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立憲民主党・福山氏「支持率低下はセクキャバが原因」

産経が昨日報じた、立憲民主党の幹事長である福山哲郎氏の発言には、久しぶりに心の底から驚いてしまいました。各種世論調査で立憲民主党に対する支持率が低下している理由は、所属議員がいかがわしい店に出入りしていたからだ、と述べたからです。もし本気でそう考えているならば現状認識力が低すぎますし、もし立憲民主党が支持されなくなっている「本当の理由」に気付いていながらそれに言及していないのだとしたら、不誠実と言わざるを得ません。

ズッコケる立憲民主党

当ウェブサイトでは、ちょうど1週間前の『内閣支持率の逆転と無関係に「ズッコケ」る立憲民主党』で、産経・FNN合同世論調査の結果、立憲民主党と日本維新の会の政党支持率が逆転した、という話題を取り上げました。

ただ、これについては「産経が自民党寄りで立憲民主党に批判的なメディアだから、こんな結果が出たのではないか」、といった疑問を持つ人がいるかもしれません。

しかし、昨日の『コロナショックで崩壊?野党とメディアの「利権構造」』でも触れたとおり、本来、立憲民主党に近い(はずの)毎日新聞の調査でも、わずか1%ポイントの差とはいえ、立憲民主党と日本維新の会の支持率が逆転しています。

とくに、毎日新聞の調査で立憲民主党が野党の首位の地位を失ったのは、同党が結党された2017年以来初めてのことだそうです。

福山哲郎氏「支持率下落は高井議員の不祥事のせい」

こうしたなか、久しぶりに心の底から驚いたのが、次の記事です。

立民・福山幹事長、党支持率下落はセクキャバ「高井議員が原因」

立憲民主党の福山哲郎幹事長は21日の記者会見で、報道各社の世論調査で党の支持率が低下していることについて、<<…続きを読む>>
―――2020.4.21 17:03付 産経ニュースより

産経ニュースによると、立憲民主党の福山哲郎幹事長は21日の記者会見で、党の支持率が低下している要因を

この局面で支持率が落ちたのは高井議員の不祥事が原因だと考えている

と述べたのだそうです。

この「高井議員の不祥事」とは、政府が緊急事態宣言を発した直後の今月9日、立憲民主党の高井崇志衆議院議員が東京・歌舞伎町のいかがわしい店を訪れていたことをさすものと思われます(『内閣支持率の逆転と無関係に「ズッコケ」る立憲民主党』参照)。

その後の各種報道によれば、高井議員は14日に事実関係を認め、離党届を出したものの、枝野幸男代表は離党を認めず、高井氏を除名処分にしたそうです。

立民、高井議員を除籍処分 歌舞伎町遊興、離党認めず(2020/4/15 17:00付 日本経済新聞電子版より)

もちろん、高井議員の「不祥事」を巡っては、「国会議員でありながら、このご時世にいったい何をやっているのか」と多くの有権者があきれ返ったことは間違いないでしょう。

また、福山氏が発言したかどうかは確認できないのですが、同じタイミングで報じられた「3月20日の深夜、石川大我参議院議員が新宿二丁目の路上で警察官と大喧嘩した」とされる話題についても、(これが事実ならば)「とんでもない話」であることは間違いありません。

利権野党=立憲民主党

大変申し訳ないのですが、この福山氏の発言、もし本気でそう述べているのだとしたら絶望的なほど政治的センスがないと思いますし、もしも「支持率低下の原因が違うところにある」と気付いていて、わざと誤魔化しているのだとしたら、まことに不誠実と言わざるを得ません。

繰り返しになりますが、立憲民主党は度重なる審議拒否、「コロナより桜」や「もりかけ」などのスキャンダル追及などが大好きであり、そんな立憲民主党を全力で応援しているのが、「ATM」と俗称される新聞などを中心とするオールドメディアです。

昨日の繰り返しで恐縮ですが、個人的・主観的感想に基づけば、立憲民主党は「利権野党」です。なぜ当ウェブサイトが立憲民主党を「利権野党」と呼ぶかといえば、(おそらく)立憲民主党はそもそも政権を取るつもりがないからです。

考えてみればわかりますが、国会議員であれば、巨額の歳費、非課税の文書通信交通滞在費(月額100万円)、政党交付金に加え、3人分の秘書の給料を国費で負担してもらえる、新幹線グリーン車などにタダで乗れる、といったさまざまな特典があります(これについては本稿の「付録」で後述します)。

しかも、官庁から役人を呼びつけて「明日の朝までに資料を作れ」などとメチャクチャな要求をすることもできますし、出てきた資料をツイッターなどに晒し上げるなどして「役人いじめ」を楽しむこともできます。

まさにひと昔前の「王侯貴族」そのものですね。

そして、生半可に政策や法律、経済を勉強するのではなく、週刊誌を片手にマスメディアに受けるためのパフォーマンスを繰り返していた方が、特定オールドメディアが擁護してくれるため、次回選挙でも特定オールドメディアの報道を真に受ける人たちの票をもらい、当選することができる、という構図です。

もっとも、中途半端に国民に支持されてしまい、2009年のように圧勝してしまうと、政権を握ることになり、瓦解し、国民から深い恨みを買うということを、特定野党も特定メディアも学んだのではないでしょうか。

したがって、彼らの基本戦略は、「絶対に責任を取らず、高額の給料をもらいながら役人をいじめて王様気分を味わい続けられる野党の地位」に拘っているのではないかと思います。

だからこそ、「最大野党」の地位を満喫しつつも、政権を取るほどにはいたらない程度の議席数が彼らにとっては最も心地よいのであり、ほどほどに支持される状態を維持しているのが彼らにとっての理想ではないかと思います。

特定野党と特定メディアはセットである

すなわち、特定野党を跋扈させているのは、

  • 特定野党はとにかく官僚や政府・与党を叩き、足を引っ張り続ける
  • 特定メディアはそんな特定野党を一生懸命に応援する

という、特定野党と特定メディアが一体となった利権構造です(ただし、特定野党や特定メディアが叩くのはおもに一部の官庁に限られており、なぜか財務官僚や警察などには絶対に逆らわない、というのも不思議ですが…笑)。

ただ、この特定野党と特定メディアが悪いのかといえば、そうとも言い切れません。

なぜなら、結局のところ、特定メディアの報道を真に受け、特定野党を支持する層が、一定数は存在しているからです。ということは、特定メディアや特定野党を支持する読者、視聴者、有権者が存在するからこそ、立憲民主党や一部のメディアのようなものが存在できるのではないでしょうか。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ただし、さすがにこの「武漢コロナウィルス蔓延」という局面で、専門知識を持たないタレントがいたずらに不安ばかり煽るようなワイドショー、この期に及んで政権攻撃しかしない一部の新聞などに見切りをつける人が増えて来たのかもしれません。

このような仮説が正しいのだとすれば、コロナショックは特定メディアと特定野党を「終わらせる」きっかけになるのかもしれません。

いずれにせよ、コロナショックが去った時点で、特定メディアの経営状態がどうなっているか、特定野党の支持率がどうなっているかについては、深い関心を持っておく価値がありそうです。

付録:国会議員への厚遇

さて、ここから先は、「付録」です。

以前の『国会議員の1人当たり給料をねちねち計算してみた』でも調べてみたのですが、平均的な国会議員に対しては、1人あたり少なくとも年間1億円前後の公費負担が発生していると考えられます(計算の仕方によって金額は変動しますが…)。

まず、最も重要なものが、①歳費(月額129.4万円)と②文書通信交通滞在費(月額100万円、しかも非課税)、③6月末と④12月末の「期末手当」であり、この4つの金額を単純合計すれば、最低でも年額3362万円の歳費が支給されています(図表)。

図表 (1)国会議員本人に支給される歳費等の年額
区分 最低額 備考
①歳費 15,528,000円 議長は2604万円、副議長は1900万8千円
②文書通信交通滞在費 12,000,000円 非課税
③6月分の期末手当 2,908,265円 月額歳費×145%×155%
④12月分の期末手当 3,189,710円 月額歳費×145%×170%
議員本人に支給される額 33,625,975円 ①~④の合計

(【出所】『国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律』第1条、第9条、第11条の2第2項、「特別職の職員の給与に関する法律」第1条、第7条の2第、『一般職の職員の給与に関する法律』第19条の4等を参考に著者作成)

また、これとは別に、国会議員は3人まで公費で秘書を雇うことができますが(政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書)、それぞれの秘書には一般の国家公務員と変わらない水準の給与が支給されます。

国会議員秘書の月額給与
  • 政策秘書と公設第一秘書…343,900~533,700円
  • 公設第二秘書…268,500~393,900円

(【出所】『国会議員の秘書の給与等に関する法律』第3条各項、別表第一・別表第二等を参考に著者作成。なお、ここには期末手当等は含まない)

このことから、秘書に対する年間支給額は次のように計算できます(公務員には年2回、民間でいうボーナスに相当する月給の2~3ヵ月分の手当が存在するため、上記試算では年収を「17ヵ月分」としています)。

(2)国会議員秘書の年間給与
  • 政策秘書と公設第一秘書…585~907万円
  • 公設第二秘書…456~670万円

これの単純平均値は2055万円です。

さらには、政党に対しては所属議員数に応じ、政党交付金が支給されるのですが、この金額は基準日時点での政党の所属国会議員数によっても変動するものの、だいたい議員1人あたりに換算して(3)年間4000万円前後、といったところでしょうか。

したがって、

  • (1)①年間の歳費、②年間の文書通信交通滞在費、③6月末の手当、④12月末の手当
  • (2)国会議員秘書3人分の年間給与
  • (3)議員1人あたりの政党交付金の年額

を合計すれば、ざっくりと9500万円ほどです。

しかも、実際にはこれに加えて、

  • 議員会館内に、議員1人あたり約100平米の個人事務室
  • 運賃や料金を支払うことなくJR各線に乗車できる「特殊乗車券」
  • JAL、ANAなどの国内航空券(※各種制限あり)

などの特典もついて来ます。

いずれにせよ、私たちは自分自身が選んだ国会議員らが「少なくとも年額1億円」の働きに値しているかどうかについて、もっと厳しい目を注いでも良いのかもしれません(※誤解を恐れずに言えば、逆に「年額1億円」では少なすぎるほど良い仕事をしている議員もいるかもしれませんね)。

新宿会計士:

View Comments (35)

  • 週刊紙や新聞を振り回してわめくのが精一杯では、野党に国政調査権なんて不要ですね。
    福山氏に関しては、愚かな行動を責められて当然ですが、一方で、ヒステリックな謝○○氏のわめき声をしょっちゅう聞かされて、そんなところに救いを求めるしかない憐れな人物との感もあります。
    ところで、立憲民主党を除名処分って、ご褒美にしか思えないのは私だけ ?

  • 長年の研鑽の甲斐があり、とうとうマスゴミと夜盗が特定アジア諸国と同等の「特定メディア」「特定野党」に昇格しました。🐧
    以後は今迄の「国民の敵」などとは違う「国家の敵」というステージでのご活躍を祈念致します。🐧

  • 半年に一回程度、議員の活動評価をする仕掛けが必要ですね。
    法案を質疑して採決してなんぼの仕事がベースですので。
    (特定野党の評価が落第点になるのは言うまでもない)

    そこから議員外活動で加点…いい仕事していれば、一億円でもお釣りが出るのは当然。

  • 政治的センスはともかくとして、その創立当初より立憲民主党という政党列びにその構成員が日本国民に対して誠実であった事がありましたでしょうか?

    自らの不祥事は矮小化し、与党を中心とした他政党に対しては声高にこれを罵る
    目糞鼻糞の類とはいえ、それなりに聡い連中は(ex.モナ夫、ガソリーヌetc)立憲民主党から距離を置き始めている現象を見れば、いずれは社民党が来た道を辿るのでしょうね

  • 我々は特権階級、好きな時に休むのも当たり前アル。
    センスが無い訳じゃ、無いアル。
    国民の支持率よりも、中国共産党の支持の方が、重要アル。
    工作員として、日本人を洗脳する活動を続けるアル。

    書いていて、馬鹿らしいからお終い。

  • 私は、そのものズバリ、朝日、毎日、共同と言うオールドメディアの行動隊が立憲民主党と思っています。何故なら、安倍首相が目指す憲法改正議論を審議テーブルに載せない作戦ですから、審議妨害さえ出来れば、モリカケでも桜でも何でも良いのですよ。だから国会は、保守vs野党が対峙する場では無く、自民の日米勢力派(改憲を伴う)vs特定メディア(中国韓国の出先工作機関)の対峙と見れば、野党の不可解な頑なな行動がストンとガッテンが行く気がします。特定メディアが苦し紛れに石破氏を押すのも、中韓に親和性が強くある石破氏なら有りかと思います。

  •  高井セクキャバの第一報は4月14日の文春のWeb速報版で、翌15日には他メディアも報じ立憲民主党が事実であると認めた。

     一方、立憲民主党の支持率が3月の7.7%から3.7%に半減したと報じた産経新聞・FNNの合同世論調査が行われたのは4月11日と12日。

     誰にでも分かる時系列の矛盾。だがしかし、新コロナウイルスの蔓延という国難を利用した倒閣運動一方槍の活動が、反安倍層の中からも離反を招いている事実を認める訳にはいかない。

     打倒安倍は朝鮮半島との共同ミッションだし反日サヨクの無謬性もあるから倒閣一本槍を改めることはできない。立憲民主党には、世論調査結果に一喜一憂することなく、このまま打倒安倍で活動してもらいたい(笑)。

    • 本当に時系列が理解できない、
      とすると、どこかの国の皆さんみたいですね(笑)。

  • 全く同感です。そして修学旅行中の高校生じゃあるまいし、いい大人の、それも政治家ともあろう者がしょうもなくも浅はかな不祥事を起こすというのはとりもなおさず政党のそうした目的デラシネ的状況が、偉そうに言えばデュルケムの言うアノミー、ぶっちゃけ言ってしまえばぶっ弛み状況を党内に作っているからでしょう。
    こうした責任は挙げて党の総責任者たる党代表である枝野幸男氏や党執行部にあるでしょう。現状の中でもちょっと努力が必要な取り敢えずの方向性や目指すべき目標を党内に示さないからです。とにかく暇にさせてたら人間ろくな事はしない。ぶっ弛んだ組織状況に効くのは少し忙しくさせることしかない。
    目標は何だっていい。例外なく議員はサポーターを一人最低50人確保すること、とか。出来なきゃペナルティとか。
    そのくらいの気働きはそこらの一般業種の人間じゃない、人を動かす政治家なんだから働かさなきゃ恥というモンです。

  • 現実逃避です。

    どっかのブラック企業のアホな経営者と同じロジックです。
    従業員の離職率が高いのは何故か?って議題に対して最近の若者は我慢が足りないからだろ?って答えるあの感じですね。

    問題の本質がどこにあるのかを確認しようともしない。

    トヨタ式じゃありませんが、支持率が低い事に対してちゃんと一人一人なぜなぜ分析をして貰いたい。
    でもそれすらも都合よく解釈しそうですが。

  • 組織が弛緩した時。組織を引き締め士気を維持するのはリーダーの役目でありリーダーにしか出来ない仕事です。従って議員の不祥事はホントは党代表の枝野幸男氏が責任を感じ、責任を感じたなら組織運営の見直しをしなければいけません。
    跳ねっ返りに詰め腹を斬らせる権限はそうした責任と表裏一体でなければ人は付いていきません。

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