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日韓葛藤の解消のためには、韓国が変わらねばならない

個人的な「愛読紙」(?)である『中央日報』(日本語版)に本日、「リセットコリア」シリーズの最新稿が掲載されています。今回は日本に16年間在住する韓国人が「政治治と経済、政府と民間交流を分離して考え、地方政府や民間次元で持続的な交流を通じて、歴史問題に対して建設的に学び、話す機会を作ってみてはどうだろうか」と提案しているのですが、毎度ながらこの手のコラムを眺めると、「日本に暮らす韓国人という立場でありながら、なぜ韓国の異常性に気付くことができないのか」と、思わずため息が出てしまいます。

知日派韓国人?による日本論

韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、定期的に掲載されるコラムが、「リセットコリア」と題するシリーズです。本日も中央日報にこんな記事が掲載されていました。

【リセットコリア】日本を政治的にばかり接近していては関係回復は難しい(2019.12.30 07:39付 中央日報日本語版より)

末尾には「チョン・ジュヨン/日本国際基督教大学メディアコミュニケーション学教授」とあります(漢字がわからないので、以下、「チョン・ジュヨン氏」と称します)。

記事本文によると、チョン・ジュヨン氏が来日したのは2003年ごろで、すでに在住16年に及ぶそうですから、韓国メディアなどによく出てくる表現をあえて用いれば、「知日派」(?)のようなものだと言いたいのですが、そうは問屋がおろしません。

チョン・ジュヨン氏は、最近になって「若者たちを中心にK-POPが大きな人気を得て韓国文化と社会に対する関心を高めている」と述べる一方、これまで日本で暮らした16年間で、

今年が政治的に韓日関係が最も良くない時期ではないかと思う

と指摘したうえで、その理由として

一般人の政治に対する低い関心

を挙げているのです。

日本人が韓国を正確に理解したからでは?

今回の論考のなかで、とくに気になったのは、次の記載です。

日本市民の韓国に対する関心と日本の韓国に対する政治的見解にはなぜズレが生じるのだろうか。/(中略)政治に対する無関心により、日本の一般市民は最近の韓日関係が悪いことを皮相的には知っているが、正確に何が原因で葛藤しているのかよく知らない。

政治に対する無関心により、日本の一般市民は最近の韓日関係が悪いことを皮相的には知っているが、正確に何が原因で葛藤しているのかよく知らない。相手が自身を批判して嫌っていることは分かるが、正確な理由は理解できていない状況だ。

はて、面妖な。

大変失礼ながら、この人物は16年間も日本で暮らしてきて、いったい何を見て来たのでしょうか。

すでに日本国民のかなりの割合が、「なぜ、韓国が日本を嫌っているのか」を、かなり正確に理解しているのではないでしょうか。それは、ありもしない「日帝による悪辣な植民地支配」という歴史捏造による反日教育の実態が、日本国民にもかなり広まっているからです。

もともと諸懸案が山積みだった日韓関係が厳しいという状況は、この1年少々で加速したように思えますが、その理由は昨年秋口以降に限定しても、

  • ①旭日旗騒動(昨年9月頃~)
  • ②自称元徴用工判決問題(昨年10月30日、11月29日)
  • ③レーダー照射事件(昨年12月20日)
  • ④天皇陛下侮辱事件(2月頃)
  • ⑤日本による韓国向けの輸出管理適正化措置(7月1日発表)
  • ⑥慰安婦財団解散問題(7月頃)
  • ⑦日韓請求権協定無視(7月19日)
  • ⑧日韓GSOMIA破棄通告(8月22日)
  • ⑨対日WTO提訴(9月11日)

といった、明らかに非友好的・非合理な動きが韓国側から相次いだからです(実際、『【速報】「韓国に親しみ感じない」が初めて7割を超過』でも紹介したとおり、日本側で韓国に対する感情が、この1年で急速に悪化していることが確認できます)。

チョン・ジュヨン氏は

比較的率直な人が珍しく『なぜ韓国は日本を嫌うのですか』『慰安婦問題に関し、何を望んでいるのですか』と聞いてくる場合がある。日本メディアは根本的な内容を詳しく扱うのではなく、葛藤を深める両国政治家たちの発言に集中している。

と述べるのですが、せっかくその問いを受けているのに、それを正面から受け止めようとせず、自国の歴史認識に問題があるという答えにたどり着かないのは、残念としか言いようがありません。

「根本的な問題を詳しく扱っていない」のは、チョン・ジュヨン氏の方でしょう。

相互交流を続けたらどうなるか

こうしたなか、チョン・ジュヨン氏はこのコラムで、

このような状況を理解して韓日関係を政治的問題だけから見ないことが、葛藤を解く糸口を見つける道にならないだろうかと考える

と提案しているのですが、果たしてこの考え方は正しいのでしょうか。

チョン・ジュヨン氏のいう「葛藤」の大部分は、韓国の非合理で非友好的な態度がもたらしたものです。

その意味で、「葛藤」を解消する責任は、かなりの部分が韓国側にあると見るのが正解ですが、こうした根本的な部分に手当てをするのを怠り、日韓交流をさらに強引に進めようとすれば、「葛藤」がますます深まることは当たり前の話です。

チョン・ジュヨン氏は、

政治と経済、政府と民間交流を分離して考え、地方政府や民間次元で持続的な交流を通じて、歴史問題に対して建設的に学び、話す機会を作ってみてはどうだろうか

と提案するのですが、そもそも論として「悪辣な日帝支配」という歴史は存在しないのですから、「建設的に学ぶ」ことなどできるはずがありません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、日韓両国は隣国同士であり、国が引っ越すことなどできない以上、日本は国益に照らして相応の付き合いをしていくしかありません(※個人的な希望をいえば、日本列島が朝鮮半島からかなり離れた場所にまで離れてくれたらうれしいのですが…)。

このように考えていくと、「嫌いだから断交する」という考え方だけではなく、「お互いに理解を深める」ということが大切だ、という考え方も成り立つのですが、そのように考えるならば、むしろ「本国の韓国人に自分たちの誤りを教え伝える」という役割を果たし得るのは、日本に暮らす韓国人ではないかと思います。

というのも、通常、10年以上も日本に住んでいれば、日本から韓国を眺めることを通じて、自分の国のおかしな点はたくさん見えてくるはずだからです。

それなのに、長年、韓国メディアのこの手のコラムを眺めていて思うのですが、「韓国における歪んだ歴史教育と反日思想の誤り」を指摘する記事がまったくといって良いほど掲載されないのは、不思議というほかないのです。

新宿会計士:

View Comments (45)

  • 筑波の古田先生が、付き合えば付き合うほど嫌いになるのが韓国人と書いてた
    そしてエリートやインテリほど反日なのだから、在日韓国人に期待しても無駄
    頭の中はファンタジーでいっぱい

  • 毎朝楽しみに拝読しています。今年の夏、イスラエルの大統領が訪韓された時に、ネットを辿ってこのサイトを知りました。仮説を検証しながら綴るというスタイル、面白いと存じます。私も一つ仮説を抱いており、会計士様は複数人の合議体である、というものです。毎朝5時の定期便に加えて複数の追加便まで、下調べから書き下ろし、推敲、掲載まで、とてもお一人では出来まいと思っていますが、はてさて。
    メディアの話題もしばしば取り上げられますが、私もテレビで観るのは大相撲やラグビーに天気予報ぐらいです。ネットでニュースをチェックし、暇があればYouTubeで時事ネタを鑑賞、映画やドラマはAmazonPrimeで見ています。コメントを拝見していても新聞テレビなど所謂OldMediaは斜陽のようで、実際ネット媒体が主流になりつつあるのを感じます。Youtubeなどの比重が高まって来ているということですが、ちょっと気になることがあり、YoutuberがYouTube自体から排除される動きが散見されることです。YouTube側で不適切な投稿について監視することは当然ではありますが、その基準が今一良く分からず、特に政治的な内容については踏み込んでいないようです。
    https://www.youtube.com/intl/ja/about/policies/#community-guidelines
    会計士様のサイトのような政治評論サイトもTube内にあり、わたくし的には良い内容だと思うものの中に、何度も削除され不撓不屈の精神で4度目の投稿などと仰っているビデオもあります。例えば、「半日の嘘」と題する「ゆきのん日和」氏によるものです。
    https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%86%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%93%E6%97%A5%E5%92%8C
    YouTube内の運営や方針など、今後の社会インフラとしての比重の増加と共に、重要な関心事としなければならないように感じています。

    • 誤り「半日の嘘」、正しくは「反日の嘘」でした。お詫びして訂正します、失礼しました。

    • 原住民 さま

      >会計士様は複数人の合議体である

      シーっ!ダメよ、それ言っちゃ!(www

      • 良かったです。
        一人で本業のほうは大丈夫なのかと、いつも心配しておりました。

  •  >「韓国における歪んだ歴史教育と反日思想の誤り」を指摘する記事がまったくといって良いほど掲載されないのは、不思議というほかないのです。

     それは誰もが信じているからであり、信じてない人でも自分の不利益になる発言はしません。金完燮(親日派のための弁明)、朴裕河(帝国の慰安婦)、李栄薫(反日種族主義)、安秉直、李宇衍などのような人たちは稀有な存在であり、誰も耳を傾けません。

     小生は「反日種族主義」が韓国でベストセラーになったとしても、それで韓国人の考えが変化するとは到底思えません。

     小生が韓国に来た頃、勉強のために呉善花の本を読んでいました。日本語の教師をしている韓国人が貸してほしいと言うので貸したら、「韓国人なのになぜこんなにも韓国を悪く書いているのかと最初は憤慨した」、「しかし、そうかも知れないと思うようになった」と言ってました。暫く経って、旦那さんにこの本の話しをすると、「こいつは裏切り者」だと言われたそうで、すぐに小生の元に本が返ってきました。

     ある程度日本に理解がある韓国人は頭の中に一瞬「?」が浮かぶのですが、結局周りの人たちに流されて元に戻ってしまいます。それなりに日本について勉強しても、心の奥底では日本に対する怒り、嫉妬、妬み、恨があり、そこから抜け出せません。新聞記者なども同じであり、心の底で「日本は悪魔」だと思っている人が、自国の歴史教育や反日思想について悪く書くとは思えません。

     さらに、日本用語発言で不利益を被る可能性もかなり高いのです。日本旅行に行きたがる飲み屋のねーちゃんに韓国語で「貴方は親日派か?」と聞くと激怒します。他のお客さんに聞かれるのが嫌なのか、それとも本当に親日派が嫌いなのかは分かりません。飲み屋のねーちゃんでさえこの状態ですから、言論人が日本擁護の発言など、韓国では自殺行為です。

     結局、国の教育は国の方向性を決定づけるものであり、一度その教育に染まり、長い時間がたてばそこから抜け出せなくのです。韓国は70年にわたり反日教育を行っています。もう、根本的な考え方が変わる事は韓国人の怠惰な性格も相まって、あり得ないと小生は思います。

     駄文にて失礼します。

    • >結局、国の教育は国の方向性を決定づけるものであり、一度その教育に染まり、長い時間がたてばそこから抜け出せなくのです。韓国は70年にわたり反日教育を行っています。もう、根本的な考え方が変わる事は韓国人の怠惰な性格も相まって、あり得ない

      全く持って同意します。
      日本も韓国人も上記の状況に変わりはありません。
      だから教育は大事なのです。

  • 在日で日韓両方の言語のわかる人々に申し上げたいのは、もう猶予はあまりないということです。
    あなた方が本国に日本の実情と日本人の感情を伝えない限り、本国人は永遠にわからないでしょう。伝えても理解されないかもしれませんが、そこで諦めていると、損をするのはあなた方です。

    日本人の考え方を想像してみます。

    ・反日と嫌韓がエスカレートする

    ・在日は何も言わない

    ・韓国の主張が正しいと思っているなら、理解力がないのか洗脳されているかである
    ・韓国の主張がおかしいと知りながら沈黙するのなら愛国者ではない、そしてそういう人間は日本にとっても愛国者とはならないだろう

    在日は潜在的な敵である

    日本でもたらされる情報に接しながら、なお韓国の主張が正当だと思われるのでしたら、母国に帰り戦いに備えるのがよいでしょう。沈黙していることは、もはや中立ではなく、敵対表明となりつつあります。

  •  「韓国に親しみを感じない」が初めて7割を超え、日本人の多くが韓国を正確に理解したことは、日本の将来にとって本当に喜ばしいことだと思います。
     これもひとえに文在寅大統領をはじめ、韓国政府・議会・裁判所の皆様の献身的な啓発活動のおかげです。来年以降も引き続き積極的な啓発活動をしていただくよう期待しています。
     また、日本人の韓国に対する理解を飛躍的に向上させたこうした方々に対し、安倍総理大臣から、是非、表彰状と記念品を贈っていただくことを希望します。

  • やっぱり「人食いの黒い山葡萄猿人」だ、何処に居ても人類とはまったく違う感覚を持っている。🐧
    言っている奴は、何か立派な職業に付いているようなので、日清講和条約第一条、暗殺された伊藤博文卿の政治的立場やポツダム宣言第八条を調べて見る事をお勧めする。🐧
    更に、日韓併合前と併合後の朝鮮半島の写真を見比べた上、人口、平均寿命の推移を調べれば、「正しい歴史」学ぶべきはどちらか理解出来るだろう。🐧

    人類ではない存在では、無理かもしれないが、とりあえず試してみれば良いのでは、自分たちの本当の立ち位置が理解する事が可能なら、もしかしたら人類と共存する道が開けるかもしれない。🐧

  • 昔から言われてることなんですが「知れば知るほど嫌いになる国、韓国」ってやつです。
    あるがままの韓国を知るだけで嫌いになっちゃうのでなんともならんですね。
    免疫がない大勢の日本人が最近韓国嫌いにかかっちゃったので、重症化しやすいのもあるでしょう。
    繰り返して免疫ができるまでに韓国が存続してるかはわかりませんが・・・。

  • いつまで日本人が相手にしてくれると思っているのだろうか。不思議不思議。わたしの頭の中では朝鮮人は存在しない。迷惑をかけられれば、排除、それで間に合わなければ、抹殺するのみ。

  • 在日コミュニティーが有るから、というのもあるんじゃないでしょうか。
    米国などでも、日本人は現地に同化していく傾向があるということですが、韓国人は集まって住み韓国人コミュニティーを形成するらしいので。
    在日3世?の朴一大阪市立大教授なども、テレビで親日的な発言をすれば在日コミュニティーからの突き上げがあるのが悩ましいことだと言ってました。どこに住もうと韓国人社会での同調圧力が大きいのでは、と思います。
    なんというか、韓国人はどこに居ても同国人と依存していないと生きられない傾向が大きいのでは?だから同胞から批判され非難されるような発言は出来ないし、しようとも思わないのではないでしょうか。

  • >「お互いに理解を深める」ということが大切だ、という考え方も成り立つのですが、

    ごめんなさい。私、この一年あまりで、日本と朝鮮半島との関わり合いを一生懸命勉強しましたが、知れば知るほど嫌いになりますの。クールダウンしようと半島問題から離れようとしても、また新たな問題が半島から持ち込まれます。

    本当に注視しなくてはいけないのは、膨張を加速している中国問題のはずですのに、煩いぐらいに半島は日本に問題を持ち込みます。ですからね。これ以上、半島を嫌いにならないために、いっそのこと断交も有効なのかもしれません。

    サプライチェーン云々の議論は、韓国については意味がありません。韓国には物的資源も知的資源もありません。市場としても問題となる規模ではないと伺いました。

    隣国であるということは、友好国であるとイコールである必要はないのですから、警戒はしつつ、丁寧に断交するというのはダメですかしら?

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