先日の『新たな慰安婦裁判、ついに日韓関係にとどめを刺すのか』では、「自称元慰安婦が日本政府を相手取った裁判の判決が12月11日に言い渡される(かも)」という話題を取り上げたのですが、結局、その判決は下されませんでした。肩透かしを食らった気分ですが、『WoW!Korea』というサイトによると、この判決は来年1月9日に延期されたのだそうです。また、自称元徴用工判決に関する「売却するする詐欺」についても非常に微妙な進展があったようです。なんだかむかしの「牛歩戦術」を思い出しますね。
自称元慰安婦問題の与太話
当ウェブサイトではしばしば、私たち日本人にとって耳の痛い話題をあえて取り上げることがありますが、先日の『新たな慰安婦裁判、ついに日韓関係にとどめを刺すのか』もその一例でしょう。この記事では、久しぶりにいわゆる「(従軍)慰安婦問題」について取り上げました。
慰安婦問題とはいうまでもなく、「戦時中に日本軍が正式な意思決定に基づいて朝鮮人の少女だけ20万人を選んで拉致し、戦場に強制連行して性的奴隷にした」とされる与太話のことですが、それと同時に国際的には、この与太話があたかも「事実」であるかのように報じられています。
日本政府を相手に訴訟
さて、この点はさておき、個人的に注目している話題のひとつが、自称元慰安婦らが韓国国内で日本政府を訴えた、というものです。これについてはいまから2年近く前、韓国メディア『中央日報』(日本語版)の記事に、「韓国の裁判所が日本政府に対して公示送達を講じた」とあります。
2年以上「受付拒否」された旧日本軍「慰安婦」被害損害賠償訴訟…今度は開かれる
―――2019.03.13 17:12付 中央日報日本語版より
そして、この訴訟の続報が、『WoW!Korea』というウェブサイトが配信した次の記事です。
慰安婦被害者、日本相手の損害賠償訴訟今週1審判決…韓国内で初の判決
―――2020/12/06 8:03付 Yahoo!ニュースより(WoW!Korea配信)
つまり、約1年9ヵ月続いた裁判の判決が、12月11日に法廷で言い渡される、とする内容のものです。
ただ、先日も申し上げたとおり、不思議なことに、「12月11日に日本政府を相手取った訴訟の判決が言い渡される」とする記事、いろいろ調べてみても、この『WoW!Korea』しか見当たりませんでした。
当ウェブサイトではこれについて、「主権免除の原則を無視して日本政府を被告とする訴訟を進めてしまうという韓国の後進性」などの観点から、非常にインパクトがある訴訟だとしたうえで、「どうして他メディアがもっと積極的にこの話題を取り上げないのか」と指摘しました。
ほかのメディアでは、判決自体は来年1月13日に予定されている、といった記事もあったのですが、「12月11日」という情報は、先週日曜日の時点で、この『WoW!Korea』のものしか見当たらなかったのは、なんだか不思議な気がしますね。
延期されただけだそうですが…
それはさておき、結論的に言えば、12月11日、つまり昨日時点では、この判決は出ませんでした。
もし判決が出ていたとすれば、もっとさまざまなメディアがいっせいに取り上げたはずですが、判決に関する話題は主だった韓国メディアからも出てきていません。
これについて、同じく『WoW!Korea』にこんな記事が出ていました。
日本相手の元慰安婦損害賠償訴訟1審…来年1月に持ち越し「追加議論が必要」
―――2020/12/11 18:03付 WoW!Koreaより
『WoW!Korea』によると、韓国の裁判所は11日、「ソウル中央地裁民事合意34部」が来年1月8日午前9時55分に、1審の判決宣告期日を進行すると述べたのだそうです。
これについて裁判所の関係者は、「裁判所内で追加議論と検討が必要であり(休延期などを勘案して)宣告期日が新たに指定された」などと述べている、としています。
また、自称元慰安婦が日本政府を相手に起こした訴訟はほかにもあるらしく、ほかにも『WoW!Korea』は、そチラの方の訴訟はソウル中央地裁民事合意15部が来年1月13日午後2時に1審の判決宣告期日を進行する、と報じています。
この報道が正しければ、個人的には「いかにも韓国らしいなぁ」、と思ってしまいます。
万が一にも日本政府敗訴の判決を下せば、日本政府がどんな反応を示すかわからない。
万が一にも棄却すれば、「今回の訴訟では主権免除は適用されない」などと述べたハンギョレ新聞をはじめ、国内からどう叩かれるかわからない。
そんなジレンマに陥ってしまって、裁判官もさぞやお悩みなのでしょう。
「自称元徴用工問題でも動きが…」といえるのか?これ…
さて、こうしたなか、昨日は自称元徴用工問題の方でも「進展」がありました。
日本製鉄の即時抗告は「理由なし」 資産差し押え認める=韓国地裁
―――2020.12.11 20:24付 聯合ニュース日本語版より
これは、今年8月4日に期日が到来した資産差押を巡る公示送達に対し、日本製鉄側が即時抗告をしていた件に関連し、大邱(だいきゅう)地裁浦項(ほこう)支部が11日、その即時抗告を「理由なし」と判断して差押処分3件を認めたとするものです。
これによって「資産差押の効力が生じた」のだそうですが、これを「進展」と呼ぶかどうかは微妙でしょう。というのも、ただの「売却スルスル詐欺」の一環にしか見えないからです。
聯合ニュースによれば、この即時抗告棄却により、「日本製鉄が行った即時抗告は大邱地裁の抗告担当部署の判断を仰ぐ」、「大邱地裁は一般の裁判と同様の手順でこの案件を扱う」などとしていますが、単なる引き延ばしにしか見えません。
そういえば昔、社会党が好んだのが、国会の「牛歩戦術」です。
これは、国会の投票の際、投票箱までわざとゆっくり歩くことで時間を稼ぐという、非常に不毛な戦術ですが、自称元徴用工判決問題を巡る韓国側の裁判所の進展も、まさにこの「牛歩戦術」とそっくりに見えてなりません。
正直、「もうどうでも良いから、いっそのことさっさと売却すれば良いのに」、と思う人も多いのではないでしょうか。
エサがなくなれば途端に困窮するビジネス
さて、自称元徴用工問題にせよ、慰安婦問題にせよ、ひとつの共通点があります。
それは、「日本からのおカネが出なくなると、とたんに運動自体が迷走を始める」、という点です。
これについて、具体的には自称元慰安婦の支援団体の尹美香(いん・びこう)前代表(現・国会議員)の事例がわかりやすいでしょう。
『相次ぐ韓国の自爆、日本が「エサ」与えなくなったから』等でも報告したとおり、尹美香議員は「(旧)挺対協」などの組織の代表を務めていたのですが、在任中に寄付金を私的に流用したなどの疑惑がもたれ、しかもそれらの疑惑が浮上するや、説明責任から徹底して逃げ回ったという人物でもあります。
説明を求められたら逃げ惑うというのは、韓国人のテンプレートのようなものでしょうか(※この点については個人的にも経験があります)。
(※どうでも良い余談です。日本の某野党も、政府・与党関係者の疑惑追及にはやたらと一生懸命ですが、自分たちが似たような不祥事を起こして追及される側になると、とたんに逃げてしまうのです。なんだか行動パターンがそっくりですね。)
また、日本学術会議が日本共産党の影響下にあったという問題もそうですが、これも「日本国民の血税にタカって不当な利得を得ている」という意味では、これまた韓国による慰安婦問題と構図はそっくりといわざるを得ません。
いずれにせよ、自称元徴用工問題と慰安婦問題には、「エサがなくなれば、とたんに困窮するビジネスである」という重大な共通点があるというのも、じつに興味深い話なのでしょう。
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彼らの生態はまさにキセイチュウのそれ・・。宿主なしでは生きられず、虫下しを飲まれるわけにもいかないのです。
彼らが求める”宥和(ことなかれ)の措置”は目先の関係悪化を進行させないためのもの。信頼関係が地に墜ちた現況では、これ以上失うものはありません。
道理の通らないところで”かわいそう利権”を振りかざしても角砂糖をもらえなくなったんですよね。きっと。
*彼らは大きくなり過ぎました。
ここは一つ、彼らのメンツを潰しましょう。
日本の方から、売る売る詐欺で どうせ売る気は無いんでしょう。と煽ると、民衆が裁判所を責めに行くと思うのです。
そして、勇気の無い政府の方には、影でコッソリ、政府は脅しはするが、本当は売られては困るからで制裁する勇気はないと囁くのです。
すると、民衆に煽られた裁判所は、政府の言うとおりに判決を出すでしょう。
あと、文大統領が退陣後の心配をしているかの話がありますが、それはありえません。
何故なら、文大統領は選挙の結果を自由に出来るようになったからです。
前回の議員選挙で、与党大敗の雰囲気がありましたが、結果は大勝。
今回の米国大統領選挙をみるに、韓国の選挙で練習したとの噂が。
恐らく、二度と保守派が政権を握ることは無く、文大統領の老後は韓国初の安穏としたものになるでしょう。
似たような話が、産経新聞から
韓国地裁支部、日本製鉄の即時抗告認めず 徴用工訴訟
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a86dee74590149a3fde1a618fe4a2f0626af114
認めないで終わりかと思うと、上級審に行くようです。
基本、お金にならないと、彼らは動かないのよね。
結局、人権よりも、金目なのです。
だから、こういう所業が損になるというふうに躾ければ良いのです。
更新ありがとうございます。
「スルスル詐欺団」は金欠、メシ代も事欠くようになりましたか。ここまで日本企業や日本政府がガンと動かず、全く裏工作にも見向きしてくれないのは、彼らににとって想定外なんでしょうね。
ちょっとツッコミを入れます。『韓国の裁判所は11日、「ソウル中央地裁民事合意34部」が来年1月8日午前9時55分に、1審の判決宣告期日を進行する』(嘲笑)。
「9時55分」なんて具体的な日程を分単位で決めていたという事は、ハナから昨日は判決を言い渡すつもり無かったんだ〜。それなら事前に日程を公表すれば良いのに〜。日本からの交通費、弁護士費用、バカにならないぞ!実質、日本企業は被害を以前から受けてますがな。
また、自称元慰安婦の別件の訴訟は来年1月13日午後2時に1審の判決宣告期日を進行するそうで。
本当に関わりたくない国、韓国。日本企業の資産を政府が買う等したら、日本が報復するのは怖い。さりとて愚民がデモ起こす展開もマズイ。一か八かだ、好きなようにヤレ!
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(なにしろ、韓国と違って自分が間違う存在であると自覚しているので)
韓国としては、時間を稼いで自国に有利な状況になるのを待っているつもりなのではないでしょうか。極論ですけど、日本で鳩山由紀夫第二次政権ができることも、アメリカで大統領以下、議会がすべて韓国系アメリカ人になることも、可能性だけはゼロではありませんから。
蛇足ですが、ここにいるみなさんは、「鳩山由紀夫が再び総理になることはない」と思っているかもしれませんが、(少なくても韓国は)「一度、起きた奇跡は、もう一回、起きる」と信じているのでしょう。(つまり、菅義偉総理が明日、議会を解散して、鳩山由紀夫が立ち上げた新政党が、議席を独占するということを信じているのです)
駄文にて失礼しました。
すみません。追加です。
韓国としては、バイデン次期大統領が日韓和解仲介に出てくることに期待していると思いますが、アメリカが日韓和解の仲介に出るのは、「アメリカが対北朝鮮問題や対中問題を解決するために役立つ」と思えばこそです。つまり、和解させることは目的ではなく手段なのです。つまり、(極論ですが)韓国が「日韓和解が出来れば、いざという時には、韓国軍は北朝鮮攻撃や中国攻撃に参戦する」と言って、その保障を(秘密裏にでも)与えれば、バイデン次期大統領が仲介に乗り出す可能性があるということです。
駄文にて失礼しました。
私が思うに最終的には、韓国の裁判所が日本企業の罪は断罪すべきだが現存の企業に賠償させるのは無理があると玉虫色の判断をして、韓国の国民を納得させる方向に向かうのではと思います。
そしてまた誰かが同じような内容で訴える、という無限ループに陥いることを韓国国民が望んでいるような⋅⋅⋅
ようは日本を何らかの形で叩けばそれでいいんですよ。結果など最初から望んでないんでしょう、彼等は。
放っておくのが一番だと思います。罠を仕掛けておいて。そもそも南北の国益以外何と考えていないのですから、かまうこと自体無駄。
更新ありがとうございます。
「スルスル詐欺団」は金欠、メシ代も事欠くようになりましたか。ここまで日本企業や日本政府がガンと動かず、全く裏工作にも見向きしてくれないのは、彼らににとって想定外なんでしょうね。
ちょっとツッコミを入れます。『韓国の裁判所は11日、「ソウル中央地裁民事合意34部」が来年1月8日午前9時55分に、1審の判決宣告期日を進行する』(嘲笑)。
「9時55分」なんて具体的な日程を分単位で決めていたという事は、ハナから昨日は判決を言い渡すつもり無かったんだ。それならそうと、遅延日程を公表するだけで良いのに〜。実質、日本企業は「被害を受けたら、換金されたら対抗措置」というが、もう被害受けてますがな。
また、自称元慰安婦の別件の訴訟は来年1月13日午後2時に1審の判決宣告期日を進行するそうで。
本当に関わりたくない国、韓国。日本企業の資産を韓国政府、団体等が購入したら、日本が報復するのは怖い。さりとて愚民がデモ起こす展開もマズイ。手持ちのカードはカス札2枚、好きなようにヤレ!
申し訳ございません。二度送信してしまいました。
新宿会計士さまのいつも整理の行き届いたご議論ですがここはひとつ追加
> 慰安婦問題とはいうまでもなく、「戦時中に日本軍が正式な意思決定に基づいて朝鮮人の少女だけ20万人を選んで拉致し、戦場に強制連行して性的奴隷にした」とされる与太話
ここに「敗戦時のドサクサに証拠隠滅のために日本軍は慰安婦の大半を殺害」も入れて置くべきでありましょう。この証拠隠滅=殺害説は彼らの言説の中では必ず登場します。「文化的証拠」と称して居る荒唐無稽映画の中でも慰安婦少女たちが大規模に殺害されるシーンがあると聞きます。