マイク・ポンペオ米国務長官が北朝鮮訪問を中止した話題について、時事通信から続報が出ています。これについてどう考えるべきでしょうか?正直、北朝鮮は「外交上手」に見えますが、実体はまったく違います。相手が正攻法かつ全力でぶつかってきたら、北朝鮮のようなヘタレ国家にできることは「逃げ出すこと」だけなのです。
目次
焦る北朝鮮
ポンペオ米国務長官の訪朝中止をどう見るか?
マイク・ポンペオ米国務長官が北朝鮮訪問を中止したという話題については、『経済制裁を受けたとしても、国家観を持たぬ韓国の自業自得だ』のなかで紹介しました。その背景について、時事通信から続報が出ています。
北朝鮮高官から「攻撃的」書簡=ポンペオ氏訪朝中止の原因-米紙(2018/08/28-10:22付 時事通信より)
時事通信は米ワシントン・ポスト(WP)の報道を引用する形で、今週にも予定されていたポンペオ長官の訪朝が急遽中止になった理由について、2人の米政府高官の話として、
「北朝鮮高官から『攻撃的』な内容の書簡を受け取り、(北朝鮮訪問の)成功の可能性が低いと判断したため」
だったとしています。
これについては、私としては特段の違和感を抱きません。なぜなら、6月12日の米朝首脳会談後、北朝鮮の非核化に向けた動きは、まったく見られないからです。
トランプ氏はケンカのプロ?
実は、米国が北朝鮮に対してブラフを突きつけるのは、これが初めてではありません。
実は、今年5月にも、トランプ氏は北朝鮮による「剥き出しの敵意」を理由に、6月12日に予定されていた米朝首脳会談を、突如、中止すると発表しました(詳しくは『【速報】米朝首脳会談中止報道とその意味合い』、『米朝首脳会談中止の敗者と勝者』等をご参照ください)。
その際には、北朝鮮側がむしろ慌て、米国側に対しシンガポールの首脳会談の開催を懇願。結局は予定どおり、6月12日にシンガポールでの会談が実現したという経緯があります。
『ラオスの事故「日本が救いの手」というスクープ記事の信憑性』のなかで私は、ADBの元職員でもある酒井直樹氏が執筆した論考のなかに、次のようなくだりがあったことを紹介しました。
「国連はそんなに綺麗な組織ではない。私も類似した国際機関に17年間勤めていたのでその裏と表を熟知している。(中略)実は、韓国はこのような情報戦や外交戦術に非常に長けている。各国ともそのような存在感の高い韓国を「忖度し」、ラオスが「第三者委員会での調査・仲介を」と涙ながらに訴えてもビクともしない。」
この、「韓国は情報戦や外交戦術に非常に長けている」という指摘は、極めて重要です。というよりも、もう少し正しく言えば、朝鮮半島に成立する国家は、いずれも「悪知恵だけは働く」という人たちです。韓国も北朝鮮も、交渉ごとにはやたらと「奸智に長けている」という側面があることは間違いありません。
しかし、こうした奸智は、正攻法で行く相手には、まったく通用しません。
おそらく北朝鮮としても、米国とうまいことやったつもりだったのでしょうが、現実には米国が「正攻法」で北朝鮮に対し、米朝合意の履行を迫り、北朝鮮に誠意がないとみるや、たちまち北朝鮮との交渉を打ち切る、という点を受けて、北朝鮮も焦っているのではないかと思います。
次はきっとまた北朝鮮が「アプローチ」を仕掛けてくる
私に言わせれば、北朝鮮も韓国も、「正面からぶつかってくる相手に対しては極端に弱い」という特徴があります。米国が真に「怒り」を抱き、北朝鮮に対して「不誠実な態度は許さん!」とばかりに迫って来たとすれば、北朝鮮はどうするでしょうか?
おそらく、米国が北朝鮮に対し、シンガポール会談の急遽中止を申し渡したときと同じく、北朝鮮側は焦って、米国に対して米朝対話の再開を申し出てくるはずです。北朝鮮という国は、奸智に長けていることは間違いありませんが、しょせんは「奸智」です。実力がある国ではありません。
口先では偉そうなことを言いながら、万が一、本当に戦争になりそうになれば、北朝鮮はそれを回避すべく、全力で米国のご機嫌をうかがいに来るはずです。
日本にどんな教訓が?
そろそろ「真面目」を捨てましょうよ
さて、この一連のやり取りを巡って、何か私たちにとって参考になることはあるのでしょうか?
早い話、日本人がまじめすぎるというのが、朝鮮半島との交渉においては裏目、裏目に出ているのです。
北朝鮮側が「日本人拉致問題は解決済み」、「日本人拉致問題は存在しない」と言って来た時に、日本の外務省あたりは、おろおろ、右往左往してしまい、北朝鮮の言い分をベースに、そこから何とか北朝鮮の譲歩を引き出そうとします。
この戦略は、正しくありません。
正しい戦略は、北朝鮮に対しては、ふざけたことを言ってきたら、直ちに相手の胸ぐらをつかみ、髪の毛を引っ張り、張り倒して地面に引き倒し、相手の頭を踏みにじるくらいのことはやるべきです。
もちろん、この「物理的な暴力」というものは物のたとえですが、日本政府は北朝鮮がふざけた態度を取ってきたら、金正恩(きん・しょうおん)を名指しした上で、
「金正恩よ、お前を今すぐ巣鴨の拘置所に拘束し、拷問を加えてやる!」
と脅すくらいでちょうど良いのではないかと思います。
日本人拉致問題の完全な解決とは、北朝鮮が主張する方式ではなく、あくまでも「日本人一人ひとりが納得できる形での解決方法」を北朝鮮に提示させることがスタートです。北朝鮮がそれを提示できなかったとしたら、それは日本の問題ではなく、北朝鮮の問題なのです。
憲法改正が焦眉の急
ただ、そうは言っても、日本としては、北朝鮮に対抗できる手段が限られていることも事実です。たとえば、自衛隊は「専守防衛」という考え方に縛られていて、北朝鮮という犯罪者集団に誘拐された日本人を救出しに行くというような運用は、困難を伴います。だからこそ、やはり憲法改正が必要なのです。
当ウェブサイトでは常々、「日本人拉致問題」とは「日朝問題」ではなく、「純然たる日本の国内問題だ」と申し上げているのは、こういう意味があるのです。
こうした視線を持つことで、日本国内で憲法改正を阻む勢力にはどのような意図があるのか、正確に把握することができます。早い話、憲法改正を阻止する勢力とは、日本をまともな国にすることを阻止する反日勢力と同義である、ということです。
安倍総理が秋に総裁三選を決めれば、その後、憲法問題に手を付けると言明していることは、読者の皆様もご承知のことだと思います。
もちろん、どんな憲法を作っていくのか、色々理想論はあると思います。しかし、現実に自民党は衆参両院で3分の2の多数を占めているわけではなく、憲法改正の発議が本当にできるのか、情勢は不透明でもあります。
いずれにせよ、今年は憲法改正というテーマで、私たち日本国民が少し立ち止まり、何が日本という国にとって最善の選択肢なのか、じっくり考える貴重なチャンスが到来しているとも言えます。
是非、これを機に、当ウェブサイトの読者の皆様も、「北朝鮮の日本に対する犯罪行為」とも関連付け、「改憲」について考えて頂きたいと思います。
View Comments (2)
< 更新ありがとうございます。
< 全く不誠実な国です、韓国、北朝鮮は。騙した方が勝ち、騙された方が負け、どんな手を使っても勝てばいい、負けたら乙。特に日本には眼の色変えて立ち向かう。負けそうになったら赦しを乞う、また相手を誹謗中傷する。火病起こす。書いてても嫌になった(笑)。
< 北朝鮮は、必ずや米国に会談持ちかけるでしょう。でも、手みやげナシ。グニャグニャ話すだけで日にちを稼ごうとする。ま、ひとつぐらい北が譲歩するかも。CVIDは無いだろうが、拉致被害者2人ぐらい出して来て『これで終わりだ』とか。
< 或いは米国向けに『グアム、ハワイには届かない短距離のみ残す』案の提示。これは言い出したら負け、米国は『すべての核とミサイル、開発施設』と、更に強行に進めるでしょう。また、金が『南北は統一に向かっている』などと言い出したら、米国は熾烈な経済攻撃を南北に仕向ける。
< 『日本は真面目過ぎるのを捨てる』いいですね。特に担当省庁で言うと、ガリ勉でスマートな外務省など、半分ぐらい警察の暴対担当か、ガラの悪い若い肉体労働者(ツナギ着たような方 (笑)ゴメンネ、偏見ではない。)で締めないと、北朝鮮や韓国には対抗出来ませんよ。目には目をだ。日本も親切、誠実だけではなく、狡知に長けた連中も馬力のあるヤカラもいるぜッ。オマエラには負けん!と言いたいところです。
南北共にぶつかってくる相手に弱い。正に仰るとおりかと思います。そのテンプレートで南北の動きを見ると、よく分かります。