『弁護士ドットコム』というウェブサイトによると、昨年4月に施行された改正労働基準法では、残業時間に上限が設けられ、違反する企業経営者には6ヵ月以下の懲役か30万円以下の罰金という罰則も設けられています。そして、この改正労基法が今年4月以降、いよいよ中小企業にも適用拡大されるのだそうですが、こうしたなか、「毎月90時間無給で残業させている」という、驚くべきラーメン屋の事例があったそうです。
ブラック企業の正体
「ブラック企業」という言葉が一般化し始めたのは、いったい、いつのころからでしょうか。
あくまでも個人的な記憶に頼って思い出してみると、たしか某大手外食チェーン店で2014年ごろ、「ワンオペ」(深夜など客が少ない時間帯に店舗の営業を従業員1人に任せるオペレーション)が問題となったあたりではないでしょうか。
ちょうどそのころ、「ワンオペ」=「過酷な労働」=「ブラック企業」、という連想が、一気に人口に膾炙したのではないかと思います。しかし、「ワンオペ」とは、「ブラック企業」の形態のひとつに過ぎず、実際には「ブラック企業」にはいろんなパターンがあります。
「ブラック企業」という言葉に明確な定義があるわけではありませんが、一般には
- 明らかな法令違反を繰り返している企業
- 法令スレスレで労働者を搾取しているような企業
などのことを指すケースが多いのではないでしょうか。
実際、厚生労働省が公表する『労働基準関係法令違反に係る公表事案』などのリストを眺めると、
- 労働者に対し、特別の教育を行っていないにもかかわらず、フォークリフトの運転業務を行わせた
- 高さ5.4mの屋根上で、手すりなどを設けずに労働者に作業を行わせた
- 労働者2名に、2ヵ月間の定期賃金を支払わなかった
- 無資格の労働者に解体用車両系建設機械を運転させた
など、労働者の安全に配慮する義務に違反したり、正当な理由もないのに給料を支払わなかったりした事例を確認することができます。
明らかな法令違反は送検されているようですが、現実には法律に違反するかどうかよくわからないグレーな働き方(たとえば従業員に最低賃金しか払わないで酷使する、など)のように、従業員に対しての扱いが酷いケースも、社会通念上はいわゆる「ブラック企業」に該当すると思います。
サービス残業が横行する日本の労働慣行
そもそも論ですが、人件費はタダではありません。他人を働かせれば、正当な対価を支払わなければならないことくらい、子供でもわかる話です。しかし、これまでの日本では、従業員にやたらと我慢を強いる労働慣行が横行していたのではないでしょうか。
その事例のひとつが、残業代が支払われない「サービス残業」です。
日本のたいていの企業・役所であれば、多かれ少なかれ、「サービス残業」を行っている人はいると思います(このサービス残業を強いられているのは、たいていの場合は中間管理職であったり、学校の先生であったり、と、中途半端に組織内で権限を持っている人が多いと思います)。
なかには、「周りがみんな残業しているのに、自分ひとりが帰るのは気が引ける」、「人事考課で悪影響が生じると困る」、「仕事で成果が上がらないから帰り辛い」、などといった理由で、何となくサービス残業をしているという事例も多いのではないでしょうか。
また、「若いころの苦労は買ってでもせよ」ということわざにもありますが、とくに若手の従業員に対しては、職場に夜遅くまで残って、自分自身の勉強を兼ねて仕事をするということを勧奨するような雰囲気もあります。業務経験自体が勉強になる、という発想ですね。
たしかに長時間働けば、その分、業務経験を積むことはできるでしょうし、そこでの業務経験、各種スキルの研鑽が、本人の将来にとっては実りをもたらす、という側面があることもまた事実です(※個人的には、勉強したいのならさっさと家に帰って自宅でやれ、と言いたい気持ちもありますが…)。
このため、「ブラック企業」として認識されていなくても、従業員が事実上、長時間拘束されているというケースもあるようです。
残業規制でブラック企業が淘汰される
こうしたなか、数日前にはこんな記事もありました。
「月90時間残業」のブラックラーメン店、中小企業の残業規制スタートで潰れる?
働き方改革の一環で、大企業には2019年4月から時間外労働の上限規制が設けられたが、2020年4月からはいよいよ中小企業にも適用される。<<…続きを読む>>
―――2020/02/02 09:15付 弁護士ドットコムニュースより
『弁護士ドットコム』というウェブサイトによると、昨年4月から大企業に課せられている時間外労働の上限規制が、いよいよ今年4月以降は中小企業にも拡大するそうです。しかし、これについて弁護士ドットコムの記事では、
「中小企業では、コンプライアンスが徹底されておらず、今後、大きな問題になる可能性がある」
と指摘しています。そこで参考になるのが、この弁護士ドットコムに寄せられたという、「ブラック企業」であるラーメン店に勤務する従業員から寄せられたという相談です。これによると、
「この従業員は4年半ほど在籍していて、毎月90時間ほどの残業があるが、1円も残業代が支払われたことがない」
のだとか。これについて弁護士ドットコムは、改正労基法について、時間外労働は「毎月45時間以内」かつ「年360時間以内」としつつ、特例として
- ①休日労働を含み、単月で100時間未満
- ②休日労働を含み、2〜6ヵ月平均で80時間以内
- ③時間外労働は年720時間未満
- ④原則である月45時間の時間外労働を上回る月は年6ヵ月まで
が許されているとしています。
しかし、このラーメン店については「月平均90時間の残業」の部分で、年に換算すれば1080時間ですので、明らかに③に違反していますし、また、②や④を満たすために一部の月に残業を寄せれば①に火掛かってしまうため、弁護士ドットコムではこのラーメン店をめぐって、
「今のままでは違法残業ということになってしまう」
と結論付けています。
まったくそのとおりでしょう。
そのうえで、弁護士ドットコムは今井俊裕弁護士の次のような説明を紹介しています。
「ブラック企業と言われようが長時間開店しておけばよい、残業代不払いの実態を無視してただ単に営業利益が黒字ならば24時間店を開けておけばよい、などというビジネスモデルはもはや成り立ちません。」
この今井俊裕弁護士の発言ほど説得力があるものはありません。
人手不足倒産の正体は、人件費
ただ、弁護士ドットコムに掲載された違法ラーメン店のケースは論外として、当ウェブサイトでは以前、『「人手不足倒産」のナンセンス:給料を上げれば済む話です』という記事で報告した用語が、「人手不足倒産」なる用語です。
この「人手不足倒産」とは、「従業員を確保できず事業継続が困難になること」や「従業員を引き留めるために賃金を無理に引き上げて収支が悪化すること」などと定義されているそうですが、考えてみればこれもおかしな話です。
テレビを設置した各家庭から年間1万円を超える受信料をむしりとっている「国民の敵」といえばNHKですが、そのNHKがウェブサイトに今年1月、こんな記事を掲載しています。
人手不足による倒産 過去最多 経営者の後継や従業員確保できず(2020年1月10日 4時15分付 NHK NEWS WEBより)
NHKは「人手不足が原因で倒産した企業が426社で、前年比39社増加し、『人手不足』に関連した調査を開始した2013年以降で最大となった」としたうえで、詳細な原因について
- ①社長など経営者の後継者が見つからなかった事例が270件
- ②求人を出しても人手が確保できなかった事例が78件
- ③従業員が退職や転職をした事例が44件
- ④人件費が高騰して収益が悪化した事例が34件
――、などと述べています。
①については人件費が原因なのかどうかはよくわかりませんが、②~④については基本的に人件費と密接に関係していると考えて良いでしょう。というのも、たいていの場合は、どんな仕事であっても、適正な人件費を負担すれば、人材を採用することはできるからです。
もっとも、職員が1人あたり1550万円という破格の人件費を得ているNHK(『NHKこそ「みなさまの敵」 財務的には超優良企業』参照)のことですので、「事業を行ううえで適正な人件費を支払っていない企業がある」という事実を知らないのかもしれませんが…。
ルールも守れない企業に存在の資格はない
さて、当ウェブサイトでいつも申し上げているとおり、経営とは、「ルールを守って最大の利益を上げること」です。
社会のルールを無視して良いのなら、極端な話、安い不良品をたくさん製造して高値で販売し、計画倒産でもすれば良いと思います。しかし、企業も社会の構成員である以上、利益を上げる以前に社会のルールを守ることが必要です。
先ほどの『弁護士ドットコム』のラーメン店の事例は、必要な賃金を支払わずに利益を上げているということですので、やっていることは泥棒と同じです(盗みの加害者はラーメン店の経営者、被害者は従業員です)。
正直、詐欺的な商品、不良品などを作っている企業の場合は、食品衛生法などの規定で摘発されて淘汰されていくのに、従業員を長時間、無給または安い賃金でこきつかう行為が問題視されないことは明らかにおかしな話でしょう。
いや、「窃盗や詐欺を働いたら牢屋に入る」というルールがあるのですから、違法残業はそもそも論として経営者による従業員に対する犯罪行為である、という認識が広まる必要があるでしょう。泥棒がいなくなれば社会が良くなるのと同じで、ブラック企業が根絶されれば日本経済にとっては間違いなくプラスです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
当たり前ですが、私たちの社会は自由競争市場ですので、いかにしてルールを守り、いかにしてコストを最小化しつつ、いかにして収益を最大化するかが経営者にとっての勝負どころですし、私たちの社会において生存を許されるのはそのような会社だけです。
そのためには、経営者には正当な努力(絶え間ない技術革新や学習)が必要であり、また、必要なサービスを受けるためには必要なコストを負担しなければならないのだと思います。
View Comments (18)
ブラックラーメン店はまずいのでは・・
いえいえ、味の話ではありません((笑
ブラックラーメンという店名がありますからねぇ。
ブラックカレーはもっとヤバイです(年がバレるw)。
あれは、カレーの形をした危険ドラッグ。
料理人のメンタルは、とってもブラック。
更新お疲れ様です。
昨今のブラック企業締め付けの風潮、良いと思います。
一方で時間ばかりを抑制すればいいと言う履き違えの横行も懸念しております。
過労による鬱や自殺は、時間に加え人間関係など環境も大きな要因だと思います。
年に何回も監査をするくらいなら、会社の人事環境をチェックする機会がもっと必要だと感じます。
不当な賃金でやっている店がまともな店の客を奪うのは迷惑だよね。
潰れてくれた方が世の中のためになる。
日本は人手不足なのに賃金が上がらない→経済原則が働かない国だ、という話がある様ですが、、、
例えば、プラック企業が、応募者があるとは思えない位の低賃金で求人票を出せば、どうせ誰も応募して来ないのだから何枚でも出せるので、求人票数に対し、求職者数が少なく見える→数字上の有効求人倍率が上がり、人手不足に見える、という構造なのではないでしょうか?
数字で経済を考える事は、或る意味重要ですが、そうは行かない局面も良く吟味する必要がありそうに思う。
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フッ酸の「低価格品・高価格品」の議論も、フッ酸という商品の取扱数量と単価の関係を置き去りにしたままで良いのだろうか?
取扱数量が3~4桁も変われば、単価が数十倍・数百倍変動する商品は、世の中に結構ある。
例えば、昔2億円の建設国債を発行し、内1億円で建設し、残りの1億円は誰かのポケットに消えたとした場合、「債務に相当する資産がある」と言えるのだろうか?
国民が阪神大震災等で見た、高速道路支柱の鉄筋が少なかったとか、キセルであったとか、コンクリートの中から、木片・軍手・ペール缶等が続々出て来た、といった事実は、考慮しなくて良いのだろうか?
専門家じゃないから断言できませんが、全く無関係とも思えない。
あまりにも「おさわり」禁止扱いが気の毒なのでレスします。
下の方にヒントのリンクを張りましたが、日本の給与が上がらないのには経済学的な説明が付きますし、まったく景気変動に関係しないという事実も存在しません。
という反論を恐れて、「という話がある様ですが」と予防線を張っているのですね。
景気変動なんか言っていないという頭の悪すぎる言い逃れはあらかじめ言っておきますが、景気が良いのに求職率が下がる、景気が悪いのに求職率が上がるという経済学に反する事実・穿った主張をしたいならそれなりの理論武装を願います。
有効求人倍率とはそもそも何かを調べて、ハローワークに依存しない統計で調べれば済む話ですが・・・。
https://diamond.jp/articles/-/201361
あなたの意見がうさんくさくなるのは、関係の無い事象を味噌もクソに一緒にしてあたかもすごいことを言おうと無茶な論理体系、いや神話類型を構成しようとする悪癖のせいです。だから「呪術的思考」と揶揄したのですが、やっぱり理解されていませんね。
そのせいかこのように一つ一つのファクトの確認が甘くなり、突っ込みの余地が生まれるのです。
でもって最後に
>専門家じゃないから断言できませんが、全く無関係とも思えない。
専門家でないと発言してはいけないことはありません。
しかし、まっとうに議論したいなら事実に誠実であろうとする努力義務はあるんですよ。
こんな言動だから、あなたに絡もうと思う奇特な人は出てこない。
あと蛇足ですが、科学・SFだけでは無く、私は魔術や呪術や神話類型などの話も大好物です。
残業代はわかんないけど、関係する会社なんかに無茶を言ったり、言われたりで、残業がかさむこともありますね♪
自戒の込めて、相手のことも考えなきゃとは思うのですが・・・・・
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(ラーメン屋は別かもしれませんが)結局のところ、日本企業は時間以
外に、どうやって仕事の成果を数字化するのか、という問題になるのでは
ないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
ブラック企業と聞いて娘の就職先を思い出しました。娘は就職氷河期に医療機器販売の中小企業にハロ-ワ-クの紹介で就職したのですが、雇用契約書に書かれていた仕事の内容と実際の仕事が違っていた事が問題でした。
正社員になれば給料も上がり、厚生年金に入れるとの事でしたが、その前提として見習い期間があり、1年間は自分で国民年金を支払うよう会社から言われていました。勤めた後、総務部長に「正社員はまだですか」と聞いたところ、「君はまだ仕事に熟知していないのでまだ先の話だ。いつまでかはわからない。」と言われそれが原因で会社を辞めました。
友人に聞いたところ社員の多数が国民年金の支払いを続けていたそうです。結局年金の支払いに穴があいた。社員100人以上の会社でもそうです。このような会社はまだ多数あるのではないでしょうか。
私がそのとき思ったことは、ハロ-ワ-クに登録している企業にはいいかげんなブラック企業も記載されているという事です。就職者の追跡調査や過去の退職者数・理由も参考に厳選してもらいたい。就職先を多数掲示するのが目的ではなく、その会社をよく調査してもらいたいという事です。今は少しずつよくなっているようですが。
次に労働基準監督署についてです。こちらの職員は公務員なので大幅に増員ができず、会社に問題があっても結果として何もできない、会社の言いなりになっているように思います。労働組合など声の大きい大企業には親切だが、町の中小企業には冷淡ではないか。人手不足は理由になりません。昔は36協定締結届をもってよく行ったものですが今はどうなっているかわかりません。
前述のように会社は人件費節約のため社員を厚生年金扱いにするのがいやなのです。昔は社員が辞めればまた雇えばよいという考えだったが、これからは考えを改めないとだめだなと思います。
娘もワンマン社長の顔色を伺いながら仕事を進める社員や、問題を指摘した時の会社のいやがらせも考えられおとなしく退職しました。
私情を排して言うと,営業・販売職というのは1人で年間1億円くらいは売らないと,年収1千万に届くのは無理だと思います。その会社,年商いくらで従業員数何人だったのでしょう。予め調べてから就職したほうが...
ブラック企業と直接関係あるわけではありませんが,営業職の労働とGDPについて考察してみたいと思います。営業ノルマや残業がブラックという話ではありません。
日本の大学の学部の定員は雑に言うと。理系:文系=3:7と言われています。ただし,芸術系は無視し,体育系や教育系も文系に入れています。文系学部卒業生の多くは営業職か販売職に就職します。たぶん,営業職のタマゴは,開発・研究・技術職のタマゴより大勢いるでしょう。給与総額も営業職に支払われる割合が多いでしょうが,営業職が日本経済の発展,GDPの上昇にどの程度寄与しているか考察してみたいと思います。
営業の仕事は,販路拡大・顧客との連絡・マーケッティグ調査などいろいろあるでしょう。ところで,日本人営業職の9割以上の方は,日本人を相手にしていて,外国人顧客相手の営業の割合は多くないと思われます。ですから,販路拡大といっても,海外への販路拡大よりは,限られた国内市場の奪い合いが多いかなと思います。会社の売り上げには貢献しているでしょうが,日本国内企業全体の売り上げを食い合っているだけで,GDPのほうには果たしてどれくらい貢献しているでしょうか。また,会社の売り上げ拡大のためのマーケッティング調査も,日本人が主な対象になっていて,日本人顧客のニーズに特化した製品を開発することによって,製品のガラパゴス化という現象も生じます。
最近,買い手のほうも,営業経費を製品価格に上乗せされるのを嫌って,直接ネットで注文する,というスタイルが増えています。販売用のWEBを作っているのは営業職より後術職の人が多いと思います。
日本のGDPを増大しようと思ったら,営業の対象を日本人中心から外国人中心に変えていかないといけないのでしょうね。
ブラック企業と言えば、教師も大概だと思いますが…
世間では、そんな話はあまり聞こえてきません。
子供の通っている小学校や中学校は、いつも遅い時間まで
職員室の明かりが付いています。
部活の顧問の土日出勤など、言わずもがな…です。
民間企業と違い、公務員のサービス残業にはマスコミは寛容ですね。
教員とはまた事情は異なりますが、私は自治体で働いています。公務員のサービス残業には、特別な事情がある場合があって、公務員の個人ごとの能力格差は非常に大きいです。それは、能力が低くても簡単にクビにならないこと、給料が上がっていくことが主な原因だと思いますが、同じ仕事を割り振ったときに、標準的な能力のAさんなら定時で帰れるが、能力の劣るBさんは残業しないとこなせない。というようなことが起こります。
こういった場合、上司も時間外勤務命令は出せません。(能力が劣るほど賃金が多くなるという、恐ろしい現象を招きます)しかし、サービス残業であることは確かで、仕方ないといえば仕方ない、ブラックといえばブラック…どうしたものか、とは考えさせられます。
私の実家は有限会社を経営しており、家族でやっていました。祖父母と叔父や叔母が呉服屋を、両親が飲食店を経営しておりました。
小学校に入学と同時に、平日は帰宅後に呉服屋の手伝いを。土日は飲食店の手伝いをし、両親は帰りが遅いので兄弟3人で手分けをし、家事もやってましたね。
長男の私は半ば跡継ぎ息子として強制的に高校を卒業すると同時に見習いへ。いわゆる徒弟制度の中で板前をやっていました。月4休あるかないか、1日の拘束時間は12〜16時間は当たり前。
とはいえ、慣習的に残業代などありません。
現在ではブラックもいいとこの業界ですね。ですが、投稿中にもありましたように、そこで磨かれた物は、誰にも負けない物が自然と身に付いているものです。これは自身が納得しているので、ブラックな業界であっても、関係ないとさえ思っています。
が・・
なんでこんな事をツラツラと書いたのかと言いますと。
団塊の世代が抜けていく中で、高齢の経営者が廃業していき、終身雇用が崩れる中で、日本も成果主義に変わっていく過渡期にあると思うのです。
少子化に高齢化の社会では、ただ最低賃金を上げたり、従業員確保の為に高賃金を出すのではなく、生産性を上げなくてはなりません。
結局、高賃金で従業員を募集すれば、それに見合う成果を残す優秀な人材が残り、最低賃金しか払わずブラックな企業には優秀ではない人材が流れ、ブラック企業は淘汰され、成長する企業が残りバランスが取れてくるのではないかとおもえるのです。
日本が成長率や生産性を上げるのであれば、もっと女性の雇用を促進し、労働生産人口を増やさないといけませんね。
年をとっても若い世代に負けぬよう、高いレベルの仕事がいつまでも出来るように、鍛えておいて良かったかと思う次第です。死ぬまで元気に働いて、いい仕事するぞ〜!笑