東京都心部などでファミリータイプの物件を探し求めようとすると、現実的な選択肢としてはタワマン「くらいしかない」、というのが実情の近いのかもしれません。『THE GOLD ONLINE編集部』が日曜日、「タワマンの乱立」に関する記事を配信したのですが、これについてはいろいろと同意せざるを得ない部分がいくつもあります。というのも、著者自身が懇意にしている地元不動産業者から聞きかじった、タワマンの欠点などに関する情報とも、整合性があるからです。
目次
上昇続く東京のマンション価格
新築、中古ともにマンション価格上昇続く
『首都圏や東京の中古マンションの価格は継続的に上昇中』などを含め、当ウェブサイトでは先般より取り上げている通り、首都圏――とくに東京都心部など――でのマンション価格の上昇に、歯止めがかかりません。
たとえば株式会社不動産経済研究所が公表したレポートによれば、2023年を通じた東京23区内の新築マンションの平均価格は1億1483万円――、すなわち「億超え」となったことが示されました。
2022年における平均価格は8236万円でしたので、たった1年で、じつに39.42%も上昇した計算です。
これについて、ネット上のユーザの反応などを見ていると、「とくに高級な物件が供給されたことによる一時的な現象ではないか」、などとする指摘もありますが、このあたりについては正直、なんとも言い難い部分です。
高級物件の場合、入居者専用のラウンジなどを利用する権利もついてくるため、私たち庶民が暮らすような物件と比べ、同じ平米数でも分譲価格が高くなるはずだからです。
ただ、とりわけ東京都心部などのマンション価格が上昇しているという点に関しては、おそらく間違いないと考えておいて良さそうです。というのも、同じく東京23区内では、新築物件のみならず、中古マンションの価格も同様に上昇しているからです。
公益財団法人東日本不動産流通機構の『レインズデータライブラリー』というページで公表されている中古マンション市場に関するデータを読み解くと、たとえば東京23区内の中古不動産物件価格は6126万円と、前年と比べて6%ほど上昇。平米単価も106万円と、前年とくらべ5%ほど上昇しているのです。
もちろん、価格上昇率で見たら、中古マンションは新築マンションほどに激しく上昇を示しているわけではありませんが、それでも方向性として、物件価格が上昇していることについてはやはり間違いないといえます。
賃料と物件価格は鶏と卵の関係
そうなってくると、やはり気になるのは、現在の東京都内などのマンション相場はバブル状態なのかどうか、という論点でしょう。
ここで参考になるのは、賃料水準です。
著者自身の持論ですが、不動産価格と賃料水準は、鶏と卵のような関係にあります。つまり、不動産価格を決めるのは賃料水準であり、また、賃料水準を決めるのは不動産価格である、ということです。
たとえば不動産投資家にとって、重要なのは、その不動産を他人に貸すことで、年間いくらの賃料収入が得られるか、という点でしょう。
もしも毎月10万円・年間120万円の賃料収入をもたらす物件があったとすれば、その不動産の築年数や管理状態などにもよりますが、物件価格はこの「年間120万円」に見合った表面利回り水準となるように決定されるはずです。
たとえばある投資家がこの物件を1200万円で手に入れることができたならば、表面利回りは10%(=年間賃料水準120万円÷不動産価格1200万円)と計算できます。また、この物件の価格が2400万円だったならば、表面利率は5%(=120万円÷2400万円)に落ちます。
そして、ある地域における不動産物件の賃料は、条件(物件面積、築年数、駅からの距離など)が類似する物件同士でだいたい同じような水準に落ち着きますし、同じ地域であれば、物件価格もだいたい同じような利回りになるように決まってくる、というわけです。
物件価格上昇のわりに伸びない賃料
ただ、『賃料が上がらない東京のマンション価格はバブルなのか』でも指摘したとおり、正直、現在の不動産市場では、とくに東京23区に関していえば、賃料と価格のバランスが見合っていない可能性が濃厚です。不動産価格が上昇しているわりに、賃料水準に関しては上昇している気配がほとんどないからです。
これについては基本的に3つの可能性が考えられます。
1つめは、現在の不動産価格がたんなるバブル状態であること。
2つめは、現在の不動産賃料が不当に安すぎること。
3つめは、上記1、2のミックス、つまり「不動産価格も高すぎるが賃料も安すぎる」こと。
そのどれが正解なのか(あるいはこのなかに正解がないのか)については、現時点ではわかりませんが、少なくとも過去と比べ、不動産価格のわりに、賃料水準は上昇していない、ということだと思います。
この点、賃料は「借り手保護」などの政策的配慮などもあって、物価水準と比べて遅行する、という側面がありますので、インフレが今後も続くようであれば、賃料もこれから徐々に上がっていくかもしれません。この場合は、現在の不動産物件価格水準を正当化する程度には、賃料水準が上がる可能性があります。
ただ、現在の賃料水準と比べ、不動産価格が高すぎる、という可能性ももちろんあります。
このカギを握るのがいったい何なのかは気になるところです。
中国人投機需要?それとも…
それについて考察する前に、現在のマンション市場の活況について、もう少し考えておきましょう。
とりわけ先ほども取り上げた新築マンションに関しては、ネットでは、「現実問題として『億超え』でマンションを買うことができるサラリーマンはほとんどいない」、といった意見が目立ちますし、中古マンションについても(新築ほどではないにせよ)同様に「私たち一般人には手が出ない」、といった反応が多いようです。
また、人によっては、「現在の東京などの不動産価格上昇は中国人の投機マネーが入ってきたものだ」、といった主張も見られるますが、これに関しては正直、エビデンスが不十分なので、当ウェブサイトとして、現段階では「そうだ」とも言えませんし、「そうではない」とも言えません。
ただ、もしも東京の不動産市場が、中国人(かそれ以外の外国人)の投機資金によって買い支えられているのだとしたら、「こうした資金流入が途絶えた瞬間に価格が暴落する」という見方も成り立ちますが、「少子化にも関わらず東京の不動産価格は上昇し続ける」、といった見方も成り立ちます。
個人的には、東京の不動産価格については、とりわけ都心部についてはもう少し上昇し続けると考えているのですが。その一方で、一部の不動産物件については現状ですでに価格が上昇し過ぎている可能性があります。
地元不動産業者が見るタワマン
都心で子育てするならば、最低50平米は必要か
このあたりはデータでは読み切れない「カンのようなもの」ですが、その根拠のひとつが、お付き合いのある地元の不動産屋さんからの情報です。
不動産業界というものは、基本的には地元密着の仕事であり、大手を別とすれば、その街の不動産を売買したり貸借したりする際に頼りになる、やはり地元不動産業者です。この業者の詳しい所在地の実名を出すことは控えますが、顧客本位で大変信頼ができる業者さんです。
そもそも不動産を買う人には、投資や投機を目的としている場合と、実需、つまり自分や家族がその物件を使用することを目的としている場合がありますが、この不動産業者いわく、最近の不動産価格の上昇は、ある程度の実需を伴っているのだそうです。
報道等では「中国人が値上がりを見越して、日本の不動産を投機的に『爆買い』している」、などと指摘されることもあるようですが、現実に、とくに居住用不動産を購入しようとする人の多くは、実需――たとえば「自分で住みたい」というニーズ――に基づいているのだそうです。
また、本気でその地域に惚れていて、「終の棲家」を得たいと思っている人は、とりあえず賃貸物件などで何年もその地域で粘り、自分にとっての理想の物件が出てくるまで、辛抱強く待つのだそうです。
これについては、具体例で確認しておきましょう。
一般論ですが、4人家族で暮らすうえで、最低限必要な物件面積は50平米とされます(これについては住宅情報サイト『LIFULL HOME’S』の『4人家族に適したマンションの間取りは? 間取りタイプ別おすすめの使い方』という記事あたりも参考になるでしょう)。
この「50平米」は「最低の面積」であり、理想をいえば60~70平米、欲をいえばそれ以上ですが、冒頭でも取り上げたとおり、マンション価格は新築、中古ともに上昇が続いています。
平米単価(新築172.7万円、中古105.7万円)を単純にあてはめて計算してみると、60平米だと新築で1億0362万円、中古で6342万円であり、70平米だとこれが新築1億2089万円、中古7399万円に上昇します。
しかも、これはあくまでも「東京23区」の話であり、これを都心部(たとえば山手線の内側など)に限定すれば、価格はさらに上昇します。実際、ためしに不動産情報サイトで検索をかけてみると、都心・駅近の人気物件は、だいたいこれ以上の価格で販売されていることがわかります。
都心はそもそもファミリータイプ物件供給が少ない
ただ、ここで重要なのは、「なぜ値段が上がるのか」、という論点です。
その理由は簡単で、「ちょうど良い物件があまり供給されていないから」、なのだそうです。
ややフェイクを混ぜて申し上げるならば、たとえば「東京都の中心部にある●●区で子育てをしたいのだけれども、その●●区には子育てに適した物件の供給戸数が極端に少ない」、「住み慣れた●●区で終の棲家を見つけたいけれども、それに適した住宅が少ない」、といった事情があるというのです。
そういえば、この少子高齢化の時代ではありますが、少なくとも東京都に関していえば、継続的に人口流入が続いているという事情ももあります。それなのに、不動産情報を眺めてみても、中古不動産物件のなかに家族用の物件は非常に少ないように見受けられます。
たとえば「もし自分自身が4人家族だったとしたら」、という前提条件を置いて、不動産情報サイトでいくつかの区の物件情報を検索してみても、なかなかそれに適する物件は見つかりません。変な(失礼!)デザイナーズ物件であったり、だだっ広い1LDK物件だったり、と、どれも帯に短し、たすきに長し、です。
しかも、あくまでも「平均価格」ベースではその水準ですが、現実に自分自身にとって理想の物件が、自分が住みたいと思っている地域(たとえばXX町1丁目)に出てきたときに、それをすぐに買えるのか、という問題もあるでしょう。
タワマン乱立とその問題点
こうしたなかで、本稿でちょっと紹介しておきたいのが、『THE GOLD ONLINE編集部』が執筆した、こんな記事です。
「タワマンの乱立」進む一方…もうすぐ「東京の不動産」が直面する、厳しい事態
―――2024/03/03 18:39付 Yahoo!ニュースより【THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)配信】
記事は地上20階建て以上の居住用の高層建築物――いわゆる「タワマン」――を巡って、「高層マンション住まい」は「ひとつのステータス」としながらも、「緊急事態が生じた際など、一定のリスクがあることもたしかだ」、などとするもので、タワマンを「終の棲家とすべきではない」とする声がある、などと指摘するものです。
詳しくはリンク先記事を読んでいただきたいのですが、タワマンは現実問題として、大きな地震があればすぐにエレベーターが故障してしまうなど災害に非常に弱く、また、東京商工リサーチの調査でも、「日本全国50万人の社長」が暮らす平均階は、2019年調査で東京都は6.12階だった、などとしています。
このあたり、「社長さん」といえどもピンキリですので、「社長=人生で成功している人」であるとは必ずしもいえないのですが(笑)、それと同時に社長さんには経済的に余裕がある人も多いでしょうから、その社長さんが必ずしもタワマンに暮らしているとは限らない、というのは面白い調査だと思います。
THE GOLD ONLINE編集部は記事で、タワマンについては「購入するほどの経済的余裕があるわけではないが、『刹那的』にタワマンでの暮らしを楽しみたい人が、賃貸で住むのに適している」、などとする指摘が多いと述べています。
ファミリータイプ物件供給はタワマンが中心
じつは、この指摘には、個人的にはかなり同意します。
というよりも、もう少し正確に述べるならば、とくに東京都心部だと、子育てをするのに適した物件は、必然的にタワマンとならざるを得ないのです。令和時代のタワマンは、昭和時代に団地が各地に出現したのと同じようなノリで建設されているのかもしれません。
先ほどの議論のとおり、仮に家族4人で暮らすのに必要な最低面積が50平米だったとしても、とりわけ都心部などに関しては、一般のマンションの場合だとファミリー向け物件の供給戸数自体が極端に少なくなる、という傾向にあります。
そうなると、たとえばファミリー層向けの物件を手っ取り早く手に入れるためには、どうしてもタワマンとならざるを得ません。というのも、くだんの地元の不動産業者も、こう説明するからです。
「本気でXX町一丁目で不動産物件を買おうとしている人は、タワマンじゃなく、低層住宅を買おうとしていますよ」。
「ただ、このXX町一丁目では、取引されている不動産物件の多くは単身者向けです。ファミリータイプ物件自体がほとんどありません」。
「もし子育て世帯の方が急いでマンションを買おうとしているのだとしたら、すぐにご案内できるのは隣町のタワマンですね」。
つまり、もしこの地域で物件購入を急がなければならないのなら、タワマンを買わざるを得ませんし、タワマンならば、物件自体は豊富にあります。
タワマンの欠陥?カネ持ちはタワマンではなく中低層住宅を選ぶ傾向も
しかし、この不動産業者の説明によると、カネ持ちの方の多くはタワマンを避ける傾向にあります。つまり、本当のカネ持ちは、自分が本気で住みたいと思う地域に、とりあえず賃貸でも何でも良いから居を構え、自分の理想の物件が出て来るやいなや、それを即金で購入しようとする――というのです。
これはなかなかに興味深い情報です。
もちろん、タワマンもさまざまでしょうから、タワマンが一律に悪いという話では決してありませんし、カネ持ちのなかには眺望も良好なタワマン上層階を好む、という方もいらっしゃることでしょう。
ただ、一般にタワマンは、暮らすにしてはあまり良い場所ではないこともある、というのが実情のようです。
たとえばタワマンは多くの場合、軽量設計としなければならないためでしょうか、音が意外と響くという問題点もあるようです。この不動産業者によると、地元のタワマンを内見すると、ロビーの掲示板に「当マンションでは音のトラブルが頻発しています」などとする注意書きが貼られているのだそうです。
それに、(とくに上層階ならば)たしかに眺望は良いのですが、タワマンにつきものの問題点が、「洗濯物・布団を干せないこと」と、「アクセスが不便であること」、だそうです。
たとえば構造上、あるいはレイアウト上、ベランダ・バルコニーなどが設置されていないケースも多く、そのような物件であれば当然、「外に布団や洗濯物を干す」ということはできません。また、ベランダなどがあったとしても、規約上、洗濯物などを干すことが禁止されていることが多いようです。
当たり前でしょう。靴下だの、布団だのといった物体がひらひら飛んで行ってしまったら、それが通行人や自動車などにぶつかると危険ですし、また、電線などに引っかかっても厄介でしょう。
また、タワマンによっては、とりわけ上層階の住人の場合、外から自宅に帰ってくるときや自宅から外に出るときに大変な時間がかかることもあるようです。マンション入り口とエレベーター、エレベーターと自宅までの距離もさることながら、エレベーターを待つ時間もバカにならないのだとか。
さらには、タワマンにつきものの問題が、共用施設です。
一部のタワマンでは、乳幼児の遊び場、子供用の英会話教室、スポーツジム・プール、来客室、パーティールーム、さらには会議室や入居者専用のバーラウンジ、カフェなどが設けられているケースもあるのですが、一部のマンションによっては、これらの施設を維持するためのコストが管理費に上乗せされているそうです。
意外とタワマンに住んでしまえば、べつに毎日、これらの施設を使うわけでもないという人もいるようであり、さらには「日常的に使うわけでもない施設」に高いカネを払うのは不満だと考える入居者もいて、なかには毎年の管理組合総会で共用施設の存廃を巡って怒号が飛び交う、といった事例も、あるとかないとか。
不動産価格上昇は続くのか?
いずれにせよ、とりわけ都心部では中・低層マンション・メゾネット・戸建てなどのファミリータイプ物件は大変に貴重であることは間違いありませんし、最近の物件価格高騰の背景には、こうした希少性も手伝っている、といった事情もあるのかもしれません。
ただ、こう考えていくと、タワマンの価格は平均値と比べて下がりそうなものですが、現実問題としては、多くのタワマンはマンション相場に引きずられ、価格が高止まりしている状況なのだとか。
先ほどの『THE GOLD ONLINE編集部』の記事末尾にある、こんな記述は、非常に意味深です。
「高齢化も止まらぬ今、居住場所の選択はますます重要になっている。自身の身体との兼ね合い、資産価値、トータルを鑑みた人生設計が求められているといえよう」。
この記述には、正直、同意せざるを得ません。
そして、やはりあくまでも私見ですが、タワマンの価格の高止まりについては、やはり見ていて不安になっていきます。労働力不足がこれから深刻化すると見込まれるなか、タワマンの大規模修繕がどの程度のコストとなるのかを考えるだけでも、心配です。
こうした事情も踏まえると、マンション価格の上昇が続く東京都心部の不動産市況については、引き続きマンション価格が伸びていくのかどうかを巡っては、慎重な見極めが必要ではないか、などと思う次第です。
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タワマンの不便さはYouTubeなどでも紹介されている。
タワマンの2階に住んでいる人もいるはずだが、どんな感想をもっているのだろう
昭和の団地が老朽化したように、令和のタワマンもいずれ老朽化します。その時、何が起きるのでしょうか。(老朽化する前に、大量の空きタワマンが出ることもあり得ます)
タワマンに対する違和感はEVに対するそれと似ていないこともない。
十分使える(EV)十分住める(タワマン)
値段が高い(EVもタワマンも)
結構不便なことが多い(EVもタワマンも)
非常時どうすんだろう(EVもタワマンも)
初期に礼賛記事が多かった。(EVもタワマンも)
今EVへの期待は大きくしぼみ始めている。タワマンも同じ道をたどるのか。
「今住みたい街ナンバーワン北千住」「あこがれの武蔵小杉」こういうのをみて違和感を感じないか。すぐに不動産デベロッパーの売り口上だと気が付かなければならない。
タワマンも同じ。
たしかに、北千住、武蔵小杉といえども、どこも同じではないですし。
人の住まいには正解はありません。
エレベーターなし5階建て 1960s 年型コンクリート造り規格団地建築をどうリノベーションして快適生活をするか。建築屋にはいい頭の体操になっています。成果も出ています。
老朽化の進む戸建てに住んでいるかたも多いでしょう。当方はおしゃれで小さな平屋に建て替えたい。しかし自分の健康寿命の残りがどれだけかを見積もると逡巡は止まりません。
東京以外の人口減少が甚だしい地方の駅前にもタワマンが建って、中国人が大量購入という話を聞きますのでタワマンに関してはプチバブル要素があるのは間違いないでしょう。
住宅としての欠陥に関しては、武蔵小杉のタワマンが大雨で停電した際に全て露呈しています。
マンションは法令によって一定の年数毎に検査・修繕をせねばなりません。そのために管理組合は修繕費を積み立てていますが、大規模修繕となると普通のマンションでも数千万円になり、なかなか積立金だけで賄うのは難しいのが実情です。タワマンの大規模修繕っていったい幾らになるんしょ。人口減少によって空き室と住んでいても高齢者ばかりとなり修繕もままならないマンション・アパートが増えていることを考えると、10年、20年後にゴーストタワマンになる物件も出て来るかもしれません。まあ、住める分中国の建設途上で放棄された鬼城よりはマシですが。
現状を整理すると、
①タワマンはターゲットのファミリー層のニーズに答えてない。
②ファミリー層が求める低層マンションは一般人には高くて買えない。
③ マンション価格と賃貸料に乖離がある。
①と②の事実だけで、タワマンが実需に対して作られてない事がわかりますよね。実需に対してマンションを建てるなら、低層で低価格のマンションが作られるはずですが、それは流石に現実的ではない。できるのは、低層高価格の富裕層向けマンションか、高層低価格の投資家向けタワマンって事になります。
しかし、高層低価格と言っても一般人には高いし、上昇志向のパワーカップでも低層階しか買えない代物。そうなると、購入理由は更なる価格高騰を期待した投機しかあり得んのです。賃貸料が上がらないのは、高い家賃を払ってまで都心に住みたいって人が居ないからです。30年かかって上がらなかった給与が、ここ数年で上がるわけもないので、高い家賃を払うリスクは取れないのです。
はっきり言って今のマンション価格はバブルです。前のバブルと違うのは、前のバブルは実需が出発でバブルになりましたが、今回は投機が出発のバブルです。一般人は参加もできません。だからバブルが弾けた後の回復は期待できるかも知れません。
2011/3/11、高層ビルの中で働いていた人は長い揺れと机などが移動したりした体験があると思います。
鶴瓶も、西新宿のタワマン地震の揺れが怖くて、港区の高級マンションに引っ越したとのこと。
貧乏人のヒガミだけど、海外だとタワマンは「低所得者向けの賃貸物件」だよ!!
貧乏人のヒガミだけど、持ち家は隣を選べない!ローンで買ったらお隣地獄だよ!
まあ資産を持っている人は、値上の含み益を当てにしていろいろ消費して、景気を回してもらいたいですね。
家賃部分と投資価値部分を分離して考えれば良いだけかと思います。
投資できるだけの資金があって不動産投資が有利だと思うならタワマン購入ですし。資金がないとか、あっても不動産投資すべきと思わないなら賃貸かリースバックでしょう。
賃貸価格が上がらないというのは、高騰しているのが投資価値が中心ということなのでしょう。
まあ、賃貸価格もインフレ傾向ですから上がっては来てるのでしょうが、投資としての価値の変動には及ばないのでしょう。
タワマンが長期的に安定しているから価格が高いわけでは無いと思います。砂上の楼閣同然と思ってても、崩れるまでに買い手がつくと考えれば投資は成立するのです。いつかは無価値になるビットコインに価値がつくのと同じです。
住居としては、アクティブに動けるうちはタワマンもいいのですが、終の住処としては全く不向きです。最終的にはケアハウスや老人ホームといたところが一番過ごしやすかったりするわけです。
まあ、まずは賃貸で住んで、投資的に美味しいかどうかは別の判断でやって、もし両者一致する人は購入すれば良い。そういうことなんでしょう。