本日の「速報」です。米メディアCNNは北朝鮮の独裁者である金正恩の「危篤説」を報じました。また、これを受けて、外為市場では韓国ウォンが小幅売られているようです。
年初の「金正恩危篤説」
以前、当ウェブサイトでは、「北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)が脂肪吸引手術の失敗により、危篤にある」という説を、『ジャーナリスト・篠原常一郎氏の金正恩「危篤」説』で紹介しました。
該当する動画については上記記事をご参照頂きたいのですが、ジャーナリストの篠原常一郎氏がその動画で述べた内容について、あらためて当ウェブサイトなりの要約・補足を箇条書きにしておくと、次のようなものです(※ただし、カッコ内は篠原氏の発言ではなく、当ウェブサイトによる補足です)。
- 金正恩の容体悪化にともない、フランスから最近、医師団が平壌(へいじょう)に入ったとする情報が、フランスの関係者から篠原氏に独自に寄せられた
- かつて金正恩はフランスの隣国であるスイスで子供時代を過ごしていたという関係もあり、母親・高容姫(こう・ようき、あるいは「あゆみ」と呼ばれた在日朝鮮人出身の踊り子)が乳腺癌を患った際に診療を受けたことをきっかけに、フランス医師団とのつながりができた
- 高容姫はその後、2004年にパリのキュリー研究所で、おそらく手術と思われる施術を受けたものの、帰国後死亡している
- (フランス医師団は)金正日(きん・しょうじつ)と関係が深まっていたこともあり、1991年には当時の主席・金日成(きん・にっせい)の心臓疾患の際も、要請に基づき訪朝した心臓外科医を中心とする治療が行われている
- 1994年には呉振宇(ご・しんう、朝鮮人民軍の元元帥。1995年死亡)が肺癌で訪仏治療を受けているが、帰国後死亡している
- 1990年代半ば、金正日が落馬した際、北朝鮮国内のCTスキャンデータをもとに、フランス医師団が「緊急の治療の必要はない」との診断を下したこともある
もちろん、これについてはその多くが篠原氏の情報に依存しており、私たち視聴者の立場としては、その情報の妥当性を検証することは困難です。
しかし、『米朝首脳会談の「真の目的」は「生体情報の確保」か?』でも触れたとおり、実際に金正恩の実妹である金与正(きん・よしょう)をはじめとする「金一族」が「表舞台」に立ち始めたらしい、という話題と照らし合わせれば、金正恩の体に何らかの異変が生じている可能性はあります。
複数メディアが報道した内容
こうしたなか、昨日から今朝にかけて、複数のメディアで、おそらく別々の情報源と思しき「金正恩の手術説」や「金正恩の危篤説」などが出てきました。
目についた情報源のひとつが、『デイリーNK』というウェブサイトに昨日付で掲載された、この記事です。
金正恩氏が心血管疾患で手術か…12日、国内の専用病院で
北朝鮮の金正恩党委員長が最近、心血管系の手術を受け、現在も地方の特閣(別荘)で治療を受けていることが20日までにわかった。術後の経過は良好だという。<<…続きを読む>>
―――2020年04月20日付 デイリーNKより
デイリーNKは、金正恩が最近、「心血管疾患」で手術を受け、その後の経過は良好だ、と報じていますが、これは先ほど引用した「脂肪吸引手術の失敗」とする話題とは異なっています。
一方、もうひとつが、米メディア・CNNの次の記事です。
US source: North Korean leader in grave danger after surgery
The US is monitoring intelligence that North Korea’s leader, Kim Jong Un, is in grave danger after a surgery, according to a US official with direct knowledge.<<…続きを読む>>
―――2020/04/21 02:13 GMT付 CNNより
これは、米高官が「金正恩が手術後危篤状態にあるという情報を米国政府は関心を持って見守っている」と述べた、とする話題であり、こちらのほうは「危篤」とされています。
これらの情報は、術後の金正恩の容体についての評価などが異なっているものの、いずれも金正恩が「最近、手術を受けた(らしい)」、という点については共通しています。
韓国ウォンが売られる?
さて、もうひとつ気になるのは、報道を受けて韓国の通貨・ウォンが売られていることです。
ここ1ヵ月、韓国の通貨・ウォンは1ドル=1210~1235ウォンのレンジで安定していたのですが、先ほど、1ドル=1240ウォンを試す展開となりました。これについてはロイターが速報しています。
韓国ウォンが急落、北朝鮮の金委員長が体調不良との報道で(2020年4月21日 11:24付 ロイターより)
もっとも、「急落」といえるほどかといえば、それはそれで微妙であり、現時点で決めつけるのは尚早ですが…。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
北朝鮮といえば、コロナ騒動の初期に中国との国境を封鎖し、公式には「コロナ患者はいない」と言い張ってみたり、このコロナ騒動の最中にも関わらずミサイルを発射してみたり、と、やたらと強気ですが、その反面、金正恩がほとんど表舞台に出ていないのは気にかかるところです。
View Comments (38)
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
北朝鮮の指導者の死亡情報になると、これまでも何度も流れていました
ので、今回も市場は準備をしながら様子見といったところでしょうか。し
かし、危篤情報が正しいとすると、(ただでさえ、新型コロナウィルス感
染で不安定になか)それを名目に、市場が一気に動く可能性があります。
(どう動くかは分かりません)
そのため、これから真偽不明の情報が、飛び交うことになるでしょう。
駄文にて失礼しました。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
すみません。追加です。
このCNNの報道を受けて、日本の官邸に動きはあるでしょうか。もっと
も、新型コロナウィルス感染で、それどころじゃないかもしれませんが。
駄文にて失礼しました。
なんと…!
CNNにしてはニュース内容が断定調ではなく、様々な憶測を交えながら伝えています。フェイクが混ざる余地は少ないでしょう。
内容には新情報はないですね…
ただ、北朝鮮に何かあっても、アメリカ(日本もですが)は即応できる状況にはありません。
つい先日も、米軍は戦略爆撃機をグアムのアンダーセン基地から米本土に撤収させています。
https://www.sankei.com/world/news/200419/wor2004190020-n1.html
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
名無Uさん様へ
もし、このCNNの報道が間違っていたら、トランプ大統領が大喜びで、
フェイクニュースとして攻撃するでしょう。
駄文にて失礼しました。
即応体制と戦略爆撃機の撤収は関係ないのではないでしょうか、逆にグアムからの撤退は戦争準備に近い行為です
交代制での戦略爆撃機グアム常駐を止め、本土とグアム基地を組み合わせて随時インド太平洋での作戦行動を継続することで、同盟国と協力し(敵国である中国による)部隊運用の予測可能性を排除するのが目的だと、アメリカ空軍が正式にステートメントを出している。
撤収した訳ではない。今このときにアメリカが対中国で後ずさりするはずもなく。
中国に対する対応レベルを1段上げただけで即応能力も即応体制も失われていない。
そうすると金正恩が、死んじゃったらウォンが、下がるんですかね。
こう言う所は、センスが無くて、分からないんですよね。
このニュースとウォン安とがどうつながるのか、シンシアリーさんのブログを見てようやく理解できました。
南北経済協力に関連する会社に投資していた外資といえば、○ム爺さんかな?
インデックス運用の資金が逃げ出した可能性もあるか。
金正恩氏が亡くなっても,金与正女史への権力委譲が完了するまでは,その死を公開しないでしょう。北朝鮮もアメリカも軍隊はコロナで身動きできませんから,しばらく大人しく待ちましょう。アメリカやフランスの空母の件は,皆さんよくご存知ですよね。
30代でバイパスですか。
もしもの場合、執刀医はやっぱり粛清されるんですかね?
最も保守的に見ても入院中なわけですから、クーデター起こすのであればチャンスでしょうね。ただそういう動きないだろうなとも思える、、、
更新ありがとうございます。
金日成の誕生祭(4月15日)にも顔を出してないようで、確かにオカシイですね。「脂肪吸引手術が失敗」というハナシなら、フランス医師団が執刀したのでは無いですね。その後で行った事になる。
体調が悪く、何か難しい手術かも知れませんが、多分、金正恩も北朝鮮医師団は信用してないと思います。
情報の出所の一つがCNNだから、ちょっと引いて見てますが、読売新聞あたりも孫引きしてるので、本当に危篤かも知れません。
しかし、実兄の金正男氏を謀殺したり、正恩は直接間接に、百万人単位を殺害したと思います(餓死含む)。金与正氏が執権する迄、発表は無いでしょう。
もし、このストーリー通りコトが進んだら、また韓国は「美貌の妹首領」と、親北派がチカラを得るし、日本の親北勢力も、跋扈が始まるでしょう。
めがねのおやじ さま
痩身目的の脂肪吸引は手技自体はすご~く簡単です。
私が見た記事では心臓関係、とありましたので、てっきりバイパスかと。
市井の内科医様
え!心臓のバイパス手術ですか?ウチの兄が受けましたよ(笑)。まず、カテーテルして。当時50歳代後半、「残り短いかもねー」と残りの兄弟で言ってましたが、割合何年も元気です。でも先月、胆管が良くないと。
幸い腫瘍では無かったですが、周りの人達が先に逝きそうです。
脂肪吸引手術とは、美容整形でしょうか。知識無いものですみません。
めがねのおやじ さま
普通はPCIで大概なんとかなりますから術後合併症で重体になるなら、まあ、全麻開胸(バイパス)ではなかろうか、と。最近は条件悪ければ拍動下のバイパスを小開胸、下手すりゃ意識下でやったりしますから、それでも30代で術後重体になったとすれば、糖尿とか喫煙で相当全身状態わるかったのかなあ。
脂肪吸引、は、皮下脂肪しか減りませんから一般には美容目的です。
減量目的でやるなら、最近は胃のスリーブ切除かbandingですから。
アメリカが仕掛けた情報戦でしょう、北朝鮮に揺さぶりをかけてる。
先日、トランプ大統領が金正恩から親書を受け取ったと公表した際にも北朝鮮はこれを否定した。この親書が届いたもおそらくフェイク。
ただ、金正恩が活動を公にできない何らかの体制の動揺をアメリカが掴んでいるから、このタイミングで仕掛けている。金正恩の権力基盤に影響を与える、あるいは北朝鮮の反応を探ることでさらに体制内の変動の兆候を得られる可能性があるから。
CNN(Clinton News Network)を使うあたり、スパイス効いてるなぁ、トランプ大統領。さすが。
アメリカが仕掛けた情報戦の可能性は高いです。過去の例だと,金正恩氏が元気なら,明日あたりまでに報道で姿を現すはずです。そうでなかったら重病の可能性が高いです。中国方面では,脳死とか伝えているサイトもありました。
匿名さま
当方もそのように判断しています。親書到着発言を否定あたりでへんだな思ってました。ご祝儀のミサイル花火連発、あれはなんのメッセージ(虚勢、かまってうっふん)だったのでしょうか?
もし死んだらどうなるんでしょう?
文ちゃんの今までの努力(全く功を奏してはいないが)も水の泡でやり直し?
むしろ行き詰まってたところで主導者が変わったことをチャンスと捉えて再推進?
金与正は素晴らしい人だと、また欧州を回って説得するのかな?
「おまえ、こないだは金正恩が素晴らしい人物だと言ってなかったか?」