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【二股外交】中央日報「懸案ごとに米中を選択すべし」

「韓国の米中二股外交」という状況を名づけたのは、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏だったと記憶しています。この「米中二股外交」は、韓国が米国から軍事同盟という利益を得ながら、同盟国としての義務を果たさず、中国に擦り寄っているさまを指しているのですが、彼らはそれに悪びれる風はありません。それどころか韓国メディア『中央日報』(日本語版)に本日、「懸案ごとに米国か中国か選択しなくてはならない」と真顔で主張する記事が掲載されています。

防衛省、「韓国との幅広い防衛協力」をバッサリ削除

防衛省が昨日発表した今年度の防衛白書から、「韓国との間で幅広い分野での防衛協力を進めるとともに、連携の基盤の確立に努める方針である」という一文がバッサリ削除されたという話題については、昨日の『防衛白書、「韓国との防衛協力と連携」をバッサリ削除』で取り上げました。

防衛白書、「韓国との防衛協力と連携」をバッサリ削除

防衛省が本日、防衛白書の最新版を公表しています。これを読むと、「日本がどの国を重視しているのか」、「日本がどの国を仮想敵国と見ているのか」という点もよくわかるのですが、それだけではありません。昨年の防衛白書と比較して、インドや英国などの重要度がさらに高まっている、ということがわかるのです。個人的には、「日米豪」「日米印」「日米英」といった重層的な同盟・連携関係が日本の国防を強くする、という思いを新たにした格好です。<<…続きを読む>>
―――2020/07/14 15:30付 当ウェブサイトより

要するに、中国の脅威が年々強まるなか、日本としては豪州、インド、英国、カナダ、NZ、フランスといった諸国との連携を強める必要があるという認識ですが、その「連携を強めるべき相手」に韓国が含められていないのです。

とくに、防衛白書の『図表Ⅲ-3-1-3』に掲載された地図では、仮想敵国(?)である中国・ロシアが白抜きとなる一方、連携相手である国が青字で示されているのですが、韓国は韓国は名前すら明示されていないのです(図表)。

図表 「韓国は?」

(【出所】2020年防衛白書『図表Ⅲ-3-1-3』)

これは、いったいどういうことでしょうか。

韓国の不法行為を思い出そう

あらためて思い返すと、日韓間には韓国による島根県竹島の不法占拠問題を筆頭に、もともとさまざまな問題が横たわっていました。しかし、こうした問題が解決しないどころか、日韓関係はさらに悪化し、いまや関係破綻の危機に瀕しています。

その理由は簡単で、2017年5月に文在寅(ぶん・ざいいん)政権が成立して以降、韓国による日本に対する否定的・非友好的な不法行為がさらに加速・暴走しているからです。

文在寅政権下の韓国が日本に仕掛けて来たこと
  • ①旭日旗騒動(2018年9月頃~)
  • ②自称元徴用工判決問題(2018年10月30日、11月29日)
  • ③火器管制レーダー照射事件(2018年12月20日)
  • ④国会議長による天皇陛下侮辱事件(2019年2月頃)
  • ⑤日本による韓国向けの輸出管理適正化措置(2019年7月1日発表)
  • ⑥慰安婦財団解散問題(2019年7月までに発生)
  • ⑦日韓請求権協定の完全な無視(2019年7月19日に完成)
  • ⑧日韓GSOMIA破棄騒動(2019年8月22日~11月22日)
  • ⑨対日WTO提訴騒動(2019年9月11日~11月22日、2020年6月2日~)
  • ⑩日本人に対するビザ免除措置の停止(2020年3月9日以降)

韓国は軍事協力に値しない国

このなかでもとくに防衛と関わる項目は①、③、⑧です。

①については自衛艦が大切に掲揚する艦旗(いわゆる旭日旗)を巡り、韓国が国を挙げて「戦犯旗」などと侮辱している問題であり、とりわけ韓国は2018年10月に主催した国際観艦式では自衛艦に対し、「旭日旗を掲揚するな」と非常識な要求をしてきたほどです。

この旭日旗騒動も非常識なのですが、韓国が仕掛けてきた事件のうち、さらにシャレになっていないのは③、つまり2018年12月20日に日本海・能登半島沖の日本の排他的経済水域内で韓国海軍駆逐艦「広開土王」が日本の海自P1哨戒機に火器管制レーダーを照射した行為です。

実際、彼らがどういうつもりで火器管制レーダーを海自機に照射して来たのかは知りませんが、ときと場合によっては準戦闘行為とみなされ、そこからなし崩し的に戦争が始まってしまうことだってあり得ます。

もしシャレのつもりでそれをやったのならば、韓国はそれこそ軍隊を持つ資格がありませんし、もし何らかの不法行為(たとえば瀬取りなど)を覆い隠す目的でやったのならば、それこそ韓国に対する経済・金融制裁が発動されても文句は言えないほどでしょう。

さらに、⑧の日韓GSOMIA、つまり『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』の破棄は、日本の安全保障上の輸出管理体制厳格化措置に「逆ギレ」した韓国が講じて来たものです。

この日韓GSOMIAは「日米韓3ヵ国連携」を円滑に機能させるうえで必要な協定だとされていますが、韓国が「通商問題」だと勘違いしている輸出管理適正化措置への報復としてこれを破棄すると述べたことは、米国の激怒を招きました。

もっとも、結局、『韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが…』でも述べたとおり、彼らはギリギリでGSOMIA破棄を撤回したのですが…(※個人的にはこのまま日韓GSOMIAとともに米韓同盟が破棄されれば良かったのに、などと思うほどです)。

もちろん、現状では在韓米軍は日米安保体制とセットで運用されているため、日韓軍事連携を直ちに断ち切ることはできませんし、経済的にもつながりが深い韓国とは、日本は断交したくてもできないことは事実でしょう。したがって、当面は日韓関係が破綻しないよう、適切なリスク管理が必要です。

しかし、だからといって「幅広い分野での防衛協力を進めるとともに、連携の基盤の確立に努める方針」と言われても、確かに私たち国民のレベルでは納得できません。なぜなら、こういうことをしている国に、日本にとっての「信頼に足る同盟国」としての資格はないからです。

したがって、今回の防衛白書の記載から「幅広い分野での防衛協力」、「連携基盤の確立」なる表現がバッサリ削除されたことについては、安全保障政策的にも、国民感情的にも、納得ができる措置だと言わざるを得ないのです。

コウモリ外交を真顔で騙る中央日報

さて、韓国が日本に対し、非友好的・非合理な行動を取っていることは事実でしょう。ただ、これについては普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、「韓国を責める」という姿勢は間違っています。なぜなら、それが彼ら自身の生き方でもあるからです。

私たちがしなければならないのは、彼らに騙されないようにする、ということであり、そのためには韓国(や北朝鮮)のやり口をきちんと研究し、分類するところからスタートすべきでしょう。当ウェブサイトなりに分類した彼らの「インチキ外交」のパターンは、だいたい次の5つです。

【参考】韓国や北朝鮮が大好きな5つのインチキ外交
  • ①ウソツキ外交…あることないこと織り交ぜて相手国を揺さぶる外交
  • ②告げ口外交…国際社会に対してロビー活動を行い、相手国を貶める外交
  • ③瀬戸際外交…国際協定や国際条約の破棄、ミサイル発射などの不法行為をチラつかせる外交
  • ④コウモリ外交…主要国間でどっちつかずの態度を取り、それぞれの国に良い顔をする外交
  • ⑤食い逃げ外交…先に権利だけ行使して義務を果たさない外交

これらのうちの④は、特に近年、韓国が米国と中国を両天秤にかける、という形であらわれます。日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の言を借りるならば、「米中二股外交」、というわけです。

以上を踏まえて、次の記事を紹介したいと思います。

<韓中ビジョンフォーラム>「懸案ごとに米国か中国か選択しなくては…国益がカギ」(1)

13日に開かれた韓中ビジョンフォーラムで専門家らが討論している。キム・サンソン記者<<…続きを読む>>
―――2020.07.15 11:27付 中央日報日本語版より

わざわざ中身を読まなくても、タイトルだけで答えが出てしまっています(笑)。

ただ、「出オチ」で済ませるのも変なので、いちおう、ソウル大学政治外交学部教授である鄭在浩(てい・ざいこう)氏という人物の発題から、気になった部分を1箇所だけ抽出しておきましょう。

依然として政界と学界の一部から『米中の間で必ずしも選択をする必要はない』という言葉が聞かれる。政治的発言かもしれないが、もう現実では通じない言葉だ。個別の懸案に対する選択が毎度避けられない状況に進んでいる。

…。

これほど矛盾した文章はありませんね(笑)

「米中のいずれを取るか」については「個別懸案」で選択するものではありません。

日本人は自信を持つべき

さて、正直な感想を申し上げるなら、著者個人的には、「日韓関係」というものにはあまり興味はありません。どちらかといえば、香港情勢がどうなるのか、そして中国という国がどこに行くのか、日本がその厄介な中国と向き合うにはどうすればよいか、といった点に関心が向かっています。

また、日韓関係はすでに、それ単体で論じても意味がないものに成り果てています。その理由は、もともと日韓関係は日米関係、米韓関係の「従属変数」のようなものだったのが、ここにきて米中関係や日中関係にも従属する変数となりつつあるからです。

純粋に地政学的な点で申し上げるなら、朝鮮半島は地理的に日本列島と近く、それだけに朝鮮半島に凶悪な軍事独裁国家が出現すれば、日本の安全が危機に晒されるかもしれない、という脅威が存在していることはたしかでしょう。

当ウェブサイトではこれを「朝鮮半島生命線説」とでも名付けたいと思います。

朝鮮半島生命線説とは?
  • ①地理的に近い朝鮮半島が日本の敵対勢力に入れば、日本の安全保障に深刻な脅威をもたらす
  • ②だからこそ、日本はあらゆるコストを払ってでも、朝鮮半島を日本の友好国に引きとどめておかなければならない

しかし、逆にいえば、日本は四方を海に囲まれており、宗谷海峡と根室海峡、対馬海峡、台湾海峡さえきっちりと守っていれば、基本的に外国から侵略される可能性は非常に低い国でもあります。

しかし、それと同時に抑えておかねばならないのは、中国もロシアも韓国も北朝鮮も、に日本に攻め込むだけの度胸も能力も持ち合わせていません。

だいいち、歴史上、彼らが自力で日本列島に攻め込んで日本に勝ったという事例は、1945年8月11日に旧ソ連軍が樺太に軍事侵攻したものを除けば、歴史上、ただの1つも存在しません。しかも、その事例も、米国の空襲によって日本が傷ついたのを見極めたうえでの話です。

ソ連は敗色著しい島国である日本に攻め込んだにも関わらず、彼らが火事場泥棒的に得たものといえば千島、樺太くらいなものであり、結局、北海道には攻め込めませんでした。それがロシア民族の限界というものでしょう。

つまり、朝鮮半島が中国の領土になるのか、ロシアの領土になるのか、北朝鮮の領土になるのかは知りませんが、朝鮮半島が日本の「緩衝地帯」ではなくなるという事態は、じつは、さほど恐れる必要はないのではないかと思います。

それに、昔から「無能な味方は有能な敵を上回る脅威だ」といわれます。韓国は、見た目は日本の「準同盟国」ですが、いっそのこと、晴れて「敵対国」というステータスに切り替わった方が、何かとやりやすいのではないでしょうか。

もちろん、相手を侮ってはなりませんし、憲法改正を含め、日本が自力でしっかりと国防出来る体制を整える努力を怠ってはなりません。だからこそ、日韓関係が小康状態にあるうちに、日本はしっかりと自主防衛体制を取り戻すべきではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • 古今東西、懸案ごとにどちらにつくか選択できる国なんて存在したでしょうか。

    まあ、押しも押されぬ大国で、案件毎に好条件を提示されてなびくみたいな例はありそうですけど。

    「どちらにつく」選択は同時に「どちらかを切る」選択でもありますからものすごいパワーが要ります。これを案件毎にやってたら国の体力が保たないとは思います。少なくとも日本レベルではその能力も気力もないですね。だから基本軸はアメリカで、中国とは波風立てないようにやっていくしかないわけです。

    韓国がそういう道を選ぶなら、まあ勝手にどうぞですね。是非やってみて結果を参考にしたいです。

    まあ、間違いなく机上の空論だとは思いますけど。

  • >1945年8月11日に旧ソ連軍が樺太に軍事侵攻したものを除けば

    ソ連軍の樺太侵攻は、ソ連軍の軍事的勝利とは言いがたいと思いますよ。
    日本軍軍令の消極的な命令、支援の欠如を現地の部隊が死に物狂いで抵抗して、北海道侵攻の橋頭堡確保を遅らせ北海道侵攻を挫折させた、戦術的にも戦略的にも実質的に日本軍の遅滞戦闘の勝利と言って差し支えないでしょう。
    アホなのは、日本軍側は降伏の意思すらあったのに、殲滅に拘って、結局、勝利を逃したソ連軍です。
    降伏すら許されなかったのでは死に物狂いの死兵にならざるを得なかったでしょう。

  • 昔、ソ連が8月15日まで攻めて来なかったのは、中立条約を守ってたからだと思ってました。
    バカですねぇ。敗戦まで待ってたのは、日本が恐かったからだと気付いたのは、つい最近。
    しかも、負けたのは戦闘をせずに、武装解除した所だけで、まともに戦った千島戦線は日本の勝利に終わってます。
    北海道に来なかったのは、アメリカが止めたんではなく日本に負けたから。
    読書して、これに気付かされた時、今迄日本軍は弱いと思ってた自分を恥じました。
    弱いと思ってた原因の一つはショボい戦車です。

    やはり、教科書は先の大戦を正しく教えて日本軍は強かったと認識出来る様にしなけれぱ。

    • 千島戦線は戦車第11連隊が有名ですね。
      ソ連は短期決戦と思ってなめてかかったら
      逆にボコボコにあったという。
      何もせずとも勝ちは揺るがなかったのに。
      共産国家さん、余計な事するの好きだよね。

      • >戦車第11連隊

        軍神化されてて、批判が許されない立場なんですが、戦史研究家の一部では、

        揚陸した戦車の一台も無いソ連軍に突撃して全滅した精鋭w

        という扱いも。
        まあ対戦車砲はまだしも、対戦車ライフルで簡単に抜かれるチハたんにも問題がありましたが、無対策に突撃してりゃ全滅しますわ。

  • 物理的攻撃だけでなくサイバー攻撃やドローンなどによる攻撃と、戦う前に戦いが他人事と思っているうちに日本は負ける。そう思いますがね・・

  • 中国人ユーチューバーの動画を見て感じました。
    今は「香港」と言う単語自体使わないようにしています。下手に使うと危険です。
    今の中国政府は言論の自由のない、基本的人権もどうかという国です。
    日本人だから言えるけど、中国人は言うと命に関わるので絶対に言えません。
    言論の自由のある国、基本的人権のある国は、付き合い方を考えながら付き合ったほうが良いとおもいました。
    中国人も独裁はいけないとおもいつつ、政府批判は絶対に言えない国。言うと命に関わるのが当たり前な国、というのが恐ろしい。
    申し訳ありませんがそういう国です。

    韓国人ユーチューバー中国人ユーチューバー見て思ったのは、韓国より格段に中国は怖い国、言論の自由のない国、基本的人権のない国と感じました。

    基本「単語」すら言わないようにしているのかと、怖くなりました。

  • ネコちゃんには、かないそうに無い記事ですね。
    たまには、視点を変えてみましょう。
    「懸案ごとに米中を選択すべし」
    韓国人は、正直ニダ。
    他人の話は良く聞こえないニダ。

  • >朝鮮半島が日本の「緩衝地帯」ではなくなるという事態は、じつは、さほど恐れる必要はないのではないか

     仰る通り、四方を海に囲まれているというのはそれだけで(大軍の侵攻への)防衛には有利ですね。古くは元寇もそうでしょうし(鎌倉武士伝説ネタもすごいですが)、台湾が持ちこたえているのも同様でしょうか。ソ連軍は精強でなくとも強大なので、フィンランドの事を考えると、もし地続きだったら……
     戦争の放棄、戦力の不保持などというトンデモを押し付けられたのは、日本の牙を抜きたかったからが第一にしても、島国なのでどうとでもなる、というような目論見もあったかも?中長距離ミサイルの登場で崩れましたが。
     ソ連・ロシア軍がシベリア以東に戦力を終結させるのが物理的に難しかった、アラスカがすぐそこというのはあるにせよ、北海道以北は緩衝「国」が無かったのにどうにかなっているのだから、半島が無くても大局は変わらないかもしれませんね。
     しかし単純に「現状より中露を近づけたくない」という点は大きいし、敵対的な韓国軍はともかく「米軍置き場」が無くなるのは心許ない。自主国防には実力的にも国民意識的にも厳しい、とどうしてもコストと時間が要求されるので、半島生命線説を崩し不要説を進めるには憲法改正も含め、早急な施策が必要になっていきますね。いつまでも議論がー議論がーとやっている時間はそろそろ厳しい。翻って、そりゃ中国からしたらいつまでもこの議論を紛糾させておきたいですわね。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (私は韓国と違って、間違う存在であると自覚しているので)

     懸案ごとに米中を選択して、もしそれで上手くいかなかったら、朝日新
    聞に「後は日本政府にやらせる」と言わせれば、韓国としては何の問題も
    ないのでは。(もし日本政府が断ったら、面子を潰された朝日新聞が安倍
    総理批判をしてくれるでしょう)

     駄文にて失礼しました。

  • >つまり、朝鮮半島が中国の領土になるのか、ロシアの領土になるのか、北朝鮮の領土になるのかは知りませんが、朝鮮半島が日本の「緩衝地帯」ではなくなるという事態は、じつは、さほど恐れる必要はないのではないかと思います。

    うーん、この点に関して完全には同意できません。

    少なくとも朝鮮半島の日本海側まで共産チャイナに支配される事態となれば、現実問題としてロシア極東海軍がチャイナ海軍とは牽制し合えるほどの力が全くない以上、日本海がチャイナの内海化される危険性はかなり高く、対日先制攻撃用の潜対地ミサイル(USM…underwater-to-surface missile)を搭載したチャイナ海軍の潜水艦(USMの搭載・発射は大型の戦略弾道ミサイル原潜でなく小回りの利く通常の攻撃型潜水艦で済む)が日本海という我が国の裏庭で自由に行動できてしまいます。

    その結果として、尖閣有事の際に後詰の航空戦力の供給拠点となるべき本州の空自基地に対してチャイナは好きなタイミングで先制攻撃をかけて空自基地の滑走路や格納庫を破壊して尖閣周辺海域の防空戦で損耗した戦力を日本側は補充できない事態に陥ります。これは日本の安全保障にとって非常に重大な事態です。

    日本の安全保障上、朝鮮半島の黄海側は共産チャイナに支配されても問題ありませんが、少なくとも日本海側までチャイナに支配されるのは極めて拙く、そちら側は少なくともロシアに支配してもらわねばなりません。

    ついでに言えば朝鮮半島の南端部つまり対馬海峡に面した部分に関しては、我が国の国防上はアメリカ支配が極めて望ましい。釜山に人民解放軍の対日戦用の短距離弾道ミサイルを配備されると、現実的に考えて南西諸島有事でのチャイナの先制奇襲攻撃から九州の空自基地の航空戦力を防衛しようがありませんから。

    更に言えば釜山に人民解放軍の対日戦用ミサイルを配備されると対馬も尖閣同様にチャイナからの侵略をいつ受けても不思議でない状態に置かれてしまう事態となりますが、尖閣を奪い取られるのと対馬を奪い取られるのとでは我が国が蒙るダメージは文字通り桁違いですから。(対馬防衛のためにどれほど陸自を対馬に配備しようと、朝鮮半島南端から短距離弾道ミサイル(当然、弾頭は核でなく非核、但しチャイナはクラスター爆弾禁止条約に加盟していないので破壊効率の高いクラスター弾頭も使う)による奇襲攻撃で先制されれば防ぎようがなく、対馬に配備された自衛隊の部隊は容易に壊滅状態にされてしまい対馬は丸裸になってしまう。

    対馬をチャイナに奪われる事態となれば、当然ながら尖閣防衛も不可能なので、九州は北(対馬・朝鮮半島)と南西(東シナ海・南西諸島)との両方から挟撃される事になります。その結果、対馬失陥後の半世紀程度で最終的に日中国境線は、楽観的に見ても関門海峡、悪くすれば中国~中部地方のどこかになってしまうでしょう。(その時には東京圏の日本国民が「名古屋が日本側に残って本当に良かったね」と喜び胸を撫で下ろすような状況になっている可能性は十分にある)

    • 挑戦民族は大きく3つの国に分かれている。漢民族も複数の国と地域。
      大和民族も一つの国にこだわる必要はないかもね。

      対馬を独立させて軍国化、手綱(軍事費防衛費)は日本持ち。
      たとえ同額の予算でも建前は別の国だから出来ることが多くなるのではないか
      対馬国に脅されたら日本に泣きが入るようにはできないものか…

    • 例えば中国が朝鮮半島を足がかりに日本を攻撃しようとしたとしましょう。この時、中国が韓国に向かって「韓国には危害を加えない。日本を攻撃するための部隊を展開したいだけだ」と言ったらどうでしょう。韓国は抵抗してくれるでしょうか。日本という言葉が出た瞬間に、抵抗してくれる可能性は皆無です。日本から見て韓国にある重要拠点はいともたやすく日本攻撃の拠点として使用されるでしょう。

      まあ、それが中国が韓国支配のための布石になるのですが、韓国で一部それに気づく人がいても日本をやつけられる誘惑に抗うのは不可能だと。

      緩衝地帯論は日本の立場限定で全くあてにならないというのがわたしの考えです。

      • Gさま
        韓国は、個別案件で米中を選択出来ると考えています。
        在韓米軍の撤退が完了したら、中国共産党軍が入ってくる事は、充分想定される話だと思います。
        在韓米軍撤退後の韓国が、韓国軍だけになると考えている人は、考え直した方が良いと思います。

  • >中国もロシアも韓国も北朝鮮も、に日本に攻め込むだけの度胸も能力も持ち合わせていません。

    それは、どうかしら?日本本土にすぐ。というのはハードルが高くても、離島なら無人島なら、ハードルは下がります。現に竹島は不法占拠されていますし、尖閣も沖縄に米軍駐留が無くなったら、すぐですわ。

    そして、ハードルが高くても、難民を装うといった中華伝統の大陸半島戦略を舐めてはいけません。動乱時には、必ずこの手で来ます。

    この間のプライムニュースに出演されていた橋下氏が、「政治家は、親中の振りをしてテーブルの下で足を蹴りあうぐらいのことをしろ。」とおっしゃっていましたが、そこに思い至らない企業や個人が、大陸、半島の人質になったら、どうします?要は、国家としての方向をはっきりと国内外に示す。というのは、最小限の国防です。

    韓国の二股?上手くいけばよろしいわね(せせら笑い)。米中は、いえ、世界中は、それが通用するような状況ではないとは存じますが。まあ、見物させて頂きます。

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