年末年始休暇というタイミングもあり、また、昨年の『海外行くなら「トイペ」持参を!』に気をよくしたという事情もあって、本稿では過去に執筆した「海外旅行ネタ」をもう1つ掲載したいと思います。当ウェブサイトでは金融論・通貨論が非常に多いのですが、その「原点」は、海外旅行を通じた個人的体験にあったのだと痛感します。
目次
年末年始に海外旅行ネタでもいかがでしょうか
日本は諸外国と比べ、年末・年始の休暇が長い国だと思います。
今年は日並びが悪いのですが、それでも金融機関に務めている方であっても、少なくとも12月31日(木)から来年1月3日(日)まで4連休となりますし、業界によっては12月29日にはすでに冬休みに入っていて、年末年始は6連休だ、という人もいるでしょう。
(※もちろん、宅配業者や小売事業者、医療従事者、現業の方々、あるいは消防士さんや警察官、自衛官や海上保安官の方々など、暦通りに休みにならないというケースもありますが、これらの方々には心の底から感謝申し上げたいと思う次第です。)
ただ、家庭を持っている人の場合、とくに子供がまだ小さいうちは、どうしても年末年始は自宅や田舎(実家や親戚宅)でのんびり過ごすという人が多いのではないでしょうか。長い休暇だからといっても、気軽に海外旅行に行けるとは限らないでしょう。
ましてや昨今は武漢コロナ禍のため、外国に遊びに行くということは難しいのが実情です。旅行(とりわけ海外旅行)が趣味だという人にとっては、「受難の時代」だといえるかもしれません。
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さて、ここで少し個人的なお話をさせていただきます。ウェブ主「新宿会計士」は学生時代や独身時代、ずいぶんと外国に出かけたものです。そして、ブログなどの形でウェブ評論活動を始めて以降は、これらの体験に基づき「海外旅行のノウハウ」的なコンテンツを書き溜めていました。
こうしたなか、これらの記述を復活させた昨年の『海外行くなら「トイペ」持参を!』は、意外と多くの方々が読んでくださり、楽しんでいただけたようです。
やはり、普段は政治、経済、金融などの重たい話題が多いためでしょうか、たまには過去の雑記帳から旅行記を発掘し、掲載してみるというのも面白い試みかもしれない、と思うようになりました。
もちろん、昨今のコロナ禍に加え、自分自身が現在はなかなか海外旅行に行けない身分になってしまい、旅行に関する知識もアップデートされず、徐々に錆び付き、朽ちていくような気がしてなりません。そこで、本稿ではノウハウが朽ち果てる前に、過去に自分自身が執筆した文章を少しアレンジしておきたいと思います。
旅とおカネ
旅のおカネをどうやって持って行くか
これまで何回も海外に出かけて、いろんな失敗をしてきた。さいわい、それほど危険な目には遭わなかったが、それでもこれまでの失敗を踏まえて、自分なりの海外旅行の工夫が幾つかある。そのひとつは、「旅行に持って行くおカネ」だ。
当たり前の話だが、おカネがなければ旅行をすることはできない。
最近ではたいていの国でクレジットカードが普及しているとはいえ、やはりスキミング(カード情報の抜き取り)は怖いし、また、地元のバスなどに乗ると、クレジットカードが使用できず、コインで運賃を支払わなければならないケースも多い。
ただ、多額のおカネを持って行くのも怖い。現金は落としてしまえばそれっきりだからだし、渡航する国によってはスリ、置き引きなどが蔓延していて、無防備な日本人が現金を盗まれたという話は、旅行ガイドを読んでいるといくらでも目にする。
だからこそ、「外国にいくときに、どういう形態でどんなおカネを持って行くか」は非常に重要なテーマなのである。
ハード・カレンシーとソフト・カレンシー
こうしたなか、ひとつの目安が、「ハード・カレンシー」、「ソフト・カレンシー」の議論だ。
勝手な定義で恐縮だが、「ハード・カレンシー」とは「国際的に広く通用する通貨」、「基軸通貨・準基軸通貨」のことであり、「ソフト・カレンシー」とはハード・カレンシー以外の通貨、つまり「ローカル通貨」のことだ(※余談だが、いつか出版できるとしたら、このあたりの説明も書いてみたいと思っている)。
この「ハード・カレンシー」、通用度には順番というものがある。
世界で一番強い通貨は米ドルであり、これにユーロが続く。そして、私たち日本の通貨である日本円は、世界で3番目ないし4番目に強い通貨だ。英国の通貨・ポンドと常に「3位」の地位を争っている。
この「通貨の力関係」は、海外旅行をしていればすぐにわかる。どういうことか、説明しよう。
米国の場合、日本円やユーロが通用することは、まずないと考えて良い。というよりも、「ハード・カレンシー国」だと、その国・地域の通貨が最も強く、外国の通貨はそもそも通用しない。ユーロ圏でも米ドルや日本円が使えることはほとんどないし、日本でも米ドルやユーロは使えない。
しかし、「ソフト・カレンシー国」、たとえば中国や韓国、ASEAN諸国などの場合は、外国のハード・カレンシーがそのまま通用するケースも多い。
カンボジアでは現地通貨「リエル」が1ドルなどの小額紙幣とともに街中でそのまま使用されているし、一部の国では、かつては日本の500円札などがそのまま通用していたとも聞く。ちなみに自分自身も、ユーロ発足前のギリシャで、現地通貨・ドラクマではなく、日本円で土産を買うという経験をしたことがある。
つまり、「国際的な通用度が高い通貨はソフト・カレンシー国でそのまま使えることもある」、というのは、覚えておいて損はない法則だ。とくに、アジアの一部の国の場合は、1米ドル紙幣をたくさん(場合によっては数十枚)持って行くと良いだろう。
(※どうでも良い話かもしれないが、日本の1000円札は、アジア諸国などからしたら少し額面が高すぎる。100円札とは言わないが、せめて500円札を発行したら、アジア諸国でもっと日本円が使われると思うのだが…。)
どうやって現地通貨を調達するか
ただし、いつ・いかなる場合であっても、現地通貨が必要ではない、という話にはならない。やはり、最低限は現地の通貨を準備しておかなければ心配だと思うのも自然な感情だろう。
しかし、ここにも落とし穴がある。一般に、通用度が強い通貨から弱い通貨に両替する際には、弱い方の通貨の発行国で両替した方が得になることが多いからだ。
たとえば、米国や欧州に出掛ける場合は、事前に日本国内で米ドルやユーロに両替していくのは、それなりにお勧めだ。なぜなら、現地で両替するより日本国内で両替した方が、手数料も安上がりだからだ(※国際的な通用度は日本円よりも米ドルやユーロの方が上であるため)。
しかし、香港や韓国、台湾などに出掛ける場合は、日本国内で現地通貨を調達することはお勧めできない。日本国内で両替すると、手数料がバカ高いからだ(※国際的な通用度は日本円の方が香港ドルや台湾ドル、韓国ウォンよりも上であるため)。
米ドルと香港ドルを例にとってみよう。
たとえば、市中の為替レートが1米ドル=100円、1香港ドル=13円だったとする。このとき、国際的な通用度でいえば、香港ドルよりも日本円の方が上であり、日本円よりも米ドルの方が上であるが、この違いが如実に表れるのである。香港ドルは不利に、米ドルは有利に両替ができるからだ。
たとえば香港ドルの場合、日本国内で両替しようとしたら、日本円から香港ドルが1香港ドル=15.5円、香港ドルから日本円が1香港ドル=10.5円、といったところだろう(つまり上下2.5円)。しかし、日本円から米ドルは1米ドル=103円、逆は1米ドル=97円、といった具合だ。
つまり、1万円の現金を1香港ドル=15.5円のレートで香港ドルに両替すれば約645香港ドルだが、それを1香港ドル=10.5円のレートで再び日本円に両替すれば、なんと6774円に目減りしてしまうのだ。たった2回の両替で32.26%も目減りしてしまう。なんとも凄いボッタクリプライスである。
しかし、1万円の現金を1米ドル=103円で米ドルに両替すると97ドルが手に入るが、これを1米ドル=97円のレートで日本円に戻したとしても、9417円だ。目減りするのは5.83%であり、香港ドルと比べると雲泥の差である。
ちなみに香港ドルだったら、現地の空港に着いてから両替してもぜんぜん問題ない。香港の空港の両替店は遅くまで開いているし、為替レートも日本で両替するよりもずっと良い。だからこそ、むしろ日本の通貨をそのまま持って行くのが手っ取り早いのである。旅行ガイド本などに騙されてはいけない。
また、日本円の現金をそのまま持って行くことのメリットは、ほかにもある。旅行で現地通貨が余った場合に、それを再両替する必要がないことだ。
先ほどの例でも挙げたとおり、外貨現金は「日本円から両替する際」、「日本円に戻す際」の2回、手数料を取られる。
なにより、マイナー通貨の場合は日本円に戻す際の手数料がバカ高かったりするし、ひどい国の場合、最初その国の通貨に両替した際の「両替証明書」がないと、外貨に戻せなかったりすることもある。だからこそ、最初から全額両替してしまうのではなく、日本円の現金を持って行き、必要最小限に留めるべきなのだ。
なお、米ドルやユーロの場合、国際的に広く通用する通貨であるため、余ったとしたら日本円に両替せず、そのまま次回の旅行まで取っておいても良いかもしれないが、これは両通貨が国際的通用度が日本円よりも高いためであり、すべての通貨に当てはまる話ではない。
以上の議論をまとめておこう。もしも現金を持って行くとしたら、渡航先が米国、欧州など「日本よりも強い通貨の国・地域」の場合は日本国内で両替し、そうでない場合には日本円をそのまま持って行き、現地で現地通貨に両替しなさい、ということだ。
「3つの手段」を活用しよう!
こんなに便利なクレジットカードですが…
以上を踏まえたうえで、最初の議論に戻ろう。現金の「持って行き方」「両替の仕方」ななんとなくわかったが、それでもやはり、現金をたくさん持って行くのは不安だろう。
とくに、日本人の人気の渡航先でもある南欧は治安が悪く、スリ、置き引き、ボッタクリなどが多発している地域でもあるが、近年は欧州債務危機の影響もあり(※注:この文章を執筆したのは2010年頃の話です)、さらに犯罪が増えているとのうわさも聞く。
そのような地域に出掛けるのならば、それなりの対策が必要だ。そこでお勧めしたいのが、クレジットカード、国際キャッシュカード、トラベラーズ・チェックという「3つの手段」である。
まずはクレジットカード。
欧州も米国もカード社会であり、レストランを含め、たいていの店でカード払いができるから安心だ。しかも、為替レートも現金と比べて有利であり、困ったときにはキャッシング(現地のATMで現地通貨を引き出すこと)もできる(※ただし、後述する理由で自分自身はキャッシングを無効にしている)。
ただし、注意点が3つほどある。
ひとつ目は、カードのブランドだ。欧州でも米国でもオーソドックスなのはビザかマスターカードで、このどちらかならば、たいていの店で使用できる。しかし、日本でメジャーなJCBの場合、使えるのは日本人がよく訪れる観光地などに限られ、外国の田舎などに行くと使えないことが多い。
ふたつ目は、「リボ払い」だ。いくつかのクレジットカードは、外国で使用した場合には自動的に「リボ払い」指定されてしまう。リボ払いになると金利が非常に高く、不利だ。それが嫌なら、カード発行会社に問い合わせ、外国で使用してもリボ払いにならないように設定しておくことをお勧めする。
そしてみっつ目は、カードの不正利用である。スキミングなどはもちろんのこと、最近だと現地で警察官を装った犯罪者があなたに職務質問をするふりをして、あなたのカードの情報を盗み出し、多額のキャッシングをするという手口が横行している。
個人的体験だが、イタリアとギリシャを訪れた際、帰国して1ヵ月後にカード会社から電話があり、「日本円にして5万円ほど買い物がなされているが、これは身に覚えがあるか?」と尋ねられたことがある。カード会社独自のアルゴリズムで不正使用を検知したらしい。
このときには「身に覚えがない」と言って事なきを得た。これに加えて自分自身の事情で恐縮だが、もともと消費性ローンが嫌いであるため、「キャッシング」枠をゼロに設定していたことも幸いした。どうも犯人は最初、キャッシングをしようとして失敗したことも、不正使用のフラグが立つ原因だったようだ。
なお、日本人であれば、クレジットカードの署名欄は漢字で書いておくことをお勧めする。西洋人には漢字が書けないからだ。たったこれだけのことで、クレジットカードの不正利用リスクはかなり低下させることができるので、ぜひとも覚えておいてほしい。
とても便利な国際キャッシュカードだが…
さて、クレジットカードはとても便利である反面、さまざまな犯罪に使用される可能性があるということを踏まえておく必要がある。
このような文脈からもうひとつお勧めしたいのは、国際キャッシュカードだ。
これは、ビザ系のブランド「PLUS」やマスター系のブランド「Cirrus」などの表示があるATMから現地の現金を引き出すと、自動的にその時点の為替レートで日本円に換算された金額が自分自身の日本の銀行口座から引き落とされる、という仕組みだ。
こちらも為替レートは非常に良いし、なにより現地でその都度、必要な額だけ引き出せば良いので、多額の現金を持ち歩かずに済む(※なお、当たり前だが「暗証番号を他人に見られないように注意する」、「ATMのカード挿入口にスキミング機械がないことを確認する」といった点には注意が必要だ)。
そして、いったんこの国際キャッシュカードの便利さに慣れてしまうと、旅行の準備が格段に楽になる。外国に渡航する前に現地の通貨をわざわざ準備しなくて良いからだ。
ただし、難点を言っておくと、国際キャッシュカードを発行してくれる銀行は、日本では非常に少ない、という点だろう。自分自身が知っている限りでは、一部のネット銀行がそれに対応したカードを発行しているようだが、これについて知りたい方は各自検索してほしい。
最近、トラベラーズ・チェックは見かけなくなった
さて、「3つの手段」の最後は、トラベラーズ・チェック(T/C)だ。
これは「旅行小切手」などと訳されることもあるが、要するに不正使用されないための工夫が施された支払手段のことである。
トラベラーズ・チェックを使ったことがある方ならご存じだと思うが、トラベラーズ・チェックには署名する場所が2箇所ある。あらかじめ1箇所に署名しておき、使用するときに店員の目の前でもう1箇所に署名することで、「所持人本人である」ということを証明する、という仕組みだ。
そして、トラベラーズ・チェックの番号を控えておくことで、万が一紛失したときであっても、再発行してもらうことが可能だ。この「再発行可能」という点が、現金との最大の違いである。つまり、トラベラーズ・チェックの利点は、その安全性の高さにあるのだ。
そして、トラベラーズ・チェックは店での支払いにも使えるし、銀行に持ち込めば現金化してもらうことも可能だ(※ただし現金化の場合は手数料が取られることもあるようだ)。
このため、ちょっと長めの旅行に出かけるのであれば、券面100ユーロのトラベラーズ・チェックを10枚用意しておき、1枚ずつ使用する、といった使い方ができる。このとき、トラベラーズ・チェックや現金をなくしたとしても、損害は最大でも100ユーロで済むのだ。
なお、当たり前の話だが、クレジットカードと同様、トラベラーズ・チェックの場合も、署名は漢字にしておくことをお勧めする。理由はクレジットカードのところで述べたとおりなので割愛する。
オマケ:外貨コインを手に入れろ!
さて、以上が本論として、もうひとつ、多少せこい方法を紹介しておく。
首都圏でチェーン展開している一部の金券ショップでは、意外なものが手に入る。それは、「ドルとユーロのコイン」だ。
海外旅行に慣れた方ならご存じかもしれないが、一般に外貨ショップで取り扱っているのは紙幣のみであり、コイン(硬貨)は取り扱っていない。その理由はおそらく、コインは重くてかさばるうえ額面が小さいためだろう。ちなみに外貨コインの両替が難しいのは、日本だけでなく、世界共通である。
ただ、米ドルとユーロに関しては例外で、最近、ごく一部の金券ショップでは、これらの外貨コインを取り扱っているのだ。そして、これらのコインは非常に有利なレートで手に入れられる。外為市場が1ドル=100円だったとしたら、その8掛け(つまり1ドルあたり80円)前後で入手できるようなのだ。
このうち米ドルの場合は、コインがそもそも少額すぎるため、大量のコインを手に入れても、重量のわりには大した金額にならない。米国で最もメジャーなコインは「クオーター(25セント)」だが、これが100枚あったとしても25ドルに過ぎない、ということでもある。
しかし、ユーロの場合は、最大額面のコインが2ユーロ(1ユーロ=120円とすれば240円)であり、国際的に見て、日本の500円玉とほどではないにせよ、それなりの価値がある。2ユーロコインを100枚持って行けば、それだけで200ユーロだ。
つまり、米国かユーロ圏に渡航する予定があるのならば、こうした金券ショップで外貨コインを探してみても面白いかもしれない。
後日談
さて、この文章、執筆したのが2010年前後であり、現在ではいろいろと状況が変わっているので注意が必要です。
たとえば、そもそも2020年12月時点において、トラベラーズ・チェックそのものがすでに発行されていないらしく、これを手に入れることができません。したがって、「安全性の高い決済手段」という点では、さらなる注意が必要です。
クレジットカードについては「漢字で署名した方が良い」というのはそのとおりなのですが、認証方式は世界的に暗証番号方式に切り替わりつつあるようであり、それだけ安全性が意識されている、ということなのだと思います。
しかし、スキミングなどの原始的な犯罪はあとを絶たないようですので、海外旅行中はみやみやたらとクレジットカードを他人に見せないようにするなどの工夫が必要でしょう。
(※個人的には、レストランでは極力クレジットカードを使わず、現金で食事をするようにしていましたが、これもチップを払うためと、クレジットカード情報をできるだけ他人に見せないためです。)
なお、ここ数年、とくに日本では、あらたな決済手段が急速に普及しています。電子マネー、QRコード決済などの普及が目覚ましいようですが、このQRコード決済方式はもともとは中国などで普及していた方式だそうです。
もっとも、少し調べてみたのですが、現時点において「日本でも海外でも使用可能なQRコード決済」はないらしく、また、国によってはQRコード決済自体がまったく普及していない事例もあるようですので、このあたり、国によって支払手段はさまざまだと思います。
ところで、中国でQRコード決済が急速に普及した理由は、一説によると、人民元の紙幣に偽札があまりにも多く、人々が紙幣を信頼していないからだ、といったうわさ話を耳にしたことがあります。
ただ、香港の場合は少々事情が異なるようです。
香港といえば、先端技術になじみがある社会だ、というイメージが強いのですが、個人的な体験に基づけば、香港は日本以上の「現金社会」です。街中の食堂やベーカリーなどでは、クレジットカードや電子マネー(オクトパス)が使えず、現金のみ、というケースも非常に多いのです。
そういえば最近、香港にも台湾にも出かけていません。
旅行というものは、計画・準備している段階でも楽しいのですが、こうやって旅行を振り返るプロセスも楽しいものです。自分自身が執筆した文章を読みながら、コロナ禍がはやく終息し、いつかまた海外旅行に行けるようになってほしいものだ、と改めて痛感した次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
余談ですが、本文中で「ハード・カレンシー、ソフト・カレンシーについていつか書籍にしたい」と書いていましたが、これについては本年、株式会社ビジネス社様のご厚意で出版した『数字でみる「強い」日本経済』にも織り込まれています。
よろしければご参照くださると幸いです。
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トラベラーズチェックは、既に発行されたものを現金に戻せる場所も減っていますね。
年末の大掃除で引き出しの片隅からトラベラーズチェックが出てきた場合には、早目の換金をお奨めします。
(中小銀行が大銀行に発行してもらったものは、換金に手間取ることがあります。2019年末に経験談を書きましたので、興味がある方は こちら をどうぞ)
ソフトカレンシー国では、やはり関係が強い国のハードカレンシーが一番通用しますね。南米ではUSドル一強でした。1ドル札でも使い古されて少し破れた(ちぎれているわけではない)ものを出すと、市場のおばちゃんが「セニョール」と切なげな声で交換をねだってきました。今となっては懐かしい想い出です。
毎年クリスマス前には、スペイン語やドイツ語でメールが来て、それらの言語を思い出すきっかけになっています。というより、元々聞いたり話したりはできても読めなかったのが、少しずつ読めるようになりました。
ISO 8859-2 でエンコードされ、ところどころ間違った英語綴りの、チェコからのメールは届かなくなって何年にもなります。グスン。
トラベラーズチェック懐かしいですね。新婚旅行でオーストラリアに行った時使いました。もうどんな形式だったかも忘れました。
日本に帰って速攻で日本円に替えた記憶があります。今は先進国なら普通にクレジットカードを使って問題ないでしょう。
レストランでバウチャーで予約、追加の12ドルが発生
「12$please,Mister 」と言われたのですが、「トゥエ、ダ」としか聞こえず聞き直した覚えがあります。オーストラリアの人は皆さんフレンドリーでしたね。今は中国系、韓国系が多いらしく、どうなってることやら。
トラベラーズチェックの回顧談が出ていますので当方も参加します。昔の話です。
アメリカに短期間駐在するようになって、アメリカ人のお金の払い方に何通りもあることでした。スーパーのレジで周囲を観察してそう分かりました。パーソナルチェックを小切手帳から切り取ってレジ係に手渡すところに出くわし、自分は映画でしか知らなかったので、本当だったのかと負ったものでした。フードチケットで食料品を買っているひとたちがいることにも気が付きました。
トラベラーズチェックがスーパーマーケットレジで使えることを知ったのは、自分が目にしたか現地で誰かに教えてもらったためです。おつりももらえます。ドル紙幣セント硬貨が手に入るのです。銀行窓口へ行って紙幣換金というまどろっこしい手順は不要になりました。
自分のいた町のレジ付属読み取り機はトラベラーズチェックを読んでくれませんでした。頭の3桁(だったか)を飛ばして残りの全桁を手入力すればオーケーなのですが、その手順に慣れてたレジ係とそうでない人がいる。知識あるレジ係はトラベラーズチェックを視認するとボールペンを取り数桁分横棒で消してから数字を素早く打ち込む。現金がおつりで得られるようになって当方はほくほくです。
慣れてないレジ係は機械に読み取り拒否されたあげくにチェックを突き返してきます。そのころには当方の要領を得てましたから、数桁消して手入力すればいいと旅行者から申し出て事なきを得るようにもなってました。前世紀のできごとです。
会社の役員を空港に出迎えに行ったとき、財布にある硬貨を全部よこせと言われてびびった思い出もあります。役員のほうがアメリカ生活術の機微を分かっていますから、空港到着後ただちに必要となるのは小額ドル紙幣や硬貨であると知っている。だから出迎えの若造にコインをくれといったのです。今の時代ならチャージした交通系カードを購入してしておき新参者に手渡すことに相当するでしょう。ここまで書いて「コールカード」を思い出したのですが、自分は活用した経験があまりありません。記憶を整理できたらその話も投稿します。
正月も3日にもなると、書き込みが少ないですネ。皆さまお疲れ気味なんでしょうか?それとも社会・政治・中韓ネタが無いから?(笑)コメントが少ないようですので、参加させていただきます。
トラベラーズ・チェック、もう無くなったのですか。訪問国の現金を大枚持って行くのは不安だから、重宝してましたのに。ホテルの自室に置いておくのも不安、必ずホテルフロントのキーボックスに預けてました。
最後に使ったのは新婚旅行のオーストラリア。あの当時、日本の旅行会社は左団扇、ハネムーンパックと称して通常1人30万円程度の代金を、いろいろ要らないモノ付けて50万円で売ってました。消費が美徳の時代でしたから(笑)。
カードは基本、現地で使いません。持って行くのも何時も1枚だけにしました。盗難、データ盗まれるも既にありましたからね。
一番最近に行った台湾(3年前)は、日本紙幣貨幣が流通してます。アチラの最高額は二千圓紙幣(ニュー台湾ドル)、日本の八千円に相当します。しかし、現地の人々は誰も「台湾ドル」なんて言いません。「圓」(エン)です。
コンビニ「ファミリーマート」(全家)で500圓の買い物をし、千圓札を出すとレジ係が「オツリハ ニホンエンデ イイデスカ?」と聞くので「ハイ」。千円札2枚が返って来ました。
また食事時にビールを注文すると「ニホンエンナラ、ハッピャクエン デス」。高いけど、美味かった〜!あんな時代に何時戻れるんだろう?
新宿駅近くに両替所が何軒もあるんですが香港ドルならそこで両替してます。現地で両替するのとかわりありません。現地で安いところ探し歩くのも時間の無駄です。
私の場合は、現金は少額。クレジットカード2枚、国際キャッシュカードとカード中心です。
一ヵ月以上の滞在でもTCは20年以上使ったことないです
現金持ち歩くほうがリスクが高いと思うからです。
何か問題が起きればカード会社が解決してくれますが強盗などの犯罪は防げません。
個人的にも経験上スキミングの被害より強盗、ひったくりで現金、身体的被害にあう確率が高いと感じます。
海外で現金持ち歩く支払う日本人みるとあまりの警戒心なさに驚きます。
大昔、ベトナム、ラオス国境近くでTCもクレカも使えず困ったことあります。AMEXはダメとかもありました。
結局、大きな街のホテルでドルをキャッシングしました。ホーチミンへ戻りAMEXの事務所で現金に変えることになり無駄になりました。
〔余談です。〕
海外旅行には縁のない私ですが、日常生活の平穏のためにもトラブラーズ・チェックは大切だと思いました。
・余計なことに巻き込まれたくないですものね。
トラブラーズ・チェック?? ウォン建てのTCのことですか。 そりゃ、ゆく先々で大変な目に遭いますね。
25年以上昔、東南アジアの観光地でない地方の町に長期赴任するにはTCが不可欠でした。大量のドルは危ないし、クレジットカードはスキミングが横行している上に、土産物店以外の生活用品を売る小さな店はカードが使えないのが普通でした。
で、銀行のあるわざわざ大きな都市まで行ってTCを現地通貨に替えるのですがここで問題がありました。漢字のサインは現地人には同じかどうか判別できないのでNG。英語サインでも、何百回とサインしている(仕事上でもサインが多いため)うちに段々と変形してくるものす。
そのため最初の一回目のサインと完全には一致せず、「サインが違う」と
すみません、気づかずに投稿キーを押してしまったようで、続きです。
「サインが違う」と受け付けてもらえなかったことがあります。
ところで、今では大抵のホテルの部屋に自分で番号をセットできる金庫がありますが、いつだったか今回のように気付かずに別のキーを押したらしく開かないことがありました。ホテルのボーイに暗証番号を忘れちまったと言うと、マスターの番号があるらしくいとも簡単に金庫を開けてくれました。以来、一流ホテルといえども部屋の金庫には現金は入れないようにしています。また、大量のドルをホテルのフロントに預けるのも国によっては危険でした。
あたしは、大きな買い物だけクレジットカードを使って、あとはシティバンクに開いた口座からATMでおろして使ってたのです♪
お給料の振込口座から毎月定額をシティバンクの口座に振込む手続きだけ、出国前にやってました♪円高が進んでたときなので、あんまり為替とか手数料とか気にしなくて済んでたのが有難かったのです♪
そういえば、現地の銀行から小切手帳を頂いて、小切手に額面を都度都度記入して支払いをしてましたね。数十年前ですけど。今でもそんなもの使ってますか?
米国だとスーパーでたまに見かけますよ。使ってるのはおばちゃんばっかりですが。現金と違って使用履歴が口座に残るので、そういう点も好まれてて、家賃を小切手で払う人もまだまだいますね。現金だと払った払わなかったがありますから。
今はクレジットカードさえ持っていけば,初心者向けでない途上国以外で困ることはなくて,海外旅行の大衆化の完成後の世界がと思います。よく海外に行っているので,スリにも5回会っていて,パスポート盗難1回,カードやTCの盗難・不正使用3回など,ポリスレポートを書いてもらうのも慣れてしまい,すぐ対応できます。病院も。最近は構造が変わったのでいいですが,昔は複数回ATMにカードを吸い込まれました(今のATMはチップ部分を差し込むだけ)。通貨関係で印象深いのは,崩壊直前の旧ソ連と,分裂直後のハイパーインフレ下の新政ロシアの旅行です。旧ソ連旅行の印象は,明らかに不合理な経済システムと闇取引の横行で「こんな国続くのかな」と思っていたら,あっさり崩壊しました。ハイパーインフレ時のロシア旅行では,人から聞いて,1ドル札を500ドル分くらい調達して現金で持っていきました。もちろん,カードなど通用しないロシアの時代です。1ドル1000円以上の感覚でした。でも,ソ連時代にはなかったハンバーガー屋さんができたり,短期間での社会の激変に驚きました。その頃の中国も,行くたびに大きく発展していて,今では追い越された気がします。タイを中心に,東南アジア諸国もそうですね。でも,インドはよくわからない。ここまで文化が違うと企業進出も容易じゃないでしょう。外貨コインはユーロ以前のユーロッパ各国のコインとか,イギリスのちょっと前のコインとか,捨てるに捨てられずに持っていますが,どう処分したらいいでしょうか。もちろん,現行コインも沢山あります。
Alipay, WeChatPayもころころ仕組みが変わっていましたが,最近安定しましたね。