長年、ウェブ評論サイトを運営していると、さまざまな読者コメントと出会います。これらの読者コメントの多くは非常に有益で有意義なものでもあります。こうしたなかで、読者の皆様に改めてお伝えしておきたいのは、当ウェブサイトは読んでくださった方々の知的好奇心を刺激する場でありたい、という思いであり、こうした知的好奇心の刺激は、読者コメントも含めてのものでもある、ということです。
目次
ウェブ評論サイトと読者コメントの意味
ウェブ評論サイト8年目の原点回帰
山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士は、このウェブ評論サイト『新宿会計士の政治経済評論』を運営し始めて、もうすぐ8年が経過します。ただ、「8年目」であろうが何年目であろうが、常に原点回帰は必要でしょう。
当ウェブサイトを開設するにあたって、著者自身が決めていた方針は、基本的に次の3つです。
まず最初は、①読んでくださった方々の知的好奇心を刺激するような話題の選定に努めること。
具体的にいえば、多くの読者の方にとって、「文章を読んでいて楽しい」、「もっと読みたい」、などと思えるような体験を提供することです。
続いて、②議論の透明性・議論のトレーサビリティ(追跡可能性)を確保すること。
客観的事実と主観的意見をはっきりと分け、可能な限り、誰もが入手可能なデータ、事実関係などを議論の出発点とし、それらのデータないし事実関係がわかるリンクを示すとともに、そこから一定の結論を導き出すまでの思考過程を、読んだ人がトレース(追跡)可能である、とする状態を作ることです。
そして③読者コメント欄を開放すること。
せっかくインターネット空間で議論をしているのですから、ウェブサイト運営者からの一方的な情報発信で終わらせるのではなく、そこに読者コメント欄を設けることで、読んでくださった方々がどういう感想を抱いたかを自由に書き込んでいただけるようにする、という方針です。
モデルケースは鈴置高史氏
この3つの方針、貫徹できているかどうかはともかくとして、基本的には現在でも(自分の中では)ブレていないつもりです。
最初の「①読んでくださった方の知的好奇心を刺激する記事」や「②議論のトレーサビリティ」については、モデルケースがあります。
当時は日本経済新聞社の編集委員だった鈴置高史氏が日経ビジネスオンラインに連載していた韓国・朝鮮半島に関する一連の論考は、まさに「読みだしたら止まらない」、「目からウロコがごっそり落ちる」、という体験ができる、という意味で、本当に新鮮なものだったのです。
残念ながら、当ウェブサイトの論考は鈴置論考ほどに精緻な議論が組み立てられているとは言い難く、鈴置論考の足元にも及ばない、という状況にありますが、それでも鈴置論考のような「読んでいて面白く、客観的な証拠がてんこ盛り」という論考は、常に念頭に置いているテーマのひとつ、というわけです。
じつは読者コメント欄が非常に大事だが…
そして、3番目の「読者コメント欄」に関しても、①知的好奇心、②トレーサビリティという2要件を支えるうえで、大事なファクターだと考えています。
これは、「当ウェブサイトの主張内容に無条件で賛同してくれ」、「異論は認めない」、という意味ではありません。
むしろ、当ウェブサイトの議論の穴を、読んでくださった皆さまに発見してもらい、それを指摘してもらう、という意味もあります。
ウェブ評論サイトを開設した当初は、「炎上したらどうしよう」、「ねちっこく揚げ足取りをされたらどうしよう」、といった不安がないわけではありませんでした。
しかし、実際にウェブ評論サイトを開始してみると、当ウェブサイトの議論を盲目的に褒めそやすようなコメントは非常に少なく、多くが当ウェブサイトの論考を補足してくれたり、議論の至らない点を指摘してくれたり、あるいはまったく新しい視点を提供してくれたり、といった秀逸なコメントで溢れたのです。
これは、本当に意外でした。
これに関しては、読者の皆さまには本当に深く感謝せざるを得ません。自分自身の知識の幅を広げることにもつながったからです。
ただ、その一方で、やはり長らくウェブ評論サイトを続けていると、問題コメントに出会うことも増えてきます。
単純な罵倒コメントに始まり、ウェブ主や他の読者様に対する人格攻撃であったり、酷い場合は犯罪予告であったり、といったコメントも、ごく少数ながら存在しています(なかにはコメントの内容からそのコメント主の職種や具体的な勤務先までバレバレ、という事例も、ごく一部にはありました)。
こんなコメントは削除しますよ!
この点、当ウェブサイトでは「コメントのレベルが低い」、「当ウェブサイトの主張に反している」などの事情でコメントを削除することはしていません。コメントを削除する事例は、基本的に、当ウェブサイトが定めるコメント基準(以下に抜粋)に明確に反した場合に限定しているつもりです。
当ウェブサイトにおいて削除対象となるコメント
- ポルノサイト、詐欺サイトなどに誘導するスパム・コメント
- 明らかな著作権侵害
- 複数ハンドルネームの使い分け
- 次のような公序良俗に反するコメント
- 個人情報を晒す
- 個人を誹謗中傷
- 性的・わいせつ・低俗な書き込み
- 特定企業・特定国・特定民族を必要以上に侮辱
(【出所】『当ウェブサイトの基本方針(2020/05/25版)』)
ちなみにこれらの基準に反するコメント、スパム・コメントについては最初から自動判定で削除していたのですが、それ以外のコメントについてはいちおう「ルール違反」を警告したうえで、是正が見られなければ削除する、といった扱いをしていました。
しかし、ネット上のさまざまなルール(たとえばいわゆるプロバイダ責任法など)も厳しくなっている、といった事情もあり、最近では警告なしに削除する方針に切り替え、悪質なユーザーについては一定期間、アクセスやコメントを禁止する、といった措置も導入していたりします。
また、非常に残念ながら、特定の国籍・民族全体を不当に貶めるようなコメント(たとえば「XX人は低脳だ」、など)、ジェノサイドを想起させるコメント(「XX人は地球からいなくなってしまえ」、など)、さらには読者同士の度を越えた罵り合いなども、ごく稀にですが、発生し続けています。
このあたりは正直、ささやかながら当ウェブサイトがウェブ上の言論のプラットフォームとして機能するよう、読者の皆さま方にもご協力を賜ると幸いです。
悪い円安論をどう捉えるか
円安は良い?悪い?
さて、本稿も長々、ダラダラと駄文を連ねたところで、本題に入ります。
当ウェブサイトで読者コメント欄を広く開放している大きな理由は、基本的に、ウェブ主の独りよがりな議論に陥ることを避けることにあります。また、読者の皆さまにも議論に参加していただくことで、知的好奇心をさらに刺激するような議論が発生することも期待している次第です。
こうしたなか、最近の当ウェブサイトにおけるいくつかの議論で、「コメント削除基準」にはまったく抵触していないものの、正直、読んでいてモヤモヤしてしまうコメントが散見されるようなのです。
気になるテーマはいくつかあるのですが、たとえば「悪い円安」論については、その典型例のひとつです。
円安は経済理論的にいえば、日本経済に対し、本来ならば良い影響も悪い影響ももたらします。
しかし、『【総論】円安が「現在の日本にとっては」望ましい理由』などを含めて何度か議論してきたとおり、「いくつかの数字を集めてみたら、悪い影響より良い影響の方が大きい」、とする暫定的結論に至っています。
大きく5つの効果を考えてみよう
この点、当ウェブサイトでは可能な限り、客観的に確認可能なデータを集めているつもりですし、「なぜそう考えられるのか」といった理論的な背景を含め、できる限り噛み砕いて、毎回、くどいほど丁寧に(?)説明して来たつもりです。
ざっと要約すれば、次の通りです。
- ①輸出への好影響。日本では「川下産業」そのものは廃れてしまっているものの、「川上産業」がしっかりと残っているため、条件さえ整えば、輸出が大きく伸びる余地がある
- ②輸入への悪影響。とりわけ短期的に見て、輸入品物価の上昇は懸念材料だが、日本の輸入品は単純組立品や軽工業品などが多く、次の③に示す輸入代替効果が働きやすい
- ③輸入代替効果。「川下産業」が日本に戻ってくれば、日本の輸入の多くを占める「川下産業」製品の多くが国産化され、貿易赤字が削減される効果が期待される。ただし電力・労働力の安定供給に課題がある
- ④資産効果。日本の事業法人、金融法人などが保有する巨額の外貨建ての対外資産からおおきな含み益が生じ、また、利配収入が大きく増える効果が期待できる
- ⑤負債効果。円安で外貨建ての負債の返済負担はふえてしまうことが懸念されるが、統計上、日本の外貨建ての対外債務は経済規模に比し極めて少ないため、日本経済への悪影響は限定的
そして、この①~⑤のそれぞれに関する「証拠」として、たとえば貿易統計(輸出入品の概況品目別内訳)や国内の賃金・有効求人倍率、企業の経常利益水準に関する法人企業統計、対外資産負債状況を示す資金循環統計や国際与信統計、株価(インデックスや時価総額)などのデータを示してきたつもりです。
つまり、当ウェブサイトのスタンスとしては、「日本では為替変動が発生するのは当たり前であり、それについては避けようがないが、せっかく円安になっているのならば、その円安メリットが最大限生じるよう、政府としても支援を惜しまないでほしい」、といったところです。
具体的に政府に求めたい「支援」のなかでも最たるものは、電力の安定供給と電気代の引き下げです。
端的にいえば、原発の再稼働を果敢に進めていくとともに、再エネ賦課金制度などについても不断の見直しを行うこと、さらにはインフレの進展に合わせた所得税や法人税などの税率の見直し(いわゆるブラケット・クリープ対策)などです(もっとも、これらの項目は円安であろうがなかろうが、やらなければならないものですが…)。
そして、政府による適切な支援などが行われるかどうか、など、条件次第ではあるものの、現在の円安が長期化すれば、そのメリットがデメリットを大きく上回るだろう、などと述べ続けて来たつもりです。
情緒的すぎる!世の中の「悪い円安」論
ただ、非常に残念な話ですが、やなり世の中的に見ると、情緒的な「悪い円安」論を唱えるメディアも非常に多く、なかには円安メリットの証拠である経常黒字についても、「これは悪い経常黒字だ」、などと言いたいような記事もある始末です(『経常黒字は過去最大も…「悪い経常黒字論」にご注意!』参照)。
くどいようですが、当ウェブサイトとしては、「円安が日本経済にとって悪いことだ」、とする議論を否定するつもりはいっさいありません。
ただ、現実のデータで見ると、たとえば▼邦銀国際与信、▼株価・時価総額、▼企業業績、▼第一次所得収支の黒字――などの指標が過去最大となっているなど、「円安はトータルで見て日本経済に良い影響をもたらしている」とする当ウェブサイトの主張を覆すだけの根拠が見当たらないのです。
この点、個人的に、「円安が日本経済に対し、悪い影響を与えている」という証拠を示してくれる人が出てくるのを、首を長くして待っているのですが、残念なことに、そうした主張を見ることはないのです。
というよりも、「円安で日本経済が痛めつけられている」とする主張を見ると、それらの多くは数字を伴っていません。酷い場合には漠然としていて抽象的な主張すら見られます。代表的なものでいえば、こんな具合です。
現在の日本には輸出企業はない(から①の輸出効果は生じない)
→「現在の日本には輸出企業がない」とする主張に根拠がない。現実に日本企業は半導体製造装置などの高付加価値品を含め、少なくとも年間80兆円以上を輸出している
円安で庶民の生活は苦しくなっている
→物価上昇の影響は円安だけが原因とは限らない。また、軽工業品などを中心に、(条件次第だが)輸入代替効果が生じる可能性は高い
円安で中小企業が苦しんでいる
→そのようなデータでもあるのですか?(ちなみに法人企業統計で見ると、中小企業も含め、むしろ企業は過去最高益を計上している)
資産効果も一部のカネ持ち、大企業に限定された話で、我々庶民には関係ない
→年金基金などは相応に外貨建ての投資を行っており、資産運用益は一般の日本国民にとっても年金受給権などを通じて多大な恩恵をもたらす(というか、そもそもこの方のおっしゃる「庶民」とは何者)?
資産効果も円建てで生じている話でありドル換算したら消えてしまう
→意味不明。日本の通貨は円であり、日本企業にとっての機能通貨も園であって、ドルではない。なぜ日本企業がドルベースで投資評価をしなければならないのか
…。
正直、議論としてはお話にならないレベルです。
反論ならば説得力のあるものが聞きたい
この点、先ほどから何度となく指摘している通り、「良い円安」論(?)にもいくつかの深刻な欠陥があります。
まずもって、せっかくの円安であっても、電力供給不安や労働力供給不安などがあるため、製造業の国内回帰が進まない可能性があるほか、原発再稼働が進まないなかでエネルギー価格が高止まりすれば、電気代も高騰し、産業にも悪影響が生じて来る可能性は十分にあるでしょう。
「悪い円安」論者の皆さまが、こういった観点から円安の悪影響を議論しているのならば、まだ話はわかります。
しかし、「悪い円安」論の論拠が「庶民生活がどうだ」、だのといわれても、「知的好奇心を刺激する」という観点からは、まったく役に立たないのです。
この点、当ウェブサイトの論調に反論するコメントのすべてが無益だ、などということはありません。
最近少し感心したのは、太陽光発電に関し、「じつは『悪さ』をしているのは1kWhあたり40円という法外な価格での買取が決まった古い発電施設だ」、とする指摘です。これについては個人的に、まだ完全にファクトチェックが済んでいるわけではありませんが、もしこれが事実だとすれば、なかなか新鮮な視点です。
調べてみる価値はありそうです。
読者投稿という手段もありますよ!
いずれにせよ、当ウェブサイトにおける大きな目的は、「読んでくださった皆様の知的好奇心を刺激するような議論の提供」にあり、論拠がしっかりしていれば、当ウェブサイトの主張を真っ向から批判するものであってもまったく構いませんし、むしろそうした意見こそ歓迎したいと思います。
また、当ウェブサイトでは読者コメント欄で飽き足らないという方のために、「読者投稿」というシステムを採用しており、基本的にはどなたでも、記事を執筆し、ご寄稿いただくことが可能です。
投稿要領については『読者投稿の募集と過去の読者投稿一覧』のページなどにも記載しているとおりで、採用する条件は「▼オリジナルの論考であること、▼論旨明確であること、▼読んでくださった方々の知的好奇心を刺激するような内容であること」――などの要件を満たしていること、です。
その際、当ウェブサイトの普段からの論調や主張などと整合している必要はありません。筋道さえきちんと立っていれば、極端な話、当ウェブサイトの論考を批判するような内容であってもまったく問題ありません。
ただし、読者投稿に関しては、せっかくお送りいただいても、採用しないこともあります(その場合であってもとくに通知しません)。読者コメントと違い、読者投稿は、文章にそれなりのクオリティ(論理的整合性、論拠の正確性など)を要求するからです。
いずれにせよ、当ウェブサイトは山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士の独擅場ではなく、むしろ読者の皆さまとページを作っていく場であるという点につきましては、改めて指摘しておきたいと思う次第です。
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1 2 次へ »>ドル換算したら
その国の経済が、外需に頼っているような国ならば、ひょっとしたら論ずる価値があるのかもしれない。普通は、比較し順位付けしマウントを取りたい人たちの議論のツールではないかなと思います。
その国の経済自体を論ずるにドル換算の意味があるのかどうか?
原材料を輸入しないと経済が成り立たない国なら考慮しないといけないと思いますが?日本って石油が取れる様になりましたっけ?
>原材料を輸入しないと経済が成り立たない国なら考慮しないといけないと思いますが?
では聞きますが日本経済に於ける原油価格のGDP弾性値は具体的に何%ですか?
>日本って石油が取れる様になりましたっけ?
鉱物性燃料の価格上昇における円安の寄与度は?
ブログ主「数字」と仰ってるなら当然秒で答えられますよね?これらの数字を根拠付きで教えて下さい。その上でまだ「石油がー」とか言えるのですかね?
まさか
石油価格の経済に対して与える影響を定量化した事ない
なーんてことは無しですよ?
数字だけじゃダメでしょと言う人に対して、自分は数字も出さずに数字で話すべきと迫るとは…。何を言いたいんですか?いや、煽っているのではなく何を言いたいのか理解出来ないです。もしかして喧嘩売ってます?
上の匿名さん戸は別の匿名です。
>数字だけじゃダメでしょ
数字だけで全てが読めるとは限りませんが、少なくとも数字で証拠が出ている以上、その数字を否定できるロジックが必要です。
因みに数字で出て来ている議論を数字を使わないで否定するなら相当に高い説得力が求められます。貴方の議論に数字を否定するロジックはあるのですか?
私には、あなたの主張が全て数字で論破されているようにしか見えないのですが。
>原材料を輸入しないと経済が成り立たない国なら考慮しないといけないと思いますが?日本って石油が取れる様になりましたっけ?
ブログの原文、読みました?ブログ主さん、ちゃんと「円安の欠点は石油の輸入価格が上がること」ってはっきり書いてますよ?それを踏まえた上で、ブログ主さんはの文章を読めば「鉱物性燃料の輸入額は全体の4分の1だけど工業製品の輸出額は全体の80%」だから「円安による石油価格の上昇は輸出競争力の上昇で十分にカバー可能」って読めますよ?
もう1回言います。
貴方の主張には数字を否定できるロジックがありません。ブログ主さんも貴方のコメント読んで知的好奇心を刺激されないって苦言を呈されてるんじゃないでしょうか?
匿名にレスをつけると良くないですね。誰とはなしているかわからなくなる。これって複垢みたいなもんですよね。正確には逆複垢だけど。匿名にはレスしないように気をつけます。
つい数日前に、鳩山大先生が「GDPは今よりも民主党時代の方が高かった」などとポストされておりました。もちろんドル建てでした。むしろ数字を示さない方がまだマシだという稀有な事例を目の当たりにさせて頂きました。大先生が"本気だが稚拙"だったか、"悪意からだが稚拙"だったかは、知る由もありません。
さておき、批判すべきものを批判できる方が健全なのと同様、褒めるべきものは褒めたいところです。大政翼賛的という表現があるように、日本は(に限らずか?)体制や所属などを褒めるのは危険というような風潮があります。良いものは良いと言明できることと、陰りが見え劣化してきているのに良いものだと盲信することは、また別ですから。というわけで今後も注視=閲覧させて頂きます。
>数字が出てこない
分かります。このブログにも登場する「ま?さく」氏とかのことですね。
マルクスや共産党のことですね。分かります。
今回の円安が始まったころ元日銀理事がプライムニュースで「試算してみると経済には若干プラスだがコロナ禍でインバウンドの消費が伸びなければプラスが消えるかもしれない」と実にまっとうなことを言っていた。こういうまっとうな分析はメディアにとって面白くないのだろう。番組ディレクターはたぶん「ちっ、余計なこと言いやがって、この番組のテーマは悪い円安なんだよ」といったところだろう。
EVも同じ、トヨタがEVにそれほど積極的ではないことが気に入らないらしくテレビで「トヨタは周回遅れだ」と言っていた人がいた。2024年3月期のトヨタの営業益5兆円超えをどう説明するのだろう。
問題なのは「悪い円安」も「EV周回遅れ」も発言者が専門家ということ。
新宿会計士さまの運営方針に、心から賛同し、敬意を表します。
今後とも、このような運営を続けてください。
マスゴミも野党もよく使う「庶民は・・・」という言葉も「国民は・・・」並みに主語が大きいんですよね。対象が曖昧で議論には向いてない言葉。
「庶民」という言葉はやや自らを卑下して表すために使われることが多いですね。「我々庶民は気楽なもんだよ」「我々庶民には難しすぎてわかんねーや」などなど。「庶民は」を使う時には往々にしてそこに自分が含まれている。
逆にそこに自分が含まれないのに人々を「庶民」と呼んでしまう場合には、蔑みの意味合いが出てくるとも思います。
「おまえら庶民はなぁ、地べた這って生きてりゃいいんだよ」
そう言う表現はマンガ、小説、ドラマなんかでは見かけますけどね・・・
ま、遠回しに言っても伝わらないんだろうな。
ここでいう「庶民」とは、オールドメディアが設定した仮想の(理想の?)個人。個人の感想や体験談は、エビデンスではありません。ましてや、記事でよく紹介される「ネットの声」とやらは全くあてになりません。
①時間がない読者が、この狭いコメント欄に数字による分析なと書けるはずもありません。サイト主が双方向と言ったところで情報発信の非対称性は否めません。
②真壁昭夫氏やデービッド・アトキンソン氏の論文とかに目を通すと、少しは考え方がかわるかと思います。専門家ですから数字で話がされてます。
③統計の数字は見方によってはどうともなったりします。中国の統計の様に怪しい数字もあります。一番確かなのは、自分の家の家計簿です。しかし、公開する様なものでもないです。
④円安は輸出企業にとって良い円安でした。しかし、期間限定で当事者である企業経済者でもこれ以上の円安は望んでません。生活者にとっては言うまでもありません。
⑤メディア記者の円安論は薄っぺらいですが、レベルが低い相手と争っても仕方ないと思います。
まんさくさま
自分の家の家計簿は統計なんですか?
ご自分の言葉で説明しきれないなら、批判しないことですよ。
批判はするのに理由は説明しないんであれば、荒らし行為と言われても仕方がない。
根拠に基づいた論理的な説明を旨としているブログに対して、根拠も示さず宗教呼ばわりしてるんですけど、侮辱に近いと思いますよ。
発言を撤回するどころか上塗りしていくんであれば、きっとこれからもずっと言われ続けますよ。
>②真壁昭夫氏やデービッド・アトキンソン氏の論文とかに目を通すと、少しは考え方がかわるかと思います。専門家ですから数字で話がされてます。
まんさくさんって新宿会計士さんを「円安教の教祖」と評したんでしたっけ?
②の内容だと、まんさくさんが真壁昭夫教やデービッド・アトキンソン教の信者ってなっちゃうから、なんとか自分の経験と感覚と言葉で書かないと。
ちなみに、まんさくさんの家の家計簿を出す必要性は全く無いと考えます。
ちなみに、このサイトは「読者投稿」を受け付けているそうですよ。
”狭いコメント欄に数字による分析なと書けるはずもありません”とおっしゃるのなら、
是非是非読者投稿をなされてみてはいかがでしょうか?
お時間をかけられないのなら、もうそれは仕方がないですね。
>「じつは『悪さ』をしているのは1kWhあたり40円という法外な価格での買取が決まった古い発電施設だ」
これについては、2018年の制度改定で、原則2020年3月31日(猶予対象でも同年12月31日)付での運転開始期限が設けられ、それ以降の運転開始設備には、「系統連系工事着工を申込んだ日の2年前」の単価が適用となってるみたいですね。
(↓下記の3ページ目)
既認定案件による国民負担の抑制に向けた対応(資源エネルギー庁)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/011_08_00.pdf
資料紹介ありがとうございます。コメントのおかげで知りたいことの目的地に最短距離で到達できました。
未稼働分の負債予備軍は整理された、ということなんですね。
資源エネ庁の関連ページは時々見ているんですが、情報量が莫大すぎて網羅性をもって資料を拾うのがなかなか困難だなーと、いつも思います。
斬新な反対意見に対し、その方がなぜそう思うのか背景やバックグラウンドを知りたい時に人格まで踏み入ってしまう時があると思います。控えようと思います。
また、相手に対して地獄に落ちるぞとか、震えて眠るが良いなどど魔王のようなことは言わないようにしようと思います。
しかし、吹き出すくらい雑だなと思う分析は不思議な魅力や趣があり心惹かれ好奇心をそそられます。
朝日や毎日の新聞に滑稽さが足りないのとは対照的です。
>魔王のようなことは言わない
なぜだかちょっと吹いてしまいました。
主張の背景を知るとか有機的な意思疎通のために人格に擦るのはごくごく普通のことだと思うんですが、自らの人格は隠している人からはそこには触れてほしくないよなぁ、なんて個人的には思います。
ワタシはその発言の利益の帰属先しか考えないので99.9%ウクライナ兵に怨みのあるロシア人の仕業と断罪しているのですが、0.01%ほどウクライナロシア戦争後、ロシアとの外交の立て直しを図る必要がある職種の人という考えも考えられます。
ただしそこは会計士さんが考える論と論を戦わせるスポーツの範囲外の領域で、レッテル張りが如くロシアのスパイですよね?と聞くのは御法度と思っています。
性善説。
>ロシアとの外交の立て直しを図る必要がある職種の人
なるほど、その可能性は想像していませんでした。
「利益の帰属先」とは「主張の出元」という意味でもあるのでしょう。
それで言うと、「ある職種」の人の主張もその帰属先がロシアというケースもあるのでしょうね。この場合ではそれは99.9%に含まれているのでしょうけど。
簿記3級様
ご意見に全面的に賛成します。
匿名の書き逃げみたいなのはともかくとして、HN付でこのサイト上の議論に加わろうとしておられるのが明らかなコメンテーターに対して、それが大方の論調と正反対な傾向を帯びているコメントだからといって、揚げ足取り、人格攻撃的な批判をときに目にするのは、ちょっと悲しいですね。
まあ、敢えて火中の栗を拾おうという人ですから、集中砲火的批判に曝されるのは、覚悟の前のことでしょう。理を尽くしての反論を目にすることができるなら、アンチ的書き込みをした甲斐もあったと、まあ確信的?コメンテーターなら考えるところでしょう。
例え、書きっぷり、強引な論理展開にカチンとくることがあっても、議論のスコープを拡げてくれるくらいの見方ができる余裕は持ちたいですね。
感情的に暴れ回って社員一同から集中砲火を受けている新入社員は別ですが。
例え反対意見でも忍耐強く孤軍奮闘している説得に回る人は良いと思います。勇気を感じます。
恐らくお二方のコメントは、今週の私の大量のコメントを受けたメッセージだろうと思います。私からもメッセージを。
匿名さんへ向けた返信は丁寧さに欠け、言い過ぎの部分があったと思っています。
挑発系のコメンターさんへの対応は私なりの考えに基づいたもので、何も釈明するつもりはありません。
ですが、多分に場の雰囲気を悪くしシラケさせた自覚があります。コメントしにくい雰囲気を作ってしまったのだろうとも思います。なのでしばらくは静かにしたいと思っています。
簿記3級さんへは、誤解があることと、どうか私のメッセージはお気になさらないでいただきたいと申し上げます。
ゴルフ場で説教をしてくる人はよくいると思うので良いと思います。
『「悪い円安」論の主張にはなぜか「数字」が出てこない』
細かいことを言うようですが、「悪い円安論」を唱える人達が、その根拠にというか、話のマクラに、「数字」を出していないかと言ったら、そうではないと思います。ガソリン価格がこれだけ上がったとか、店頭に並ぶ食料品の値段がこんなに上がったとか。それなしじゃ、いくらなんでも「悪い」とは言えませんからね。
しかし、昨今の消費者物価の上昇傾向に、円安がどの程度関与しているのかについて、きちんとした分析なんてほとんどないんじゃないかという気がします。主な輸入業者、総合あるいは専業商社辺りなら、当然為替変動のリスクを勘案してヘッジする手立ては講じているはず。輸入原料を使って製造に携わる企業なら、安く手に入るときに大量に購入して、高すぎるときにはそのストックを消化して凌ぐはず。
そういうファクターまで勘案した上で、円安の与える影響を評価するなら、継続的に通関統計なんかをフォローし、かなりの時間をおいた後でなければ、良いの悪いのを論じることはできないはずです。
「1㌦140円だったのが、短期間に160円まで円安に振れました。当然輸入品価格がその分値上がりし、消費者物価に跳ね返るはずです。」こりゃまあ、当然と言えば当然すぎるほどの推論かも知れませんが、さて本当のところは、それがどの程度の跳ね上がりで、円安のポジティブな側面と比較して、「悪い」と言えるほどのものなのか、そこまでの分析を加えた上での「悪い円安」論には、なかなかお目にかかれないのが現状のように感じています。
「数字が出てこない」じゃなくて、「数字を扱う能力に欠ける」が実際なんじゃないでしょうか?
伊江太 さん
>輸入原料を使って製造に携わる企業なら、安く手に入るときに大量に購入して、高すぎるときにはそのストックを消化して凌ぐはず。
幾ら大量に購入して在庫するにしても、
長くて2〜3ヶ月分なんじゃないかなぁってのが私の肌感覚です。
在庫回転率とは?在庫回転期間や適正在庫の計算方法とあわせて解説
2024年04月10日
https://it-trend.jp/inventory_control/article/97-0052
4.中小企業の商品(製品)回転率
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syokozi/result-2/h2c5kcaj.html
それ以上買うとなると当座の運転資金に困る事も出て来そうです。
ちなみに、世界的な燃料価格上昇が日本経済にとって「悪い事ばかり」かと言えば
そうではない
燃料価格が上昇したら、省エネに優れた日本の自動車や発電機が沢山売れるので
その面では日本経済にプラスになる