も全く思っていませんし、彼女は台湾の統治者としてとても有能だと思いますが、残念ながら彼女の統治がずっと続く訳ではありません。

    言うまでもありませんが、我が国と同じく自然災害のデパートの台湾が被災した時には大いに援助すべきです。日本は3.11の時に台湾の人々(含:国民党政権や外省人)が示してくれた温かい思いやりを絶対に忘れてはなりません。しかしそれと国レベルの政策による付き合いとは話が全く別だということです。

    なお「WHOなど各種の国連機関への台湾の加入を認めるべきだ」という類の主張は日本政府はあらゆる場で徹底的に繰り返せば良い。これは日本にとってコストゼロかつリスク(もほぼ)ゼロですからね。共産チャイナにそれを拒否させることで彼ら自身の狭量さや非人道さ(WHOのような健康的生活という人権に直結する場合)を彼ら自身で繰り返し世界にアピールさせるのに使えます。そして台湾の一般国民からは「日本政府は我々台湾を重視してくれている」と感じてもらえれば彼らの日本に対する心証を良くするのに役立ちますから。

  • 更新ありがとうございます。

    エルピーダメモリは経営破綻する前に外部から招聘された社長(坂本氏)がいましたネ。いわば再生屋か復興屋としての手腕を期待されたのでしょうが、正直言って何故この人を連れて来たのか、今だによく理解出来ません。

    もちろん一人に責任を負わす気は無いです。大企業の寄せ集め会社にはいろんな方が居るので、大変でしょう。でももうちょっと相応しい方はいらっしゃったのではないですか。

    最初受けた印象は理系の技術者出身かなと思いましたがそうではなく、文系のエリートかとも言えないし、「良く分からん人」でした。

    今は中国の会社に籍を持ち「このままでは終われない」「負け犬ではすまさない」と仰ってます。で、今中国ですか。汚名挽回なら日本でやって欲しかったけど、誰も声をかけなかったんでしょうネ。

    台湾積体電路製造が、つくばに開発拠点を設立する。コレはチャンスです。言わば最後の一本勝負ですか。日本はまだ中間素材に強みを持っていますから。

    TSMCは米日と海外工場(この米日という言い方は中央日報、朝鮮日報ら韓国紙が侮日する為使います)を建設する。
    新宿会計士様のコメントで『ディスコ、東京精密という日本の2社が独占する「積層化」と呼ばれる技術、イビデンや新光電気工業が世界を牽引するパッケージング技術などに注目が集まっているそうです』。

    オッ。知ってる企業があった(笑)。イビデン。ある事から存在を知り、陰ながら応援してます。中津川やったかな〜(笑)。

    しかし、韓国は猛烈にこの動きに反発してますね。中韓に対する日米台は敵国扱い。いやいや、再び捻じ伏せるッと言っておきましょう。

    • 以前エルピーダ社が倒産した理由を半導体関連会社の方に質問したところ「阿保の一本槍」だという評価を聞いたことがあります。
      言葉を変えると「バカの一つ覚え」という事です。
      メモリーに拘り過ぎたのではないかという評価でした。
      私は半導体業界の事は良く分かりませんが。

      民主党政権下の円高とはいえ出来る事はあったのではないかと言う評価でした。

    • はるちゃん様

      >言葉を変えると「バカの一つ覚え」という事

      電機産業界に近い距離で仕事をしてきたソフトウェア産業従事者です。デバドラとかカーネルとか(寝言ですのでお聞き流しください)を、大中小メーカー向けに作成していたこともあります。
      日本の電機産業は、突き詰めて言うと、優れたシステム IC(System-on-Circuit)を設計開発できる能力を育てることに失敗して来ました。アメリカ発の最新製品情報を追いかけることは技術者(稼業|修身)のイロハですが、率直に言って日本製は魅力がないんですね。失敗品も多かったです。回路バグを指摘してあげて、結果製造し直しになった経験もしています(これ自体は珍しいことではなく、どの会社のどの製品にも頻発していることで、あげつらうのは気の毒です)
      アメリカ発 SoC の「凄み」は、回路をやっているのがイスラエル人だったり、インド人だったり、米国帰化中国人だったりするからです。ですから、世界で通用する技術者たろうとすれば、真のライバルとは彼らであることを常に意識して職務にまいしんしないと行けません。
      エルピーダメモリ社は業界ではエルピー駄目盛りと揶揄されてもいました。同じ憂き目を経験(した|する)会社も思いつくのではありませんか。

      • 連投すみません。
        「System-on-Circuit」ではなく「System-on-Chip」でした …

      • はにわファクトリー 様
        友人がスピンアウトして起業した基盤設計の会社に訪ねて行ったら、ターバンを巻いた色の黒い人がうろうろ、うじゃうじゃしてて驚いたことがあります。
        ディジタルの設計はその人たちや外部(インドだそう)に任せ、友人はアナログの設計に特化しると言ってました。

        どうでも良い話ですが。

      • 門外漢さま

        どうでもいい話ついでです。
        上司が嶋という人物だった技術者と話をした経験があります。今は暦が還っているご年齢ですが関西地方で FPGA なんかをさらさら設計しており、ご本人はそれは仕事でなく趣味だと言い放っていますが、村田製作くん回路なんかを手掛けておられたりで底力は若き日から衰えていないようです。
        還暦氏は若いころ筑波にできたばかりのインテル社 R&D に勤務していたそうです。米国本土から回路図ががんがん送信されて来るが、図面を読み解いて当時最新鋭だった ECAD 回路設計システムを駆使して IC 化する、そんな仕事は電子工学科出身の彼には面白くてしょうがなかった、のだそうです。
        時代は下って、同じ役回りは日本国外に流出して日本人の出番はなくなり、代わりにインド人が今やってます。時差の関係で米国一体化がうまく機能しているケースです。
        還暦氏は稼業のカメラ店を経営しています。それは表向きの姿、資産家かつ趣味の FPGA 回路技術者で悠々自適。うらやましい人生です。

        • 龍さま

          >日本の半導体メーカーが作る自動車向けSoCが海外のファブレスベンダーに較べてスッキリした設計になっていない、消費電流が多いというのには、こんな理由もあると思われます。フロアレイアウトのセンスはどうなんでしょうね

          ペケです。昔からでした。今では相手もされていません。インド人技術者にやらせるのが正解です=反論不能。

      • 大昔、私が社会人になるよりもずっと前、4ビットMCUや8ビットMCU初期の回路設計では、最終段階で、拡大してプリントアウトした回路図を体育館一杯に敷き詰め、その全てを隅々まで人間の目で一々確認していたと聞いたことがあります。それも回路の微細化や素子数の増大とともに、物理的に不可能になり、回路設計作業はすべてCAD上でおこなわれるようになりました。回路の検証も次第にシミュレーションで行われるようになります。
        CAD化、自動化はその後も進み、今世紀に入る頃には、回路設計者が何をやっているかというと、マクロと呼ばれる機能ごとのIP部品(ハード&ソフト)をCAD上でペタペタと貼り合わせていくだけになりました。要は、レゴプロックの組み立てと似たようなもので、決まった面積の中に、どれだけブロックを効率的に詰め込めるかというセンスが、デバイス設計者には求められるようになったのです。
        マクロの設計は自社内で行うこともありましたが、外部からライセンスしてもらう場合も多々ありました。例えば、CANという自動車向け車内通信用のマクロはボッシュが開発し、多くのメーカーにライセンスしてます。そのため、自動車通信関連の国際規格では、ボッシュの仕様に合わせたものが多々あったりします。

        このようにデバイス設計は随分と効率化されましたが、一方でデバイス設計者はマクロの中身に手を出せなくなりました。さらに、日本の自動車メーカーは周辺回路が5V駆動であることを要求し続けていたので(欧州メーカーは3.3V駆動でOKだった)、設計の古い5V駆動の周辺回路マクロを使い続けざるを得ず、電源回りも複雑化せざるを得ませんでした(CPUはたいてい1.5V以下)。
        日本の半導体メーカーが作る自動車向けSoCが海外のファブレスベンダーに較べてスッキリした設計になっていない、消費電流が多いというのには、こんな理由もあると思われます。フロアレイアウトのセンスはどうなんでしょうね。以前はチップ上に広大な空き地のあるようなチップもありましたが。

        私もデバイス設計部門に居たわけではないので、上記はあくまでも知っている範囲の話です。デバイス屋さんに言わせれば、「違う!」という点もあるかもしれません。その点お含みおきください。

    • イビデンは岐阜県大垣市に本社があり、前の社名は揖斐川電気です。
      木曽三川のうち、もっとも影が薄い(?)揖斐川が社名の由来ですね(笑)

  • 楽韓さんは中国の台湾侵攻に対するリスクヘッジの意味合いもあるって言ってた。なるほど。

    台湾は尖閣の件を国際司法裁判所に持ち込んで領有権を確立してくれればいいのにw

  • 最近また台湾本が雨後の竹の子のように乱発されてきた、李登輝死んでかなり時間過ぎたのに。
    親日の台湾・親日の台湾・親日の台湾、全てがこの論調、これを深田萌絵さんは「親日プロパガンダ」と言ってる、時期的に見ても大いに日本を油断させたい頃でしょう。

    卑しいビジネス保守もワンパターンな親日台湾論を連呼してますよ。
    こういう台湾を警戒する論調は日台離間を画策してるんだって、笑止(笑)。

  • サムスンの半導体を育てたのは竹中平蔵と民主党かな?
    民主党政権での地獄の円高の最中に韓国大統領の経済政策顧問となった竹中平蔵による韓国半導体推進政策。
    まあ裏にはアメリカが居たんでしょうけど。

  • 以前、半導体製造装置関係に携わっていました。
    その過程で確認をさせてください。
    >ひとつはTSMC側の、技術競争への危機感です。
    >回路の微細化の限界が指摘されるなか、ディスコ、東京精密という日本の2社が独占する「積層化」と呼ばれる技術
    ディスコは半導体のダイシング(切断)メーカーなので、積層化とは無縁なのではないでしょうか?
    ソースをいただけませんか?
    もちろん、ディスコがダイシングの分野において世界シェア7〜8割と独占企業レベルのシェアは間違いなく持っていますが。

    • 横からすいません。
      ディスコのグランダーで前工程終了後のウエハー裏面を研削・研磨してペラペラにしてそれを積層させるのだと思います。tsmcは「3DFabric」と呼んでます。詳しくないのでこの程度しかわかりませんが。

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