昨日の『【読者投稿】在韓日本人のメッセージ「がんばれ韓国」』については、内容がきわめて秀逸だったためでしょうか、コメント欄も大盛況だったようです。韓国在住日本人様には改めて御礼申し上げたいと思う次第です。本稿では、昨日の記事に頂いたいくつかのコメントなどをもとに、韓国の将来や日韓の考え方の違い、さらには「離れ方」について、もう少し深く考察してみたいと思います。
大人気シリーズの読後感
当ウェブサイトでは、「韓国在住日本人」様というハンドルネームのコメント主様による「在韓日本人が見た」シリーズが大人気です。これは、単純な嫌韓ではなく、かといって韓国に媚びるでもなく、韓国人のなかで生活する日本人という視点から淡々と韓国の姿を描き出すというシリーズです。
ご本人の申告によると、韓国在住日本人様は日本人技術者としてとある韓国企業に勤務されている方です。昨年夏以降、当ウェブサイトに読者投稿を寄せてくださるようになったところ、多くの読者の方々から好評を博したのです。
ただ、例の武漢コロナウィルス蔓延のためでしょうか、韓国在住日本人様は今年6月末で退職され、11年に及ぶ単身赴任生活にピリオドを打ち、猫ちゃんと一緒に帰国されるとのことですが、ご無事でのご帰国を願わざるを得ません。
あくまでも個人的な希望を申し上げるならば、帰国されて以降も是非、読者投稿をお願いしたいと考えている次第です(ハンドルネームについてはお任せ申し上げます)。
なぜ、韓国人は約束を守らないのか?
さて、昨日の『【読者投稿】在韓日本人のメッセージ「がんばれ韓国」』、自慢ではありませんが、世の中の「嫌韓」的なブログ、ウェブ評論サイトではめったにお目にかかれないタイプの記事である、という自信があります。
韓国在住日本人様は記事に「韓国ヒムネヨ」というタイトルを付し、韓国を離れるにあたって、この国の未来について書いてみる、という試みをされたのですが、これが本当に秀逸です(「ヒムネヨ」とは「負けるな、がんばれ」という意味だそうです)。
真っ先に目につくのは、次の記述です。
「実際の韓国人も約束は守らないし、素晴らしい嘘をつきます。しかし、彼らはそうやって長い間、国としては大国から身を守り、国内では敵対勢力や権力者から身を守ってきました。子供が大人から自分を守るようにです。」
おそらく、これがすべてなのでしょう。
当ウェブサイトでも以前から「相手を変えることができる」と考えること自体が大変な思い上がりであると申し上げて来ましたし、ましてや「相手が日本のために変わってくれる」と期待すること自体、傲慢であるだけでなく、大変に危険な思想でもあると考えて来ました。
日本が35年統治し、道路、鉄道、港湾、教育、法律といった社会インフラを整備してあげたにも関わらず、また、1965年の日韓基本条約以降は莫大な資本と技術を提供して最先端の工業製品を生み出す国にしてあげたにも関わらず、韓国は「日本」にはなれなかったのです。
それだけではありません。韓国は米国の「同盟国」ということになっていますが、その実態は一方的に米国から国土を防衛してもうだけであり、実際には米国に対して「同盟国」としての義務を果たしているわけではありませんし、米国が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想への参加を拒んでいます。
日米両国から多大な恩恵を受けておきながら、日米両国が大事にする「自由主義」「法の支配」といった考え方を最後まで理解しようとせず、それどころか日米両国の仮想敵国である中国や北朝鮮に擦り寄るという「利敵行為」を行っているのですから、恩知らずにもほどがあります。
しかし、こうした「恩知らず」ぶりは、結局のところ、彼らの長年の歴史がもたらす習性だと考えるのが妥当ですし、そろそろ日本も米国も、「韓国を変える」ことではなく、「韓国は変わらない」という前提で動くべきではないかと思うのです。
読者コメントが秀逸!
ここで、気になった読者コメントを、3つ紹介しておきます。
ひとつめは、「ばんきり」様というコメント主様からいただいた、こんな趣旨のコメントです。
「言い訳が天才的にうまい人が、言い訳の才能だけでさまざまなトラブルを乗り切っていくという話を思い出す。作中人物は先祖代々言い訳がうまい家系に生まれ、最終的には多額の負債を抱えた会社の社長として、会社債権者に対し天才的な言い訳の才能を発揮する。」
おそらくその作品は、星新一の『マイ国家』という単行本に収録されているショートショート『いいわけ幸兵衛』のことだと思います。ばんきり様が指摘するとおり、作中でこの人物は言い訳をしているだけで、なんら生産的なことをしていません。
この作品のオチについてはよく覚えていないのですが、たしかに現在の韓国は、ひたすら言い訳(あるいはウソ)をつきまくって、債権者らをごまかし続けるウソツキ社長のようなものでしょう。
最大の違いがあるとすれば、幸兵衛には愛嬌があり、韓国には愛嬌がない、という点でしょうか(笑)。
空気を読め!
一方、「田舎のおばさん」様からは、こんな趣旨のコメントをいただきました。
「韓国で自動車に乗せてもらったとき、高速道路の料金所で市内の美味しい店の情報などを係員に延々と聞くドライバーがいて驚いた。後続車もずら~と並んでいるし、日本人の感覚からすれば、そんなこと高速を降りてから自分で調べればいいじゃないかと思ってしまった。」
これも、日本では考えられない話です。
おそらくこのドライバーは、自分自身がその行動を取ることで、道路状況全体にどんな影響が及ぶのか、そもそも想像力が働いていない、ということでしょう(あるいは配慮がない、というべきか)。日本人的な感覚からすれば、「空気を読め!」と言いたくなるような瞬間がたくさんあるのかもしれません。
ただ、この点について、韓国を擁護しておくと、「ドライバーが周囲に配慮しない」というのは、べつに韓国だけの話ではありません。
私自身、学生時代、あるいは就職してからも独身時代には、格安航空券を買ってはずいぶんと海外旅行に出かけたクチですが、エジプト、イタリアなどで似たような経験を何度もしています。
とくに、欧州で国際運転免許証を使い、レンタカーを借りて運転したことが過去に何回もあるのですが、イタリア「だけ」は乗り入れ禁止とされているケースが多いです。というのも、イタリアを除く欧州は総じて運転マナーが良い反面、イタリアの運転マナーは極端に悪いからです。
実際、イタリアでレンタカーを借りて運転した際、強引な割り込み、よそ見運転、方向指示器なしにいきなりの車線変更など、意味不明な挙動が頻発し、何度か事故に巻き込まれそうになったほどです。
ま、イタリアなどと比べたところで、あまり擁護になっていませんが…(笑)
改憲すら容易に!
さて、名無Uさんからは、こんな趣旨のご指摘をいただきました。
「韓国の憲法では、改憲は在籍議員の3分の2以上の賛同が必要とされているが、逆に言えば、保守派議員ばかりを選挙違反で排除して『在籍』議員数を減らせば、与党は『在籍』議員の3分の2以上を確保して憲法改正に踏み切ることも夢ではないのではないか。」
この点、大韓民国憲法第130条によれば、確かに第1項に、こんな規定が設けられています。
「国会は、憲法改正案が公告された日から60日以内に議決しなければならず、国会の議決は、在籍議員の3分の2以上の賛成を得なければならない。」(※下線は引用者による加工)
ここでいう「在籍議員」がいわゆる「議員定数」のことではなく、日本語と同じ意味なのだとしたら、たしかに「3分の2」の分母を減らせば、与党「ともに民主党」やその協力政党の議員数が同じであっても、改憲に必要な「3分の2」に到達するかもしれません。
たとえば、文在寅(ぶん・ざいいん)氏の改憲に賛同する勢力が190議席だったとしましょう。この場合、在籍議員総数が300人だった場合、議席占有率は63.33%であり、「3分の2以上」(つまり66.67%)に到達していないため、このままだと改憲は不可能です。
この場合、「在籍議員数の排除」だけだと、保守政党側で15人を排除しなければならないため、自然に考えたらややハードルは高いですし、「保守陣営の造反狙い」だと、少なくとも10人ほど造反させなければならないため、同様にハードルは高いです。
しかし、「失職と造反」の合わせ技だと、これが現実味を帯びて来ます。具体的には、
- 6人失職させ、9人造反させる(合計15人)
- 7人失職させ、7人造反させる(合計14人)
- 9人失職させ、4人造反させる(合計13人)
- 11人失職させ、3人造反させる(合計12人)
といった「組み合わせ」で、改憲が可能になります。
つまり、たとえば保守陣営を6人、選挙違反で摘発して失職させることができれば、あとは脛に傷ある保守派の議員を9人引き込めば良い、という話ですね。
文在寅氏なら、これくらいのことはやるでしょう。
視線は「突き放すこと」
さて、韓国在住日本人様の韓国に対する視線は、冷静でありながらも、どこか愛情があるように思えてなりません。
ただ、昨日の論考を読んだ個人的な印象を申し上げるならば、出来の悪い子供を「最後の愛情」で突き放すような視点といえば良いでしょうか。人間にせよ、動物にせよ、子供はいずれ大人になります。いつまでも親の脛をかじっていてよいというものではありません。
このように申し上げると、私たち日本人のなかには、韓国のような「ドラ息子」を持った覚えはない、と反発する方もいらっしゃることは事実でしょう(ついでに私個人としても、韓国は「兄弟」でも「親戚」でも何でもなく、強いて言うならば「迷惑な隣人」くらいにしか思っていません)。
しかし、それと同時に事実として、日本は韓国に対し、さまざまな便宜を与えて来たのであり、その振る舞いは「親」とそっくりです。
そして、韓国が産業構造として日本の「ライバル」に育ってしまったことは確かですし、放っておけば為替介入などの不当競争を通じて日本の産業を潰しに来ます(『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』等参照)。
だからこそ、少なくとも「親離れを促すために突き放す」という視点が必要なのかもしれませんし、あるいは「日本の産業競争力の脅威とならないように、今のうちに少しずつ韓国から資本を抜き、サプライチェーンから韓国企業を外し、できるだけ関係を薄める」、という態度が大事なのかもしれません。
(※これが米国だったら、韓国のことを経済的にも物理的にもしれっと焦土化することができるのかもしれませんが…。)
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自ら考えることのない韓国に対しては、「助けない、教えない、関わらない」の非韓三原則が一番だと思うのです。
以前「断捨離」という言葉が流行りましたが、「韓捨離」も広めたいものです。
イーシャ様
ロム専でしたが思わず反応してしまいました。
「韓捨離」。いいですね(笑)
是非とも広まってほしいです。
>「失職と造反」の合わせ技だと、これが現実味を帯びて来ます。
道具立てが2つあると一気にやらなくても、じわじわ締め上げることができますね♪
最初はわかりやすい違反者を何人か失職させて、造反を待つ。暫くしたら、また失職させて、更なる造反を呼ぶ。
内部けらの密告があったとか噂を流せば、疑心暗鬼から混乱が起こるかもしれませんね
頑張れ、文大統領! \(^o^)/
おはようございます。
問題は米国ですよね。米国が韓国をどうするか?がねー。
在韓米軍駐留費5倍交渉の行方もわからないし。
北の首領様の安否も不明だし。
南は南で、電気管理士の次は森林火災管理士?や、防疫ボランティアみたいな短期雇用を大量に創出?
親日称賛禁止法?
不確定要素多すぎですが、もってるムンムンに期待したいと思います。ナニヲ?
後出しにならないアリバイ作りで、しれっと書いたんですけどね。も少し妄想してますが、小出しにします。
やっぱり七味さんは、頭が良いですね。
>今のうちに少しずつ韓国から資本を抜き、サプライチェーンから韓国企業を外し、できるだけ関係を薄める
会計士どのの主張に賛同いたします。
全世界を見回してみましょう。今いる場所が嫌だから、嫌いになったらと言って逃げ出す先はなくなりました。アメリカに逃げますか? 他のどこかへ逃げますか? 飛行機は(ほんんど)飛んでません。逃げ先の生活に期待できますか? 人生もお商売もこれを機会に見直されたほうがいいですよね。V字回復の向こう側のカベ、飛びつく先を見極める時間があります、おそらく存分に。
いつもありがとうございます。
最近嫌韓、嫌韓と言われますが、これは一部の人を除き、南鮮の所行が明らかになったせいだと思われます。
会計士さんの言われるとおり、マスコミの力がなくなってきた。その証拠ですね。ネットの力は極めて大きい。さらにアメリカ様もこれまでのように日本に無理な押しつけをしなくなりはじめました。
次は我々が南鮮や支那の手先の議員に票を入れるのをやめる必要があります。そうなれば経済界も変わるでしょう。
最終的に断交を目指し、徐々に縁を切るようにすべきです。
匿名希望様 おはようございます。
>さらにアメリカ様もこれまでのように日本に無理な押しつけをしなくなりはじめました。
文在寅政権のご活躍のおかげで、この流れをつくっておりますが、国際状況は変数ひとつでガラッと変わると思います。たとえばですが、北朝鮮の首領様がみまかられ、それに乗じて、中国の人民解放軍が半島に南進なんて事態になったらどうでしょう?
米朝により、北朝鮮による韓国併合の話はついているかもですが、中国による半島併合は看過できませんわよね。そうなれば、アメリカ様の事情も違ってくると思いますし、日本の安全保障は、よりリアルな局面と対峙しなくてはならなくなります。
悲観的に過ぎるとの、ご指摘を受けるかもですが、世界各国がコロナ禍の対応に目を奪われているなか、事態の急変に対応できるでしょうか?
心配性のおばさん様
個人的には「日本の安全保障は、よりリアルな局面」と対峙した方がよいと考えています。いつまでも暢気な人頼みが通用するはずもありませんしね。事態の急変に対応できる体勢を目指してほしいものです。そろそろコミンテルンの呪縛とは縁切りが必要でしょう。
とは言え、武漢肺炎で右往左往の今といえども、さすがに支那の南進は無理な気がします。本気の戦争になりそうです。人工のウイルスであることがバレた時が怖いとは思います。
匿名希望様 否定されて、ホッとしております。
>さすがに支那の南進は無理な気がします。
話をした(TELです。)知人にも、「いくら、習ちゃん(習近平氏のことだと思います。)でも、今それやったら、OUTでしょう。」と速攻否定されました(笑)。
でも、それは、習近平氏が人民解放軍を掌握してたらの話で、やはり、そこは保証できないような気が致しております。どなたかに、中国共産党が軍を押さえているのではなく、軍が中国共産党を押さえていると、お聞きしたことがあります。軍が政治とは、別の論理で動くのだとしたら、シナリオの一つとして準備しておくべきかと‥。
まして、習近平氏は○○構想だとかで、不必要に国民を煽ってしまいました。
煽ってしまって、止められない。そんな不安定さがあの国にはありそうです。
匿名希望様
日本人全てに一般化するつもりはありませんが、私が韓国を嫌いになるのは、近親憎悪の面もあることを、嫌々ながら認めなくてはならないと思っています。
在韓日本人様の貴重な観察と考察を読むに付け、韓国人の心根というものは、私の心の中の最も嫌な部分を濃縮したものの様に思われてなりません。「これだけは人としてやってはいけない」と考えることを喜々として行うのが韓国人であるように、こちらからは感じられます。暗黒面に落ちた自分を見るようです。だからこそ彼ら、彼の国に対し、こんなにも激しい嫌悪感を覚えるのでしょう。逆に言えば、自分を諫める例として、こんなに強力な教材はありません。韓国は、私にとって最良の他山の石であるようです。
匿名希望様のおっしゃるように離韓が進むことを切望しますが、同時に彼らの醜態と傲慢の情報開示(報道に限らず)は得たいとも思います。自分への教訓として。
自転車の修理ばかりしているさま
私が嫌韓になったのは、韓国が日本の悪い所を濃縮したような国だと思って、調べ始めたのが、きっかけでした。調べれば調べる程、知れば知るほど、嫌韓が進行しました。
日本人の悪い所では無く、日本に居る悪い人達を濃縮した様な国だと思っています。
日本もアメリカも、大韓帝国(韓国)からの要請があったとはいうものの、結局は自国の国益の観点から、朝鮮半島に関与(日本は大韓帝国併合、アメリカは朝鮮戦争介入と米韓軍事同盟締結)した訳ですが、いずれの関与も、結果的には失敗に終わったと言えると思います。
日本もアメリカも、まず、朝鮮半島への関与が失敗だったことを認めるべきだと思います(既に認めているかもしれませんが)。その上で、失敗の「原因究明」と「再発防止」に取り組むべきだと思います。
失敗の原因は日米共通で、朝鮮民族や朝鮮半島に対する理解が不十分だったことだと思います。その意味では、日本やアメリカ側に失敗の原因があったと言っても過言ではないと思います。
再発防止策としては、「朝鮮半島は朝鮮民族自身の統治に委ねる」ことに尽きると思います。ただし、国際条約(核拡散防止条約等)や二国間条約(日韓請求権協定等)に違反した場合には制裁措置(対抗措置)を粛々と講ずる。基本的には、このようになるのではないでしょうか。
文政権はもう、対日外交で動ける余地が1mmもありません。
少しでも融和姿勢を見せれば叩かれてしまいますので強硬に出るしかないのですが、
脅しで日本が動かなければ、この先も膠着状態が続くでしょう。
やはり私たちが心配すべきことは国内の親韓親中勢力です。
中でも国内のマスコミは酷い。
韓国でも中央日報や朝鮮日報などが親日だと批判されてますが、
あの論調で親日とかいうのなら、日本の左派系新聞はもはや売国新聞です。
たけ様
>私たちが心配すべきことは国内の親韓親中勢力
コロナで逃げ場がなく、追い込まれているのは彼らのほうかも知れません。梯子を外し椅子を取り去るのは誰の役回りになることやら。資金面での追及は可能なんですかね。
>日本の産業競争力の脅威とならないように、今のうちに少しずつ韓国から資本を抜き、サプライチェーンから韓国企業を外し、できるだけ関係を薄める
全くその通りだと思います。
ただ、重箱の隅の話ですが、彼らは「言い訳が上手」というより「詭弁を多用する」の方かなと思いました。
「言い訳」だと弁明的で多少は道理がありそうだけど、「詭弁」は道理が合わなくっても相手を貶めるために欺くというニュアンスなので。
良い例が、レーダー照射の件です。
二転三転して自衛隊の低空飛行に話を持ち込むなんて詭弁そのもの。
話変わってる、ゴールポストが動いた、ってやつです。
多少でも愛嬌があるのが言い訳で、詭弁に愛嬌はゼロです。
いうなれば、狼少年。
そういえば、オオカミ少年って、こんな話ではなかったでしたっけ。
ある村の大きな牧場に、羊飼いの少年が住んでいました。
少年は、物心のつく前から牧場主の奴隷でした。
そのためなのか、少年は、牧場主の前では礼儀正しいのですが、村人の前では不遜な態度をする怠け者でした。
少年は、自らの境遇にストレスを抱えていました。
ときどき、どうしようもない怒りや恨みが湧いてくるのです。
ある日、少年は「オオカミが来たぞ!」と叫んでみました。
襲われたら大変と、村人たちが武器を持って大慌てで飛び出してきました。
しかし、オオカミはどこいもいません。
少年は大笑いです。
大人たちは少年を叱りますが、少年は、
「そんなことは言ってない。その武器で俺を殺すつもりなのだろう」
「所詮、お前らは俺の親分に逆らうことなんてできないんだ」
と、悪態をつき、村の大人たちを馬鹿にしました。
ところがある日、本当にオオカミが現れます。
少年は、慌てて「オオカミが来たぞ!」と叫びましたが、もう大人たちは誰も彼の言うことを信じてくれません。
そこに、常々村がオオカミに襲われる状況に憂慮していた一人の青年が、少年を救ったのです。
青年は、商店街にいくつか店を構える若手起業家でした。
少年はお願いをして、その青年と一緒に暮らすようになりました。
少年は、きちんとした着物、履物を与えられ、学校に通うことも許されました。
あるとき、青年のもとに、商売敵とその仲間がやってきました。
そして、青年に
「青二才のくせに、慈善家みたいなマネをして生意気だ。お前の持っているいくつかの店を閉めろ。さもないと商店街から村八分にするぞ。」
と、脅しました。
少年と青年は、協力して店を守ろうと奮闘しましたが、むなしくも全ての店を閉めることになってしまいました。
少年と青年は、離れ離れになりました。
少年は商店街の人々の支援をうけて一人で住み、小さな商売をはじめました。
青年は、商店街の人達と仲直りをし、彼らと協業してあらたなビジネスをはじめて大成功をおさめました。
青年は、変わらず少年の身の上を案じ、少年の小さな商売のためにお金を与え、技術を教えてあげました。
しかし、少年は、陰で青年の商品の模造品をつくったり、青年からの仕入れ品の横流をしました。
さらに、青年に対して、
「俺はお前のせいで36日間も迷惑を被ったんだ、謝罪と賠償をしろ」
と、しつこく言い募るのでした。
少年は、商店街の人達に対しても
「この商店街はさびれてきたし、俺は牧場主がいる商店街に移ろうかな」
と、言い出します。
うんざりした商店街の人々は、彼になにも言いませんでした。
青年は、ついに少年への支援を打ち切りました。
少年は、誰にも相手にされないことを悟り牧場主の家に向かいました。
それ以降、村で少年の姿を見たけた人は誰もいなかったそうです。
もしかしたら、オオカミに食べられたのかもしれません。
また、出歩くことを許されず牧場主の家の中で監禁されているのかもしれません。
めでたしめでたし
頓珍韓さま
すばらしい!
小説家デビューしてください。
三度読み返しました。
笑いながら感心しながら読みました。
秀作だと思います。
頓珍韓さま
少年は、商店街の悪口を言い回り、商店街に危害を加えようとしています。