ごく近い将来、早ければ年内にも、米軍(あるいは多国籍軍)は北朝鮮に対し、限定的空爆を仕掛ける―。これが私の基本的な予想です。幸いにもこのタイミングは、日本も中国も、政権が基盤を固めた直後であり、米国がそれに踏み切りやすいという状況にあるからです。ただし、ロシアと韓国の2ヵ国は、米国による北朝鮮攻撃を妨害しようとするでしょう。
目次
北朝鮮情勢をどう位置付けるか?
選挙情勢を巡る報道が相次いでいますが、まだ期日前投票に行っていない方、や日曜日当日に投票をするつもりの方、あるいは棄権するつもりの方には、是非、考えて頂きたいことがあります。それは、いまこの瞬間の日本にとって、「最優先すべき国難」とは、北朝鮮問題である、という点です。
もちろん、「国難」とは、北朝鮮問題だけではありません。国内経済に関していえば、景気回復が万全でないにも関わらず断行されようとしている消費増税、黒田総裁が率いる日本銀行の金融緩和の行方、いまだに進まない東北の震災復興、原発の再稼働の問題などもそうです。
また、外交に関していえば、日米同盟は強固さを誇っているものの、ロシアとの関係、中国との関係を巡っては、まだまだ課題だらけです。とくに、中国が進める強引な海洋進出は、わが国をはじめとする東アジア全体に深刻な脅威を与えていますし、中国の「一帯一路構想」に日本がどう向き合うかは、国を挙げた大きな課題でもあります。
ただ、「北朝鮮問題」が重要である理由とは、この問題のハンドリングを間違えば日本にミサイルが落ちてくるかもしれないという点だけにあるのではありません。逆に、北朝鮮問題を契機に、日本は憲法を改正し、戦後70年来の悲願だった「普通の国」に向けて脱皮することの一歩を踏み出すことになるからです。
今週はちょうど、ドナルド・トランプ米大統領の訪日日程などが発表され、当ウェブサイトでも米国の立場から北朝鮮情勢について眺めてみました(『トランプ氏のアジア歴訪から読み解く北朝鮮情勢』参照)。
そこで、本日は総選挙前の最後の金曜日という事情もあるため、このテーマを日本の視点から改めて議論しておきたいと思います。
北朝鮮制裁の「あり方」
国連安保理決議に「実効性」がないとする根強い批判
米国時間9月11日夜(日本時間9月12日午前)、国連安保理はあらたな北朝鮮制裁について可決しました(当ウェブサイトでは『国際社会を味方に付けることが重要!』でも触れています)。
注目すべきは、この北朝鮮制裁には、普段ならば拒否権を発動するか、棄権することが多いロシアや中国が賛成に回ったため、結果的に全会一致となったという点です。
ただし、中露両国が賛成に回った代償として、北朝鮮に対して本当に効果がある制裁(たとえば石油の全面禁輸など)については実現しませんでした。その内容とは、次のような項目です。
北朝鮮に対するエネルギーの対北朝鮮輸出制限
- ガソリンなど石油精製品の輸出量を年間200万バレルに制限する
- 原油の輸出量を年間400万バレルに制限する
- 天然ガスの輸出を全面的に禁止する
北朝鮮船舶への臨検
- 北朝鮮船舶に対する臨検を可能とする
- ただし武力を用いた臨検については行わない
これについて一部のメディア、評論家、評論サイト等(※保守系の論客を含む)は、「北朝鮮制裁など抜け道だらけで全く実効性がない」と批判しました。
たしかに、今回の決議案は、石油を完全に禁輸するというものではありませんし、また、海上臨検にしたって、いかにも中途半端です。さらに、金正恩(きん・しょうおん)個人に対する銀行口座の凍結措置なども盛り込まれておらず、北朝鮮が引き続き、外貨を獲得しながら大量破壊兵器開発を続けることができる内容となってしまっています。
ただ、私は9月の安保理決議について、「全く実効性がなく、無意味だ」とは思いません。なぜなら、なにごとも、物事は少しずつしか進まないからです。
国際社会の目を北朝鮮に向けることの重要性
言い方を変えれば、国際社会が対北朝鮮制裁で一致することも、非常に難しいのです。その理由は、一般に人々は、自分たちから遠く離れた国のことには関心を持たないという点にあります。
事実、日本国内ではサウジアラビアの人権侵害問題、イスラエルの核武装問題、アフリカ大陸のスーダンや南米・ベネズエラの独裁政権などに関心を持つ人は、それほど多くありません。さらに、安倍晋三総理大臣自身が、中央アジアの独裁国家であるウズベキスタンのカリモフ大統領(※2016年9月没)、カザフスタンのナザルバエフ大統領などとも親しく会談した実績があるくらいです。
つまり、地理的に離れた国であれば、たとえ独裁国家や人権侵害国家であっても、意外と気にならないものなのです。なぜ日本で北朝鮮が注目されるかといえば、北朝鮮が日本海を隔てて日本のすぐ隣に存在していて、日本に対しても、これまでにさまざまな加害行為を行ってきたからです。
仮に北朝鮮が太平洋の向こう側にあり、日本人拉致事件なども発生していなかったとしたら、日本としては北朝鮮問題にそれほど関心を抱かなかったに違いありません。
あるいは、ドイツをはじめとする欧州の先進国の多くが、北朝鮮と国交を保持しているという点からも、「地理的に離れると人々は関心を失う」ことは明らかです。実際、フランスは中国に対しても最先端の武器を売却しています。「G7加盟国であれば全面的に日本の味方をしてくれる」という甘い考え方は、国際社会では一切通用しないのです。
ということは、9月の国連安保理決議が「全会一致だった」ということ自体、非常に重要な意義があります。この安保理決議以降、北朝鮮と取引をすること自体が「何となく悪いことだ」という共通認識が、国際社会に成立したからです。その証拠でしょうか、次の『中央日報』日本語版の記事によれば、北朝鮮の首都・平壌(へいじょう)で開催された国際商品博覧会に参加する外国企業が大幅に減少しているのだそうです。
平壌国際商品博覧会、外国企業の参加が大幅に減少(2017年10月19日13時58分付 中央日報日本語版より)
情報源が虚報の多さで知られる韓国メディアである点については恐縮なのですが、記事によれば、北朝鮮で9月25日から28日まで開催された「国際商品博覧会」に参加した外国企業の数が、昨年よりも大幅に減少したと報じています。
数字に弱い韓国メディアのことですので、具体的に何%減少したのかは、よくわかりません。しかし、リンク先記事の報道を信頼するならば、参加した欧州企業はイタリア企業1社のみだったということであり、法治主義を重視する欧州が北朝鮮との取引を敬遠している証拠と見て良いでしょう。
つまり、国連安保理決議の内容だけでなく、たとえば欧州をはじめとする各国企業が北朝鮮との取引を敬遠し始めているという事実にも、目を向けることが必要なのです。
このことは、日本の安倍政権、米国のトランプ政権をはじめとする、関係各国の努力が、少しずつではありますが、実を結びつつあるということです。
北朝鮮の外貨獲得源を1つずつ潰す安倍政権
それだけではありません。国連安保理決議に加えて、日本は独自の努力で、北朝鮮を少しずつ追い込んで行っているのです。河野太郎外務大臣は、今年9月に中東諸国(カタール、ヨルダン、クウェート、サウジアラビアエジプト)を訪問。北朝鮮関係では、カタールとクウェートで、絶大な成果を上げました。
河野外務大臣のカタール国訪問(結果)(平成29年9月9日)(2017年9月9日付 外務省ウェブサイトより)
河野外務大臣のクウェート国訪問(平成29年9月10日)(2017年9月10日付 外務省ウェブサイトより)
あまりメディアが報じていない点ではありますが、カタールとクウェートの両国は、河野大臣の要請を受け、北朝鮮労働者の締め出しに応じてくれたのです。
ちなみに、北朝鮮労働者は、北朝鮮政府にとって、貴重な外貨獲得源です。
では、現時点で世界中に北朝鮮の労働者はいったい何人存在しているのでしょうか?これについては確たる統計があるわけではありませんが、英ガーディアンの説によると、約10万人なのだそうです。
‘Guest workers’: the North Korean expats forced to feed the regime(2017/07/05付 the Guardianより)
ガーディアンによれば、北朝鮮から派遣されている労働者の内訳は、ロシアと中国(あわせて4万人)、中近東と東南アジア(3万人)のほか、東欧やモンゴルに派遣されており、最大で毎年23億ドルの外貨を北朝鮮にもたらしています。
また、これらの労働者は、鉱業、林業、繊維産業、建設業などに従事しており、また、事実上の強制労働のような状況となっています。
さらに、マレーシアでは首都・クアラルンプールにある複数の北朝鮮系の飲食店の売上が北朝鮮の国庫収入になっているとされていますが、ガーディアン以外の複数のメディアも、タイなどの東南アジア諸国で同様の収奪構造があり、外貨が北朝鮮政府に送金されていると報じられるようになってきました。
たしかに国連安保理決議そのものは実効性に乏しいかもしれませんが、最近の日本外交は、それこそ「しらみ潰し」に北朝鮮の外貨収入源を絶つための努力を行っているのです。この点については素直に評価して良いと思います。
真綿で首を絞めることが何よりも重要!
いかなる組織であっても、資金源を絶たれれば活動ができなくなります。
長年、指定暴力団として神戸に君臨していた「山口組」が、一昨年、分裂しました。これは、マイナンバー制度の導入、反社会的勢力の締め出しといった、金融規制の強化に向けた長年の努力が実を結んだものです。
あるいは、つい先日、シリアやイラクの大部分を占領していたISILなる組織が「首都」と宣言していたラッカが陥落。クルド人勢力の活躍などが指摘されているものの、背景には米国金融当局のISIL関連口座の凍結などにより、ISILが資金源を絶たれて衰弱していたことがあります。
北朝鮮問題もこれと全く同じです。
現在のところ、たしかに北朝鮮制裁を巡っては、「中途半端感」は払拭できません。制裁を逃れようとしたらいくらでも逃れられるからです。しかし、とにかく「何となく」でも良いから、「北朝鮮と取引することは悪いことだ」とするイメージが国際社会に広まっていけば、おおっぴらに北朝鮮が外貨獲得活動をすることは難しくなります。
私はこれを「真綿で首を絞めるようなものだ」と表現しています。
ところで、冒頭で紹介した「国連安保理決議に基づく石油輸出規制」については、なかなか興味深い論考があります。
急速に減少している北朝鮮のエネルギー消費量/工業部門は壊滅的な状況か(2017.10.16付 JBプレスより)
JBプレスによれば、記事を執筆したのは東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の川島博之氏です。川島氏は記事の中で、国際エネルギー機関(IEA)のデータをもとに、北朝鮮におけるエネルギー消費量が近年、急激に落ち込んでいるという事実を指摘します。
たしかに、グラフで見ると、1990年に石油換算で約2800万トンだったエネルギー消費量が、2015年にはその4分の1である700万トン程度にまで落ち込んでいることが確認できます。
川島氏によれば、北朝鮮のエネルギー消費量の急減は、外貨を獲得するために2010年以降、石炭を大量に輸出するようになったためだとしています。言い換えれば、北朝鮮は国内経済を犠牲にしながら、核開発を行ってきたのです。川島氏は
「石炭の多くを外貨獲得に使ってしまったために、北朝鮮の社会、特に工業部門は疲弊している。人口が2500万人程度の貧しい開発途上国が核兵器とミサイルを作るには、多くのものを犠牲にしなければならない」
と述べていますが、こういう状況の国にとっては、東南アジアの焼き肉店からの送金も貴重な外貨収入です。
真綿で首を絞めるように、北朝鮮の外貨獲得源を1つ1つ潰していく努力が、どれほど重要であるかについては、ご理解いただけると思います。
日中露韓はどう動くか?
日中両政権が権力基盤を固める?
さて、わが国では10月22日の衆議院議員総選挙の結果が終わってみるまでは、安倍政権が続くのかどうか、確定していません。私は安倍政権が圧倒的多数で国民から信任されると信じていますが、枝野氏が率いる「立憲民主党」という「事実上の菅直人内閣」が躍進しかねないことを強く警戒しているのも事実です。
ただ、現在の選挙情勢から見ると、油断大敵ではありますが、おそらく自民党は多少議席を減らしつつも安定多数を確保し、安倍政権は今後も続くと考えています。
一方、中国では18日に共産党大会が開幕。24日までの党大会で、習近平(しゅう・きんぺい)国家主席は権力集中を強めると見られています。
中国共産党大会開幕 「世界の舞台の中心に立つ時が来た」と習主席(2017年10月18日付 BBC日本語版より)
つまり、ドナルド・トランプ米大統領がアジアを歴訪する11月前半の時点までに、アジアの2大国である日中両国で、現政権が権力基盤を固めることは、ほぼ確実な情勢にあります。
実は、このこと自体、極めて重要です。北朝鮮攻撃に踏み切るとしたら、その主体は間違いなく米国(あるいは米国を中心とする多国籍軍)ですが、日中両国の協力なしに、北朝鮮処分を成功させることは難しいからです。
このうち、日本については、戦後最強の安倍政権が、米国に対し、現行法制下でできる最大限の協力を行うことは間違いないでしょう。もちろん、憲法第9条第2項という制約が存在することは事実ですが、それでも安倍政権は、不十分ながらも特定秘密保護法と安保法制を成立させ、日本が主体的に有事に対応する体制を築き上げてきました。日本が米国の北朝鮮攻撃に協力することは、ほぼ確実といえます。
その一方、私の予想が正しければ、中国は米国の北朝鮮攻撃を「黙認」、あるいは「協力」すると考えています。
共産党大会に先立つ今年8月、中国共産党の事実上の機関紙である『環球時報』英語版に、「仮に北朝鮮が先に手を出した場合には、中国は中立を保つべきだ」とする主張が掲載されました。
Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war(2017/8/10 23:23:40付 環球時報英語版より)
問題の個所は次の通りです。
China should also make clear that if North Korea launches missiles that threaten US soil first and the US retaliates, China will stay neutral. If the US and South Korea carry out strikes and try to overthrow the North Korean regime and change the political pattern of the Korean Peninsula, China will prevent them from doing so.(仮訳)仮に北朝鮮が史上初めて米国の本土を脅かすミサイルを発射し、これに対して米国が報復した場合、中国は中立を維持するということを明らかにすべきであろう。仮に米国と南朝鮮が攻撃を実行し、北朝鮮の政府を打倒し、政治体制を変更しようとするならば、中国はこれを防ごうとするであろう。
今になって読み返すと、この文章は、「習近平氏が権力基盤を固めるまでは、北京政府としても瀋陽軍区を抑え込める自信はないが、それでも明らかに北朝鮮が先に手を出したといえるような場合には、北京政府としては黙認する」という意味ではないでしょうか?
そうであれば、仮に今回の共産党大会で、習近平氏が「瀋陽軍区」を抑え込めるだけの権力基盤を手にすれば、その前提条件が変わる、ということです。もっといえば、中国が米国に対して北朝鮮攻撃を認める代わりに、何らかの「見返り」を手にすることがあれば、中国は北朝鮮攻撃を容認するか、場合によっては作戦に協力するかもしれない、ということです。
AIIBに対するトリプルA格付と北朝鮮攻撃の関係
ここで私が注目しているのは、中国が主導する国際開発銀行(MDB)のひとつである「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)です。
AIIBには今年7月までに、世界的な格付業者であるムーディーズ、S&P、フィッチの3社から、相次いで「トリプルA」の格付を得ました。また、これを受けて10月には、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が、「標準的手法に基づくゼロ%リスク・ウェイト」をAIIBの発行する負債に対して適用することを決定しています(その意味については、『金融庁よ、AIIBにゼロ%リスク・ウェイトを適用するな!』もご参照ください)。
このムーディーズなどの決定には、唐突感があります。なぜなら、ムーディーズをはじめとする格付業者は、得てして米国政府からの強い影響を受けやすいからです。
AIIBには欧州連合(EU)加盟各国をはじめとする先進国が参加(あるいは参加意思を表明)しており、参加意思表明国だけで見れば、アジア開発銀行(ADB)を上回っています。しかし、G7諸国中、日本と米国の2ヵ国だけは、AIIBに参加していません。
それなのに、米国政府の強い影響を受けるはずのムーディーズが、AIIBにトリプルA格付を付与してしまったこと自体、「何かの裏がある」と見るのが自然でしょう。
その時期(6月~7月頃)に照らして考えるなら、北朝鮮情勢が絡んでいるのではないかとの疑いがあります。つまり、AIIBがこれから米ドルや日本円建てで債券を起債しようとしている矢先に、ムーディーズなどがAIIBの格下げに踏み切れば、AIIBは資金調達に支障が出てしまうからです。
その意味で、この私の見方が正しければ、米国は「通貨」という手段を使って、中国に貸しを作った格好です。
最大の変数とは、ロシア
ただし、ここで注意しなければならない最大の変数とは、ロシアです。
あまり知られていませんが、北朝鮮は事実上、ロシアの前身であるソ連が作ったような国です。北朝鮮とロシアの国境線自体は数十キロと非常に短いものですが、ロシアと北朝鮮の結びつきは強く、国連による北朝鮮制裁をかいくぐるように、ロシアからは北朝鮮に対し、有償・無償の支援が行われていると見て間違いないでしょう。
そして、仮に米軍(あるいは多国籍軍)が金正恩の「斬首作戦」に踏み切った場合も、ロシアが金正恩の亡命を助けることで、作戦が失敗に終わる可能性があります。いや、むしろ米国が北朝鮮の体制変革を狙った場合には、ロシアが積極的にその作戦に介入すると見るべきでしょう。
しかも、11月のトランプ大統領の訪問先には、ロシアは入っていません。ということは、仮に年内に北朝鮮攻撃が行われる場合、少なくともこの問題を巡り、トランプ氏とプーチン氏の首脳会談が行われることはない、ということです。
そのように考えていくと、米国としては、仮に日中両国の協力があったとしても、北朝鮮の体制変革を伴う抜本的な作戦(斬首作戦)を取ることはできない、ということです。
最も可能性が高いのは「限定空爆」と「兵糧攻め」
以上から、私が現時点で「最も可能性が高い」と考えているシナリオとは、北朝鮮に対する「限定空爆」です。そして、米軍による北朝鮮攻撃がなされたとしても、北朝鮮の体制は崩壊せず、温存されることになります。
ただし、ミサイル基地を爆破すれば、北朝鮮はせっかく核兵器を開発しても、その運搬手段がない、ということになります。その意味で、米国にとっては「米国まで届くICBM」という「当面の脅威」を取り除くことができるのです。
そして、むしろ本当の対処はそのあとです。
北朝鮮は引き続き、核兵器の小型化に向けた努力を続けるでしょうし、世界中に工作員を派遣し、いざというときには、生物・化学兵器を撒くなどのテロ活動を行うくらいのことはするでしょう。
そうであるならば、わが国はいっそう、北朝鮮の外貨獲得源を締め上げていく必要があります。そして、必要に応じて、米中など周辺国と連携し、あるいは『セカンダリー・サンクション』などの手段を活用しながら、北朝鮮が大量破壊兵器を放棄する(か北朝鮮の体制が潰れる)まで、粘り強く対処していく必要があります。
おそらく、「限定空爆」とその後の「兵糧攻め」により、北朝鮮の体制は徐々に弱まっていくはずです。
意外な変数は、コウモリ国家・韓国
ただし、ここで最も注意しなければならないのは、韓国です。
韓国は、「日米韓3ヵ国連携」の1つに数えられている国ですが、日米両国を裏切り、中国に擦り寄ったり、北朝鮮に擦り寄ったりしているからです。
とくに、せっかく国際社会が北朝鮮に対して兵糧攻めをしようとしているのに、韓国が開城(かいじょう)工業団地事業や金剛山(こんごうさん)観光事業を再開して北朝鮮に外貨送金を開始したら、国際社会の努力が水の泡になってしまうからです。
これについて私はどうしてもモヤモヤ感が払拭できなかったのですが、昨日、日経ビジネスオンライン(NBO)に掲載された、大人気連載『早読み深読み朝鮮半島』の最新版記事に、すっきりとした解説が掲載されています。
「懲りない韓国」に下す米国の鉄槌は「通貨」/日米の軍事情報を中朝に漏らす韓国(2017/10/19付 日経ビジネスオンラインより)
場合によっては、米国が北朝鮮攻撃と同じタイミングで、韓国に対しても「第3次通貨危機」を仕掛けるのかもしれません。
ただし、これについてはやや稿が足りません。近日中に論点を整理して再び議論したいと考えていますので、どうかお楽しみにお待ちください。
View Comments (6)
今回のトランプ大統領のアジア歴訪でとってつけたような南朝鮮訪問は対北朝鮮への圧力よりも2000年代に当時の共和党政権(ブッシュ・息子)が盧政権から受けた裏切りと激しい反米活動へのかりを当時の主席秘書の文大統領に対して返す、制裁をおこなうものだと考えています。両政権の成立時から何一つ肯定的な政治・経済・外交的なやり取りはなく一方的な物乞いと裏切り、対する制裁とも受け取れるような警告に終始しています。南朝鮮の一部のメディアからは28日までに軍の指揮権を在韓米軍から返還させるなど常軌を逸した報道がなされています。一度たりとも作戦指揮を行って戦ったことのない軍隊、敵前逃亡当たり前、逃げまくりの軍のどこに作戦指揮を執れる能力があるのでしょうか?先の戦争で多くの若者の命を失った米国に感謝の意もなくその後、裏切りと反米を続ける南朝鮮にトランプ大統領が与えるものは何なのでしょうか、立ち位置を間違え迎える南朝鮮に何が待っているのでしょうか?それ次第で日本の政権の行動が決まってきますね。もう既に大方きまっているのでしょう。
毎日拝読させていただいております。
“以外な変数”国は、この危機に北を援助して、米運戦時指揮権返還要求、さらに性懲りもなく反日発動です。 最悪です。 これでは、ソウルが火の海になっても自業自得です。 河野太郎外相は大当たりです。
河野太郎外相、韓国の「独島防衛部隊」に激怒 「関係性を強めていかなければいけないときに」
http://www.sankei.com/politics/news/171020/plt1710200040-n1.html
中韓SWAPですが、自国の為替操作(防衛)のため勝手にドルに換える、全く信用できない輩に自由なSWAP枠を提供することは、中国自身が受容できないリスクになっているようです。 仮に締結があったとしても、発動や利用制限が厳しく、実質使えないようになっていると推測されます。
中国、債務爆弾に恐々 対GDP比200%超、デフォルト近づく 習指導部綱渡り
http://www.sankei.com/economy/news/171019/ecn1710190054-n1.html
外国人の韓国株保有比率33.7%、9月も売り越し
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/17/2017101700640.html
抜粋です。
“株式と債券の合計で9月に海外に純流出した資金は4兆8340億ウォンだ。金融監督院関係者は「9月には外国人の売りムードが優勢だったが、依然として株式と債券合計で713兆8000億ウォンを保有しており、資金流出を心配する必要はない」と説明した。”
現状でも、格付けが下がるだけで、行っちゃいますね。
外資が売り抜けるまでは、しばらくは現状維持でしょうが
韓国の国債格付け Aa2で据え置き=ムーディーズ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/18/2017101802423.html
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 皆さまご存知の通り、北朝鮮は日本に対して最悪な加害国です。諜報活動、在日朝鮮人を介しての各非合法活動、日本漁船拿捕、民間人攻撃、不法侵入、密輸、拉致。トランプ大統領は訪日で拉致被害者の両親とも会われ、既にその事件を会見でも言及されていますが、その一連事件よりずっと前の63年に石川県能登半島沖で、わずか13歳の寺越さんら3人が『遭難』しました。
20年以上経て、寺越武志さんが平壌で生存していることが分かり(これも北の行為でしょう)、母親と以後行き来しています。武志さん以外はその船で騒がれたので、殺害されたあるいは病死したというのが有力です。しかし、北に家族を残す武志さんは、決して北当局を非難しません。党員にもなってるので、迂闊なことは言えないまま、一生過ごすでしょう。ちなみに長兄は生存が分かってから、平壌で亡くなるまで弟武志さんと暮らしました。罪のない日本人一家一族を滅茶苦茶に破壊した金日成、金正日、金正恩らは万死に値します。
< 北朝鮮は「遠い国の話」と思っている欧州、アフリカ勢は多いです。日本がシリアやIS、アフリカの独裁国の事を聞いても、今ひとつピンと来ない以上に、ドイツはじめ彼方の国は北朝鮮への認識が緩い。まだ大使交換している国もあり、アフリカ、西アジアの小国貧国といえども(独裁国など問題国以外は)自由主義国側が肩代わりして、北との交流を断絶させなければならない。安倍首相になってから、半島に対して確実に対応が厳しく早く力強いものになりました。河野大臣はカタール、クウェートでタコ部屋の労働者の締め出しに成功。これをなぜマスコミは報じない?国連安保理決議は抜け道ありますが、会計士様言われる通り、収入源を一つ一つ潰すしかない。そこで気になるのが武器輸出と薬物不法製造販売とニセ札。武器は、やってるでしょう。またヤクは地下組織で。カネは精巧な日本銀行券などは無理でも、他国紙幣はマネロン被害を受けてはいないか。
< さて日本安倍首相、中国キンペイの体制が強固になると、米国はアジア歴訪で擦り合わせた通り、北朝鮮斬首作戦を行なうだろう。Dデイ5日前に在韓米軍家族、民間人の日本への避難、合わせて日本人も避難する。攻撃参加は米国、日本、(韓国)、(豪州)。その中でも日本は特別に重要な役目、後方支援と米軍に被害が出そうなタイミングで(事前に出動は決めてるが)、防護作戦で戦闘域に出る。あるいは機雷掃海も。安保法により実戦参加するわけです。
< 中国は黙認が一番可能性高いでしょう。既に北は何度も挑発している。鴨緑江以北で警備万全にし、地理に明るいであろう朝鮮族の師団を貼り付ける。押し寄せる脱北者は運がよければ拘留、悪ければ追い返されるか射殺。以前述べましたように米軍は金正恩を除去したいが、短期決戦では最重要施設の破壊で手一杯です。北の38度線付近のミサイル基地、ロケット基地、大砲陣地と北部核関連施設、原発、ミサイル発射台、格納庫、飛行場をピンポイントで破壊する。空母打撃群、潜水艦、イージス艦、グアム、沖縄、岩国、横田、座間、横須賀基地と陸海空日本自衛隊が参加。約4時間で終了と見ます。これで少なくとも、「暴力装置」は無くなります。途中、ロシアが停戦、調停あるいは金正恩の保護を持ち出すようならセカンダリーサンクションですね。露に対しても経済制裁強化!なお、日本海を渡って来る難民、兵隊、北工作員は全員半島へ送還する。対馬、壱岐は自衛隊艦船とバリケードと銃砲要。青森から長崎までは巡視船と海岸線の武装警察と収容檻が必要。
< あと韓国は、何もさせない、何も知らせないが一番かと。米軍司令部から韓国軍には38度線死守を命じ、在韓米軍が韓国内で北に呼応する工作員、武力蜂起する勢力を掃討する。戦後は韓国、北朝鮮とも無政府状態になるが、「臨時統一政府」を米中で合作する、と見ます。なお、今更ですが日本の主敵は北朝鮮ではありません。中国です。必ずや日本に牙を剥く。半島を跨いだ日中の睨み合いは続くと確信します。長文失礼致しました。
本性現わしましたね。南朝鮮による独島防御部隊・・・盧政権の日本仮想敵国指定の継承ですね。指揮権返還要求・核軍備といい北朝鮮問題よりも対日戦準備の方が優先ですね。
私の韓国への認識は、思考し得るに従い惨憺たる結論に至ってしまうのですが、近代、かなりマトモに歴史を回顧した指導者がいました。
「朴正熙選集~」<引用>
(1)…このような悪質な民族的習性は事大意識、貴賎嫡庶の階級観、派閥闘争などと決して無関係なものではなく、主体性の欠如やおもねり、支配者への盲従なども、李朝五百年の歴史にその根源があるといえる。派閥と排他で民族分裂を助長する特殊・特権意識も、過去の封建的な身分制度、官僚制度に直接的な淵源がある。党派意識も李朝史に根ざしており、四色党争の初めにしても、政策上の争いではなく官職争奪のための対立反目から発生したことをわれわれは知っている。
(2)…李朝五百年の伝統的対外政策は「事大と交隣」に要約できる。事大というのは強大国に媚びることであり、交隣とは隣の国と交通するということである。李太宗は即位する前から親明策を標榜し、即位後は王位の承認、国号の選定を明帝に乞い、国号を「朝鮮」とすることの承認を受け、朝鮮国王の金印拝命を求めて以来、事大政策は李朝全時代を通じて明と清に対し一貫したものであった。こうした封建的な主従的性格を持つ外交関係は、やはり貢物を捧げ、回賜物を受ける、そうした通交関係を形成し、朝貢使など各種外交官の出入りは朱子学と中国文物を輸入するのに拍車をかけ、儒学者間には事大思想が一段と濃化していったのである。
つまりは「強に媚び諂(へつら)う」のは民族古来の習性で直しようが無く、「ダメだ、こりゃ」で、我が愚脳は思考停止してしまう。
「1泊2日」でトランプが訪韓するようだが、何をしに来るのやら…。。
北朝鮮制裁には即効性はないが実効性はある。それは国際社会を上手く巻き込んで北朝鮮に目を向
けさせたことだ。石油の輸出など、完全に禁輸するのではなくサラミをスライスするように、少し
ずつ制裁を強化しているのは狡猾。外貨獲得源を虱潰しするのも効果的だ。そういえばスイスが北
朝鮮の労働者を排除するって決めたみたいですね。今まで認めてたんかい!って言いたくなります
けどね。あと集金兵は権力を掌握するらしいからアメリカと徹底的に議論して、アメリカは結果的
に韓国を中国に売り渡すのかも。韓国って長年の中国の属国だったから丁度良いんじゃないかな?
って思っちゃいますね。