本稿はちょっとしたショートメモです。3月に立憲民主党に離党届を出していた山尾志桜里衆議院議員の国民民主党への入党届が、やっと承認されたのだそうです。その山尾氏は憲法議論を積極的に進めようとしている人物でもあり、また、中谷元(なかたに・げん)衆議院議員とともに、香港に対する世界議連の日本代表を務めている人物でもあります。
山尾氏が国民民主党に入党
3月に立憲民主党に離党届を出していた山尾志桜里衆議院議員が6月、国民民主党に「鞍替え」するようだ、とする話題については、以前、当ウェブサイトでも取り上げたことがあります。
山尾志桜里議員:「肥溜め」→「三角コーナー」へ移籍
例の武漢コロナ禍の影響であまり目立たなかったのですが、「地球6周分のガソリン」、「日本死ね」、「不倫疑惑」などでも知られる山尾志桜里(やまお・しおり)衆議院議員(愛知7区)が、いつのまにか立憲民主党を辞めて国民民主党に「鞍替え」していたようです。<<…続きを読む>>
―――2020/06/17 10:30付 当ウェブサイトより
(※余談ですが、この記事のタイトルで、立憲民主党を「肥溜め」に、国民民主党を「三角コーナー」にたとえてしまいましたが、これについては不適切なたとえでした。というのも、肥溜めは畑や田んぼの肥料を作るうえで役に立っており、また、三角コーナーは台所を清潔に保つうえで役に立っているからです。)
ただ、先日の記事では「山尾氏が入党届を出した」状態までを紹介したのですが、どうもその後、山尾氏の入党届は棚上げ状態になっていたらしく、8日になってやっと入党が承認されたのだとか。
山尾志桜里氏の入党を承認 国民民主
国民民主党は8日の拡大総務会で、山尾志桜里衆院議員(愛知7区)の入党を承認した。<<…続きを読む>>
―――2020.7.8 19:23付 産経ニュースより
産経によると、山尾氏を巡っては「地元支持者らとの関係が悪化している」ために、国民民主党の党内で受け入れに慎重論があり、調整に時間がかかったため、今月にまでずれ込んだようです。
山尾氏は改憲論者?
山尾氏といえば、「ガソリンプリカ」問題や「日本死ね」事件、若手弁護士との不倫疑惑など、なにかと世間を騒がせてきた人物ではあります。ただ、今回の産経ニュースの記事を読んでいて「おや?」と思ったのが、次の記述です。
「山尾氏は憲法をライフワークとしており、入党届を提出した直後の記者会見では『(国民は)憲法議論を前に進めていこうとするところが象徴的だ』と語っている。」
「山尾氏は憲法をライフワークとしている」?
このあたり、気になって調べてみたところ、いままであまり気に留めていなかったのですが、山尾氏は立憲民主党に所属していた議員にしては珍しく、どうも「憲法議論が必要だ」とする立場を取っていらっしゃったようです。
「憲法論議は議員の国家観を示す場」―山尾志桜里(衆議院議員)
憲法改正を悲願とする安倍首相は、国民投票法改正や審議会での議論を経て2020年中に発議というシナリオを描いているとされる。これに対して野党は「安倍政権下での改憲議論は応じられない」と対決姿勢を示しているが、先の臨時国会で「自由な議論はするべきだ」と発言し野党内に物議を醸したのが立憲民主党の山尾志桜里衆議院議員。<<…続きを読む>>
―――2020年1月14日付 『経済界』より(2020年6月17日更新)
このあたり、意外ですね。
記事を読んでも山尾氏が憲法第9条などについてどう考えているのかは明らかではありませんが、ただ、立憲民主党や日本共産党のような「憲法議論すら許さない」という姿勢に対しては、山尾氏は批判的な立場を取っているようことは間違いなさそうです。
ちなみにこの『経済界』のインタビューは、当初の公表日が1月14日、つまりまだ山尾氏が立憲民主党に所属していたころに収録されたものだそうです。その意味では、立憲民主党に所属していながら党の方針に逆らうというのは、なかなか気骨がある人物だ、という言い方もできるかもしれません。
(※もっとも、だからといってガソリンプリカ不正問題などの説明から逃げ回っていることが正当化されるものではありませんが…。)
香港連帯議連の日本代表
さて、その山尾氏を巡っては、もうひとつ、興味深い話題があります。それは、山尾氏が自民党の中谷元(なかたに・げん)衆議院議員とともに、先月、香港に対する国家安全法制の導入を巡って米英などの国会議員と連帯して成立した世界議連の日本代表を務めている、という事実です。
中国に強い姿勢で…中谷元防衛大臣ら世界議連設立
香港への国家安全法制の導入を決めた中国に対して強い姿勢で臨むべきだとして、日本やアメリカ、イギリスの国会議員らが世界的な議員連盟を設立しました。<<…続きを読む>>
―――2020/06/09 20:28付 テレ朝newsより
ただ、それと同時に香港の自由と民主主義、人権と法治を守ろうとする同議連の活動についてはきわめて真っ当なものでもありますし、また、山尾氏の憲法に関する「議論することが大事だ」とする考え方も正論と言わざるを得ません。
山尾氏が入党した国民民主党という組織には、森裕子氏や原口一博氏のように、正直、国会議員として、あるいは社会人としてどうかと思ってしまうような人物もいるため、「人罪の宝庫」という意味では、あまり立憲民主党のことを笑えません。
森裕子氏の個人情報漏洩事件と国会議員の「見える化」
国会議員に免責特権は必要なのか。このあたりについて、根本的な疑念を抱かざるを得ない事件が、相次いで発生しています。具体的な人名を挙げてしまえば、それは国民民主党の森裕子参議院議員です。森裕子氏は国会議員としての地位を悪用し、民間人である原英史氏らに対する名誉棄損や個人情報漏洩事件などを相次いで発生させているのですが、なぜ自民党は森裕子氏の懲罰を動議しないのか疑問です。<<…続きを読む>>
―――2019/11/14 15:00付 当ウェブサイトより
しかし、それと同時に世の中というものは一足飛びに良くなっていくというものではなく、どうしても一歩ずつ変えていくしかありません。
そうであるならばなおさら、「よりマシ」な政治家が出てくるように、私たち有権者の側も積極的に声を上げて行かねばなりませんし、また、クズのような政党に所属する議員であったとしても、是々非々で、良い言動を取った政治家に対しては褒めてやる、という姿勢が大事でしょう。
与党への牽制にもなる
さて、これに関連してあらためて思い出しておきたいのが、昨日の『野党が正しい政策を掲げるならば、全面的に歓迎すべき』でも取り上げた、国民民主党の玉木雄一郎代表が「野党は消費税減税でまとまって戦うべき」と述べた、とする話題です。
以前から当ウェブサイトをご愛読いただいている方ならご存知だと思いますが、著者自身は消費税が現在の日本社会に馴染まない税制だと考えており、また、日本が1989年以降、「失われた30年」を経験している最大の犯人も、まさにこの消費税だと考えている次第です。
消費税のどこが問題なのかについては、これまでに『増税から1ヵ月 数字で読む「財政再建論の大間違い」』などでも何度も触れて来た論点であるため、詳細説明は割愛しますが、いずれにせよ、消費税の減税または凍結という「正論」を主張する政治家が増えることは良いことです。
また、「NHKから国民を守る党」が昨年の参院選で1議席を獲得したことも、見方を変えれば、現状のNHKに不満を持っている有権者が、「NHKをぶっ壊す」を公約に掲げた政党に1議席を与える程度にはたくさんいる、という事実の裏返しでもあります。
もちろん、玉木雄一郎氏や昨日取り上げた山本太郎氏らに消費税減税・消費税廃止などを実現する政治力があるかどうかは別問題ですし、山尾志桜里氏に憲法議論をする能力があるかどうかも別問題です。
さらには、立花孝志氏は「NHKをぶっ壊す」という、有権者から負託を受けた大事な使命を実現するどころか、さっさと議員辞職して選挙ゲームに興じている始末です。
しかし、それでも山尾氏、山本氏、玉木氏、立花氏らが、たとえ「口だけの政治家」だったとしても、彼らの主張が有権者に支持されるという事実は大事です。なぜなら、自民党などの与党にとっても、「それが民意である」というメッセージは伝わるからです。
その意味では、どんな政治家であっても正論を唱えた場合には、そうした主張は傾聴すべきですし、結局のところ、その政治家を支持するかどうかは是々非々で総合的に判断する、という姿勢が正しいのではないでしょうか。
当ウェブサイトもささやかではありますが、野党政治家を批判するだけでなく、正論を述べる政治家がいれば、もっと積極的に取り上げる、という姿勢で臨みたいと思います。
View Comments (21)
単なるお騒がせバカ女だと思っていたので
かなり意外です w
離婚後にできた仲ではない疑惑。
つまり、ダブル不倫疑惑。
人の道を外した疑惑の張本人が日本代表とは。
外国から突っ込まれないといいのだが。
いずれにしろ他にいなかったんでしょうね。
要するに日本の国会議員は人罪の宝庫なんですね。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(というより、個人的感情、丸出しなので)
(全部が全部、あるいは、それが全てではないかもしれませんが)日本
の政治家は、テレビ映りが全てではないでしょうか。(もっとも、他国も
同じかもしれませんが)
駄文にて失礼しました。
政治家は誰一人信用できない。
正論を述べても選挙対策にしかどうしても見えない。
ガソリーヌやら日本死ねやら自らの不倫疑惑など、自分に甘く自民に厳しい今の特定野党や特定マスゴミの体質そのものの人と思っています。
憲法改正どころか憲法改悪とならないことを切に願います。
関連サイトを2,3チェックしただけですが、少々、エキセントリックな方のようですね。それが、織田信長のように、大志を胸に秘め、それを実現するための演技であるというなら面白い人材かも知れません。ただもう45歳らしいので、そろそろ「お騒がせ」は卒業し本領を発揮してもらいたいです。
で現在の処、彼女の主張は、改憲の議論には賛成でも、立場はあくまでも「護憲的改憲論」ということですから、私の、なけなしの1票を彼女に投ずることはないでしょう。
はぐれ鳥 様
>改憲の議論には賛成でも、立場はあくまでも「護憲的改憲論」ということ
その通りですね。これは石破議員にも通ずることで、自分の意見(具体的な内容)を決して言わず「議論しなければいけない」で結びます。
石破議員の「核保有も議論しなければいけない」や 安全保障改正の際の発言、「憲法を曲解するのではなく憲法改正を含め 向き合わなければいけない」などは まさにこれです。
正論のように聞こえますが、現政権に「耳障りの良くないこと」や「誤解を受けやすいデリケートな事柄」を発言させることを目的にしているように聞こえます。
ごみ議員の中では、棒やヘラなどの道具を使う「ごみ」ではなく ゴム手袋を使ってつまみ出す「ごみ」レベルですかね。
福岡在住者様
レス有難うございます。
つくづく、政治家の真贋を見極めるのは難しいと思っています。私も、かつては小沢一郎氏に期待していました。でも彼も、ただの政治屋(自分メシのためだけに政治を行う)であるという素顔が露わになってしまいました。その結果、今では老醜をさらすだけの存在です。石破さんも、何か、安倍ちゃんに総裁選で負けてからおかしくなった感じですね。それまでは、防衛問題通を自認していたこともあり、安保関係に関してはシッカリした考えを持っていると思っていましたが、最近の彼の言動は我々を失望させるに十分、ガッカリです。
この山尾議員については良く知りませんが、逆な意味で「期待を裏切ってくれれば」と思いますが、ま、そんなこと期待してもムダなだけでしょう。ということで、現在の日本政界は、仰せの通りごみ集積場です。稀に、札束や金の指輪が見つかる事も有りますが、99%はゴミばかり。とはいえ、選んだのは我々国民ですから自己嫌悪におちいります。(笑)
更新ありがとうございます。
山尾志桜里氏と題目にあるから敬遠した方もいるのか、コメントが少なめですネ(失笑)。山尾氏の場合、コメントしにくいと思います。
いわゆる正体不明、敵味方指示器未搭載、国会議員としても私人としても、問題の多い方。美人かどうかと聞かれれば、美人なほうでしょう(論題と関係ネー!すみません)。
しかしA県はアカのO知事といい、ガソリーヌといい、なかなか選挙民の選択眼は白内障気味ですナ(笑)。いや、バカにしてるだけじゃなくて、私は既に両眼手術済みなので、良く分かるんです(阿呆か?)。
子供から若い頃の視界がパァ〜ッと得られた気持ちです。良く見えるんです。他人の毛穴まで(爆笑)。それが出来てないのがA県民第7選挙区でしょう(第7は間違いかも?)
ま、山尾氏が美人かどうかは別にして、典型的な名古屋顔ですネ(ア〜言ってしまった!また反論される)。
東京とか横浜とか京都とか神戸とか(あえて辻元の居る大阪は入れない 笑)、それぞれ美人のイメージ、特徴があるとしましょう。山尾氏は『作った顔』『ややケバイ』『でも田舎臭い』と言うのが個人的意見です。失礼しました。
でも、良いところはアル。民主党時代の今年の国会委員会で徹底抗戦とばかり、枝野らが退出し、睨みつけるのに、山尾氏は一人残って参加してました。なかなか出来ません。もうあの時点で「縁切り」のつもりだったのかな?
何か、国民民主党に入ったものの、最終的には自民党の末席を汚すような予感がします(笑)。来るなよ!信条は大いに賛同するが、貴女はキズが多過ぎる。そのマイナスのほうが大きい。また地元が許すかな?次回当選しても国民民主党は無くなっているだろうし、非常に心配だ。
この人、私生活といい心の起伏が大きい。
持って生まれた運命なのか、良い悪いは別にして何かやりそう。人間性に安定と安心感が大きく欠如している。
現在香港で進行中の事態、そしてウィグルやチベットで行われている(らしい)蛮行に何も声を上げられないサヨク、自称リベラル、自称進歩派については、唾棄すべき脳足りんとしてしか認識していません。彼らが大仰に奉る「言論の自由」とか「民主主義」とか「人権」などというフレーズも一切信用しておらず、何も理解していないくせにご都合主義とカッコ付けで振り回しているだけだと思っています。
山尾氏がそこから僅かにでも本当に踏み出そうとしているのであれば、慶賀すべきことでしょう。ただ、過去の言動を見る限り「イタイ人」という印象しかないので、それをどこまで払拭できるかが課題でしょうね。くれぐれも汚名挽回なんてことになりませんように。
憲法改正論議に関する山尾参院議員の意見は正しいので評価すべきだというのには賛成です。
憲法にちゃんと改憲の条件が記載されているのですから、改憲について議論すること自体をすべきでないという左翼系論者の大半の意見は自由主義と民主制という政治制度において最も忌むべき言論封殺ですから。
ただ日本というよりも我々日本国民の根本的な問題は、これだけチャイナの軍事的脅威が現実のものとなっており加えて北朝鮮の核ミサイルも少なくとも距離の近い我が国にとっては既に明確に射程内に入っているにも拘らず、日本国民の過半数が現在でも憲法9条を変更・廃止すべきでないと各種の世論調査の全てで解答している点です。
同時に明らかに9条2項に違反している自衛隊は賛成だと言いながらね。我ら日本国民の論理的な支離滅裂もここに極まれりといったところでしょうか。
こんな世論調査が続き日本国民の大半が9条を金科玉条の如き存在と信奉し続けているようでは安倍総理も憲法9条改正に本気で手をつけることは危な過ぎて出来ませんよ。憲法改正で国民投票をやって否決されたら現実問題としては二度と改憲のチャンスはなくなりますから。少なくとも9条改正が国民投票で一度失敗したら最低でも30~50年は不可能になるでしょう。
迷王星さま
同感です
野党を交渉のテーブルに着かせない事には話が始まりません
韓国が北朝鮮の脅威に鈍感なように
日本にも中国・北朝鮮を脅威に感じない「平和ボケ」が多すぎます
戦争のためのではなく平和を維持するための改憲が必要は喫緊の課題です