今月初め、『また始まった、民進党の政党ロンダリング』の記事の中で、民進党・希望の党の合流に関する話題を紹介しましたが、その続報がいくつか出ているので取り上げておきましょう。
「議員の生活が一番」な人たちの続報
悲喜こもごも
『また始まった、民進党の政党ロンダリング』で触れた、民進党の「政党ロンダリング」について、続報が少しずつ出て来ています。今朝の産経ニュースに、昨年民進党を飛び出し、希望の党の「創設メンバー」となった細野豪志氏の記事が出ています。
行き場失う細野元環境相「オレ、嫌われているから…」 民進も希望も「拒否」(2018.4.3 06:36付 産経ニュースより)
産経ニュースによると、「憲法や安全保障に関する見解の相違を理由に民進党を飛び出した」という経緯から、細野氏にとって、民進党の大塚代表が打ち出した新党への合流は「自己否定ともいえる行動」なのだとしています。実際、細野氏は
「民進党の大塚耕平代表が唱えているのは『帰ってきた民主党』だ。くみするつもりはない」
と、新党へ参加しない意向を示しているのだとか。
細野氏自身がなしてきた、不倫をはじめとする反社会的行動などを振り返るならば、「自業自得」という単語が脳裏によぎります。しかし、「希望の党」の創業メンバーでありながら、事実上、希望の党が民進党に乗っ取られてしまったことは、細野氏にとっては誤算というほかないでしょう。
まさに、「悲喜こもごも」です。
「中道的な新しい党」
ところで、民進党が目指している方向性について、興味深い記述を発見しました。それは、「中道的な新しい党」というキーワードです。
全国幹事会で新党結党方針を了承(2018年04月01日 18:41付 BLOGOSより)
リンク先の記事の執筆者は「民進党広報局」であるため、この文章は民進党の公式見解であると見て良いでしょう。記事の中から大塚耕平代表の発言を拾ってみましょう。
- 『中道的な新しい党』『新しい民主党』を結党する(存続政党は民進党)
- 志を共有する同志に結集を呼びかける
- 綱領・党名等の所要事項については、参画意志のある同志との新党協議会の場で決定していく
- 中央および地方の党所属議員、候補者の個別事情に配意しつつ、新党結党後も多くの仲間と連携できる枠組みを目指す
- それぞれ抱えている事情が違うことは重々承知しながら、その中で最大限さまざまなことに配慮しつつ、できる判断は何かという観点でこのような選択をお示ししている
「中道的な政党」を結党するということは、現在の自分たちが「中道的ではない」という自覚がある証拠でしょう。まさに「語るに落ちる」とはこのことを指すのかと呆れる思いですが、この大塚代表の発言を眺めて、1つ気付くことがあります。
それは、(民進党ではなく)「民主党」という単語が出てくることです。考えてみれば、四分五裂したとはいえ、一応、民進党はこの「民主党」の後継者です。そのように考えると、自分たちが主体となって民主党の再結集を図り、2009年8月の政権奪取を再現するという意思を読み取ることができます。
ただ、新党の方針について、何1つとして示していないところに、大塚代表の限界があります。たとえば憲法改正問題1つとっても、民進党内には改憲派もいれば、がちがちの護憲派もいました(もっとも、護憲派の多くは立憲民主党に移籍したようですが…)。
議席自体を利権化する立民
こうした民進党と希望の党の「新党構想」は、間違いなく、危機意識のあらわれです。世論調査によっては政党支持率も1%を割り込む状況にありますし、このままでいけばジリ貧です。このように考えていけば、今回の構想は「政権を担うため」ではなく、「共倒れになることを避けるため」と見るべきでしょう。
一方、こうした動きに対して余裕を見せているのが立憲民主党です。
民進新党構想、来週にも協議会 立憲民主・枝野幸男代表は拒否(2018.4.3 03:1付 産経ビズより)
本日付の産経ビズの記事によれば、大塚代表が4月1日時点で立憲民主党の枝野幸男、希望の党の玉木雄一郎の両代表に対し会談を申し入れたところ、玉木氏は受け入れる意向を示したものの、枝野氏は「お断りします」と答えたのだそうです。
枝野氏の内心を「忖度(そんたく)」するならば、現在の立憲民主党はガチガチの左翼勢力で固めた小政党ではあるものの、いちおう、衆議院では「最大野党」であり、言葉は悪いのですが、枝野氏はその「最大野党」の「お山の大将」です。
枝野氏にとって、現在の立場は、非常に居心地が良いのではないでしょうか?もっとずばり申し上げると、立憲民主党は政権を担う覚悟も意思も能力もないのだと思います。つまり、昔の社会党と同様、正当の存続目的は、一定の議席数を安定して確保することで、その議席を「利権化」することにあります。
ちなみに、立憲民主党のコアな支持層とは、有権者に一定数存在すると見られる、朝日新聞や毎日新聞、東京新聞、NHKなどに「洗脳」されている情報弱者層やパヨク層ではないかと思います。「一点特化型」で、これらの層に訴求すれば、たしかに両院合わせて最大80議席程度を占めることができます。
ということは、保守的な政治家が立憲民主党に加わることは、彼ら自身にとっても迷惑なのだ、という仮説が成り立ちます。立憲民主党は「護憲・反自衛隊・反皇室・反自民」で凝り固まっており、そういう路線で行くという政党なのだと考えるべきでしょう。
政権を担うなら…
ただし、立憲民主党、民進党、希望の党それぞれに対して申し上げたいことがあります。
まず、立憲民主党に対しては、朝日新聞を筆頭とするマス・メディアの報道を「鵜呑み」にする有権者層は、これから滅びゆく人たちである、ということを忠告しておきたいと思います。現在は過渡期にあり、マス・メディアから情報を得る層と、インターネットから情報を得る層が拮抗し始めている状況にあります。
しかし、パワー・バランスは間違いなく、マス・メディアを鵜呑みにする人たちからインターネットを活用する人たちにシフトします。そうなれば、マス・メディアの報道を鵜呑みにする人たちだけをターゲットにしていれば、立憲民主党自体が「ジリ貧」となるはずです。
次に、民進党と希望の党が設立する予定の新党(仮に「新・民主党」とでもしましょうか)に対して申し上げたいことがあります。まず、憲法と消費税、北朝鮮情勢について、きちんとした党としての統一見解を打ち立ててみてはいかがでしょうか?
憲法問題1つとってみても、私は「護憲が正しい」、「改憲が正しい」などと申し上げるつもりはありません。ただ、少なくとも有権者から見て、その政党の立ち位置がわからないことが、彼らの支持率低迷の大きな原因であることは間違いないでしょう。
仮に「新・民主党」が次の政策を打ち出すなら、私は「新・民主党」を支持するでしょう。
- 憲法第9条第2項廃止
- 消費税の増税を無期限凍結、将来的な消費税の減税・廃止を目指す
- 金融緩和の継続、財政政策の大幅増額、財務省解体
- 放送法第4条の廃止と電波オークション制度の速やかな実施
逆に、「新・民主党」がこれらのテーマについてあいまいな態度を取り続けるならば、それは「護憲」を掲げる立憲民主党や社民党、日本共産党よりもたちが悪いです。次回以降の国政選挙で絶滅してもらった方が国民としては有難いと思います。
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なんか
「三つの政党が合併して、三つの政党に分離する」
という噂ですねw
韓国人が三人いると7つの政党ができるというジョークを思い出さざるを得ません。
< 夕刊の発信ありがとうございます。
< また野党の再編成いや、ロンダリングですかー。懲りない人達だな、議員で残りたいだけ、それが命の方たち。選挙区の皆さん、次の参議院選、さらに衆議院選では立憲民主、希望、民進、自由、社民、共産党の候補は、ぜっっったい投票しないで下さいね(このサイトで言っても仕方ないか)。
< 希望の党は衆参議員51人、民進党49人、足して100人。また先日の新宿会計士さんの資料を参考にすると、支持率は自民党25.20%、公明党2.90%、希望の党0.50%、民進党1.20%です。大塚耕平代表などは新民進党になれば、勢力が100→150人、支持率が足し算の1.70%から求心力を発揮して5.30%(立憲民主党と同じ)ぐらいになると、勘違いしてるのではないか。施策、代案も出さずハンタイ!モリトモ!だけでは国民は騙されない。足し算の1.70%どころか食傷気味で、1.00%位にダウンじゃないの?
< 民進党がめざす方向性は「中道的な新しい党」「新しい民主党」(笑)とのことだから、マタカヨ!って感じです。ちなみに中道的な党を標榜して、支持を集めた党はかつて、ありません。ま、公明党ぐらいです。但しアソコは学会が付いているからで、あとの民社党、社民連、新生党、さきがけ、日本新党などはいずれも1回だけちょこっと人気を集め、ポシャッてます。政権連立で取ってもすぐ潰れる、弱小の寄り合い所帯です。『中道』というのが、日本人には馴染みにくい、普段は温厚で意思をハッキリ示さないのが日本人ぽいですが、選挙では『突き詰めれば清濁あわせ呑む保守系か、揚げ足取りで施策無しのの革新系か』の方が選択しやすいのではないでしょうか。
< 民進党、希望の党のセンセイ方のロンダリングを拝見としますか。あと、民進党の岡田、野田氏辺りはどうすんの?イラナイ、とか(笑)。
< 失礼します。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。
当方がこの手の記事にて、「野党に使えるシンクタンクが必要」と繰り返し書いていますが、今回も書きます。
まず日本の政策立案や変更に必要な情報は概ね官庁が持っています。
後は選挙民から入手と言う方法も有りますが、支持母体のバイアスがかかりますので国政レベルに使うのは政治家の資質が必要です。
とはいえ野党政治家が本当に優秀なら野党でなく与党にスカウトされるでしょうが(笑)
つまり徒手空拳で官僚機構の長である大臣として乗り込めば確実に官僚の操り人形に堕します。
かつて民主党が醜態を曝した様に。
だからアメリカでは政党や議員がシンクタンクを持ちイギリスでの野党はシャドウキャビネットで実現可能な代案を作成し真剣に討議しているのは政策立案能力をみがく為です。そうしないと行政官僚の持つ情報力に対抗出来ません。
三権分立は野党側の努力がないと直ぐに形骸化します。
野党に優秀な代案立案能力が要るのです。
日本の野党(特に日本民主党の議員だった連中)の愚か者一同はそこが全く分かっていません。
従って管理人様がいくら正論を訴えようが
当方がいくらシンクタンクの必要性を書こうが、野党の連中には「猫に小判で無駄」でしょう。
多数の日本人と全ての野党政治家が三権分立の大切さとすべき努力を分かろうとしないからです。
そうでなければシャドウキャビネットの会合を知らない内にやめる訳無いですよね。
以上です。長文失礼しました。
>シャドウキャビネットの会合を知らない内にやめる訳無いですよね。
補足すると一応民進党は次の内閣と言う名のお茶会を週一でしていますがあれは只の「お茶会」です。
仮に与党政権が崩壊し、その日に野党政権が組閣された場合、影の大臣は実際の大臣になりません。実際民主党の組閣はそうでした。
イギリス野党の様に影の大臣が政権奪取時にそのまま大臣に横滑りしません。
故に政策立案のモチベーションは上がりせんし、担当分野に詳しくなりません。長期の調査を元に政策策定する為のシンクタンクもいらない訳です。
と言うことであれはお茶会。
つまり無能な野党議員を落としても優秀な野党議員は何処にもいないのです・・・(苦笑)
この頭の悪い状況って、どうしたらましになるのですかねぇ。