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政治家に辞任を求めるならマスコミにも廃業求めるべき

上川陽子外相の「産まずして何が女性か」発言を巡って、ネット上では一般人の批判が続いています。「批判」、といっても、上川氏に対する批判ではありません。メディアに対する批判です。正直、辞任を求めるべき相手は上川氏ではなくマスコミ経営陣でしょう。また、政治家にとっての「辞任」は廃業と同じようなものですので、廃業を求めるべき相手は政治家ではなくマスコミではないでしょうか。

麻生太郎は漢字が読めない、ホッケを煮つけにして喰う

かつての麻生太郎総理大臣に対てオールドメディアから寄せられた、「漢字も読めない、カップラーメンの値段も知らない、ホッケを煮つけにして喰う」といった趣旨の批判に、私たち一般国民はコロッと騙され、2009年8月の総選挙では、有権者は自民党を大敗させました。

当時、メディアは「自民党にお灸を据える」、などと怪気炎を上げていたのですが、現実に「お灸を据えられた」のは自民党ではなく、我々有権者の側でした。

日本は米国、中国との関係を大きく損ねましたし、東日本大震災という天災があった、という事情はあるとはいえ、その後の原発稼働停止や復興増税、消費増税、あるいは再エネ賦課金制度などは、現在まで日本経済を痛めつけているなど、明らかな「人災」でしょう。

政権が自民党に戻ってからもう12年も経過するにも関わらず、今でも民主党政権の「負の遺産」が日本経済にドッカリと居座っていて、電気代の高騰や貿易赤字などは、日本経済を苦しめ続けています。

誤った情報をもとにした一時の感情で無責任な投票行動を取ったら、こうなってしまう、というわけです。

もっとも、自民党を大敗させた有権者が反省したためでしょうか、2012年12月以降に関していえば、大型国政選挙では、民主党とその後継政党(民進党や立憲民主党など)は8回連続して敗北し続けています。

これなど、有権者が「反省した」証拠といえるのかもしれませんし、民主党やその残党は「選挙で敗北し続ける」という形で責任を取らされているのかもしれません(個人的に、自民党が優れた政党だとはまったく思いませんが、少なくとも民主党やその残党と比べたら、遥かにマシなのかもしれません)。

責任を取らないマスメディア、今度は上川発言報道問題

ただ、2009年の政権交代を主導した「もうひとりの犯人」であるところの、新聞、テレビを中心とするオールドメディアは、責任を取っていません。

それどころか、隙あらば、2009年スタイルの虚報を繰り返そうとしているフシがあります。

こうしたなかで改めて取り上げておきたいのが、「上川外相発言報道問題」です。

昨日の『上川陽子外相「産まずして何が女性か」に見る報道問題』では、共同通信を中心とするいくつかのメディアによる、上川陽子外相の発言に関する問題報道を取り上げました。

これは、上川氏が18日の静岡県知事選の応援演説で「産まずして何が女性か」と発言したと報じられ、上川氏自身は翌・19日、「私の真意と違う形で受け止められる可能性があるとの指摘を真摯に受け止める」と述べ、発言の撤回に追い込まれた、という騒動です。

その過程で、野党関係者などを中心に、「産まずして何が女性か」、といった発言は、何らかの事情で子供を産むことができないすべての女性に対する差別的な発言にあたる、といった趣旨の批判も相次ぎました。なかには「辞任せよ」、などの声もあります。

「炎上」しているのはマスコミの方だった!

ただ、当ウェブサイトの読者の皆さまならお気づきかと思いますが、この発言、ネット上で「炎上」を続けているのです。

なぜか。

それらの意見の圧倒的多くは、「上川外相を批判する意見」、ではありません。

「上川外相の発言を報じたメディアに対する批判」、です。

そもそも事実関係を調べていくと、上川氏は「子供を産まずして何が女性か」、などと発言していません。上川氏の「産む」は、「自民党の応援する候補者を知事に当選させる」という意味合いであることは、発言の前後から明らかです。

しかも、共同通信は、日本語版の記事はその後、記事のタイトルや本文を何度か差し替えているようであり、このことについては『事実を整える』というウェブサイトに5月19日付で掲載された次の記事で、詳しく指摘されています。

共同通信が上川大臣発言切り取り報道「(この方を)うまずして何が女性か」タイムスタンプも改竄

―――2024/05/19付 『事実を整える』より

同サイトによれば、共同通信は当初、上川氏の記事について、「産まずして」というタイトルで報じていたのですが、途中からひらがなで「うまずして」にシレッと改題するなど、タイトルや本文を修正しているようなのです。

ただし、共同通信の記事を現時点で読んだ限りでは、「上川氏が『子供を産む』という意味で発言したわけではないが、そのような誤解を与えうる」、などとする趣旨の記述になっているようですが、これが英語版の記事だと明らかに「アウト」です。

晴川雨読』というウェブサイトを運営するXの同名ユーザーの方(@Seisenudoku)は、「動かぬ証拠」として、こんなリンクを呈示しているのです。

Japan minister queries women’s worth without birth in election speech

―――2024/05/18 20:46付 共同通信英語版 “KYODO NEWS” より

これによると、共同通信英語版の記事では、記事の表題部分ではっきりと「日本の大臣が選挙演説で出産していない女性の価値を問いかけた」、などと述べています。正直、ここまでくると「印象操作」というよりも、もはや「捏造」レベルに片足を突っ込んでいる、という言い方すらできるかもしれません。

上川氏続投は「当然の判断」

さて、上川氏の「失言」(※正確な発言内容を見ると到底「失言」とはいえませんが)を巡って、時事通信が20日、こんな記事を配信しています。

岸田首相、上川外相続投の方針 「うまずして」発言、野党批判

―――2024/05/20 18:46付 Yahoo!ニュースより【時事通信配信】

時事通信によると、政府関係者は20日、上川外相が「うまずして何が女性か」と発言した「問題」(?)について、岸田文雄首相が「その後撤回しているとして問題視せず、上川氏を続投させる方針だ」と明らかにしたのだそうです。

逆に、この発言をもって上川氏を更迭するとなれば、そちらの方が逆におかしな話でしょう。

ただ、それ以上に面白いのは、この『Yahoo!ニュース』の記事についている、一般読者によるものと思しきコメントの数々です。

上川氏の発言は「女性を侮辱するものだ」、などとする批判もないわけではありませんが、高い評価がついているコメントの多くは、上川氏に対してではなく、報道に対して批判的です。

また、読者コメントの中には、共同通信の記事が第一報以降、タイトルなどを読者に黙ってこっそりと差し替えていたことや、英語版では「出産していない女性」と書いたことなどを指摘する意見もあるなど、マスコミが報じた内容の虚偽を一般読者が怒りを伴って指摘している、、という例が見られるのです。

進退を問うべきは上川氏ではなくマスコミの方ではないだろうか

そして、なかには、こんな趣旨の指摘もあります。

進退を問うべきはこの場合、上川氏ではなくマスコミの経営陣のほうではないだろうか」。

なかなかに、強烈なカウンターパンチです。

もしも上川氏が本当に女性全てを侮辱するかのような発言をしたならば、上川氏に対して「辞任しろ」と要求するのは、政治的主張としてはあり得ないわけではありません。

しかし、「不適切発言をした政治家は辞任すべき」とする主張が成り立つならば、今回のように、明らかに報道が不適切であるという事例においては、その報道機関の経営陣に「辞任しろ」と主張しなければおかしくないでしょうか。

あるいは、政治家にとっての「辞任」は「廃業」と同じようなものですので、政治家に「辞任しろ」と要求する人がいれば、もしその「辞任しなければならない原因」の発言が報道機関の虚偽だった場合、その報道機関そのものに対して「廃業しろ」、と主張しなければおかしくないでしょうか。

いずれにせよ、ここまでインターネットが発達したのですから(しかも分野によってはすでにインターネットの方が社会的影響力でオールドメディアを上回っているのですから)、マスメディアが虚報を行った場合に、有権者がおめおめと騙される時代ではありません。

このあたりのネットの反応に、新時代の到来を予見する次第です。

新宿会計士:

View Comments (17)

  • ペンは剣よりも強し

    マスコミの報道は今回のように大きな影響を及ぼします。
    ましてや虚偽捏造報道ともなれば民主主義が脅かされます。

    不思議なことですが大手マスコミが今回の件を含めてマスコミ業界の不祥事を深く追求することはしません。
    お互いかばい合っているんです、美しい仲間意識ですね。

    つまるところ報道の自由度が低いのはマスコミの忖度です。
    何故か政府のせいと責任転嫁するのは意味不明です。

    正直マスコミの情報は半信半疑に受け止めています。
    タイムスタンプ改竄や記事のサイレント修正など報道として信頼が置けません。
    自浄作用が期待できない以上日本は衰退していくのでしょう。

    • >自浄作用が期待できない以上日本は衰退していくのでしょう。

      素直に考えたなら、悪い奴らがその影響力を失っていくなら、日本はよくなっていくのでわ?

      寄生するツル植物や回虫を除去したら、普通は健康になりますからね。

    • >>ペンは剣よりも強し

      まあ、他国と共謀しての嘘捏造で
      露見した今でも日本に謝罪と賠償せびる
      朝日新聞さんたちにとっては、

      『ペ テ ン は 剣 よ り も 強 し』
       だと考えているのでしょう (^.^);

  • タイトルと本文で表現を変えるというのは、東スポからの日本のマスゴミの伝統ではないでしょうか。
    蛇足ですが、古代アテネや田中芳樹(著)の「銀河英雄伝説」をみると、衆愚政治になれば民主主義がなくなることも、あり得るのではないでしょうか。

  • 政府が「撤回したからそれまでだ」などと守り一辺倒なのは物足りない。経緯と手口を名指しで公開するくらいはしたほうがいいのではないか。
    一般企業、大学、医療機関などが書類を改竄したら、ここぞとばかり叩くのにね。官庁や自治体の場合は、癒着があるからか、事案によって小出しにしたり隠蔽したりという感じ。
    まあ、ウソ書いても利益が損失を上回っているなら、やりたい放題になるでしょうね。

  • マスコミは(ペンネームでもいいので)署名記事にして欲しいですね。
    記事タイトルにマスコミ社名と記者名が入っていれば、記事を読む前に心の準備ができるのでそれもお願いしたいです。

    本音で言えば記者を辞して欲しいですがそこまでの人事権はないですし、ミュート機能が欲しいところです。

  • > 共同通信英語版の記事
    ここまでくれば『捏造』されていると断言していいと思います。
    すごく不思議なのが、ここまではっきりと捏造され攻撃され貶められているにもかかわらず、政府は「その後撤回しているとして問題視せず」とか、まるで自分たちが悪かったような、そういう態度しか取れない事。もし、立憲民主党にこんな報道があれば、喧しく共同通信を攻撃しているんじゃないかと思います。

    言論の自由との兼ね合いもあると思いますが、明らかな不正はしっかりと批判し、対処しなければならない、と言うか、むしろして欲しいと思う。そうしないとまた繰り返される。マスコミは殴っても殴り返してこない連中には徹底的に攻撃する傾向があるように思う。こういう時こそ、連中に一矢報いるのもいいのではないかと思います。(言うのが怖いのかな・・・)

  • 奴らと同じ穴の狢であるBPOの存在価値はゼロなので、やはり第三者機関の審査機構は必要。
    放送法も改訂し、放送法専門の警察機構を設置すべきかも。
    悪質な捏造、故意に対象を貶めるために行った恣意的な記事の書き方、実刑付きで取り締まりそれぞれのメディアの持つ免許を運転免許同様減点方式にし、点数がなくなったら免許剥奪。
    点数が逸失する紆余曲折上悪質とみられる場合は再取得も不可に。
    それくらいやってきっちり取り締まらなくてはマスゴミのやりたい放題は収まらない。

  • 政治家の辞任に相当するのは、マスコミに当てはめたら記者の引退
    マスコミの廃業に相当するのは、政治家に当てはめたら政党の解散とその党の議員の全員が辞職する事

  • 悪意に満ちた共同通信社の曲解は酷いものですね。
    言論の自由は、虚偽報道の免罪符ではありません。(怒)

  • 相変わらずワイドショーはトーンは低いが上川発言についてのみで
    切り取り捏造については知らぬ顔です。
    要するに、マスゴミには自浄作用がないってことです。

  • 虚偽や捏造そして切り取り記事など、やりたい放題のマスコミはまさに民主主義の破壊を狙っているとしか思えません。
    立派な反社会的勢力ですね。
    自らが言論の自由を破壊していることが理解できないのでしょうか?

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