本日も「夕刊」として、少し気になった話題を提供します。
日韓関係の6類型
読売新聞の意外な調査結果
2015年12月の「日韓慰安婦合意」とは、いわば、日本政府が10億円を拠出することを条件として、「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的に解決した」ことを日韓両国外相が確認したものです。
先週を通じて、韓国が日本との慰安婦合意を反故にしようとしている話題を紹介しました(ひととおりの経緯と私自身の見解については『慰安婦合意という「地雷」を踏んだ韓国大統領』にまとめています)。
韓国側ではごく一部、慰安婦合意の変更を諌める論調もありますが(『【夕刊】朝鮮日報の「てのひら返し」』参照)、それでも韓国国民の多数が、文在寅(ぶん・ざいいん)政権のこうした姿勢を支持しているとか。
ところで、日本国民はこれについてどう考えているのでしょうか?興味深い調査が、読売新聞に掲載されています。
韓国の追加要求拒否、支持83%…読売世論調査(2018年01月15日 08時44分付 読売オンラインより)
読売新聞社が12日から14日にかけて全国で実施した世論調査によると、慰安婦合意を巡る韓国政府からの追加要求に応じないとする日本政府の方針について、「支持しない」人が11%に過ぎないのに対し、「支持する」と答えた人が83%にも達しています。
要するに、日韓対立は政府間だけでなく、世論レベルでも深化している可能性がある、ということです。
読売新聞社の調査結果が日本国民の考え方を正確に代弁していると結論付けるのは尚早ですが、それでも、私は今回の調査を見て、少しだけ安心しました。というのも、日本国民レベルでは、まともな判断を下しているからです。
日韓関係「6つの類型」の対立
ひと昔前だと、「韓国政府も立場が難しいのだから、日本側で、ある程度は韓国に配慮してあげるべきだ」、といった考え方が出てきたものです。
ここで、私がいつも提示する、「日韓関係の6つの類型」を確認しておきましょう(図表)。
図表 日韓関係巡る6つの類型
カテゴリ | 分類 | 概要 |
---|---|---|
日韓友好 | ①対等な日韓関係 | 日韓両国は対等な主権国家同士であり、友誼を深め、手を取り合って将来に向けてともに発展していくべきだ |
②対韓配慮型関係 | ①と同様、日韓両国は対等な関係だとする前提に立つが、必要に応じて、歴史問題等で韓国に譲るところは譲り、特別な配慮をすべきだ | |
③対韓追随型関係 | 韓国は日本に対して「正しい歴史認識」を求めているが、日本は韓国に対する加害者であり、被害者が「もう良い」というまで謝り続けるべきだ | |
日韓非友好 | ④韓国放置論 | 韓国は日本に対していくつもの無理難題を突き付けてくるが、それらの不当な要求を無視し、敢えて日韓関係の修復は先送りにすべきだ |
⑤日韓断交論 | 韓国は日本にとって理不尽な要求ばかり突き付けてくる国であり、いっそのこと断交してしまうべきだ | |
⑥誅韓論 | 日本は韓国という国と関わらないだけでなく、むしろ韓国という国を積極的に滅亡させるべきだ |
(【出所】著者作成)
くどいようですが、私はここに示している6つの考え方を「正しい」と思っているわけではありません。
あくまでも、私自身が「わが国のなかで、どのような考え方があるのか」を調べ、情報を収集・分類した結果が、この図表です。
このうち、「日韓友好論」には、3つの考え方があります。
1つ目は、「対等な関係を目指す」という考え方です。これは、「日韓両国は対等な主権国家同士であり、友誼を深め、手を取り合って将来に向けてともに発展していくべきだ」とする考え方であり、もっとも正統派の考え方でしょう。
2つ目は、「対韓配慮型関係」ともいえる考え方であり、「韓国との関係においては、必要に応じて、歴史問題等で韓国に譲るところは譲り、特別な配慮をすべきだ」とするものです。
そして、3つ目が「対韓追随型関係」で、これは「韓国は日本に対して「正しい歴史認識」を求めているが、日本は韓国に対する加害者であり、被害者が「もう良い」というまで謝り続けるべきだ」というものです。
このうち、3つ目の考え方が論外であることは言うまでもありません。この説を唱えているのが朝日新聞社や日本共産党などの反社会的団体であるという時点でアウトだと思いますし、議論の余地はありません。
また、1つ目の考え方については、外交関係としての理想論ではありますが、韓国側に日本と対等な関係を構築するという意思がない以上、これを実現に移すのは不可能でしょう。
日本国民は賢明だ!
ただ、これらの考え方の中で、私が最も警戒しているのは、実は2つ目の考え方なのです。
これは、「日韓は特別な関係だから、日韓友好をしなければならない」という「至上命題」があり、必要に応じて韓国に配慮する、という考え方です。
実は、こうした考え方は、日本では自称保守、自称右派、外務省などを中心に根強く残っています。
1980年代、当時の中曽根康弘首相が中国や韓国に配慮して靖国神社への公式参拝を取りやめたことがありましたが、この時の中曽根首相の態度など、まさに2つ目の考え方の代表的なものでしょう。
いわば、「日本が強硬な主張を取り過ぎれば、韓国政府が韓国国民と日本との板挟みになってしまうので、韓国国内の親日派の立場が悪くなる」、という考え方です。
そして、私の印象では、読売新聞などは典型的な「保守の面をかぶった売国新聞」です。「慰安婦問題で韓国の追加要求に応じる」とする考え方も、「韓国政府の立場に配慮する」という姿勢のあらわれですが、かつての読売新聞であれば、
「慰安婦合意を反故にしようとする韓国政府の動きは非常識だが、あまり韓国政府を追い詰めても仕方がない。落としどころとして首相はお詫びの手紙などを送付すべきでは?」
などと平気で言い放っていたかもしれません(※もちろん、現在の読売新聞がそんなことを主張している訳ではありませんが…)。
もちろん、私は一部のネトウヨが主張するような単純な日韓断交論には与しませんが、それでも、韓国とは長い目で見て「友好関係」が成立しない国であるという点については、しっかりと認識する必要があると考えています。
しかし、その読売新聞の調査で、「韓国に追加での措置を行う」ことに、日本国民の8割が反対しているという結果が出て来たことは、非常に象徴的です。なぜならば、日本国民こそが、そのことをきちんと理解しているということなのです。
マス・メディアがなにを報じようが、日本国民は賢い―。
これこそが、私がこの日本という国に希望を感じている大きな理由なのです。
View Comments (2)
< 夕刊いつもありがとうございます。でも、失礼ながら若いうちはお仕事第一、家庭も第一にして下さいね。時間があれば、で結構です。タノシミなんですが。
< 読売新聞がそんな報道したのですか〜。世の中変わりましたね。読売も変わった。あの大衆迎合新聞が。数さえ朝日に勝てればいい、内容二の次の読売がそこまで踏み込むとは。2〜3日前に山紀有氏がこのコメント欄に、東スポを例えに出してましたが、35〜45年前の読売なんて、センセーショナルな扇情的な見出しが1面から踊ってましたよ。下品やなあと思いました。
< 読売新聞社でレイアウト、割付けなど社内で長年勤務して退職された方に聞きましたが、「読売は一番民度の低い地域で読まれる」新聞だったそうです(読売支持の方ゴメン)。元記者さん曰く「民度高い地域は朝日、毎日。日経はサラリーマンか企業、読売とサンケイが一番低い」(←サンケイは旧ロゴにしてるつもり)。その二つの高級紙は見る影もないほど、作為的な左傾紙色が一段と強くなりました。
< 会計士様は「読売の83%という結果が日本国民の考え方を正確に代弁していると結論付けるのは尚早ですが」とありますが、いえいえ十分な検証結果です。新聞を読む層で8割超えなら、旧媒体に振り回されない若い方なら、韓国の慰安婦合意、追加要求拒否の支持はもっと比率が高いはずだからです。若い人ほど安倍氏支持が高いそうで。
< 会計士様の言われる②の考え方は、旧の保守、右派に残っていますね。中曽根氏など当時「戦後政治の総決算」「不沈空母論」などと言い、レーガン大統領やらと五分で渡り合ってましたが、対中対韓には腰が引けてました。当時既に日本は超大国、韓国は三流安物産地、中国など発展途上国扱いでしたもの、両国とも今ほど反日していなかった事も理由ですね。
< ある意味、日本国民は彼奴等の悪だくみが見えてなかった、想像もしなかった。「善隣外交をしよう、出来る事は助けてあげよう」と。それが、今や日本人もゴロッと変わった。海外の(特にアジア、欧米)の動きはいろんな情報ツールがあるので、より視界が良く賢い見方が出来るようになりましたね。とても良い世論結果です。
< 失礼いたします。
お疲れ様です。
読売に続いてJNNでもアンケート調査の結果が発表され80%をこえるて、南朝鮮の慰安婦問題対応に×がつけられましたね。これに追随して各メディアも世論調査結果を出してくるのではないでしょうか、特に国内大手の朝日中央日報・毎日新報あたりが楽しみですね。マスゴミも視聴率稼ぎのためワイドショーの内容も偏向して手のひら返しでしょうか?それにしても80%はあの絶頂期の紅白歌合戦なみの盛り上がり方と言っていいと思います。どんなことでも80%超える数字を冷静な国民が出すなんてことはありえない、はずなのに思慮浅いのか文在寅大統領は虎の尻尾を踏んでしまいましたね、寅が虎の尻尾を踏んでどうする。
一部の報道では紙媒体(新聞)が年間100万部減少し続けているとのこと、偏向報道して信用を落としている現状では立ち行かなくなって当然、業界再編、体質改善が必要ですね。あの銀行業界ですら大リストラに踏み切ろうとしているのですから、さらに時代が変わります。ワクワクしますね。