いまさらですが、速報です。日本政府が韓国政府に対して求めていた、日韓請求権協定第3条第3項措置(第三国仲裁付託)をめぐり、韓国がこれを無視するであろうことが、ほぼ確定しました。厳密にはあと1時間の時間がありますが、もう「ほぼ確定」で良いと思います。
2019/07/18 23:00 追記
日韓GSOMIAに関する記事について追加しました。
韓国の日韓請求権協定無視、ほぼ確定へ
いまさらですが、速報です。
日本政府が韓国政府に対して通告していた、自称元徴用工問題を巡って「日韓請求権協定第3条第3項措置」(第三国仲裁)の付託を巡り、本日午後12時をもちまして、「韓国政府が期限内に応じなかった」という事実が確定します。
日本政府は1月9日に第1項(外交的協議)を申し入れて以来、あしかけ半年以上、日韓請求権協定第3条に基づく解決を呼びかけ続けたのですが、結局、それらのすべてが韓国側から無視される状態となることが、ほぼ確定しました。
実際、現在のところ、「韓国政府が第三国仲裁に応じると述べた」という報道は見当たりません。
そして、この「韓国が日本からの協議、仲裁要請のすべてを無視した」という事実をもって、明日以降は韓国のことを、「約束も守らないし、対話にも応じない国である」と断言しても良いでしょう。
(もっとも、韓国を叩いて溜飲を下げていれば良い、というわけではありませんが、この点については議論すべき点が多々ありますので、明日以降、詳しく説明申し上げたいと思います。)
韓国政府「1項措置も始まっていない」の詭弁
さて、これに関連し、本日夕方5時時点で、韓国メディア『中央日報』(日本語版)が、こんな記事を出してきました。
韓国政府「18日、日本が一方的に設定」 仲裁委構成を拒否(2019年07月18日17時00分付 中央日報日本語版より)
中央日報によると、韓国政府側は第3項措置に応じない方針を改めて確認するとともに、外交部(※日本でいう外務省に相当)の報道官が午後の定例記者会見で、「本日が期限だ」というのは「日本が一方的に、かつ、恣意的に設定した日時だ」と言い放ったのだそうです。
ただ、韓国政府の言い分は、「第3項(第三者仲裁)の手続に移るまえの、第1項で規定する『外交的協議』すら、まだ始まっていない」とするものだそうですが、さすがにこの言い訳は詭弁であり、無理があるでしょう。
日本政府が第1項措置を申し入れたのは1月9日のことですが、そこから4ヵ月以上も放置された挙句、李洛淵(り・らくえん)首相は「韓国政府の対応には限界がある」と言い放って匙を投げたという無責任さを示したからです。
日本政府は、第2項措置(仲裁手続)、第3項措置に移行するまでに、十分過ぎるほど待ちましたので、「第1項協議が始まっていない」という言い分が国際的に通用するとも思えません。
さらに、韓国政府側は、いまだに「1+1基金案」(日本企業と韓国企業が「自発的に」参加する基金で自称元徴用工に賠償するという案)にこだわっているということであり、まったくお話になりません。
与野党が集まって「輸出規制撤回要求」の低レベルさ
さて、詳しいことは明日申し上げるつもりですが、私自身は韓国側が第3項措置に応じなかったことで、逆に密かに胸をなでおろしています。
とくに、本日は韓国大統領府で文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が与野党5党の代表と会談すると報じられていたため、万が一、この会合で文在寅氏に「第3項措置に応じよ」という圧力が加わるようなことがあれば、また日韓関係に大きな波乱が生じると考えていたからです。
しかし、この会合については、結論的には杞憂でした。
輸出規制の撤回要求=韓国大統領、与野党が共同声明(2019年07月18日21時34分付 時事通信より)
時事通信によると、文在寅氏と保守系の最大野党である「自由韓国党」を含む5野党は18日、「日本政府による輸出管理強化措置の即時撤回を求める共同声明」を発表したのだとか。
声明によると日本の経産省が発表した『大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて』を「自由貿易秩序に反する不当な経済報復」と断定したほか、いわゆる「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正案を巡っても、「韓日関係や北東アジアの安保協力を脅かす」と批判したそうです。
正直、レベルが低すぎて驚きました。
個人的に一番恐れていたのは、この「自由韓国党」とやらが「日本に対する嫌がらせとして、第三国として北朝鮮あたりを指名したうえで、第三国仲裁に応じるべきだ」、といった「入れ知恵」をすることだったのですが、そこまでの狡猾さが「自由韓国党」にすらなかったのに、少々驚いています。
当ウェブサイトでは、「韓国は弱小国である分、狡猾だ」と申し上げて来たのですが、こうした「狡猾な国である」という評価については、今後は見直す必要があるのかもしれません。
【追記】日韓GSOMIA破棄も?
ここから先は2019/07/18 23:00付の追記です。
次の時事通信の報道によると、韓国政府の鄭義溶(てい・ぎよう)国家安保室長は18日、この与野党会談の場で、日韓包括軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)を巡り、「今は維持する立場だが、状況に応じて再検討もあり得る」と述べたのだそうです。
日韓軍事情報協定「再検討も」=韓国高官が見直し示唆(2019年07月18日21時58分付 時事通信より)
時事通信はこれについて、「日本政府による対韓輸出規制を巡る追加措置を牽制する狙い」と評していますが、個人的には「願ったりかなったり」です。なぜなら、日韓GSOMIA破棄につながれば、そのこと自体、米韓同盟の消滅という流れを加速させるからです。
もちろん、日韓GSOMIAは日米同盟と米韓同盟を事実上の「三角同盟」として機能させるためのものであり、現時点においても「日米韓3ヵ国連携」がお題目としては残っている以上、日本の側からこれを破棄するということは、非常に考え辛い選択肢です。
しかし、韓国の側から破棄してくれるのであれば、日本政府としても「韓国から破棄されてしまいました」と主張できます。
もちろん、米韓同盟が破棄されれば、日本にも少なからぬ影響が生じることは間違いありませんが、ただ、それと同時に、いずれ米韓同盟が消滅すれば、日本としても自力で国を守っていかねばなりません。
そして、「日本が正論で韓国を追い詰め、韓国を暴発させる」という、いわゆる「ハルノート形式」の追い詰め方というのも、使い方によっては悪いものではないのかもしれませんね。
View Comments (31)
敵として信頼できるというのはこういうことなんでしょうかね。
日本側の土俵には決して乗らないという一貫した姿勢ですね。
手が無くなったのは、実は日本側ではないでしょうか?
第一項すら始まっていない、、、きっとその通りなんでしょう。国際的に何ちゃらなんて彼らには関係ありません。
暖簾に腕押しというか、我々がまともに立ち向かっても勝てる相手ではないと思います。
かといってどうすればいいのか、まだ私には思いつきません。
「丁寧ではない」無視とあらゆる人とモノの流れの停止が一番良いような気がしますが。
もはやあまり意味のない話ですが、世界協定時(UTC)で7/18ぎりぎりは日本時間朝8:59。日付変更線を考えると、最遅で明日中は期限と言えなくはないのかも。
ここまでいろいろ論理的整合性がめちゃくちゃだと、揚げ足取られるような発言は避けた方が良いかもです。
コレを考えると、日本の本件に対するネクストアクションは、来週月曜日ですかね?来週水曜日にはWTOもあるので、この前に次の一手を発表するべきか否か。
確かに
常識とすればJST/KST(UTC+9)ですが先走ると日本が勝手にとなるでしょうネ
いい加減、勘弁してほしい
皆様、日韓基本条約破棄された新年、
あけましておめでとうございます。
更新、ありがとうございます。
12時を過ぎましたが、もう少し様子を見た方がいいかもしれませんね。
韓国の第三国指名があるならば、北朝鮮以外は考えられません。中共でも、韓国にとってはかなり危険な選択肢になると見こんでいました。
THAAD配備や『三不の誓い』など、約束の多くを無視されている中共としては、国家間条約を無視する韓国の振る舞いは許せないからです。
日本の第三国指名があった場合、アメリカが最も妥当な線でしょう。中共はアメリカに貿易紛争で攻めこまれていますから、これを材料にしてアメリカとあっさり取り引きしてしまう可能性が大でしょう。
何しろ、サムスンのシェアをめぐって、中共も漁父の利を得ることに汲々としています。韓国を潰す方向を考えても、いい方向になることは考えづらい。
となると、国際社会から後ろ指を刺されて笑われても、韓国の第三国指名は北朝鮮以外にはないでしょう。(笑)
まあ、今の金正恩ならば、文在寅の申し出をあっさりと叩き切りそうですが…
『米朝対話に韓国当局は口を出すな。しゃしゃり出て来るな』と…(笑)
さすがに、北朝鮮はムリなのでは無いでしょうか?
彼らは互いに朝鮮半島の正当な国家を主張し、互いに相手を国家とは認めていないのですから。
互いに自分たちの国土の半分を不法に占拠している犯罪者集団である認識な訳です。
ここで第3国として韓国が北朝鮮を指名したら、それは韓国が北朝鮮を国家として認めることになります。
まあ、我らがヒーローのことですから、どんな必殺技を繰り出してくるか?
GSOMIAの自動更新条項、
「・・・この協定を終了させる意思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り・・・」
とあり、どっちかが「更新しない」と言わない限り自動更新ということですね。
ネット上の解説を見ると、ときどき、「90日前までに更新する意思を表明しなければ」なんて表現を見かけるので、一応確認しました。
つまり、更新したいなら、「もう一年更新したい」と言う必要はなく、黙っておけばいい。
更新したくない側が、敢えて何らかの意思表示をしなければならない。
韓国は敢えて、現状変更で藪をつつくのだろうか。
秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000205832.pdf
韓国が第三国として北朝鮮を指名したとしても、日本は却下すればいいだけだと思います。
請求権協定は「韓国が朝鮮半島における唯一の国家組織である」との前提のもと締結されたものであり、日本政府としてはその協定の効果が及ぶ範囲には当然に北朝鮮も含まれるものと理解している。
従って、当協定の紛争解決の場における北朝鮮の立場は「第三国である」とは認められない。・・ですよね。
*コメント入力してる間に日付が変わってしまいました。朝の状況はどうなってるんでしょうね。
19日に駐日大使呼び見解伝達へ 徴用工問題で - 産経ニュース
https://www.sankei.com/politics/news/190718/plt1907180032-n1.html
ボルトン米補佐官、近く来日 「有志連合」やイラン情勢意見交換へ - 産経ニュース
https://www.sankei.com/politics/news/190718/plt1907180033-n1.html
ボルトン米補佐官さん、日韓GSOMIAについて何か言ってきますかね?
日韓GSOMIA破棄を牽制に使うとは、破棄後は自由なんだから日本の軍事機密を北朝鮮や中国に教えてやるからな、という脅しなんですか?
日本の土俵の上に乗るから破棄はないのでは