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立憲民主党は食中毒食堂、擁護するマスメディアも同罪

「隣のラーメン屋を批判したら、自分の店が繁盛するというものでもなかろうに」――。先週金曜日、『立憲民主党:他店の悪口でラーメン屋は繁盛するのか?』でこう申し上げたところ、さまざまな反応をいただきましたし、それらの反応を見て、さらに気づきがいくつかありました。近い将来、衆院の解散総選挙が行われるのかどうかはよくわかりませんが、ひとつ重要な点があるとしたら、私たち有権者が責任をもって議員を選ばねばならない、という点でしょう。

ラーメン屋でたとえる政党政治

他店を批判したら良いというものでもなかろうに

先週金曜日の『立憲民主党:他店の悪口でラーメン屋は繁盛するのか?』で、こんな話題を紹介しました。

立憲、解散にらみ政権追及本腰 支持低迷、路線に悩み

立憲民主党など野党は24日、「桜を見る会」や新型コロナウイルス対策などに関する三つの合同ヒアリングを相次いで実施した。<<…続きを読む>>
―――2020年09月25日07時10分付 時事通信より

これは、立憲民主党を含めた野党が24日、野党合同ヒアリング大会を3つも実施したという話題であり、その狙いについて、記事では国民民主党から移籍した原口一博・「副代表兼国対委員長代行」の「臭い物にふたをする状況では国民は納得しない」という発言などがあわせて紹介されています。

ではなぜ、立憲民主党がこの手の「合同ヒアリング大会」を強化しているのでしょうか。

時事通信が「早期の衆院解散もあり得るとみて、存在感を発揮するため菅政権の追及に本腰を入れた格好」だとしているとおり、おそらくは次期総選挙に備えた有権者に対するアピール、という側面が強いのでしょう。

しかし、当ウェブサイトで先週報告したとおり、ラーメン屋が消費者に「他のラーメン屋は不味い」とアピールしたところで、そのラーメン屋が繁盛するというものではありません。

当たり前の話ですが、消費者に受け入れられるためには、味の良さ、量、値段、店の清潔さ、接客の良さなど、さまざまな要素が絡んで来るとは思いますが、品質と値段のバランスが取れていれば、おのずから客が入るものではないでしょうか。

立憲民主党は「食中毒を発生させるラーメン屋」

この点、個人的な感想を述べるならば、「自民ラーメン軒」が決して美味しいとは思いませんし、値段も安いとは思えません。増税などのツケを国民に押し付けつつ、中途半端な政策を推進する自民党は、まさに「高くてマズいラーメン屋」のようなものでしょう。

しかし、「自民ラーメン軒」が嫌だからといって、「立民ラーメン軒」や「共産ラーメン軒」を消費者が選ぶとも思えません。その理由は簡単で、これらのラーメン屋は「自民ラーメン軒」に輪をかけて高くてマスく、しかも食中毒を発生させるからです。

実際、私たち有権者は2009年8月の総選挙で民主党に政権を委ねるという決定を下したのですが、鳩山由紀夫政権が発足後の3年3ヵ月については、まさにラーメン屋でいうところの「毒が入ったラーメン」と言うにふさわしいと思います。

ちょっと意地悪な言い方をすれば、3年3ヵ月の民主党政権を、安倍晋三総理は「悪夢のような」と表現しましたが、当ウェブサイト的にはその言い方では足りないと思います。「地獄のような」、という表現が適切でしょう。

余談ですが、民主党政権で良かったことといえば、

  • ①インチキ会計基準である国際財務報告基準(IFRS=いふるす)の強制適用を見送ったこと
  • ②「首相なんて誰がやったって一緒さ」という無責任な発言が日本国内で力を失ったこと

くらいなものだと思う次第です。

名前をコロコロ変えたら?

ただ、先週のこの記事を執筆して以来、個人的にいろいろと思いを巡らせていたのですが、やはり、彼らの行動のなかでも指摘しておかねばならないのは、「名前をコロコロ変えること」です。口の悪い人に言わせれば「政党名ロンダリング」といったところでしょうか。

ここでひとつ思い出したのが、いまからちょうど3年前、2017年10月の衆院選の選挙活動中に安倍総理が発した「阪神タイガース」ネタです。

安倍首相、“阪神ネタ”で笑い「タイガースが連敗して名前変えますか」/衆院選

衆院選は16日、投開票(22日)に向け後半戦に突入した。安倍晋三首相(自民党総裁=63)は今回の選挙戦で初めて大阪に入り、鉄板の“阪神ネタ”で笑いを取った。<<…続きを読む>>
―――2017.10.17 05:03付 SANSPO.COMより

『サンスポ』によると、安倍総理は大阪・難波で行われた街頭演説で、こう発言したそうです。

自民党が野党に転落したとき、国民から厳しい声を聞くことから始めた。党の名前を変えようなんて、全く考えなかった。阪神タイガースが連敗して名前を変えますか。違うんです。名前が悪いんじゃない

この安倍総理の発言は、まさに至言でしょう。

当時の最大野党だった民進党は、前原誠司代表が衆院選で「民進党として候補者を公認しない」などと述べ、衆院側は小池百合子・東京都知事が主導した「希望の党」に丸ごと合流しようとしたものの、小池氏の側は「排除の理論」を持ち出したため、排除された側が立憲民主党を結党した直後でした。

ただ、その民進党自体、そのわずか1年半前の2016年3月に、民主党が「維新の党」などと合流して結党されたばかりでしたが、党代表だった村田蓮舫・参議院議員(当時)が解散直前の2017年7月、事実上、自身の二重国籍疑惑の責任を取る形で代表を辞任するなどの混乱もありました。

こうした混乱、私たち一般の有権者からは、「民進党」、「立憲民主党」、「希望の党」など、政党名が異なっているとは言っても、旧民主党政権を担っていた人たちがほぼそのまま横滑りしているだけにしか見えません。

練習に励むわけでもなく、選手を入れ替えるわけでもなく、監督を更迭するわけでもない球団が、試合で勝てないからといって球団名だけを変えて試合で勝てるはずなどありません。

名前を変えて新党のイメージを打ち立てるというのも、政策そっちのけで有権者にイメージだけをアピールしているようなものであり、きつい言い方をすれば「有権者を騙している」のと同じです。

(※もっとも、個人的な感想ですが、2017年10月の総選挙では、むしろ希望の党に対しては妙な期待票が集まったほか、立憲民主党に対しては「排除されたこと」に対する同情票が集まったのではないかと思う次第です。)

絶望的な人材不足

「応援団」が人材難を認めてしまう!

さて、その立憲民主党といえば、『旧民主党系の政治家に政権担当能力なし=アエラドット』でも紹介した、朝日新聞系のウェブ評論サイト『AERA.dot』に7月28日付で掲載された、こんな記事を思い出してしまいます。

古賀茂明「立憲と国民の合流がもたつく理由」

立憲民主党と国民民主党の合流話がもたついている。<<…続きを読む>>
―――2020.7.28 07:00付 AERA.dotより

リンク先記事は、立憲民主党と国民民主党が合流する前の7月28日付で寄稿されたものですが、これが本当に興味深いのです(※ただし、安倍内閣の総辞職前でもあるため、ここに引用する記事の肩書も古いままです)。

というのも、記事の著者の方が両党の合流という状況を「一般の人々」に解説すると、「立憲民主解散で新党の名前がまた立憲民主って意味不明」、「昔の民主党に戻るなんて論外」、という具合に、ほとんどの人から意外なほど同じ答えが返ってくるのだそうです。

こうした状況について、記事の著者は、次のように述べます。

  • 気付かぬうちに議論が有権者の意識から完全に遊離してしまった。このままでは、多くの有権者が、野党なんかうんざりだという気持ちになってしまいそうだ。
  • 安倍内閣の不支持率が支持率をかなり上回る状況が続くのに野党の支持率は上がらない。かえって下落したという調査も出た。安倍自民党政権には愛想が尽きたが、野党にも全く期待できないという評価がそこにはある。

当ウェブサイト的に言わせていただければ、「気付かぬうちに議論が有権者の意識から遊離してしまった」のではなく、「もともと立憲民主党などの野党が政策などそっちのけだということに、有権者が気付いてしまった」からではないかと思うのですが、そこから先の提案がさらにぶっ飛んでいます。

  • 新党を作るなら、全く新しい政党だと印象付けない限り、おそらくこの状況は打破できないだろう。中途半端なら野党離れがさらに強まる恐れすらある。
  • 政権を取ったら、『仕事ができる』民間人を財務、経済産業、経済財政担当などの閣僚に任命することを宣言する。旧民主党系政権成立で即株価暴落という不安を払拭するのだ。これにより、今の自民党の派閥順送り利権内閣に真っ向から対峙する、真の『働く内閣』として、国民の期待は高まるだろう。」

先ほどのラーメン屋や阪神タイガースの議論ではありませんが、有権者に「まったく新しい政党だと印象付ける」というのも、現在の政党が「食中毒を発生させたラーメン屋」ないし「試合に勝てない球団」だと言外に認めてしまっているようなものでしょう。

そのうえで、「民間人から仕事ができる人を閣僚に抜擢する」というのは、野党側に閣僚を務め上げる能力を持った人材が存在しないことを、この記事の著者の方自身が認めている証拠です。身もふたもない言い方ですが、このリンク先記事の主張を要約すれば、

実力が伴っていない政党を印象操作だけでもう1度有権者にアピールし、うまく有権者を騙して政権を取ることができたあかつきにば、民間人に仕事をぶん投げるのが良い

ということではないでしょうか。

世論調査では完敗?

ただ、この『AERA.dot』の記事のアドバイスにも関わらず、結局のこころ、立憲民主党は国民民主党などから議員などを受け入れる際、政党名を変更しませんでした。このこと自体は評価して良いと思います。

つまり、有権者としては野党各党が再合流したという事実を、さほど強く意識することはなく、2017年に発足した立憲民主党がそのまま現在でも存続しているという印象を持つことができるからです。

このあたり、正直、立憲民主党側に吉と出るか、凶と出るかはわかりません。

ただ、少し古い話題で恐縮ですが、安倍総理が辞任すると表明した直後に、「あの朝日新聞」が実施した世論調査で、安倍政権を「評価する」と答えた割合が71%に達したという話題がありました。

安倍政権を「評価する」が71% 朝日新聞世論調査

―――2020年9月3日 22時30分付 朝日新聞デジタル日本語版より

当ウェブサイトでは、新聞社などが実施する世論調査では、その社の方針が強く出るという傾向が強いのではないかと疑っているのですが、その朝日新聞の調査ですら、7年8ヵ月の安倍政権を7割超の人が評価したというのは、注目に値します。

しかも、あわせて質問された政党支持率についても、自民党が40%であるのに対し、立憲民主党が3%に過ぎなかったというのも驚異的です(※ただし、支持率調査は国民民主党との合流前の時点で実施されたもの)。

さらには、先週までに実施された世論調査の結果、今月発足した菅義偉政権に対しても、軒並み高い支持率が示されています(図表)。

図表 菅政権に対する支持率
メディアと調査日 支持率 不支持率
日本経済新聞(9/16~17) 74.0% 17.0%
共同通信(9/16~17) 66.4% 16.2%
朝日新聞(9/16~17) 65.0% 13.0%
読売新聞(9/19~20) 74.0% 14.0%

(【出所】著者調べ)

こうした状況を総合的に勘案すれば、もしも菅義偉総理が早期に衆院の解散総選挙を決断すれば、旧民主党系の政党はかなり困ったことになるのではないかと思わざるを得ません。

メディアの責任も重大

ただ、ここで冷静に考えてみたら、立憲民主党は、依然として衆参両院で150人前後という勢力を誇っていることもまた事実です。

「国民不在の代表選」とは立憲民主党にこそ当てはまる』でも触れたとおり、9月中旬の合流直後の時点で、立憲民主党には149人の国会議員が所属していましたが、社民党がこれに合流すれば、単純合算で150人を超えるはずです。

逆に言えば、これは「食中毒を発生させているラーメン屋」がいまだに倒産せずに残っているようなものであり、大いなる謎と言わざるを得ません。

ではなぜ、食中毒のラーメン屋が生き残るのでしょうか。

当ウェブサイトとしてその正解を持っているわけではありませんが、ひとつの有力な仮説とは、マスメディア(とくに新聞、テレビ)の報道にも大きな問題があるからだ、というものです。

新聞、テレビなどの社会的な影響力は、一時期と比べてずいぶんと衰えました。しかし、それでもこれらのメディアの影響力は依然として大きく、新聞、テレビなどで好意的に取り上げられれば、マズいラーメン屋であっても行列ができたりします(※実例をいくつか存じ上げています)。

実際、個人的に知っている事例を申し上げるなら、地元民は絶対に行かない、食中毒や火災などの不祥事を発生させているラーメン屋が、なぜかいまだに潰れずに生き残っています。しかも、なぜか定期的にテレビに取り上げられていて、テレビ放送の翌日には長蛇の列が出来上がります。

本当に、不思議ですね。

地元のうわさによれば、このラーメン屋の身内がテレビ番組制作会社に勤めているという話も耳にするのですが、真相は存じ上げません。

国民はバカじゃない

ただ、もうひとつ興味深いのは、テレビ番組に取り上げられたあとで長蛇の列ができたとしても、数日後に列が解消し、元通り閑古鳥が鳴く店に戻るケースもあれば、テレビに取り上げられる前から長蛇の列ができているというケースもあることです。

「食中毒のラーメン屋」のケースでいえば、人々の無知に付け込み、大しておいしくもないし安全でもないラーメン屋を、新聞・テレビなどの影響力のあるマスメディアが大々的に宣伝し、それによって一時的に客の入りが良くなっている、ということではないでしょうか。

しかし、新聞・テレビの力で一時的に客の入りがあったとしても、それが長続きするとは限りません。消費者の舌はバカではないからです。そして、マスメディアが大しておいしくもない店を「おいしい」「おいしい」と持ち上げ続けていれば、そのうち新聞、テレビ自身が社会的信用を失っていくのではないかと思います。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、安倍政権を一部のメディアが舌鋒鋭く批判し続けたことは事実ですし、ときとして「もりかけ問題」などの虚報まで持ち出して、あることないこと国民に吹き込んだこともまた事実でしょう。

しかし、「もりかけ国会」の絶頂期であったはずの2017年10月に実施された総選挙では、旧民進党系の勢力もそれなりの議席を獲得したものの、自民党が議席の6割以上を占めて圧勝したことを思い出す必要があります。

やはり、いくらメディアがその社会的影響力を悪用し、私たち有権者に「立憲民主党は素晴らしい!」と吹き込んだとしても、あまりにも悪すぎるラーメン屋に客が入らなくなるのは当然のことでしょう。

こうしたなか、第2次安倍政権が発足した2012年12月以降、最も大きな社会的変化といえば、なんといってもスマートフォンに代表される、インターネット環境の普及でしょう。人々は新聞、テレビ以外の媒体であるスマートフォンなどを使い、直接に情報を手に入れるようになり始めたのです。

そして、ネット技術は日進月歩であり、現在は2017年10月の段階と比べ、インターネット技術がさらに進歩していることもまた間違いありません。

その意味では、次の衆院選の結果次第ではマスメディアと特定野党がどこまで政治的・社会的影響力を落とすのか(あるいは落とさないのか)については、個人的には非常に大きな関心事でもあるのです。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • 鳩山ラーメンは請求書に1万5千円って書いとけばわかりやすかったのに残念w

  • 新聞記者に思想も傾きも必要ではありません。偏食著しい困った大人が「まずい食事を作る言論食堂」店主を気取りナナメに傾いた上から目線で愚民を指導するのが自らの使命だと職業規範だと勘違いしているのです。新聞記者・ジャーナリズムに天誅を下し、弱毒化と燻蒸消毒、「報道産業の解毒」を進めるため「報道取材の徹底拒否」が有効と当方は思います。

  • >いくらメディアがその社会的影響力を悪用し、私たち有権者に「立憲民主党は素晴らしい!」と吹き込んだとしても、

    立憲の素晴らしさを吹き込んでるのかな?メディアも自民ラーメン軒の不味さを言いたててるだけで、立憲ラーメン軒の美味しさを語ってないように思うのです♪

    共産党の志位委員長が野党が共闘すれば政権をとれると言ったそうですが、政権を取ってどんな国にするのかは何も語ってないのです♪

    政局はやってると楽しいのでしょうが、政策を柱にして欲しいのです♪

    • 権力と戦う自分たちってなんてすごい職業などのぼせているのではと心より心配しています。そもそも、知る権利の代理執行を新聞記者に預託などは「誰も」していません。支持を失い哄笑の的となった新聞記者たちはこの先どうやってして名誉と給料を維持できるのでしょうか。報道業界従事者のみさなまがたにあらせられては胸に手を当て真剣に考えていただきたいものと節に願ってなりません。

  •  政党名を変えなかったのは評価する、は同意なのですが、その上でこのまま負けた場合、「次こそは政策だ!」とならずに「やっぱ政党名だったな!」となりそうなのが彼らの信頼できる所です。

  • 統一した日本を前進させるビジョンが無い政党では、混乱以外のものは起きません。
    一度日本が転覆しそうになる所まで至っているので、そのような手合いには遠くから斜めに見ることしかできませんね。

  • 食中毒野党もマスゴミも同類で、中朝工作機関だと思っていれば間違い無い。

  • 更新ありがとうございます。

    旗振り役の一人、古賀茂明氏のアエラドットによると、「中途半端なら野党離れがさらに強まる。」
    「政権を取ったら、『仕事ができる』民間人を財務、経済産業、経済財政担当などの閣僚に任命する」(嘲笑)人材は居ないんだね、人罪ばかりか。

    私は国民と合同して、党名を変えなかったのは大チョンボだと思います。「あー立民か」で終わり。ま、変えても選挙で大幅減は間違いないですが。

  • 健全な野党のいない日本は不幸。
    政治のレベルアップをするためには与党、野党が切磋琢磨すること。
    2位以下の政党がまとまって1位を引きずり降ろしてもレベルが下がるだけ。
    健全な野党を育てるのは国民とマスコミ、国民の意志は支持率に現れているが、マスコミはそれを無視して批判どころか用語をしている、これでは健全な野党が育つはずはない。
    自民党と同じように批判して潰されるような野党は日本医はいらない。

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