「大阪地検特捜部の山本真千子部長(当時)が捜査情報の漏洩という犯罪者だ」という疑惑の発信源としても知られている江田憲司衆議院議員が、旧民進党系会派から旧民進党系会派へと移るようです。江田氏は時事通信に対し「野党を近い将来、再び大きな一つの固まりにし、自民党のライバル政党にするための大局的判断だ」と述べたそうですが、そのような「大局的判断」のまえに、江田氏は山本真千子「容疑者」の犯罪容疑について、有権者に向けて、きちんと説明をなさったのでしょうか?
政党ロンダリングが大好きな人たち
最近、衆議院の会派と政党名が一致しづらくなっています。
自民党や公明党は政党名と会派がほぼ一致しているのですが、旧民進党系の議員らが所属している政党が、立憲民主党であったり国民民主党であったり、あるいは無所属であったり、と、非常にわかりづらいのです。
衆議院の『会派名及び会派別所属議員数』のページから、今年11月22日時点の情報を転記すると、次のとおりです(図表)。
図表 衆議院の会派名と所属議員数
会派名 | 議員数 | 備考 |
---|---|---|
自由民主党 | 283 | |
公明党 | 29 | |
立憲民主党・市民クラブ | 58 | 旧民進党系など、計108人 |
国民民主党・無所属クラブ | 37 | |
無所属の会 | 13 | |
無所属 | 13 | うち旧民進党系が12人(※) |
日本共産党 | 12 | |
日本維新の会 | 11 | |
(その他の会派) | 8 | |
無所属 | 13 | |
欠員 | 1 | |
合計 | 465 |
(【出所】衆議院HPより著者作成)※無所属のうち1人は大島理森衆議院議長
紛らわしいのは、このなかに「無所属の会」という会派と、「本当の無所属」が混在していることです。しかも、「無所属の会」も「本当の無所属」も、その構成員の多数は旧民主党・民進党系が大多数を占めています。
このなかで旧民主党・民進党系ではない議員といえば、ゼネコン汚職で収監されたことで自民党を離党した中村喜四郎氏(無所属の会)と、衆議院議長就任のために自民党の会派を離れている大島理森氏(無所属)の2名くらいでしょうか。
そして、私に言わせれば、旧民主党・民進党系議員がやっていることは、「看板の掛け変え」、つまりは「政党ロンダリング」そのものです。やはり、「民主党」とその後継政党である「民進党」のイメージが悪いのは、2009年9月からの3年3ヵ月続いた民主党政権が日本をあまりにもめちゃめちゃにしたためでしょう。
ただ、だからといって、政党名をガラッと変えて、もともとはどこの所属だったかわからなくしてしまって良い、という話でもないと思います。というのも、このインターネット時代において、国民の目を欺けるほど、国民は愚かではないからです。
江田憲司氏、「旧民進党系」から「旧民進党系」へ
こうしたなか、土曜日の時事通信にはこんな記事も出ていました。
無所属・江田氏、立憲会派入りへ(2018年12月15日18時05分付 時事通信より)
(※どうでも良い話かもしれませんが、この時事通信の記事はタイトルが誤っています。記事タイトルには「無所属・江田氏」とあるのですが、正しくは、「『無所属の会』に所属する江田氏」と書くべきでしょう。)
時事通信によると、
「衆院会派「無所属の会」の江田憲司議員は15日、立憲民主党の会派に参加する意向を固めた」
とされています。言い換えれば、
「旧民進党系の会派『無所属の会』に所属している江田憲司氏は、旧民進党系の会派『立憲民主党・市民クラブ』に移籍する」
ということです。
時事通信によると江田氏は会派だけ立憲民主党に鞍替えするものの、別に立憲民主党に入党するわけではなく、党籍は無所属のまま活動するのだとか。
総務省の説明によれば、党籍が無所属であれば、立憲民主党が受け取る政党交付金の額は増えません。よくこれで立憲民主党が移籍を認めたものだと思いますが、本質的には「旧民進党系の内部の移動」なので、勝手にやっていただければ良いと思います。
ちなみに江田憲司氏といえば、今年4月に、当時の大阪地検特捜部の部長だった山本真千子氏から捜査の機密情報の漏洩を受けているとツイッターでつぶやいた人物としても知られています(『【夕刊】山本真千子氏を「容疑者」として逮捕してはどうか?』参照)。
立憲民主党が「自民党のライバル」?ないない(笑)
それはどうでも良いとして、先ほどの時事通信の記事によれば、江田氏は今回、「旧民進党の会派」を捨てて「旧民進党系の会派」に移る理由について、次のように話したのだそうです。
「野党を近い将来、再び大きな一つの固まりにし、自民党のライバル政党にするための大局的判断だ」
はぁ。そうですか。
有権者に無断でゴールデンウィーク前後に20連休を取り、普段やっていることといえば政府・与党の足を引っ張ることばかり。挙句の果てに「もりかけ問題」で国会を空転させ、辻元清美・国対委員長自身の「生コン疑惑」や吉田統彦衆議院議員の文科省汚職疑惑にはダンマリを決め込む。
もしも私たち日本国民が賢明であれば、こんな不誠実な人たちが「自民党のライバル」として国会で力を握ることはあり得ないと思います。
江田憲司氏も、「野党を近い将来、再び大きな1つの塊にする」という気概があるのであれば、その前に、山本真千子氏の捜査情報漏洩疑惑について、有権者に対しきちんと説明することの方が先ではないでしょうか?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
私が立憲民主党などの野党議員を眺めていて一番腹立たしく感じる点は、自分たちが政府・与党の責任を追及するときの姿勢と、自分たちが疑いを掛けられたときの説明が食い違っている点です。
たとえば、今年4月には財務省の福田淳一事務次官(当時)がマスコミ関係者に対するセクハラを働いた疑いが浮上しましたが、野党側は「麻生太郎副総理兼財相には任命責任があるから辞任しろ」と要求しました。
「部下のセクハラ不祥事の責任を取って辞任しなければならない」のであれば、働いた青山雅幸衆議院議員(現在は無所属)や初鹿明博衆議院議員(立憲民主党)の両議員のセクハラ不祥事について、枝野幸男代表がまったく責任を取っていないことは、どう説明するのでしょうか?
あるいは、小川勝也参議院議員の息子が性犯罪者であるという事実について、立憲民主党はどう説明しているのでしょうか?
私が知る限り、立憲民主党は、現時点までにこれらについての説明責任を果たしていません。
ちなみに同じ時事通信が毎月公表している『【図解・政治】政党支持率の推移』というページを見ると、2018年12月の政党支持率は
- 自民党…21.3%
- 自民党以外の8政党の合計…11.9%
です。自民党への支持率は、10月の27.7%、11月の26.8%と比べると、確かに下落はしているのですが、「あの時事通信」の調査ですら、ほかの全ての政党に対する支持率の2倍前後という支持率を誇っている状況なのです。
今のところは、立憲民主党などの政党がふたたび政権を握るような兆候はないと考えて良いでしょう。
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「大阪地検特捜部の山本真千子部長(当時)が捜査情報の漏洩という犯罪者だ」という疑惑の発信源としても知られている江田憲司衆議院議員が、旧民進党系会派から旧民進党系会派へと移るようです
旧民進党系会派から旧民進党系って?
匿名のコメント主様
コメント大変ありがとうございます。
>旧民進党系会派から旧民進党系って?
誤植じゃありません。
「旧民進党系会派から旧民進党系会派へ」、です(笑)。この点にお気付きのうえツッコミを頂いたこと、大変ありがとうございます。本当に今回の江田氏の件はわけの分からない行為だと思います。
引き続きご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
早速明快なご回答をいただきましてありがとうございます。
江田さんには進歩派?官僚としてテレビで活躍しておられ大変期待しておりました。彼には彼なりの言い分もあるのでしょうが、その後の政治家としての歩みを見ると何か「ぬえ」のように変幻自在(よく言えば)、はっきり言えば凡人には全く理解が不能な動きをしています。新宿会計士さんのご意見に同感です。
実は後段に「旧民進党系会派から『旧民進党系会派』へ」と書こうと思っていたのですがうっかり送信してしまいました。ご迷惑ををおかけしました。
前々から思っておりましたが、いきなり送信ではなくて送信前に確認するひと手間を与えていただけると大変ありがたく存じます。ご検討の程お願いします。
< 更新ありがとうございます。
< 江田憲司氏は、最初自由民主党だったんですね。で、維新やら(大阪維新ではない、ラウンジ支配人松野氏の方)、民進党ですか。貯木場に並ぶ丸太をヒョイヒョイ渡っている職人さんはいいね!だが、アンタは好感が持てませんね。議員で居たいだけやろ?(大笑)
< そんな姑息な手で自由民主党に立ち向かう大きな塊なんか出来る訳ないでしょ。
< どうせやるなら、まあそんだけのハラをくくれないだろうが、自民の親韓派親中派の額賀氏や二階氏石破氏らの安倍さんを良く思わない不穏分子達、民進系のろくでなし、じゃなくて今無所属の会の年寄り以外と、また国民民主党ほぼ全部と、一部の立憲民主党員を大同団結させたらどうか。
< 間違えても日本共産党は入れるなよ!確実に党勢落ちる(笑)。あ、小泉も野田も連れて行って良い。アレらはいずれガンになる。
< 自民党はこれだけ『掃除』出来たら、議席多少減っても、背後からの弾は来ない。安倍内閣総理大臣もラクだろう(笑)。あるいは不穏分子の選挙区には有力落下傘候補者を出して議席取りに行くか。
< 来年あるかもしれない衆議院議員選挙で、今のままでは自民党は280議席前後か。
< 日本共産党は私の予想(笑)では議席マイナス3、立憲民主党は空中分解で一部大同団結新党へ。残りは党名変えて再編も議席半数に。公明党は横ばい、日本維新の会が若干プラス、そして大同団結新党は、、まあ頑張っても100の大台は到底無理だな(笑)。ご苦労さん。妄想です。
この人以外にも橋下徹氏も野党結集を主張してます。
反自民や反安倍で団結して何をしたいのでしょう。政権奪取が目的なら、頭は良いが馬鹿な人達なのかもしれませんね。
有権者は「自民党以外に任せてみようか」という気の迷いから手痛い失敗をしましたので、もう反自民に政権を渡す事はありません。
将来自民党が政権の座から降りる事があるなら、それは正面から政策論争できる野党が現れ、政策で負ける時です。反自民ではなく「対自民」ですね。
既存野党の血脈では対自民は出来ないでしょう。議員になる動機が国を動かす事ではないのだから。
一番可能性があるのは自民党の分裂かな。
この江田憲司という男。
自民党、民主党、みんなの党、結いの党、維新、民進、でまだあったかなとなりますが、このうちいくつかの党は自らが中心になって壊したわけです。
典型的な算盤勘定得意な小役人で、どこに行っても「自分は頭がいい」が出過ぎて失敗する。
今でも橋本龍太郎を敬愛してるようですが、TV出演時さえ、あれだけ上から目線バリバリの態度では、カメラの回ってないところではさぞ酷いもんでしょう。
ついていく人がいなくなるのもよくわかります。
逆カリスマ性が非常に高く、ちょっと見たり話したりしただけで、嫌う人がどんどん増えそうですね。
在学中に司法試験にも受かった、ご自慢の頭でも、その辺のところをまだ自覚できないのは不思議。
議員になると高給と好待遇のせいなのか、おかしくなる方が何故か出ますね。それはさておき、野党を結集してライバルにする、何て無理だと思います。反自民とか反安部とか言っている段階で、自らは何も生み出さない事を宣言しているようなものですから。
日本の左隣の国を見れば、あちらは恨ですが、反対の力がどういうふうな作用するかは参考になります。
江田憲司は、選挙の為ならなんでもありの議員だ。今の立憲民主党は、沖縄普天間移設が反対の党だ。しかし、最近まで、普天間移設は、自分が秘書をしていた橋本総理の代理で沖縄普天間移設は、橋本総理と自分が普天間移設にたどり着いたと、大威張りで自慢をしていた。しかし、江田憲司は、テレビ対談で民主党政権では賛成して、自民党政権になると反対をしていた民主党所属議員に、なで反対をするのか、普天間移設は、橋本総理と自分が普天間移設にたどり着いたと大自慢をしていた。しかし、自分が行くところがなくなると、立憲民主党に所属した。立憲民主党は普天間移設に反対をの政党だ。しかし、選挙の為なら、恥も何にもなくなるのか理解に苦しみます。こんな議員がテレビに出て偉そうに言っていると、虫唾が走り呆れます。こんな議員は、次回選挙では落選をさせなければいけないと思います。又、日本の為に落選をさせましょう。