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メディアが報じない「安倍・トランプの共通点」

本日2本目の配信です。日米首脳会談にまつわる「ちょっとしたネタ」を見つけたので、雑感がてら、紹介したいと思います。

メディアが報じない「安倍・トランプの共通点」

朝日に勝った安倍・NYTに勝ったトランプ

昨日の産経ニュースに、興味深い記事が掲載されていました。

安倍晋三首相「私は朝日新聞に勝った」 トランプ大統領「俺も勝った!」 ゴルフ会談で日米同盟はより強固になるか?(3/6ページ)(2017.2.11 02:00付 産経ニュースより)

産経ニュースの記事から、一部分を抜粋してみると、次のような記載があります。

昨年11月の米ニューヨークのトランプタワーでの初会談で、軽くゴルフ談議をした後、安倍はこう切り出した。

「実はあなたと私には共通点がある」

怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。

「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」

これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。

「俺も勝った!」

トランプの警戒心はここで吹っ飛んだと思われる。トランプタワーでの初会談は90分間に及んだ。安倍は、中国の軍事的な脅威と経済的な危うさ、そして日米同盟の重要性をとうとうと説き、トランプは真剣な表情で聞き続けた。

産経ニュースのこの下りは、全く出所不明です。まさか「でっち上げ」ではないと思いたいところですが、しかし、第一次安倍政権(2006年9月~2007年9月)が朝日新聞やNHKなどのメディアから、(時として捏造を含めた)偏向報道により攻撃されていたことは事実です。さらには朝日新聞は、従軍慰安婦問題や福島第一原発を巡る吉田調書報道、沖縄県サンゴ礁捏造報道など、「大型捏造報道」というスキャンダルの病巣でもあります。あくまでも私の主観ですが、安倍総理も朝日新聞による一連の偏向・捏造報道の被害者であるため、安倍総理が実際にトランプ氏に対し、朝日新聞を揶揄する発言をしていたとしても、全く不思議ではないと思います。

背景には人々のネット・リテラシーの上昇

思えば、安倍総理とトランプ大統領には、「マス・メディアとの戦いに勝った」という点以外にも、共通点があります。それは、インターネットのSNSなどを使った情報発信です。安倍総理はフェイスブックを、トランプ大統領はツイッターを好んでいます。

もちろん、トランプ氏の情報発信を見ていると、時として、言動がアメリカ合衆国大統領としては「やや軽率」に見えることもあります。ただ、政治家としての経験が積み重なってくれば、こうしたSNSによる直接の情報発信も洗練されてくることは期待して良いでしょう。

そして、インターネットを使って政治家が直接、国民に対して語りかけるのは、非常に好ましい話でもあります。なぜなら、SNSの多くは双方向性があり、政治家の「生の声」が国民に届くだけでなく、国民の「生の声」もダイレクトに政治家に届くからです。

日本は2009年8月の衆議院議員総選挙で、新聞やテレビなどのマス・メディアが強烈な偏向報道を行い、民主党への政権交代が実現してしまいました。思えば、その時に日本国民も「学んだ」のでしょう、2012年12月の衆議院議員総選挙では、自民党が圧勝。それを含めた4回の大型国政選挙では、自民党・公明党の「連立与党」が勝利を収める一方、民主党とその後継政党である民進党、さらにその他の野党勢力は、「鳴かず飛ばず」の状態が続いています。

一方、米国で2016年11月に行われた大統領選では、マス・メディアからの執拗な「トランプ攻撃」にも関わらず、トランプ氏が大統領選を制しました。米国も日本に遅れること4年で、インターネット民主主義が勝利したといえます。そして、このことは、日米ともに一般人が「マス・メディア」よりも「SNSなどのインターネット」を重視していることの証拠でしょう。

民主主義の失敗事例

さて、難民問題で社会が崩壊しつつあるヨーロッパでは、今年、フランスやドイツなどで、相次いで大統領選や総選挙が行われます。今や「欧州統合」と「ユーロ」という「壮大な社会的実験」は失敗に終わりつつありますが、これに対して欧州の有権者がどのような審判を下すのか、注目してみてみたいと思います。

また、お隣の国・韓国では、何と20代の国民の94%が、朴槿恵(ぼく・きんけい)大統領の弾劾に賛成しているという、驚きの調査結果が出てきました。

20代の国民94%、朴大統領の弾劾に「賛成」(2017年02月11日12時51分付 中央日報日本語版より)

一般に日本や米国では、20代や30代などの若者のインターネット・リテラシーは極めて高いのですが、韓国では逆に、若者ほど極論に振れやすくなっているという証拠かもしれません。

いずれにせよ、民主主義国では一般人の素養がその国の政府の質を決めます。私はドイツや韓国を「民主主義の失敗事例」と決めつけるのは尚早だと思いますが、それでも他国の民主主義の失敗例を研究することは、日本人自身にとっても極めて有益だと考えています。

明日の予告:日米首脳会談の成果と今後の課題

本日掲載した『日米首脳会談、異例にも世界中が注目』は、主に英米メディアの報道を中心に、「日本の総理大臣の訪米が世界中で大々的に報じられた」という点に焦点を当ててみました。そうこうしている間にも、日本政府のウェブサイトからは、日米首脳会談に関連した資料が公表されています。そこで明日は、政府の報道発表をベースに、「日米首脳会談は、ほぼ完璧に近い成果を上げたが、それでも日韓関係や日本国憲法をどうするかなどの課題も残っている」という点について、議論を行いたいと思います。どうかご期待ください。

新宿会計士: