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【2位じゃダメなんです】齊藤蓮舫氏が都知事出馬表明

立憲民主党の齊藤蓮舫氏が、今年行われる東京都知事選挙への立候補を表明しました。ただ、齊藤氏は過去に参議院議員選挙で圧倒的な得票数を誇ってきたのですが、2010年には171万票と2位にダブルスコア以上の差を付けて当選したのに対し直近の2022年選挙では得票数は67万票へと激減。当選順位も3位に留まっています。そして、都知事選は「2位じゃダメ」なのです。

2024/05/27 21:30追記

本文中、「2022年参院選東京選挙区で齊藤蓮舫氏の得票数は3位だった」とありますが、この「3位」は「4位」の誤りでした。申し訳ありませんでした。山添拓氏の得票数を「685,224」と入力すべきところ、「658,224」と入力してしまったことによるエラーです。

齊藤蓮舫氏が東京都知事選に出馬表明

当ウェブサイトでは普段、地方選挙についてはあまり話題にしない方針としているのですが、国内政治に大きな影響を与え得る選挙については、やはり取り上げることもあります。

その典型例が、東京都知事選でしょう。

報道等によれば、立憲民主党の齊藤蓮舫(さいとう・れんほう※)参議院議員が今年7月に行われる東京都知事選に立候補する方針を、27日に明らかにしました。自身のX(旧ツイッター)アカウント「@renho_sha」にも、次のようなポストを行っています。

「2位じゃダメ」なんですか?

さて、こんな話題を見て、真っ先に思い出すのが、齊藤氏の名言「2位じゃダメなんですか?」です。

この「2位じゃダメなんですか」は、当時の民主党が政権を奪取した直後の2009年11日、「事業仕分け」の際に齊藤氏(※当時は村田氏)が口にしたとされるセリフで、スーパーコンピューター開発に関連して言い放ったとされるものです。

村田ないし齊藤氏といえば、この「2位じゃダメ」発言があまりにも印象的だったためでしょうか、さまざまなメディアでも継続的に、この「2位じゃダメ」発言が繰り返し引用されています。

「2位じゃ駄目か」の蓮舫氏、富岳世界トップで「努力に敬意」

―――2020/06/23 00:26付 産経ニュースより

世界一のスパコン「富岳」、「2位じゃダメなんですか」への科学者の答えだった…2009年11月[あれから]<30>

―――2022/11/14 19:39付 読売新聞オンラインより

なぜ蓮舫議員は「2位じゃダメなんでしょうか」と放言したのか…日本人が誤解しがちな「世界一」の本当の意義

―――2023/06/22 14:00付 プレジデントオンラインより

この「2位じゃダメ」発言、敢えて齊藤氏の立場から弁護しておけば、「そこまでコストをかけてまでスピードに拘っても仕方がないんじゃない?」というニュアンスもあったのだとは思われます。

ただ、本来ならば「科学技術立国」を目指すべきわが国において、さすがにこの「2位じゃダメ」発言は、多くの国民に強い印象を与えた可能性があります。というのも、X(旧ツイッター)などでこの齊藤氏の立候補に関する話題を調べていると、「2位じゃダメなんですか?」発言がたくさん見つかるからです。

東京都知事選とはその名の通り、「次期東京都知事を1人だけ選ぶ選挙」ですので、もしも齊藤氏が実際に都知事選に立候補し、そこそこの票を得たとしても、トータルで2位以下だと落選です。その意味では、「2位じゃダメ」でしょう。

村田蓮舫氏は、2010年参院選でトップ当選だった

では、齊藤氏が「1位になる」(つまり東京都知事として当選する)可能性は、いかほどのものでしょうか。

これについてできるだけ正確に予測しようと思うなら、本来ならば現時点で立候補を表明している(あるいは立候補が確実視されている)人たちが出そろった時点で、いくつかのメディアが実施する世論調査などを参考に検証する必要があります。

ただ、ここでひとつ、参考になる情報があるとしたら、これまで実施された選挙での得票数やランキングです。

総務省ウェブサイト『参議院議員通常選挙 速報結果』では、第21回(2007年)以降の参議院議員通常選挙に関するデータが収録されているページがあるのですが、東京選挙区に関し、齊藤氏が参議院議員選挙で当選した2010年、2016年、2022年のそれぞれの結果を拾うと、興味深いことがわかります。

まず、2010年に関しては、齊藤(当時の氏名は「村田蓮舫」)氏は、なんと170万票を超える得票で、圧倒的なトップ当選を果たしていたことがわかります(図表1)。

図表1 参議院議員通常選挙(2010年・東京、定数5名)
候補者と政党 得票数 得票率
村田蓮舫(民主党) 1,710,734 28.06%
竹谷とし子(公明党) 806,862 13.23%
中川雅治(自由民主党) 711,171 11.66%
小川敏夫(民主党) 696,673 11.43%
松田公太(みんなの党) 656,029 10.76%
その他の候補者 1,516,299 24.87%
合計 6,097,768 100.00%

(【出所】総務省データ。所属政党、候補者氏名は当時のもの)

当時の東京選挙区の投票総数が6,097,768票でしたので、その全体の4分の1を大きく超える票を、齊藤(村田)蓮舫氏が1人でかっさらっていた格好です。2位で当選した竹谷とし子氏の806,862票と比べると、倍以上の得票数でもあります。

これだけの票を獲得できる人物ならば、毎回、候補者が乱立することで知られる東京都知事選でも、かなりの健闘が予想されるところです。

選挙のたびに得票を激減させてきた

ところが、その6年後の選挙は、どうだったのでしょうか。

2016年の選挙では、東京の定数は5人から6人に増えているのですが、齊藤(当時の氏名は「村田蓮舫」)氏は前回に続き、100万票を超える得票で、やはり圧倒的な1位となっています(図表2)。

図表2 参議院議員通常選挙(2016年・東京、定数6名)
候補者と政党 得票数 得票率
村田蓮舫(民進党) 1,123,145 18.05%
中川雅治(自由民主党) 884,823 14.22%
竹谷とし子(公明党) 770,535 12.38%
山添拓(日本共産党) 665,835 10.70%
朝日健太郎(自由民主党) 644,799 10.36%
小川敏夫(民進党) 508,131 8.16%
その他の候補者 1,626,107 26.13%
合計 6,223,375 100.00%

(【出所】総務省データ。所属政党、候補者氏名は当時のもの)

ただ、得票数が100万票を超えるのは大したものではありますし、得票「数」でいえば前回と比べ587,589票も減っており、得票「率」でいえば、前回の28.06%から10ポイント以上下げています。

また、当選順位に関しても、相変わらず「1位」は「1位」なのですが、「圧勝」ではなくなっています。2位に2倍以上の差をつけて当選した前回と比べ、2位の中川雅治氏に238,322票にまで差を詰められてしまっている状況です。

そして、直近、すなわち2022年の参院選は、いったいどういう状況だったのでしょうか。

なんと、齊藤氏は得票数で100万票を大きく割り込み、670,339票にとどまりました。前回から一気に452,806票を減らしています(図表3)。

図表3 参議院議員通常選挙(2022年・東京、定数6名)
候補者と政党 得票数 得票率
朝日健太郎(自由民主党) 922,793 14.72%
竹谷とし子(公明党) 742,968 11.85%
齊藤蓮舫(立憲民主党) 670,339 10.69%
山添拓(日本共産党) 658,224 10.50%
生稲晃子(自由民主党) 619,792 9.89%
山本太郎(れいわ新選組) 565,925 9.03%
その他の候補者 2,088,723 33.32%
合計 6,268,764 100.00%

(【出所】総務省データ。所属政党、候補者氏名は当時のもの)

しかも、得票順は自民党の朝日健太郎氏、公明党の竹谷氏に続く3位であり、すぐ下には日本共産党の山添拓氏に迫られています。つまり、2010年の1,710,734票と比べ、この12年で1,040,395票減らしているのです。

大事なのは「政治家の生活」ではなく「有権者の生活」

どうして齊藤蓮舫氏がここまで票を減らしているのかの「理由」、すなわち「政治家としての『賞味期限』が切れたから」なのか、それともなにか他に理由(国籍問題など)があるのか、などについてについては、本稿では敢えて言及することはしません。

しかし、数字「だけ」で見れば、少なくとも2010年以降の3回の選挙において、齊藤氏は得票を大きく減らしていて、この「減少率」が続いた場合には、次回(2028年)の参院選では落選のリスクも現実味を帯びて来ることは間違いありません。

なにより、政治家の方であれば、自身の政治家としての当選可能性などについては、薄々感づいていらっしゃることでしょう。

こうした状況を踏まえるならば、齊藤氏がここでリスクを取って、東京都知事への転身を図るというのは、ひとつの判断なのかもしれません。

その判断が齊藤氏自身にとって、凶となるか、仇となるかは知りません。

とりあえず齊藤氏自身のご多幸を(いちおうは)お祈りしておきたいと思いますが、正直、政治家の方々の生活よりも、「私たち有権者の生活」、すなわち「誰が政治家になることが結果的に公益に資するのか」の方が、有権者にとっては遥かに重要な話でもあります。

その意味で、身も蓋もありませんが、東京都民の皆さまには「どの候補者が最も東京都民の利益になるのか」という視点だけで、投票行動をお願いしたい、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (35)

  • 東京15区の補選は候補乱立の結果、立憲有利となりました。
    立憲共産票票は多くないけど割れない。

    普段自民系に入れてるもののお灸を据えたい層は、立憲共産は論外としても、それっぽいお題目の候補がいれば敢えて選ぶような、そんな時期なのだと思います。
    石丸市長以外にも目立った人が出馬する、なんて噂が流れてますが、まあ都知事選なんでいつも通り乱立は必至なのでしょう。

    うだつの上がらない立憲の一議員でいるよりは都知事の方がまだ次の可能性はありそうな気がします。
    都知事選って、初の女性首相を狙う人の定番ルートになりそうな感じ。
    (なれるとは限らない)

  • 民主党の仕分けごっこ劇場で
    魔女狩り裁判にかけられたのが
    なぜだか、すでに当時世界から
    成功を期待されてた
    スパコンとはやぶさのJAXAだったのは
    それが半島さんのご所望だったからだと
    今では見透かされています。

    予算カットでのリストラ技術者ゲットして
    大韓科学宇宙技術の飛躍的発展ウッシシ
    目指した半島と日本の民主党のコラボは
    頼みの民主党政権が、あっという間に
    叩き出されてしまい潰えてしまったようです。

    国籍正体不明の斎藤村田謝蓮舫さんですが
    2位じゃだめ・・ なのではなくて
    ニダだから(?)ダメなのです。

  • 蓮舫さんの対抗馬ですが,都議会自民党は小池さん推しで,国会自民党はどうするのか不明。個人的には国会自民党が小池さんを推すとは思えないので,自民は分裂選挙かな。蓮舫v.s.小池でもいい勝負かも。学歴問題はどうなったかな。

  • 今年2月、立憲執行部は野党統一候補として蓮舫に都知事選出馬を打診。
    だが蓮舫は答えを出さず様子見とした。

    その後の衆院3補選、目黒区長選、静岡知事選、目黒区議補選…

    自民と小池は候補者や応援者がすべて惨敗。
    立憲は目黒区長選を除き勝利することで蓮舫は出馬を決意。

    まさに英断である。

    小池は強大であり必ずしも勝てるとは断言できない。
    だが勝てるタイミングは今回しかなかったことは確かだ。

    そもそも立憲は小池に「排除」されたリベラルが枝野を中心にして集結したもの。
    その立憲(蓮舫)が小池を倒すというのは立憲の悲願であり歴史的使命なのである。

    蓮舫は気張らず落ち着いて望めばよい。

    都知事選に敗れても次回衆院選で当選できる。
    気楽な気持ちで小池と戦えばよいのだ。

    私がここで何回も書いているように極左の躍進は日本を明るくする。

    ・緑のタヌキから赤のキツネへ

    絶対に負けられない女同士の戦いが、ここにある!

    • 懲りずにまたしゃしゃり出てきましたか(呆れ)。

      >私がここで何回も書いているように極左の躍進は日本を明るくする。

      諄い様だが、絶対にそれはないから!
      15年前の「あの悪夢、そしてあの悲劇を忘れたと」は言わせないぞ!

    • nanashi 氏

      >諄い様だが、絶対にそれはないから!
      >15年前の「あの悪夢、そしてあの悲劇を忘れたと」は言わせないぞ!

      極左野党支持者は心から本当にそうであると考えているのです。

      まあ、私だってここでそれが受け入れられるとは考えていませんが。

  • 相変わらず蓮舫氏のアカウントは許可したユーザー以外の返信を許さない状態。
    そしてついている返信はどれもこれも蓮舫氏に好意的な物。

    「この打たれ弱さは相変わらずだなあ」と思ったものの、
    「もしかして引退のチャンスを伺っているのか?」とも思いました。

    いつまでも議員では居られなさそうならいっそ博打に出て、
    その博打に負けたら引退して優雅な余生……そんな狙いがあるのかな?

  •  蓮舫は嫌いだが、小池百合子はもっとキライ。
     今回の都知事選は、どちらがより嫌かの争いかな。
     今でも敬愛する安倍元首相が「彼女の弱点は、驚くほど実務が苦手な点です」と語っていたことを、思い出す。「上昇志向があるのは良いが、上昇して何をしたいのかが、見えてこない」とも。
     「都民ファースト」というネーミングは秀逸そのものとは思うが、小池都政の実績といえば、これといったものは何もない(豊洲市場移転の延期は何の意味があったの?)。
     願わくば、国民の「自民党を罰したい」感の盾となって、その思いを充足させ、国政選挙への影響を抑える役割を果たしてもらいたい。

    • taku様。

      ワタシも蓮舫はキライ。そして小池百合子はもっと嫌いです。

      蛇足です。
      大阪市民のワタシは何も出来ませんが、より、マシな方に精神的に応援します。

  • 率直な感想としては「国政から逃げた」です。
    このまま国政で戦って落選する不名誉を避けた形でしょうか。

    誰かが「赤いきつね(蓮舫)と緑のたぬき(小池)」ってのを聞いてうまいな!と思いました。
    狸も狐も人をばかすという意味では同じなのかもしれません。

    • 「赤い狐と緑の狸」

      他に

      「国籍疑惑 vs 学歴疑惑」(長年のくすぶりネタ)

      とか

      「オール東京 vs 都民ファースト」(言ったもん勝ち競争か)

      P.S.

      都立の学校潰して、半島系の学校が建ちますでしょうか?

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