立憲民主党の皆さまは最近、国会でも喜々として日本学術会議「問題」を追及なさっているようですが、その中間的な「成績表」のようなものが出てきました。政党支持率調査です。マスメディアの世論調査をうのみに信じるのはやや危険ですが、それでも次回総選挙の動静を占ううえでは、それはそれで参考になるのです。
2020/11/12 08:37追記
図表2のヘッダー部分が誤っていましたので修正しております。
内閣・政党支持率をどう見るか
当ウェブサイトで不定期に紹介している話題のひとつに、メディアによる内閣支持率、政党支持率に関する世論調査があります。
なぜこれを毎回紹介しないのかといえば、俗に「世論調査」は「世論操作」だ、などと呼ばれることもあり、正直、その客観性には全幅の信頼を置くことが難しいと当ウェブサイトでは考えているからです。
実際、「もりかけ報道」が過熱していた2017年7月、当時の安倍晋三政権に対する支持率が軒並み急落し、不支持率が支持率を上回ったという「事件」がありましたが、そのわりに同年10月に実施された総選挙では、自民党が勝利を収めた、という事例があります。
その意味では、政権支持率の上下にいちいち反応しても、あまり意味はありません。あえて利用価値があるとしたら、主要メディアの調査を横並びにすることと、長期的なトレンドとして傾向を把握することくらいだと思います(※その「トレンドを把握することに役立つかどうか」すら、怪しいところですが…)。
もっとも、政党支持率については、なかなか興味深いところです。おなじ時点において各政党(とくに自民党とその時点の最大野党)に対する支持率を比較することで、野党に対するひとつの成績表として役に立つからです。
その意味では、私たち一般国民としても、マスメディアが実施する世論調査の特徴、欠点などを意識しながら、参考にするならうまく使いたいものです。
(※ただし、『世論調査不正問題、むしろ焦点は「他社の対応」では?』でも述べたとおり、産経・FNNの世論調査に不正があったという事例もあるため、やはり世論調査には全幅の信頼を置くべきではないと思う次第です。)
菅政権の支持率、読売で依然7割弱
さて、当ウェブサイトで継続的にチェックしている世論調査が、時事通信、共同通信、朝日新聞、日経新聞、読売新聞のものです。これについて、手に入る最新の内閣支持率を調べてみた結果が、次の図表1です。
図表1 内閣支持率(2020年10月~11月)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
---|---|---|
時事通信(10/9~12) | 51.2% | 15.6% |
共同通信(10/17~18) | 60.5%(▲5.9) | 21.9%(+5.7) |
朝日新聞(10/17~18) | 53.0%(▲12.0) | 22.0%(+9.0) |
読売新聞(10/16~18) | 67.0%(▲7.0) | 21.0%(+7.0) |
日本経済新聞(10/24~25) | 63.0%(▲11.0) | 26.0%(+9.0) |
読売新聞(11/6~8) | 69.0%(+2.0) | 22.0%(+1.0) |
(【出所】各メディアの報道をもとに著者作成)
時事通信は、菅政権発足後初めての世論調査を公表したのが、政権発足から約1ヵ月近くあとの10月16日時点であり、「前回比」がありません。また、読売新聞の調査が同じ図表に2つ記載されているのは、読売新聞社が短い期間に2回調査を実施しているからです。
これで見ると、「前月比」がない時事通信を除けば、共同通信、朝日新聞、日経新聞、読売新聞、どの調査で見ても、10月の菅政権に対する支持率は軒並み前月比で下落していることが確認できます。各メディアはこれを「日本学術会議の会員任命拒否問題が響いた」などと分析しているようです。
もっとも、読売新聞の11月6~8日付の調査によれば、支持率は下げ止まり、7割近くで安定していることがうかがえます。
この5社のなかで、11月の世論調査を出しているのは読売新聞だけであるため、他社との比較はできませんが、あえて読売新聞の結果だけで判断するならば、「野党などが日本学術会議『問題』を一生懸命追及しているが、国民には響いていない」、という仮説が成り立ちそうですね。
立憲民主党に対する支持率がすごい!
さて、内閣支持率については正直、一喜一憂しても仕方がない、というのが当ウェブサイトなりの感覚です。
菅義偉政権に対する支持率は発足直後と比べて低下したとはいえ、読売新聞の調査だと依然として高いのですが、このあたりは菅総理が衆議院解散総選挙に踏み切った場合、自動的に私たち日本国民が菅総理を信任するであろうという話にはつながりません。
ここで、自民党からの政権交代が生じるかどうかという視点で重要なのは、最大野党(つまり立憲民主党)に対する支持率です。
ことに、立憲民主党は9月に国民民主党などの勢力を吸収し、かつての民進党にも近い、150人前後の国会議員を抱える一大政党として浮上しましたし、現在は日本学術会議「問題」を積極的に追及しているようです。
では、こうした姿勢は国民から支持されているのでしょうか。
自民党と立憲民主党に対する政党支持率について、時事通信、読売新聞、朝日新聞の3つの調査を見てみましょう(図表2)。
図表2 政党支持率(自民党と立憲民主党)
メディアと調査日 | 自由民主党(前回比) | 立憲民主党(前回比) |
---|---|---|
時事通信(10/9~12) | 26.4% | 3.8% |
朝日新聞(10/17~18) | 39.0%(▲2.0) | 6.0%(±0) |
読売新聞(11/6~8) | 48.0%(+6.0) | 4.0%(±0) |
(【出所】各メディアの報道より著者作成)
これには、素直に驚きます。
自民党に対する支持率は時事通信の調査で他メディアよりも低いのはいつものことですが、最大野党であるはずの立憲民主党への支持率はわずか3.8%。読売新聞でもほぼ同じ4%です。なにかと自民党政権に批判的なことで知られる朝日新聞の調査ですら、6%に過ぎません。
自民党との支持率の差は、朝日新聞で6.5倍、読売新聞に至っては12倍(!)ですね。
また、「仮にいま、衆院選が実施された場合、比例区ではどの政党に投票するか」について尋ねた質問に関しても、朝日では自民党が46%に対し立憲民主党は12%、読売だと自民党が54%に対して立憲民主党は8%に過ぎません。
個人的には、読売新聞の調査で、8%もの人が立憲民主党に票を投じると答えたという事実に衝撃を受けたほどですが(笑)、小選挙区比例代表並立制のわが国の衆院選では、立憲民主党は、おそらく2017年10月のころのような躍進は期待できないと考えて良いでしょう。
スキャンダル型政党は淘汰されるべき?
さて、朝日や読売の調査で、選挙で「立憲民主党に票を投じる」と答えた比率が政党支持率を上回っている理由は、よくわかりません。
やはり、最大政党である自民党を勝たせ過ぎてはならないという、一種の「バランス感覚」のようなものを、有権者の側(あるいはこれらのメディアが世論調査を実施した対象の母集団)には存在している、ということかのかもしれませんが、このあたりは勝手に理由を決めつけるべきではないでしょう。
しかし、少なくとも立憲民主党が国民民主党その他有象無象を飲み込んで大きくなったわりには、政党支持率で自民党の6分の1~12分の1に過ぎず、比例区で投票すると答えた比率も自民党に完敗しているというのは、非常に興味深いところです。「もり」「かけ」「さくら」と来て、「日本学術会議」が響き、結果として有権者離れが生じたのだとしたら、これはこれでなかなかの皮肉です。
いや、むしろ国民の多数は、もしかすると「パフォーマンスしか能がない政党には、さっさといなくなってほしい」、などと考えているのかもしれませんね。
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更新おつかれさまです。
図表の2ですが、「支持率(前回比) 不支持率(前回比)」というのは、
「自民党支持率」と「立憲民主党支持率」ということでいいんですかね?
一瞬混乱しました^^;
匿名のコメント主様
ご指摘ありがとうございました。早速修正いたしました。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
更新ありがとうございます。
立憲民主党の支持率は、渇いた笑いしか出ませんね。
支持率
時事通信(10/9~12) 3.8%
朝日新聞(10/17~18) 6.0%(±0)
読売新聞(11/6~8) 4.0%(±0)
(【出所】各メディアの報道より会計士様著者作成)
国民民主党と野合してプラマイ0!年明け解散総選挙したら議席が半減すると思います。特に情弱は別にして、政治に興味の無い人でも、「消極的選択」ですら立憲には投票しないです。何をやってるか、分からない自称代議士サン、議員で居たいだけですからね。
一方、内閣支持率は2カ月経ったら、51.2〜67.0%こんなもん。上々です。
先程、菅総理がバイデン氏との電話会談を終えたようです。
> 朝日や読売の調査で、選挙で「立憲民主党に票を投じる」と答えた比率が政党支持率を上回っている理由は、よくわかりません
支持政党なしと回答する人が4割前後あり、その全てが投票に行かないと決めているわけでもないでしょうから、その支持なし層から各党にある程度配分されると考えれば、特に不思議とは思いません。あくまでも「今の気分では」という但し書きが付きますが。
国民の多数かどうかはわかんないけど、あたしは「パフォーマンスしか能がない政党には、さっさといなくなってほしい」と考えてるのです♪
野党第一党の役割は、与党で足りない部分を補って、少数であっても無視できない国民の意見を国政に反映させるべく、ひとつでも多くの政策を実現することだと思うのです♪
そのためには、ときには与党との妥協が必要になることもあるだろうし、その結果、支持者からの非難を受けることもあるんだと思うのです♪
それでも、自分たちが実現したい政策を着実に実現していくことが、信頼と支持に繋がって、いつかは政権を担える存在になり得るんだと思うのです♪
ただ内輪受けを狙った攻撃ばかりでは、そんな成長は見込めないし、仮に政権に深刻な問題があったとしても、今の立憲だと、過去の民主党の影もあって、政権を託したいとは思えないのです♪
ぶっちゃけ、学術会議会員の任命拒否が法律違反だったとしても、決定を取り消して是正すれば良いだけで、それを理由に枝野総理の誕生を望みたいとは思わないのです♪
菅総理は、やらないと思うけど、なんだったら「こんなに騒ぎが大きくなって、重要法案の審議にも支障を生じかねないから、拒否した人も全部任命することにしました」とでも言って、二度とこんな騒動が起こらないようにするために日本学術会議法を改正して、任命手続きを明確化すれば良いと思うのです♪
案としては、「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」って第7条第2項を、
「会員は、第17条の規定による推薦された者を、内閣総理大臣が任命する。」としても良いし、
「会員は、第17条の規定による推薦された者から、内閣総理大臣が任命する。」
でも良いと思うのです♪
七味さんの別スレの投稿に合っているかもしれませんが、参考としてJBPressの記事をご紹介します。
『日本学術会議は共産党と反日派の巣窟だった
野党の追及が仇となり、日に日に明らかになるその素性』
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62865
問題の六人がどういう政治的団体に関与しているか、あるいは学術会議そのものに特定の政治勢力がどれだけ関与しているか等々、具体的に例示されております。
(ちなみに、中の表の「基礎医学」に関する部分は適切ではないと思われます)
また、学術会議との関連は不明ですが、6ページ目の山口二郎法政大教授に6億円近い科研費等が交付されているとの記述は、驚愕に値します。
現状を憂うる者 様
返信ありがとうなのです♪
頂いた記事をざっと読んで、拒否されてた人って、それだけの理由があったんだなって思ったのです♪
学術会議が日本の科学者を代表して、政府に提言をするための組織だとすると、そもそも政治活動に深く関わっている人は資格がないと思うのです♪
そういう人は科学者としての立場じゃなくて、活動家としての立場から、意見を言うことが予想される訳で、政府への提案を取りまとめる審判としての役割は期待できないと思うのです♪
これは、彼らと真逆の方向性をしてる活動をしていても一緒だと思うのです♪
だって、公務員って政治的な中立を確保するために政治活動には制限をかけてる訳だけど、それは学術会議みたいな政治からの中立が必要だって組織もおんなじだと思うのです♪
コメント失礼します。
野党第一党の利っ権でこの支持率。まともな野党が出てきたらあっという間に支持率追い越しそうですが、出てこないのが残念。皆自民に行っちゃうのですかね?
日本国の為に働かない政治屋連中をもっと減らしたいですね。
>最大政党である自民党を勝たせ過ぎてはならないという、一種の「バランス感覚」
これはマスメディアがよく口にするものですね。 「国民はよく分かっている。選挙区では自民党に入れても比例では野党に投票しています」などと選挙後コメントし これを奨励してきました。
しかし、この感覚が共産党、立憲民主党、社民党(まだあるのかな?)などの公害政党を下支えしていると思っています。
「ましなゴミ」を推奨するのではなく、「政府が好き勝手にやることを監視する強い野党が必要だ。」などと詭弁を放ち 国会で暴言を吐くことを許しているのです。 自民党内にも筋の通る反対意見を言う議員はそれなりにいるのですが、何故か石破氏のような「反対のための反対」発言をする議員をヒーロー扱いしてきました。
公害議員の増殖を許さないためにも 「ましなゴミの選択」というキーワードを広めることが必要ですね。
政党支持率…、自民党は多すぎ…、立憲も多すぎ…と、思います。
で、ワタシの大好きでは無い、中ぐらい好きな維新の支持率…、
ワタシは維新だけ注目デス。
先日のだんな様の投稿に有りました、政党別支持率、
維新の支持率は1.5%でした。自民党から分裂の維新ですので、
意外と頑張っていると思います。
古くは新自由クラブ、そして日本新党、新進党。全て消えて無くなりました。
(日本新党は自民の分派にしました。細川護煕氏は参議院議員、熊本県知事)
維新が結党して10年⁇も経って、まだシブトク存続しているのはスゴい事だと思います。先日のプライムニュースにマトモな橋下徹氏が出演しました。
マトモな橋下徹氏は次のステージを考えているのか、と思っています。
立憲民主に期待するのは、働き方改革。生産性のまるで無い揚げ足取りを止めて、政策の議論のみに特化すること、やってます感の出すためだけの官僚いじめの合同ヒアリングを止めること。他にもいろいろありますが。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(なにしろ、自分でも「まさか」と思うので)
昔の旧社会党のことを考えると、野党第一党(党名は不明)という政党支持率の項目が必要なのかもしれません。
蛇足ですが、前の『プライムニュース』で橋下徹氏が、「何が正しいかは、分からないので、選挙での結果が正しいとみなすしかない」と言っていました。もしかしたら、立憲民主党は、党内で決まったこと、朝日新聞が報道したこと、あるいは日本学術会議の意見が、今の国民がどう思おうが、時間はかかるかもしれないが、正しいことだと信じているのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
すみません。追加です。
(立憲民主党だけとは限りませんが)人は、自分の黒歴史はなかったことにしたいものです。しかし、問題はなかったと自分で信じ込む人です。立憲民主党の中では(旧民主党政権の)鳩山由紀夫総理は、いなかったことになっているのではないでしょうか。意外と、鳩山由紀夫総理の話になると怒り出すかもしれませんし、鳩山由紀夫総理が引き起こして、いまだに未解決の問題のことを問われると、「政党内での話し合いのために、100年ほど待ってくれ」と言い出すでしょう。
だから、鳩山由紀夫総理のことを覚えている人と、(鳩山由紀夫総理がいなかったことにしている)立憲民主党の間では会話が成立しないのです。
駄文にて失礼しました。