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水素やアンモニアの混焼火力発電で開かれる日本の未来

日本は怪しげな自称環境団体から「化石賞」なるものを授与された国ですが、その日本がゼロ・エミッション技術で世界をリードしているという事実は、意外と知られていません。とりわけ、水素やアンモニアを使った火力発電技術については、(まだまだ課題は多いにせよ)地球温暖化ガス排出量削減、そしてエネルギー国産化という観点から、注目に値します。こうしたなか、東京電力と中部電力の合弁会社であるJERAが化石燃料ゼロに挑戦する、とする報道が出てきました。

「中国ではなく日本が化石賞」の怪

以前の『世界最大の排出国・中国ではなく、日本が受賞=化石賞』でも取り上げたとおり、日本は今年も、「世界最大のNGOネットワーク」とされる「CANインターナショナル」などとする怪しげな団体から、「不名誉な賞」とされる「化石賞」を授与されました。

ただ、日本はべつに、「世界最大のCO2排出国」ではありません。

総務省統計局『世界の統計2023』【※PDF】の第16章『環境』(P281)によると、2020年における日本の「燃料燃焼による二酸化炭素排出量」は約10億トンで、これは世界全体のざっと3%少ですが、中国はその約10倍です(図表)。

図表 燃料燃焼による二酸化炭素排出量(2020年)
CO2排出量 構成割合
全世界 316.65億トン 100.00%
1位:中国 100.81億トン 31.84%
2位:アメリカ合衆国 42.58億トン 13.45%
3位:インド 20.75億トン 6.55%
4位:ロシア 15.52億トン 4.90%
5位:日本 9.90億トン 3.13%
6位:ドイツ 5.90億トン 1.86%
7位:韓国 5.47億トン 1.73%
8位:カナダ 5.08億トン 1.60%
9位:ブラジル 3.89億トン 1.23%
10位:オーストラリア 3.74億トン 1.18%

(【出所】総務省統計局『世界の統計2023』の『図表16-4 燃料燃焼による二酸化炭素排出量』を参考に作成)

排除されるべきはむしろNGOの側

ちなみに世界最大のCO2排出国である中国に「化石賞」が授与されない理由について、このNGO関係者は「中国に賞を授けたら中国国内のNGOが弾圧されるからだ」と述べたとの報道もあります(『中国が化石賞を受賞しない理由は「弾圧される可能性」』等参照)。

要するに、この「CAN」なる団体は、「絶対に殴り返してこない国」を最大限挑発して楽しんでいるだけのことでしょう。

おりしも環境活動家らによる過激な抗議行動が私たち一般市民の脅威となりつつある、とする話題もありますが(『悪質な環境活動家こそが市民の敵』等参照)、まさに私たちの社会から排除されるべきは、これらNGOの方であることは間違いないでしょう。

火力発電ゼロ・エミッション目標

ただ、現実問題として、日本は「2050年までの」ゼロ・エミッションを国家目標として掲げるなど、じつはCO2排出量削減という観点からは、世界でも大変に野心的な取り組みを行っている国です。これについては資源エネルギー庁が昨年8月25日付で掲載したこんな記事が参考になるでしょう。

火力発電を“ゼロ・エミッション”に!日本が開発・実施事業に取り組む最新技術を世界へ発信

―――2022-08-25付 資源エネルギー庁HPより

これによると、日本が現在取り組んでいるCO2排出量削減を巡って、その重要な要素として「火力発電のゼロ・エミッション化」が掲げられています。

資源エネルギー庁によると、現時点で火力発電は日本の電源構成の7割以上を占めており、さらには天候などに左右される再生エネルギーの発電量を補う「調整力」として電力の安定供給を支える、という意味もあります。火力発電をやめるというわけにはいきません。

そこで、日本政府は現在、火力発電の電源別構成や「調整力」としての機能を維持したままで、「火力発電ゼロ・エミッション」、すなわち燃やしてもCO2などを排出しない仕組みの開発に務めています。

資源エネルギー庁が提示するのは、大きく①水素エネルギー、②燃料アンモニア、③CCS(火力発電所で発生するCO2を分離、回収して貯留することでCO2を削減する方法)、④カーボンリサイクル/CCUS(分離・回収したCO2を、工業製品やプラスチックなどの原料として利用する方法)――の4つです。

このうち水素エネルギーは、発電時の燃料として活用が期待されており、たとえば天然ガスの火力発電に混ぜる(混焼)、水素のみを燃料とする(専焼)などの手法が考えられているようですが、これに「CCS」や「CCUS」技術を混ぜることで、実質的なCO2排出ゼロを実現するという構想です。

また、燃料アンモニアについては石油との混焼が簡単であるなどの利点があることから、発電時における燃料としても期待が高まるほか、アンモニア専焼(アンモニア火力発電)が実現すれば、火力発電設備からの大幅なCO2排出量削減が見込まれるそうです。

JERAが水素、アンモニアの実証実験へ

いずれにせよ、これらの技術についてはまだ解決すべき課題は多々ありますが、それでも日本政府はこれらの新エネルギー――とりわけ水素――に関し、今年6月には『水素基本戦略』【※PDF】を策定し、精力的に取り組むこととしているようです。

こうしたなかで、東京電力と中部電力が共同出資する火力発電大手の株式会社JERAを巡って、こんな報道がありました。

JERA、化石燃料ゼロに挑戦 火力最大手が水素へ本腰

―――2023年12月27日 4:00付 日本経済新聞電子版より

日経電子版によると、JERAは2050年までに発電所の燃料を水素に切り替える方針だと報じました。

具体的な目標としては、まずはアンモニアとの混焼率20%については実証実験を2023年度に開始し、2020年代には商用化を実現。混焼率50%については28年度に実証実験を開始して2030年代には商用化し、100%(つまりアンモニア専焼)の商用化は2040年代を目標としているそうです。

また、水素については30%の混焼の実証実験を2027年度に開始し、2030年代には商用化し、混焼率30%以上についても2030年代以降の商用化を目指している、などとしています。

エネルギー国産化も?

報じたメディアがメディアだけに、この報道を鵜呑みに信じるのは少し慎重であるべきかもしれませんが、これが事実ならば、じつは日本のエネルギー構造が変わる可能性が濃厚です。

たとえば、理論上、水素は水の電気分解などの手法で産出可能とされており、水野電気分解技術が向上し、低コスト化すれば、たとえば水素製造プラントでエネルギーを国産化するということも現実味を帯びてきます。

また、アンモニアは現状、電気分解した水素と空気中の窒素を用い、「ハーバー・ボッシュ法」と呼ばれる手法で製造され、化学肥料などの用途に使用されているそうですが、経産省『我が国の燃料アンモニア導入・拡大に

向けた取組について』によれば、2019年実績でアンモニアの8割が国内で自給できているそうです。

このように考えると、水素・アンモニア等を使った火力発電は、じつはゼロ・エミッションというだけでなく、エネルギー源の国産化という意味で、エネルギー安全保障上も、極めて重要な効果をもたらす可能性がある、ということでもあります。

原発の再稼働・新増設と並んで、火力発電のゼロ・エミッション化が進んでいけば、現在、日本各地の山林などの環境を破壊しながら設置されている太陽光発電設備も不要となるかもしれません。

不要な太陽光発電

ちなみに『数字で見た原発の必要性…「えげつない」のは再エネ制』でも指摘したとおり、東京電力・柏崎刈羽原発の6号炉の出力(※認可出力ベースで135.6万kWh)と同じ発電量を実現するために必要なソーラーパネルは、13,560ヘクタール、つまり山手線の内側2個分です。

現在の日本が推進していかなければならないのは、非効率かつ環境にも悪い太陽光発電ではなく、まずは再稼働できる原発を動かすことと、技術革新によりゼロ・エミッション型火力発電所を増設していくことであるように思えてならないのは、決して気のせいではないでしょう。

新宿会計士:

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  • この夏しばしばこのサイトでも採り上げられた、世界に類を見ない大規模なALPS放射能除去設備を駆使しての、事故原子炉建屋下に流入する地下水の処理のはなしにしても、スケールこそ遥に小さいが、その代わりに愚かさがより際立つ、昨日の「放射線育種米」のはなしにしてもそうですが、今回採り上げられた火力発電のCO2ゼロエミッションのはなし。どうして日本って、こう国内外の「意識高い系」人士の神経を逆なでするようなことばかりやらかすんでしょうかね(笑)。

    一知半解の「科学」を錦の御旗に、別に誰に付与されたわけでもない「権威」を自らに纏い、居丈高に「ご託宣」なるものを、何ら恥じることもなしに、声高に吹聴する。その実、それを実現する力もなければ、どうやって実現するか、そのプランすら持ち合わせてはいない。

    そういう輩にとって、日本という国は、野放図に膨れ上がらせた己のプライドをズタズタにしてしまう、憎んでも余りある存在なんでしょうね。

  • 前に付けたコメントと内容が矛盾するようで、ちょっと気が引けるのですが、以前から疑問に感じていることですので、どなたか詳しい方がいらっしゃれば、お教え願いたいと思います。

    それはアンモニア燃焼による火力発電のエネルギー収支についての疑問です。大気中の窒素を固定してアンモニアを製造するハーバー・ボッシュ法。これは確かに世紀の大発明とも言うべく、この技術の開発によって、化学肥料の大量供給が可能となり、それ以降地球の人口支持力が格段に増加したのは、歴史が示すところです。

    ハーバー・ボッシュ法の反応には、高温、高圧の条件が必要になりますが、生成されたアンモニアを化学肥料の原料とするなら、反応に投入されるエネルギーに比べて、最終製品に加わる付加価値はそれより遥かに大きい。それは確かな事実だと思います。しかし、アンモニアをただの熱源として燃やしてしまい、さらに発生する熱エネルギーの一部しか、目的の電気エネルギ-に変換できないとしたら、果たして投入されるエネルギーに比べて、それを十分ペイするほどのものだと言えるのでしょうか?

    日本の工学技術の水準からして、こんなプリミティブな疑問を無視したまま、話が進んでいるとは思えないところではあるのですが。

    • 私もアンモニアの製法とエネルギー収支に興味あります。石炭とか天然ガスを原料にしていると思うのですが。しらんけど。

    • おそらく現状では益々CO2が増えるでしょう。水素も同じ。
      だからといって研究することそのものは悪くはありませんが。
      一時期話題のジメチルエーテル(DME)も、使いづらかった低品位の石炭が使えるというだけ。

      高温原子炉などで水素が十分に作られるなら違うでしょうが、それもまだ途上。
      砂漠で太陽光発電してそれで水素作ってなどと言う人もいますが、結構夢物語の域だと思ってます。

      水素にしろアンモニアにしろDMEにしろ、一次エネルギーという訳では無いので、エネルギーを消費する用途(発電など)では、石油や天然ガスにはかなわないと思います。

      もちろん水素でなければとか、アンモニアでなければという、化学工業的な用途は別ですが。

    • 伊江太様、自分も気になったので調べてみました。

      アンモニア製造に必要なエネルギーは、引用サイトが正しければ、

      >原単位は25GJ/ton-NH3、あるいは6Gcal/ton-NH3程度かと推測します。

      とのことです。

      https://comtecquest.com/RD/rd011.html

      アンモニア 1mol をざっくり 17g と仮定すると、1t でおよそ 58 824 mol になります。

      25 G = 25 000 M = 25 000 000 k より、
      25 000 000 kJ ÷ 58 824 mol ≒ 425 kJ/mol
      となります。

      アンモニア 1mol を燃焼させたときの発生熱量は、380 kJ/mol だそうです。

      https://katakago.sakura.ne.jp/chem/fire/combustion_heat.html

      まとめると、
      必要エネルギーは 425 kJ/mol
      燃焼エネルギーは 380 kJ/mol
      となります。

      どちらも理論値のようなので、実際のロスはもう少し大きくなると思います。熱化学反応式などでよく目にする生成熱は 39 kJ/mol ですが、一つ目の引用サイトでは加圧や加熱のときのコストも含めているようです。

      その一方でハーバー・ボッシュ法によらないアンモニア生成の実験もされています。

      >アンモニア合成に、常温・常圧環境下での、 手軽でクリーンかつ低エネルギーな新合成技術を考案
      https://www.tcu.ac.jp/news/all/20210621-37254/

      ご参考までに。

      • asimov 様

        ご教授どうもありがとうございます。

        やはりね、という感じでしょうか。化学肥料、薬品合成をおこなおうとすれば、必然的に大量のアンモニアの余剰が出るというならともかく、中国が自国生産の尿素を政治戦略的に使おうとしている話があるくらいですから、アンモニア過剰なんて状況ではないんでしょうね。

        後段で触れられている「新合成技術」の開発に目途がたっているのでなければ、アンモニア発電推進なんて政策は成り立たないんでしょうね。

        • 細かい具体的な数値を当たる時間と手間を省略して、ざっと理屈だけで考えて。
          アンモニア専燃で出来た電気の一部で、アンモニアを作るのであれば、電気エネルギー増殖サイクルが出来てしまいます。これ、エネルギー不滅の法則ではなく、エネルギー増殖の法則になってしまいます。

          どうも、アンモニアを作る方には、自然エネルギーを使い、なんてことを考えているのか?或いは、原子力発電で賄うつもりか?
          とすれば、アンモニアでCO2削減をするとすれば、CO2削減エネルギーを余分に使うことになりますね。熱効率から考えて。

          これは、EVの話でもそうなんですが、CO2の発生を抑えるために、ガソリン車を止めて、全てEVにするのなら、その発電のための燃料は何?ってことなんですが、その発電でもCO2を発生させてはいけないとなれば、化石燃料は使えない訳です。それを、自然エネルギーで全て賄うということは現段階でも、2035年でも無理でしょうから、結局、原子力発電しかない、ということになるんですが、ドイツさんは、原子力発電は全廃ですと。
          ドイツは、エネルギーとは、どこかから自然に生まれて来るものとでも思っているのでしょうか?

      • >asimov様

        私感ですが、熱化学反応によるエネルギー製造というのはご提示の通り作成からやろうとすればなかなか画期的なものは難しいかと思います。
        石油や石炭と言った化石燃料は太古の昔に植物・動物プランクトンが生体内で行った濃縮生成物にいわば「タダ乗り」をすることによりコスパを挙げているわけですから。

        そういう意味では現在では熱化学反応のコスパを超えるエネルギー抽出は、核分裂・核融合等といった物質エネルギー変換くらいしか無いかも知れません。
        (風力・潮力・太陽光などはSDGsかもしれませんが効率的に大量取得できないかな?)

        少し前にアメリカの核融合実験で点火成功(投入エネルギーを回収エネルギーが超えた)というニュースを見ました。勿論実験レベルであり、連続回収や装置製作等々の現実的なエネルギーコストを考えるとまだまだ道は長いでしょうが、この辺の技術開発にもAIのアシストを利用しながら急激に進むかもとは思っています。
        日本では自民党の平将明議員などがこの辺の政策提言をされていたと思います。

        • こんとん様

          >現在では熱化学反応のコスパを超えるエネルギー抽出は、核分裂・核融合等といった物質エネルギー変換くらいしか無いかも知れません。

          エネルギー保存則を破っているわけではないのですが、常温常圧下で窒素固定をやってる実例は自然界にあります。

          雪国に住む人なら皆見たことがあるはずですが、道路除雪でできた雪山の上に、真っ黒な炭のような膜が拡がることがよくあります。車がはねた泥かと最初思っていたのですが、あれ、ラン藻という細菌の一種。極地も含め、世界中のどこにでも棲息しています。雪のないところでも、車道と歩道を仕切る縁石の下の方を見れば、黒く汚れているのに気付くと思いますが、あれは道が湿っているときに増えたラン藻の死骸です(粘着性の物質を分泌するので)。

          このラン藻、光合成に加えて窒素固定の能力まで持っている優れモノ。太陽光のエネルギーを利用して水を分解して水素を得、これを大気中の窒素にくっつけてアンモニアに変える。そして、光合成でできた炭水化物にさらにアンモニアを結合して、タンパク質などさまざまな生体成分にまでもっていくことができるのです。その能力があって、肉眼で見えないほどの微小な生き物が、十分な日差しさえあれば、水以外栄養のない冷たい雪の山の上で、短期間に大量に増殖することになるわけです。

          ラン藻の細胞内でおこなわれる、エネルギ-を要するすべての化学反応は、つまるところ捕獲した太陽光エネルギーの一部を利用しているのですから、エネルギー保存則にはきちんと合致します。

          ラン藻の増殖に必要なエネルギーの相当部分は、光合成反応の水の分解(水素の分離)に使われます。だから、水より容易に分離できる水素の供給源さえあれば、適当な触媒の組み合わせか何かの方法で、遥かにエネルギーコストの低いアンモニアの合成系を造ることは、原理的には可能なはずだと思います。

          asimovさんが触れている「手軽でクリーンかつ低エネルギーな新合成技術」というのは、そういう類いのものかと思うのですが、果たしてそれがどこまで実用化に近づいているのかに、大いに興味があります。

          • >伊江太様 asimov様 &皆様

            まずは伊江太様、有益な情報ありがとうございます。
            ラン藻などの生体を利用した窒素固定は、植物プランクトンなどを利用した炭素固定同様に革新的な技術になる可能性はあるかもですね。
            他の新技術同様に、研究室レベルから実用に達するまでの効率化・大規模化、及び需要を満たすだけのコスパを維持しての定量安定供給などハードルは高いかも知れませんが。

            そして皆様。新宿会計士様の本文、伊江太様・asimov様のスレ上部で
            散々アンモニア混焼という話題だと触れられているのに、私のアタマの中では炭素固定の事しか考えておりませんでした。
            的はずれな返答してしまいましたね。申し訳ありません。上記は謝罪撤回します。
            伊江太様返信の窒素固定の話題でようやく思い出しました。純粋な化石燃料とのコストやエネルギー変換効率と混同しておりました
            m(_ _)m

          • 伊江太様、こんとん様。

            自分はあまり深く考えず数値の計算をしただけなので、かえって恐縮します。

            別の話になるのですが、ユーグレナ(ミドリムシ)を使ったバイオ燃料が期間限定で提供されたようです。

            https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1317674.html

            ただ実際のコストは1Lで1万円という記事もあり、普及には時間がかかりそうです。

            https://www.businessinsider.jp/post-237366

        • こんとん様、情報ありがとうございます。

          >約2メガジュールの照射によって、これまでで最高となる3.88メガジュールのエネルギーを発生させることに成功

          こんとん様が提示されたサイトでは上のようになっています。

          エネルギー増倍率(Q値というみたいです)は、1.94もあります。原型炉の定常運転では30程度必要だそうですが、おそらく現在のところ世界最高の効率だと思います。

          日本のJT-60という実験炉で1.25です。次世代のJT-60SAやITERにも頑張って欲しいところです。

          http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/kakuyugo/siryo/siryo136/siryo23.htm

          中国のEASTが2億度と公表しているようですが、こちらはどうなのでしょうかね。

          https://www.sankei.com/article/20200103-IHE4D5GK2NNDLO53VSH445KEBM/

          先に原型炉の定常運転をされてしまうと、エネルギー情勢が一変するかもしれません。

    • >原発の再稼働・新増設と並んで、火力発電のゼロ・エミッション化が進んでいけば、現在、日本各地の山林などの環境を破壊しながら設置されている太陽光発電設備も不要となるかもしれません。

      結論は、ここに書いてありましたね。
      火力発電のCO2ゼロ・エミッションを水素、又は、アンモニアで成立させ、CO2ゼロ化の水素・アンモニア生成に必要な差分のエネルギーは、原子力発電で賄う、ということになるのでしょうか?
      この差分は、上で、asimovさんが計算された、425-380=45kJ/mol
      を元に、日本の年間総発電量で計算すれば、原発が何基必要か分かるってことになるんでしょうか?

      • (asimovさんの計算値を援用させて頂きます。)

        アンモニア生成に必要な原発の発電量は、どれだけか?について、大雑把な数字遊びで考えて見ました。

        現在の日本の年間総発電量を、A、として、その発電量を全て、アンモニアで賄うとすれば、アンモニア生成分を付加した、

        A×425/380=1.12A

        の電力量が必要になります。その増加分は、0.12Aです。
        その、0.12A分を、原子力発電で賄うとした場合、
        現在の原発発電量は、総需要量の約25%のようですから、0.25A。
        0.12A/0.25A=0.48

        原発の発電量は、現在の48%、約半分で済むことになります。

        CO2ゼロ・エミッション発電モデルとして、世界に輸出できませんか?

        • アンモニアや水素を燃焼させた際の発電効率がせいぜい4割ちょいなのに対し、燃料電池を使用しての発電であれば(アンモニアは水素の貯蔵形態として考えて)理論効率は8割を超えるので、そもそも燃やして使うという考え方は的外れに思います。

          暖房用に熱が欲しい場合でも、発電した電気でヒートポンプ回せばエネルギー効率は500%くらいあるというのに。

          • エネルギー効率で考えれば、そういうことなんです。
            ですから、その部分は取り敢えず考慮の外として、今のテーマは、CO2ゼロという命題からの考察です。
            本論稿も、その主旨として理解して、この考察をして見ました。
            又、今、ゼロ・エミッションを考え研究している方達も、そのように考えて研究開発をされていると思います。

    • アンモニアを使う意味は、CO2を発生させないことと輸送の容易さ、現状設備での使いやすさですね。ご指摘の通りエネルギー効率としては全然良くないです。

      環境活動家のようなアタマの良くない人たちは全てにおいて優れている(ように見える)理想だけを追い求めたくなるのですが、実際は利点も欠点もあるものをうまく組み合わせて、総合的に環境に適合させていかなきゃいけないわけです。

      「現状設備での使いやすさ」というのは非常に大きくて、新たな莫大な投資も、設備製造に係るCO2排出もないということで、非常に環境にやさしいのです。

      例えば、横浜市でプラごみ収集されたものはアンモニア製造に使われているのですが、ここで出たアンモニアを補助燃料に使ったら、エネルギー効率としては何やってるんだかな話ですが、現状のシステムでもう実現している、経済的、環境的には十分回る話なのです。

  •  今回・前回と化石賞対象となった原因は「アンモニア燃焼」といえる
    基本 アンモニア燃焼は石炭との混焼をへて全焼を目指している
    日本としては「全焼」達成するまで石炭火力発電を廃止する時期を明示できない
    →温室効果ガス削減に前向きでない
    という価値観のおしつけによるもの
    目的である温室効果ガス削減が石炭火力発電全廃とすり替えられている
     長期的展望を考えらない化石賞など全く意味が無いといえる

  • 燃焼させる水素を電気分解で得るなら、その電気は結局太陽光発電や風力発電等でなければ意味がないと思いますがどうなんでしょうね。

  • 手塚治虫の火の鳥で、知能を持ったナメクジがメタンガスをベースにした文明を起こして、最後は創造主に滅ぼされた話を思い出したのは、このジジイだけかな。
    人類の繁栄は蓄積された太陽エネルギーの残り滓を消費することにより、地球の生態系からはみ出ただけ。人類が手にした太陽光や地球の環境を前提としないエネルギーは原子力だけで、もっとちゃんと向かいあい、利用しないとあかんと思うけどな

  • 二酸化炭素削減の国家取引があるためこのビジネスあると思います。(本筋はメタンガスなのですがね) 

    「世界的ルールなのでとりあえず数十年付き合いましょう。」てのが企業側でしょうね。 思い浮かぶのがIHI(株主です) アンモニア・水素・H3ロット・核融合炉とか。
    本年度はPratt & Whitneyの問題もあって大赤字ですが、面白い企業です。