あんまりふざけた答弁をしていると、国民の怒りが財務省を飛び越えて自民党に向かうかもしれません。いくつかのメディアの報道によると、3日の予算委員会で石破首相は国民民主党の浅野哲衆議院議員の質問に対し、減税に関して「出来るものであればお返ししたいけれども、今の状況はなかなかそれを許すような状況にはない」と答えたのだそうです。石破首相、官僚以外にブレーンを持っていないのでしょうか?
財源論などは論じ尽くされている
『【総論】我々は給料からどれだけ「引かれている」のか』や『年収の壁巡って自公が国民民主案に少しだけ歩み寄りか』などでも指摘してきた通り、現在の日本は「税・社保の取り過ぎ」問題が生じており、減税を必要としていますし、かつ、減税を実施することが可能です。
「財源がない」?
過去最高の税収を毎年のように記録し、巨額の剰余金を毎年のように計上している状況(『財源論者に不都合な事実…来年度税収見通しは過去最高』等参照)で、なにが「財源」、ですか。
最近、減税反対派は「減税派は財源を示していない」、とする主張に終始しているようです。減税に反対する理由がひとつひとつ論破されたためでしょうか。ただ、この「財源論者」にとって、またしても不都合な事実が出てきました。一般会計では毎年のように巨額の剰余金が計上されています(しかも毎年のように、公債の発行が中断されていながら、です)が、それだけではありません。先日の補正予算で2024年の税収見通しが上方修正されたばかりですが、報道等によると、27日にも閣議決定される来年の税収見積もりが70兆円台後半と過去最... 財源論者に不都合な事実…来年度税収見通しは過去最高 - 新宿会計士の政治経済評論 |
「日本の国の借金は巨額」?
そもそも「国の借金」論じたい、現在の日本の資金循環構造を無視した暴論のようなものであり(『【総論】「国の借金」説は、どこがどう誤っているのか』等参照)、資産を無視して債務の絶対額だけを議論しても意味はありません。
3番目の外貨準備組入れ通貨…これのいったいどこが「信頼を失っている通貨」なのでしょうか?巷間で最近よく見かける「国の借金」プロパガンダは、たいていの場合、その冒頭から間違っています。というのも、そもそも「国の借金」などという概念は、存在しないからです。本稿では大事な「総論」として、この「国の借金」論のどこがどう不適切なのか、改めて詳細に論じてみたいと思います。そのうえで、私たち国民が有権者として懸命に振る舞うことが必要だ、という点についても、あわせて指摘しておきたいと思う次第です。プロローグ:... 【総論】「国の借金」説は、どこがどう誤っているのか - 新宿会計士の政治経済評論 |
減税をめぐる突っ込みどころ
減税をめぐる突っ込みどころは、それらだけではありません。
「基礎控除を引き上げるのに複雑な制度変更が必要」だ?
そもそも基礎控除を引き上げる「だけ」なら、所得税法と地方税法のそれぞれ条文を1つずつ変更すればおしまいですし、何なら特措法に該当する条文の変更を書き込めば済みます(『否が応でもSNSと付き合わなければならない時代到来』等参照)。
兵庫県知事選はデマの勝利だったのか?「SNS上では事実に反するデマや誹謗中傷が拡散し、脅迫まがいの行為を撮影した映像が流れるなど、『無法地帯』と言って良い状況が続いた」。こんな主張が出てきました。兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏に投票した人が、まるでこれらの「デマや誹謗中傷、脅迫まがいの行為」を参考にしたかの言いぶりに見えてしまいますが、斎藤氏の陣営がデマや誹謗中傷、脅迫まがいの行為を行ったという事実は、ちょっと記憶にありません。Xアカウントのフォロワーが1.6万人間近ちょっとした報告があります... 否が応でもSNSと付き合わなければならない時代到来 - 新宿会計士の政治経済評論 |
「国の借金は全額税金で返さねばならない」?
この世には借換債というものがあってですな…(『減税巡るショボすぎる自公案…国民に喧嘩売った財務省』等参照)。
例の「年収の壁」を巡って、自公側は現行の103万円を123万円に引き上げる、とする方針を固めた―――。こんな報道が相次いでいます。たとえば年収750万円のそうだと、国民民主党が主張する178万円と比べて、年間で下手をすると減税額が16万円以上減ってしまう計算です。これ、財務省(≒自民党税調)が国民に対して喧嘩を売ってしまったようなものではないでしょうか?自公が減税額を押し切る?自公は123万円で押し切りか:玉木氏は強い不満表明当ウェブサイトでも連日のように取り上げて来た「年収103万円の壁」を巡っては、国民民主党が1... 減税巡るショボすぎる自公案…国民に喧嘩売った財務省 - 新宿会計士の政治経済評論 |
「国の借金が国民1人あたり1000万円」?
「借金」とやらを負っているのは政府であり国民ではありませんし、ましてやそれを国民1人あたりで割っても意味はありません。企業債務を従業員1人あたりで割っているような議論です(『「SNSで財務省に誹謗中傷」自体が悪質なデマでは?』等参照)。
最近、「SNSで財務省に対する誹謗中傷が相次いでいる」、などとする主張が増えてきたように見受けられます。しかし、現実には、SNSなどネットで流れる批判にはきちんとした根拠が付されているものも多く、これらを「誹謗中傷」と決めつけるのは、さすがに乱暴ですし、それ自体が悪質なデマかもしれません。そして、財務省自身が長年、「財政破綻論」という虚偽の主張を繰り返し、新聞、テレビなどのオールドメディアがその主張に加担して来たわけですから、デマという意味ではSNSよりも官僚やオールドメディアの方でしょう。... 「SNSで財務省に誹謗中傷」自体が悪質なデマでは? - 新宿会計士の政治経済評論 |
減税反対派こそ現実の数字や正確な理論を無視している
いずれにせよ、減税反対派、財政再建派らの言い分というものは、どれも現実の数字を見ていなかったり、経済、会計、金融などに対する正確な知識を欠いていたりするなど、不適切、不正確なものばかりです。
とりわけ「年収の壁を上げよ」、「消費税の時限減税をせよ」といった要求は経済学などの知見に照らし、処方箋としても適切なものでもありますし、それができない理由もありませんし、やらないことを正当化する理由もありません。
では、石破茂首相自身は、この「年収の壁」議論についてどう考えているのでしょうか。
結論からいえば、石破首相自身はどうも正しい考えをもっていらっしゃらなかったようです。
「国民のみなさまに税収増分をお返しできる状況にない」石破首相、国民民主党の要求突っぱねる
―――2025年2月3日16時12分付 日刊スポーツより
石破総理“税収増の還元を許すような財政状況にはない” 減収分の財源もセットで示す必要性を強調
―――2025/02/03 20:10付 Yahoo!ニュースより【TBS NEWS DIG Powered by JNN配信】
日刊スポーツやTBSなどの報道によれば、石破首相は3日、衆院予算委員会で次のように回答したというのです。
「国民のみなさまに(税収増分を)お返しできるような状況かといえば、全然そうではない」。
石破首相の答弁…官僚以外のブレーンはいないのか?
これは国民民主党の浅野哲衆院議員の「増えた税収を還元すべき」との趣旨の質問に対する答えで、TBSによると石破首相は「国の財政状況というもの不測の事態にも備えまして、さらに安定をさせていくことも必要なのではないか」とも主張したうえで、次のようにも述べたのだそうです。
「出来るものであればお返ししたいけれども、今の状況はなかなかそれを許すような状況にはない」。
典型的な「官僚答弁」そのものです。答弁を作成したのは財務官僚でしょうか?
しかし、「不測の事態に備える」、などと称して、とにかくひたすら増税し続けてきたのが「財務省ニッポン」のこの30年の姿でもありますし、石破首相のこの答弁自体、それをまだ続けると宣言した格好です。
これは私見ですが、故・安倍晋三総理大臣、あるいは菅義偉総理大臣らは、まさに官僚以外にブレーンを持とうと努力していました。石破首相には、官僚以外のブレーンはいないのでしょうか?
そして、ネットで勤労層を中心に減税への支持が高まり、財務省・財務官僚という「国民に選ばれてもいない権力者」への批判が高まるなかで、仮に自民党が「石破茂体制」下で頑なに財務省に寄り添い、減税に後ろ向きな姿勢を続けるならば、国民の怒りの鉄槌が、財務省だけでなく、自民党にも下りかねません。
いずれにせよ、税や社保の増額を巡っては、当ウェブサイトから官僚に、こうお伝えしておきたいと思います。
「出来るものであればお支払いしたいけれども、今の状況ではなかなかそれを許すような状況にはない」。
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楽しい日本では、預かり金は返さない?
先日、石破首相は国会で、「税収増をお返しできる状況にない」と答弁されたそうです。
予算や決算で、使い道の決まっていない税金が溜まっていることを報告しておきながらです。
103万円の壁引き上げは財源を理由にして認めず、余った金は国民に還元しない。
私的な流用を疑いますよね。財務省が、どこに流しているんだか。
労働者をはじめ、国民から財産を絞りとる事が、石破首相のいう「楽しい」ことらしい。
滅びてしまえ、と言いたい。自民党員ですけど。
誰かがどこかのコメント欄で書いてましたが、減税に反対すると政治生命が終わるが、減税を推進すると人生が終わるのだそうです。
うっかりひき逃げ事故に見せかけて殺されたり、突然税務調査に入られたり、タイミングよくスキャンダルをリークされたりするそうです。
その点、新宿会計士さんもデスノートにリストアップされてそうですが、彼ら以上に税務のプロなので、その点スキがなく、さぞかし歯噛みしていることでしょう。
「こっちを先に返済するから今年は我慢しる」なら、まだ分からなくもない(それでもワカランですが)。
乗りものニュース記事:「自賠責ネコババ」から30年 財務省の“巨額借金”どう国交省に返しますか? 加藤新大臣に聞く
https://trafficnews.jp/post/135473
「財源無い」から実効性有る「減税しない」と嘯く舌の根も乾かぬまま「××しい日本」だの「二地域居住」だの寝言通り越して喧嘩売ってんのか!? あァ!!?
と云ふ気分でアリマス
1ヶ所に住んで仕事して税金社会保険納めて生きていくだけでいっぱいいっぱいの国民は居ないとでも思とんかいな呆け政治屋は??
2ヶ所に住んで毎週移動せえとかソノ『財源』どないせえちゅうんじゃ!!頓珍漢極まるわ屑宰相ランキングでも競とんか!!?
いや失敬
取り敢えず全省庁受付窓口とリモート室だけ霞ヶ関に残して本省はバラバラに日本全国に撒けや! 仕事は全部リモートでヤレ! 移動は全部官僚の私費でせえ! 衆議院と参議院も分けて全国散らせ! イツマデモ東京一極集中サセトイテ有事ワンパンで終いヤンケ!!!
政治屋官僚オールドメディア、エエカゲンにしとかな『無敵のヒト』らが個別バラバラに連鎖して“溜まりに溜まった負のエネルギー”をオマサンガタ中心に社会にブチ撒け始めンど
もう萌芽散見出来はじめて結構経つし
知らんけど
石破茂首相は3日の衆院予算委員会で、停戦合意が行われたパレスチナ自治区ガザの住民について「病気やけがをした方々をなんとか日本に受け入れられないか、今、鋭意努力をしている」と述べ、医療支援としての受け入れに前向きな姿勢を示した。
壊死歯「少なくとも私は楽しいぞ、ねばねば」
国の「不測の事態」を、国債発行ではなく税金でまかなおうとするのか意味不明。
「不測の事態に備えて」と仰るのであれば、「資金だけではなく、備えるための制度新設や実行を伴うのですよね?と石破さん?」と言いたい。
1.不測の事態を招きそうな要因を減らす活動(例えば、オーバーツーリズム対策のための入国税創設、出稼ぎ目的の自称「難民」の不法滞在者の強制送還等)、
2.不測の事態を招きそうな要因を新設しないこと(例えば、ガザ地区から、国会答弁で検討するとあった治療のための受入れや留学生の受け入れを行なうのであれば、滞日中の順法を保証させるため、受入れ賛成の国会議員・官僚が保証人となり、彼らの自宅で引き取ることや滞日者が違法行為を行なった場合の強制送還)
国会答弁は、控除限度額引き上げを阻止するための煙幕かもしれませんけど。
次はガザ難民を日本で受け入れる。と言われましたねえ
いったいいくらかかるか算定しているのでしょうか
財源の当ては有るのでしょうか
医療教育等を負担すると言ってましたが足りないですよねえ
犯罪抑制のための公安対策費用
居住地を囲む高さ5mの壁の建設費用
逃亡を防ぐための警備費用
レイプ被害者、殺人された家族の弔意金、およびPTSD等の対策費
さあていくらになるんだろう
政府が何十年も放置していた年収の壁を、物価スライドに準じて上げろという国民民主党の主張はこれに関しては、納得いく要求だと思います。
過去の女性は控除分を気にせず今より伸び伸びと働いていたわけですね。
男女共同参画に毎年多額の予算を計上しているなら、その分を年収の壁をスライドする財源に回すべきではないでしょうか?