X

瀬戸際外交を無視されて困るのは、むしろ北朝鮮の側だ

瀬戸際外交といえば、南北朝鮮が揃って得意(?)とする外交戦術のひとつですが、それと同時に、瀬戸際外交に難点があるとしたら、瀬戸際外交を仕掛けている相手国から無視されてしまうと意味がない、という点にあります。日本の輸出管理強化を受けた韓国による日韓GSOMIA破棄騒動が、結局、失敗に終わったことは、記憶に新しい点です。同様に、北朝鮮がICBMの発射などをうかがわせ、米国を揺さぶっているのですが、米国はこれに対してどう対処すべきなのでしょうか。

2019/12/18 14:00 追記

情報源のメディアの名前が間違っていましたので、修正しています。

米国の北朝鮮制裁が失敗?

ブラウン大将「クリスマスプレゼント」の警告

瀬戸際外交とは、「ここまで行くと取り返しがつかない」というギリギリの一線を踏み越えようとして、相手を脅す外交のことです。

米政治専門誌『ザ・ヒル』に日本時間の本日午前1時前に掲載された次の記事によると、米太平洋空軍司令官のチャールズ・Q・ブラウンJr.大将は「北朝鮮からのクリスマスプレゼントは長距離弾道ミサイルの発射実験かもしれない」と警告したそうです。

Air Force general: North Korea ‘Christmas gift’ could be long-range missile test(米国時間2019/12/17(火) 10:47付=日本時間2019/12/18(水) 00:47付 The Hillより)

ブラウン大将は記者団との朝食会のラウンドテーブルで、質問に対し、北朝鮮が長距離弾道ミサイル(あるいは大陸間弾道ミサイル)の発射実験に着手しており、実際の試射がクリスマス、あるいは新年早々に行われるかもしれないと述べたとしています。

もちろん、これはブラウン大将なりの「可能性の一端」を示しただけであり、必ず発生するというものではありません。また、ブラウン大将は北朝鮮がミサイルを発射しないまでも、これまで「自粛」してきた長距離弾道ミサイルや核兵器の開発の再開を宣言する可能性もある、などとしています。

『ザ・ヒル』は、今回のブラウン大将の発言について、北朝鮮が最近、米国に対して「好ましからざるクリスマスプレゼント」を送り届ける可能性があると警告したことに加え、北朝鮮が米国との非核化交渉期限を年内に設定していることとも関連がある、と見ているようです。

オバマ政権の財務次官がトランプ氏を批判!

一方、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、昨日の夕方、こんな記事が出ていました。

猫はネズミを捕まえられなかった…「米国の北朝鮮制裁は失敗」(2019.12.17 16:10付 中央日報日本語版より)

中央日報によると、バラク・オバマ政権下で米国の北朝鮮金融制裁を総括したデビッド・コーエン前財務次官(テロ・金融犯罪担当)は米国時間の16日ワシントンのシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」が主催したカンファレンスに出席し、

米国の北朝鮮に対する制裁は失敗したと判断する

と話したのだそうです。

北朝鮮を野放しにしたオバマ政権関係者に偉そうなことを言われたくはありませんが、ただ、一見すると、確かに北朝鮮が核開発プログラムを手放していないことは確かでもあります。

ただし、コーエン氏は北朝鮮制裁がまったく無駄だったと述べているわけではありません。中央日報によると、

  • トランプ政権が2017年秋に導入した北朝鮮制裁のうちのセカンダリーサンクション(北朝鮮と取引する第三者への制裁)は、遅い感があったものの、北朝鮮に対する制裁としては適切だった
  • 中国が北朝鮮制裁に参加するように多くの努力を傾けたことも、北朝鮮に対する圧迫には効果的だった

と、2つの側面でこれを肯定しています。しかし、コーエン氏によると、せっかくのこの正しい制裁も、2018年6月のシンガポールでの米朝首脳会談以降、トランプ氏の次の発言で、トランプ政権が蓄積してきた「すべてのもの」が吹き飛ばされてしまったのだとか。つまり、トランプ氏が

米国の北朝鮮政策は成功した/北朝鮮は非核化するであろうし北朝鮮とイランの脅威は消えたので皆ぐっすり眠れるだろう

と話した瞬間、北朝鮮圧迫の意味が消えた手厳しく批判しています。

コーエン氏はまた、

制裁はそれ自体が政策でなく政策目標を成し遂げるための道具であることを示している/政策に一貫性がなく、矛盾すれば制裁は効果を出すことはできない

と指摘したそうですが、トランプ氏には北朝鮮制裁の一貫性がない、というのが、ここでの批判の要旨と考えるべきでしょう。

瀬戸際外交の裏にあるのは「北朝鮮の焦り」

では、本当に北朝鮮制裁は失敗に終わったのでしょうか。

この点、北朝鮮が今年5月以来、短距離弾道ミサイルなどを相次いで発射していることは事実ですが、短距離弾道ミサイルに関しては、米国は「相手にしない」という姿勢で一貫しています(『トランプ氏「ミサイルに反応せず」 瀬戸際外交には無視も有効』参照)。

そして、米国が北朝鮮のこうした動きに対応しなかったためでしょうか、北朝鮮はついに最近、ICBMなどの長距離弾道ミサイルの開発をにおわす動きに出ているのです(これが冒頭の「クリスマスプレゼント」につながるのでしょう)。

そういえば、今月初旬には、こんな話題もありました。

北朝鮮大使が声明 「非核化は交渉テーブルから下ろされた」(2019.12.08 10:03付 聯合ニュース日本語版より)

聯合ニュースによると、北朝鮮の金星(きん・せい)国連大使は7日、外国メディアに次のような声明文を送ったのだそうです。

  • (米・トランプ政権が)北朝鮮を窒息させようとする試みから敵視政策を続けている。
  • われわれは今、米国と長く対話する必要がない。非核化は交渉のテーブルから下ろされた。

そのうえで聯合ニュースは、次のように述べています。

金氏の声明は北朝鮮が『新しい計算法』を求めて非核化交渉の期限とした年末が迫り、双方の緊張が高まっている中で注目を集める。

要するに、北朝鮮自身が「年末」と設定した非核化交渉の期限が迫る中で、米国に対して翻意を促すというものですね。

失敗したのは北朝鮮の側

じつは、北朝鮮が焦っている証拠

当ウェブサイトとしては、北朝鮮によるミサイル発射の動きは、「北朝鮮制裁が失敗した証拠」ではなく、「北朝鮮が相当の焦りを感じている証拠」、つまり、「経済制裁が最大限、威力を発揮している証拠」と見ています。

これを考えるうえで重要なポイントは、なぜ北朝鮮が「年内」を非核化期限としているのか、という点です。

そのヒントのひとつが、『国際連合安全保障理事会決議第2397号』です。これによると、国連加盟国には、2017年12月から「24ヵ月以内」、つまり今月中に、「自国で収入を得ているすべての北朝鮮国民を北朝鮮に送還させる」ことが求められています。

このことから、北朝鮮としては貴重な外貨獲得手段がひとつ、またひとつと潰されていくなかで、仮に「北朝鮮国民の出稼ぎ労働者」という外貨獲得源を潰されたら、ますます資金的に窮してしまう、という「苦しい内情」が見て取れるのです。

そもそも北朝鮮の非核化を巡っては、米国、日本など、国際社会(とくにG7)は「CVID」ないしは「FFVD」方式での非核化以外にありえない、との意見で一致しています。

(※ちなみに「FFVD」は「最終的で完全かつ検証可能な非核化」(Final, Fully Verified Denuclearization)、「CVID」は「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)の略です。)

一方で、北朝鮮側は「段階的非核化」、つまり、少しずつ非核化することで経済制裁を緩和していくことを希望しており、国連安保理の北朝鮮制裁決議以降の2年間は、北朝鮮と国際社会の立場の違いを埋めることができていない状況にあります。

これまでの北朝鮮の常套手段は、核実験場を派手に爆破するなどして「非核化が完成した」などと国際社会に喧伝する一方、密かに核、ミサイル、大量破壊兵器の開発を継続する、というもので、国際社会は何度も何度も騙されて来ました。

だからこそ、今回の北朝鮮の非核化に向けた努力では、安倍晋三総理大臣の「入れ知恵」もあり、「最大限の圧力」(つまり北朝鮮に対する厳格な経済制裁)を伴って非核化に向けた努力が行われている、という言い方もできるでしょう。

(※余談ですが、こうした国際社会の努力を水泡に帰そうとしてきたのが、「親北派」として知られる文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領です。)

今から2年前の危機

さて、ここでひとつ思い出す必要があります。

今から2年前、米国が北朝鮮攻撃に踏み切る可能性が非常に高まっていたことがありました(『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』参照)。

米国は最終的には北朝鮮攻撃を見送りましたが、おそらくその決定的な理由は、時期的に考えて、中国、ロシアが国連安保理決議第2397号の賛成に回ったからではないでしょうか。

つまり、米国としては北朝鮮核問題を解決するために、武力行使の一歩手前まで行ったものの、実際の北朝鮮攻撃の直前になって、中露両国が制裁決議への賛同に回ることで、米国を説得し、北朝鮮攻撃を中止させた、という仮説です。

その後、北朝鮮は急に態度を軟化させ、「舎弟」である文在寅・韓国大統領は2018年2月の平昌(へいしょう)冬季五輪を最大限政治利用し、その開会式を訪れた北朝鮮の代表団を、マイク・ペンス米副大統領と引き合わせようとしたほどです。

もっとも、2018年6月の米朝首脳会談は、米朝両国が直接開催で合意していて、これをあたかも韓国が仲介したかの形を取った、と見るのが自然でしょう(韓国観察者の鈴置高史氏はこのような見方をしています)。

要するに、ドナルド・J・トランプ米大統領としては、北朝鮮を経済的に圧迫する一方で、金正恩(きん・しょうおん)をシンガポールにまで呼び出して、朝鮮半島の非核化で合意したうえで、非核化を達成したあかつきには米国の同盟国として平和と発展を保証する、などとしたのです。

しかし、それと同時にトランプ政権が北朝鮮に対し、経済制裁の緩和には一切応じていないこともまた事実です。

北朝鮮は国際社会の経済制裁の緩和に向けて、韓国を最大限活用しようとしたものの、結局、韓国は使い物にならず、しかも今年2月のハノイでの米朝首脳会談が事実上の決裂に終わったことを受け、北朝鮮は追い込まれていたのです。

つまり、今回、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射を示唆していることは、2年越しの北朝鮮制裁の集大成でもある、といえるのです。

結局、時間を空費したのは北朝鮮の側

さて、トランプ政権による今回の一連の北朝鮮制裁については、先ほども示したとおり、米国内でも批判が出ています。ただ、クリントン政権やブッシュ政権などのときとの大きな違いがあるとすれば、北朝鮮が経済的に追い詰められている(らしい)、という点にあります。

怪しい通貨・人民元と「北朝鮮制裁の実効性」の関連性』でも報告しましたが、北朝鮮では物価や為替相場が(不思議と)安定しているという現象がみられますが、これはモノ不足が発生していないという意味ではなく、カネ不足が発生している、という可能性があるのです。

北朝鮮としては、従来の瀬戸際外交がトランプ政権や安倍政権に対しても効くと勘違いしているフシがあります(※あるいは、北朝鮮が「瀬戸際外交」しか外交のやり方を知らないだけ、という可能性もありますが…)。

しかし、この2年間、北朝鮮に対する経済制裁は一切解除されていません(※韓国とかいう、国際社会の経済制裁を解除させようと努力した国はありましたが…)。つまり、経済制裁を受けながら2年間を過ごしたことで、北朝鮮経済はむしろさらに疲弊した可能性があるのです。

その意味では、2年間という時間を空費したのは米国の側ではなく、むしろ北朝鮮の側ではないでしょうか。

瀬戸際外交は無視に弱い

さて、北朝鮮が瀬戸際外交を得意としている(あるいは瀬戸際外交しか知らない)国であることは、ほぼ間違いありません。

ただし、この「瀬戸際外交」には、ひとつ、明確な欠点があります。

それは、「このラインを越えたら攻撃する」というラインのギリギリを攻めてくるという手法が諸外国にもバレてきてしまっているため、瀬戸際外交を受ける側が、その「ギリギリのライン」を示してあとは無視するという形を取れば、瀬戸際外交をする国としては、どうしようもなくなってしまうのです。

この「瀬戸際外交」を逆手にとって、最近外交で顕著な勝利を収めつつある国が、ひとつあります。

ほかならぬ、私たちの国・日本です。

具体的には、日本政府が7月1日に発表した対韓輸出管理適正化措置を撤回させるために、韓国政府が8月22日、日韓包括軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)の破棄を決定・通告したという問題が、その典型例でしょう。

韓国としては、日本が焦って「輸出『規制』」を撤回し、韓国に謝罪して来るとタカを括っていたフシがあるのですが、現実には日本政府は「日韓GSOMIA破棄は残念だ」のヒトコトで済ませ、本件を巡って韓国と交渉するつもりはないことを明らかにしていました。

結局、韓国政府は11月22日の当日になって、日韓GSOMIAの破棄を事実上、無条件に撤回せざるを得ませんでした。

邪推ですが、米国は、

文在寅政権が日韓GSOMIA破棄を撤回しない限り、文在寅氏を排除するクーデターが発生したとしても介入しない

などと脅したのではないでしょうか(※もちろん、そんな証拠はありませんが…)。

この「日韓GSOMIA騒動」の事例でもわかるとおり、瀬戸際外交というものは、「無視」に対しては極端に弱いのです。

トランプ政権としても、北朝鮮が何を言ってきたとしても、基本的には「ICBMを発射したら軍事攻撃する」とだけ言って、あとは放置、で良いと思うのですが、いかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (30)

  • お疲れ様です。
    今回の瀬戸際外交が今までと違う点が1か所あるかと思います。
    本文で書かれた通り、出稼ぎ労働者の強制帰国が、
    北朝鮮のあらゆる外貨獲得手段の本丸ではないか、
    と言われている点です。
    仮にそうだとした場合、今後の金政権の求心力の大幅な低下は
    避けられなくなります。おそらく当人たちも分かっているでしょう。

    今までは「炒飯作るぞー炒飯作るぞー」と脅していましたが、
    今回は本当に炒飯を作って提供してくるかも知れません。
    近隣国である日本としても(出来ることは少ないですが…)
    北朝鮮の動向を注視する必要があるかと思います。

  • アメリカの大統領は、知性が低いわりに本能で正しい選択をする人物が時々出現しますね。
    結果論で言えば、ケネディ大統領なども(失敗する前に暗殺されたという点を割り引きます)そうですし、タイムスリップもので、過去のアメリカに行った人物が現地人に「レーガンが大統領になった」といって何の冗談だと言われる(なんだっけな元ネタ)レーガン大統領。

    知性が高い割りに愚かな選択をする大統領。FDR、ニクソン、カーター、オバマ。

    トランプの知性は確実に良くないwので、前者になる資格は持っていますが、実際そうなるのかは治世が終わってみないとわからない(密かにライムw)。
    私としては、どうせ米国の大統領など、ろくな人物でない方がほとんどなので、トランプ二期目もおおいに期待しています。

    •  りょうちん 様

       その点、小生のいる国は知性がなく愚かな選択をするという、米国にはない人材の宝庫です。

       歴代の大統領を見ても、朴正煕以外は落第点であり、李明博が赤点ギリギリという感じだと思います。

       駄文にて失礼します。

      • あと、知性と誠実さとナチズムのトリレンマネタジョークもありましたね。

        「ドイツ人は知的で誠実でナチス的だが、この3つが鼎立することはなく、知的で誠実だとナチス的でなく、知的でナチス的だと誠実でなく、誠実でナチス的だと、知的ではない」

        ヤスパースが元ネタだという記述がありますが、実際は不詳だそうです。

        知的と誠実さと韓国人的でも作れそうです。
        知的で誠実な韓国人は国外脱出してしまうようですし。

      • 韓国在住日本人様

        >その点、小生のいる国は知性がなく愚かな選択をするという、米国にはない人材の宝庫です。

        以前もこちらで申し上げたことがあるのですが、そこが判らないのです。知性がない大統領を頂いても、その制度(システム)は、アメリカではうまく機能し、韓国ではうまく機能しない。

        ちなみに、韓国では、大統領制は、”うまく機能しない”どころか、常にと言っていいほど、自国を不安定な状態にしてますよね。韓国だけではありません。南米の国でも同様でした。

        思い付きですが、大統領制というシステムの運転法を知らないからかしら?
        システムの運転法を知らずに、それを運転するのは危険な行為ですよね。

        ”ローソクデモ”などという一種のクーデターを民主主義の形として誇っている韓国の人々は、私には自分が投じた票の責任を取ることを知らない民主主義としか思えません。

        •  心配性のおばさま 様

           小生の個人的な見解ですが、米国と韓国の大きな違いは、大統領をサポートする人材だと思います。

           小生の暮らす国の場合、大統領一人だけが問題ではなく、サポートする人材、果ては国民までが知性が低いのです。

           知性の高い人材はさっさとこの国を脱出していますから、残りは言わずもがなです。

           駄文にて失礼します。

    • > 「レーガンが大統領になった」といって何の冗談だと言われる(なんだっけな元ネタ)

      映画「Back to the Future」だったと思います。初出かどうかは分かりません。米国人を騙る人物に大統領の名を言ってみろと質して間違えたらその場でバーンするのは彼らは常習らしいです。

      • それだ!
        まあネタ的に80年代映画だとはわかっていたのですが・・・。すっきりしました。

    • Back to the futuerで、過去のドクの質問に未来から来たマーティーが答える場面です。

      • 阿野煮鱒さま
        私も引っかかってたんですが、出てきませんでした。
        すっきりしました。

    • アメリカ人(アングロ・サクソン、ユダヤ系アメリカ人)たちには、優秀な人が多いと思います。両議会、政権内部、そしてウォールストリートにも、優れた人材が多く、アメリカの強さを支えているのだと思います。

      FDRが愚かな選択をしたというのは、同感です。

      反面、お隣の国は、国民も政府も、上から下まで愚民ばかりだと思います。

  • 北朝鮮は自分でやっているので、それが見かけ倒しであることを知ってるのですが、韓国はそれを見てアメリカや日本に対する恫喝が成立していると勘違いしているのが笑えます。

    チキンレースに持ち込んだつもりが、単にセルフチキンレースでしかないというのはつい最近もどこかで起こった事例ですが、同じことが北朝鮮とアメリカの間でも起きそうです。

    どこか笑の例では直前でセルフチキンレースから降りておいて、あとは『相手から妥協を勝ち取った」と言いふらすだけってパターンですが、北朝鮮の場合「直前で降りる」ってなにをすればいいのか不明だったりします。すでに安保理決議で完璧にレールを引かれて、ブレーキも故障。チキンレースを止めたくても止められず転落するのかなぁとか。とにかく静観がすべて。

  • これまでの瀬戸際外交は「北朝鮮をあまり追い詰めすぎると核開発を遂行してしまう・戦争が起きてしまう」という事での瀬戸際でした。
    '90~'00年代の日本では開戦、核開発などはわずかな可能性を論じることすら批難される平和ボケぶりでしたから、実害は全く無視して「開戦or核配備完了」の時点で日本側の敗北を意味していました(というようにマスコミが世論誘導し、政治家はその形成世論に抗えずそのまま流されていた)。
    チラつかせるだけで日本は折れざるを得ない=絶対に無視できない外交戦略でした。

    しかし現在ではその前提はだいぶ変化し、真っ向から制裁・圧力によって抑え込むことで成果を挙げ、マスコミも朝鮮半島国家を擁護しきれない段階になっています(なぜか南も笑)。
    そしてアメリカも、もはや核開発はだまし討ちで完遂され、ICBMの射程に入った事もあり、そんな瀬戸際外交など無視して攻撃の準備が可能な世論と大統領を持ちました。
    北朝鮮は、核開発と長射程化に地道な成功を続けたがゆえに、全世界も座視できない状況にしてしまったといえるでしょう。

    「無視には弱いが無視できない戦略」だったものが、無視が可能になってしまい完全に通用しなくなってしまったのを北も認識しているからこそ労働者引き上げ期限に焦っているのでしょうから、あとはどう暴発するか・どう抑え込むかを日米政府はしっかり対策してほしいものです。
    「ムンが都合の良いことばっか言うたせいじゃゴラァァァ」と南に突っ込んでいって半島内で終わらせてもらえれば一番良いですが。

  • 北朝鮮の話題が出たので・・・
    日韓請求権協定などで日本が支払ったお金ですがどのような計算根拠だったのかご存知の方があればご教示願いませんか?
    名目は賠償ではないのですが 賠償ではないと言えば 積算根拠は説明不要なわけです。
    これはごまかしと思えてなりません。そうは言っても 一応バナナのたたき売りじゃあないので計算したと思うのですが。頭の悪い私にはどうして日本側が支払ったのか理解できないのです。

    • 結構、Wikipediaが充実していて、根拠も充分に引用されているので必要充分ですが、

      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%A8%E5%A4%A7%E9%9F%93%E6%B0%91%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%93%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84

      韓国の想定金額より、多額の金額になったので、例の「最終的に解決」の文言を「韓国側の要求」で入れることになったというのは有名な話です。
      「ホントに払うって言ったんだからな!そんなことは言っていないとか言うなよ」ってw

    • 2005.01.07 KBS
      http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=15281

      >日本に強制動員された生存者や死者、負傷者103万2684人について、合わせて3億6400万ドルの被害補償を要求していたことが確認されました。

      >政府が当時日本側に要求した一人あたりの被害補償額は、生存者200ドル、死者1650ドル、負傷者2000ドルでした。

      りょうちん様の引用先にもあるのですが、
      韓日基本条約外交文書公開後に「103万人は根拠のないでたらめな数字だった」旨を言及(韓国政府の保証分母を下げるため?)し、2009年に12万人(現在は20万人超?)の強制動員があったと発表しています。

      2015年、慰安婦合意の「不可逆的に」も韓国側の意向で入れられたのだったと思うんですけど、これも「あとで『やっぱりやぁ~めた!』って言うなよ』ってことだったんですよね。

      *そもそも、お金を受け取るまでが彼らにとっての約束ってことねんですよね。きっと。

    • ご教示ありがとうございます。 
      第6次会談(1961年10月20日-1964年12月2日)。
      1962年3月の会談にあたっての韓国内部文書では、請求金額について無償援助は最低2億6000万ドル、債権4600万ドルは日本が放棄することを前提に、交渉では始め8億ドル、次いで6億ドルを順次提示、5億ドル、最悪4億ドルでの妥結も可能だが、最低2億6000万ドル以上は絶対に無償援助によるもので、最大限の努力を尽くすこととあった。

      当時はアメリカの介入(仲介?)もあって大変な交渉ですね。まるでバナナのたたき売り。
      そのほかに 米国軍政令の国際法違反とか 半島の唯一の合法政府としての韓国とか ツッコミどころ満載です。おまけに李承晩による漁民人質問題も絡んだり サンフランシスコ平和条約でも私有財産は放棄できるのかなどなど・・・以前読んだ時も何がなんやらさっぱり分かりませんでした。平和条約も実際はその通りにはいかないようで・・。
      日韓共に民衆の反対運動が激しかったのもうなずけます。あの頃はネットもなかったのに・・

      • 続き・・
        サンフランシスコ平和条約で半島への権利を放棄していますが 半島からの賠償請求は想定していなかったのでしょうね。もっとも日本への賠償放棄が前提なので日本の半島への請求権放棄も成り立つはずで・・ 当時すべてを想定して条文を作るのは限界がありましたね。

  • 更新ありがとうございます。

    ならず者、愚連隊には「無視」に限る。日本人は無視をようせんからな(笑)。自分が何かで急いでいる時でも、道を尋ねられたら、分かりにくい場所なら近くまで付いて行ってあげる。これなんかいいほうで。

    例えば隣国の被統治時代の、日本へのイチャモンも「すまなかった」と言って賠償金を渡す。5年後またタカリに来たら「コレが最後だよ」と言って渡す。以下、エンドレス(笑)。65年の条約も個人の分は残っているとか、言い出す。

    でも南朝鮮に対しては学習効果が出てきたのか、無駄な忖度をしなくなりました。北朝鮮も金もネーくせに、軍力第一!と言いながら兵隊の食糧は農家からかっぱらうという、昭和ヒト桁〜20年迄の懐古趣味的な方法を取っています。

    で、EEZギリギリや西海の沿岸部島嶼部にロケット弾、ミサイル発射。更に日米他自由主義国が北朝鮮を相手にしなければ、本邦初公開のICBM発射訓練。

    多分、命中率は悪いが距離は出せますよ。米北交渉の最近2年間ですが、時間をかけて萎びるのを待つ作戦はまどろっこしいが、正解なんでしょうか。

    私は、最期は金正恩を討ち取って欲しい。チャウシェスクのような無残な死に様を確認したいです。それ以外何も望みません。オッと、拉致被害者は全員安否が判明する事。これは当然です。

  • ムチで叩かれないと飼い主を嘗める躾けの悪い犬のように、北朝鮮も一度は痛い目に遭わせなければ、もう話は前に進まない段階に来ているのではないかと思います。

    そこでいよいよ鼻血作戦というものを実行していただきたいと思っています。

    発射台に大型ミサイルかロケットか、それらしいものが設置され次第、それを精密爆撃。
    ついでに現地の観察研究施設も精密爆撃して、発射の観測に来ているはずのロケット技術者を一網打尽で根絶やしにしていただきたいものです。

    これぐらいのことでは北朝鮮は反撃しませんし、仮に国境越えに砲撃をしてきたとしても、韓国人にとっての本当の敵は誰なのか、韓国人の目を覚まさせる効果が期待でき、一石二鳥と思うのですよ。

    日本の海上保安庁に工作船を沈められたあと、北朝鮮の対応が一変した前例もあります。
    ぜひとも、鼻血作戦を実施していただきたいものです。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     北朝鮮とは限りませんが、瀬戸際外交は相手のレッドラインを読み切る
    ということが必要になります。その意味では、レッドラインを突然、前に
    動かしかねないトランプ大統領は、瀬戸際外交を仕掛けるには、難しい相
    手ではないでしょうか。もっとも、レッドラインを越えて攻撃を受けた時
    にしか、分からないかもしれませんが。

     駄文にて失礼しました。

     

1 2