本日も、2本目のニュース配信です。以前『安倍政権、在任日数史上6位間近に!』で触れた、安倍総理と歴代首相の任期について、補足しておきます。
歴代最長政権が実現するのか?
歴代政権の在任日数
以前、私は『安倍政権、在任日数史上6位間近に!』の中で、安倍晋三総理大臣の首相としての在任日数は、歴代6位にあります(図表1)。
図表1 安倍政権と歴代政権との比較
順位 | 総理大臣 | 在任日数 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 桂 太郎 | 2,886 | 安倍政権が2019/11/20(水)まで在職すれば在職2,887日 |
2 | 佐藤 榮作 | 2,798 | 安倍政権が2019/08/24(土)まで在職すれば在職2,799日 |
3 | 伊藤 博文 | 2,720 | 安倍政権が2019/06/07(金)まで在職すれば在職2,721日 |
4 | 吉田 茂 | 2,616 | 安倍政権が2019/02/23(土)まで在職すれば在職2,617日 |
5 | 小泉 純一郎 | 1,980 | 安倍政権が2017/05/28(日)まで在職すれば在職1,981日 |
6 | 安倍 晋三 | 1,898 | 日数は本日までをカウント |
(ただし、安倍晋三総理大臣は当初、2006年9月26日に就任したものの、1年後の2007年9月27日で政権を投げ出しています。そして、上記日数にはこの「第一次安倍政権」の366日を加えている点にはご注意ください。)
図表1の「備考」欄にあるとおり、仮に安倍政権が今年5月28日まで在職すれば、在職日数が1981日となり、歴代5位に浮上します。また、仮に2019年まで在職すれば、歴代政権を次々と追い抜き、11月20日まで在職すれば、戦前・戦後を通じて史上最長の政権となる、ということです。
過去最長政権に「王手」
すでに多くのメディアが報じている通り、昨日(3月5日)、自民党は都内で定期党大会を開き、総裁の任期を「2期6年」から「3期9年」に延長することが決定されました。
日本国憲法の規定上、内閣総理大臣の任期に制限は設けられていません。事実上、政権与党である自民党の総裁でなければ日本国の総理大臣に就任することができないため、自民党の総裁任期が到来すれば、安倍総理であっても自民党総裁を退任し、必然的に内閣総理大臣を辞職しなければならないと考えるのが自然でしょう。
もちろん、理屈のうえでは、自民党総裁と内閣総理大臣を分離するという発想もあり得るでしょうが、日本の政治慣習などを考えると、やはり「内閣総理大臣となるためには最大与党の総裁・党首であること」が自然です。
安倍晋三氏が自民党の総裁に就任したのは2012年9月でしたが、来年(2018年9月)に行われる自民党総裁選に勝利すれば、最長で2021年9月まで自民党総裁に在職し続けることが可能です。
政権が発足した2012年12月の衆議院議員総選挙を含めて、安倍政権は4回の大型国政選挙を勝ち抜いて来ました。ただし、2014年12月に衆議院議員総選挙が行われているため、遅くとも任期が満了する2018年12月までには衆議院議員総選挙が行われます。また、2019年7月には、憲法の規定により、参議院議員通常選挙が予定されています(図表2)。
図表2 選挙日程
時期 | 選挙 | 選挙理由 |
---|---|---|
2012年12月 | 衆議院議員総選挙 | 野田佳彦首相(当時)が解散総選挙を決断したため |
2013年7月 | 参議院議員通常選挙 | 憲法の規定 |
2014年12月 | 衆議院議員総選挙 | 安倍晋三総理が解散総選挙を決断したため |
2016年7月 | 参議院議員通常選挙 | 憲法の規定 |
2018年12月まで | 衆議院議員総選挙 | ? |
2019年7月 | 参議院議員通常選挙 | 憲法の規定 |
在任日数で桂太郎政権と並ぶ2019年11月まで在任するためには、少なくとも
- 自民党総裁選(2018年9月)
- 衆議院議員総選挙(遅くとも2018年12月)
- 参議院議員通常選挙(2019年7月)
という、3つの「選挙」を経ることが必要です(ただし参議院議員通常選挙の場合、勝敗は政権の進退に影響を与えないとされていますが…)。
外国と比べると短い!?
ところで、過去に在任した日本の首相の人数は62人(ただし首相代行等を除く)ですが、改めて図表1を眺めてみると、意外と日本の政権は短いと思ってしまいます。というのも、史上最長だった桂太郎政権は、在任日数が2886日で、単純に365日で割っても8年に満たない期間です。
米国大統領が通常、「2期8年」を務め上げると考えるならば、歴代の日本の首相はいずれも、非常に在任期間が短いといわざるをえません。さらに、ドイツ(ナチス・ドイツ崩壊後のドイツ連邦共和国、西ドイツ時代を含む)の首相は、非常に在任日数が長いという特徴があります。
図表2 西ドイツ・ドイツの首相の在任日数
首相 | 日数 | 期間 |
---|---|---|
コーラント・アデナウアー | 5,145日 | 1949/09/15~1963/10/16 |
ルートヴィヒ・エアハルト | 2,198日 | 1963/10/16~1969/10/21 |
クルト・ゲオルグ・キージンガー | 1,097日 | 1966/10/21~1969/10/21 |
ヴィリー・ブラント | 1,660日 | 1969/10/21~1974/05/07 |
ヘルムート・シュミット | 3,061日 | 1974/05/16~1982/10/01 |
ヘルムート・コール | 5,868日 | 1982/10/04~1998/10/27 |
ゲアハルト・シュレーダー | 2,584日 | 1998/10/27~2005/11/22 |
アンゲラ・メルケル | 4,123日 | 2005/11/22~現職 |
これをみると、旧西ドイツのコーラント・アデナウアー政権は5145日(約14年)、東西ドイツの再統一が実現した時のコール政権は5868日(約16年)にも達しており、現職のアンゲラ・メルケル政権も2005年以降、本日までで4123日(約11年)です。
ここまで来ると、さすがに長すぎる気がしますが…。
明日の予告
明日の当ウェブサイトには、「慰安婦問題」を捏造した朝日新聞に掲載された、「偽ニュース」という話題を取り上げてみたいと思います。朝日新聞に代表される既存メディアこそが偽ニュースを垂れ流してきたという状況を考えると、朝日新聞には「お前が言うな!」と言いたくなる気持ちもありますが…。
どうか明日もお楽しみに!