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松川氏への「離党勧告」協議の中止を茂木幹事長指示か

自民党の松川るい参議院議員が茂木敏充幹事長に泣きつき、自身に対する懲罰を議論する会合を中止させたという疑いが出てきました。報じたのは、連日、松川氏のパリ「物見遊山」疑惑をすっぱ抜いてきた『スマート・フラッシュ』です。これが事実だとしたら、有権者、あるいは自民党支持者を、ずいぶんと舐めた行動です。ただ、同誌の報道によれば、松川氏はバーターとして、衆院への鞍替えと茂木派入りを約束したともされています。これについてどう考えればよいのでしょうか。

松川氏らの「パリ物見遊山」事件

自民党女性局長の松川るい参議院議員らが率いる、総勢40名近い団体が7月下旬に研修名目でフランス・パリを訪れた旅行が「物見遊山」だったのではないかとする話題は、連日、ネットなどでも強い批判が生じ続けているようです。

これに油を注ぐかのように、さまざまな話題も出て来ています。

たとえば『保守層を激怒させる?松川るい氏「ディナークルーズ」』でも取り上げたとおり、写真週刊誌『フラッシュ』が報じた「当日の日程表」によれば、3泊5日のなかで明確に「業務」といえる時間はたった5時間に過ぎず、それ以外は大使との会食、パリ観光・買い物・ディナークルーズなどであることが判明しています。

「自民党議員」として、やるべきことはほかにあったのではないか?これは、自民党に投票した有権者を激怒させ、あるいは失望させたのではないか――。「報道が事実ならば」、という前提は付きますが、松川るい氏らのフランス旅行は、明らかに観光・買い物目的のツアー、あるいは「業務研修」を装った事実上の慰安旅行のようなものでしょう。というのも、『スマート・フラッシュ』が公開した例の旅程表、見れば見るほど、業務出張とは言い難いものだからです。というよりも、自民党の国会議員ならば、せっかく高い航空運賃を支払い欧州に...
保守層を激怒させる?松川るい氏「ディナークルーズ」 - 新宿会計士の政治経済評論

また、『自民党枚方支部、松川るい氏の選挙区支部長更迭を要求』でも取り上げましたが、地元・大阪府では自民党の枚方支部から松川氏の「更迭」を要求する声明も出ており、さらに元府議はフェイスブックで松川氏に離党と議員辞職を公然と要求しているほどです。

保守派が松川氏らに強い怒りをぶつける

ちなみにこれまでであれば、自民党議員の不祥事を針小棒大に騒ぎ立て、嬉々として追及するのは、特定メディア・特定野党であると相場が決まっていたようなフシがありますが、今回の「松川問題」に関しては、明らかに状況が異なります。

ツイッターやウェブ評論サイトなどを眺めていると、一般に、明らかに「保守派」とみられる人たちからも、松川氏らに対し、強い批判が生じているというようなケースすら散見されるからです。

とくに松川氏自身が安倍派(清和政策研究会)に所属しているため、故・安倍晋三総理大臣を「憎んでいる」(?)ような人たちから、「松川批判」「自民党批判」がもっと生じていてもおかしくないような気がしますが、現実に松川氏らを舌鋒鋭く批判しているのは、多くの場合、「保守派」なのです。

左派メディアなどがLGBT法や対韓譲歩などと並び、松川問題をあまり批判しないのは、個人的には非常に気になる現象のひとつでもあるのです。

ただ、松川氏といえば、『自称徴用工で対韓譲歩促す松川るい議員のインチキ理論』や『松川るい氏のツイートに見る「日韓関係改善論」の詭弁』、『「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁』などでも指摘したとおり、少なくともその主張内容は安倍総理のそれとは似ても似つかないものです。

また、松川氏らの旅行中の行動を眺めていると、やはり、「保守派」ほど失望するものであることは間違いありません。どうせ自民党国会議員がフランスに行くならば、行き先はパリではなく、原発であったり、南仏にある核融合実験炉「ITER(イーター)」であったりするのなら、まだ話はわかります。

あるいは、内外に大量の課題が山積している現在の日本にとって、エネルギー、外交・安全保障、移民、治安問題などを抱えるフランスは、自民党の国会議員が視察する相手国としては、決して悪くはありません。

しかし、実際に松川氏らがやったことといえば、かたちだけ勉強会、視察っぽいことをやり、残りの時間は観光や買い物、肉料理や魚料理などを楽しむという、純然たる観光です。そのようなもの、自民党と無関係にプライベートでやっていただきたいところです。

いずれにせよ、自民党支持者にとっては、「自民党」を名乗る以上、「真面目に議員活動をやれ」と文句をつける権利はあるでしょうし、「真面目に議員活動をやらない者は更迭し、真面目に議員活動をする人を改めて立候補させてほしい」と思うかもしれません。

茂木幹事長が離党勧告協議を中止させた?

こうしたなかで、「日程表」をすっぱ抜いた『スマート・フラッシュ』が10日、またしてもこんな記事を配信しています。

松川るいが茂木幹事長に泣きついた!「離党勧告」協議が突如キャンセルのてんやわんや

―――2023/08/10 6:01付 Yahoo!ニュースより【SmartFLASH配信】

『スマート・フラッシュ』によると、例の枚方支部の申入書に関連し、「一支部の申し入れだけで松川氏が解任される可能性はほとんどない」としたうえで、「ある自民党関係者」の情報として、こんなことを報じています。

しかし、大阪府連では、ほかにも松川氏の追放を画策する動きが複数あった。実は、フランス視察について緊急会合が開かれる予定だったのだ」。

具体的には、この「自民党関係者」のもとに、10日の「役員連絡会」と17日の「総務委員会連絡協議会」の案内状が8日に急遽届いたのだそうであり、しかも議題はどちらも「フランス視察について」。

『スマート・フラッシュ』によると、この関係者はこう述べたそうです。

10日に開催予定だった役員連絡会の案内には、わざわざ『今回はマスコミ完全クローズ』と書かれ、下線まで引かれていました。極秘で話し合いたい内容があったのでしょう」。

これが事実なら、これは明らかに松川氏の処遇に関する話し合いでしょう。

ところが、この2つの会合は突如として2つとも中止になったそうです。9日の夜、各所に「会議は中止になりました」との連絡が届いたのですが、これに関連し、「自民党府連関係者」は、こう明らかにしたそうです。

問題が大きくなったことで、『議員辞職勧告も辞さない』と公言する府連幹部が出てきました。議員辞職、最低でも離党を求めることが検討されていることを察知した松川氏が、茂木幹事長に会議を中止させるよう泣きついたというんです」。

茂木幹事長も、これ以上コトを長引かせたくないため、府連会長に中止を命じたそう。大阪府連内では、会長・谷川とむ氏の弱腰にも不満が募っています」。

ちなみに『スマート・フラッシュ』によると、茂木敏充・自民党幹事長がこの会議を中止させた理由は、松川氏が次回衆院選で参議院から「鞍替え」し、当選した暁には安倍派(清話会)から茂木派(平成研究会)に入ると約束したからだ、としています。

衆院鞍替えは有権者の審判受けるチャンス

現在、自民党の派閥は安倍派が頭一つ抜けているのですが、麻生派、茂木派、岸田派、二階派の4派閥がほぼドングリの背比べ状態にあります。もしも松川氏が茂木派入りすれば、茂木派は「第2位の麻生派に追いつく」(自民党関係者)ことになる、というのです。

このあたりは正直、マユツバではありますが、事実だとすればとんでもない話でしょう。自民党大阪刷新本部の本部長を兼任している茂木氏が自らの権限を背景に松川氏の追放を阻止しようとしたのだとすれば、有権者、あるいは自民党支持者を愚弄する行為そのものです。

松川氏のこれまでの詭弁などに照らすならば、松川氏がその程度の動きをしていたとしても、たしかに不思議ではありません。しかし、松川問題をなあなあに済ませておけば、次の選挙で自民党が大敗を喫するきっかけのひとつとなりかねません。すでに「岸田・茂木体制」だけの問題では済まされないのです。

ただ、この「衆院鞍替え」は、考えようによっては、悪い話ではありません。有権者の審判を受ける機会が生じるかもしれないからです。

松川氏は参議院議員(当選2回、前回選挙は2022年)ですので、放っておいたらあと5年ほど、国会議員を務め続けます。

しかし、仮に「衆院鞍替え」を狙うというのであれば、いったん参議院議員を辞職する必要が出てきますので、その際に大阪府の衆院小選挙区で出馬すれば良いのではないでしょうか。

そのうえで、小選挙区で当選すれば、それがその選挙区の有権者の判断ですので「仕方がない」という話になりますし、仮に比例復活すらできないほどに惨敗すれば、それは松川氏がそれだけの人物だったという証拠にもなり得るでしょう。

「岸田・茂木体制」としてはこのまま事態の鎮静化を狙っているのかもしれませんが、それを許すかどうかは有権者の判断です。その意味では、この『スマート・フラッシュ』の報道が事実だとしても、個人的には「さほど悪い話ではない」と考える次第です。

新宿会計士:

View Comments (28)

  • まぁ、先ずは得意のBSプライムにて出演、説明をすればよいかと思いますね。

    何やってんだよ反町さん。

  • べつに松川氏の肩持つわけじゃないけど、40名近い女性たちの中にはパリが初めて、ウン10年ぶりの海外というひともいたはず。彼女たちの期待は「仕事はそこそこ、空いた時間に楽しみたい」だったはず。それを知っているから団長はあまりギシギシに仕事を入れるスケジュールを作れない。
    まあそんなところじゃないかな。
    無名の女性党員が写真投稿しても問題にはならなかったと思う。
    松川氏が自分がメディアに「狙われている」という自覚なしに自分のSNSにノー天気な写真投稿したのが問題の始まり。
    その意味で松川氏は新しいジャンルを開拓した。
    今後メディアは与野党問わず政治家、党関係者の海外研修(国内もチェックする可能性あり)は目を光らせる。「公金が~、税金が~」といいながら実は騒ぎが大きけりゃ大きいほどいいということ。

  • あー衆院鞍替えっすかー(棒
    佐藤ゆかり切った思たらまった似たようなのを…て地場の府市会議員は思とったりして…
    党本部が府連に手ぇ突っ込んでガチャガチャしてまっけど端から見てたら派閥間の出張り合いにしか見えんし、よっぽどデカイ敵失でもナイ限りこりゃアカンデショってカンジしますわ

  • 記事に記載の内容が事実とすれば、もはやまともな判断力が茂木にも、いわんや松川にもないとの事でしょう。
    それにしても自民党大阪府連もなめられたもんですな。しかし大阪府民は騙されないでしょう。
    ついでにいえば、今井などという若い女性芸能人を擁立し、議員としている「自由民主党」なるものの行動もどうでしょうか。彼女の国政活動がどのように国民に資するものなのか説明して欲しい。
    相変わらず姑息な手段も交えつつ、国民負担増にだけは必死な岸田、そして国富の一環たる資金の投じ方、大いに疑問の余地ありです。

  • やはり自民党は選挙で負けない限り変われないようですね。そもそも岸田文雄なる人物に白紙委任を与えた自体が今としては黒歴史になりそうです。

    • そら先々自民党が存続しててトキの自民党関係者が振り返っての、やったら"黒歴史"かしりまへなあ、
      我々選挙民にしてみりゃ"悪夢の民主党政権"時代よろしく"悪夢の岸田政権"として語り継ぐべき記憶/歴史なんちゃいます~?

  • いわゆる一部の市民が離党しろだ議員辞職しろだ騒ぐならわかりますが、松川氏の選挙区である大阪の自民党からそのような声が上がったのは大阪の事情でしょう。
    自らの行いでボロボロになっている大阪自民が、己の体たらくを丁度良く他責出来るネタを見つけて大げさに騒いでいるというのが、離党だ議員辞職だを迫っていることの本質ではなかろうかと。

  • これで、また、何十万票か、何議席か、票と議席を減らすことになった!

    全体のことを考えられず、自身のことしか考えられない人間が、組織の要・トップにいるってどういうことなのか?「組織の私物化」とは、こういうことなのか?
    しかし、組織そのものが弱体化してしまえば、その組織の要・トップにいても仕方がないと考える人間は、元から、組織を弱体化するようなことはしないでしょうね。

    「鶏頭となるも牛後となる勿れ」と思っている人間は、大組織に入るべきではない、そんな人間を組織の要・トップにしてはいけない、ということのようです。

    有名な警句を裏から読んでみたら、こうなりました。

  • 今回のパリ「研修会」スキャンダルは、崖っぷちの自民党大阪府連としては、松川議員に離党勧告でもしておかないと、止めの一撃になりかねません。
    アリバイ作りかもしれませんが。
    茂木幹事長が離党勧告協議を中止させたのは、これ以上自民党の醜態を晒したくなかったからでしょうけど、自身の派閥の思惑まで詮索されて、泥試合の様相になって来ましたね。
    どちらもこれ以上騒がず無かったことにしたいのでしょうけど。
    そろそろ岸田首相というか自由民主党の命運も尽きつつあるようです。

    • 先だって引退表明した佐藤ゆかりと同じく松川某も"空中戦"主体的な"どぶ板"系選挙区内活動は嫌々型だったそーで、選挙戦実働部隊たる地元地方議員にはウケ悪いんだソーナ
      しっかし府連の連中もたいした戦略も無しに従来型の選挙戦術が通用するわきゃないやろ! …と思うとらんとこがな~
      この状態でイケば各地方選で今後は参政党にも喰われそう??

  • 泣きつくもなにも、大阪府連の主張の方がおかしいんだから、党本部に相談するのは当然だろう。違法行為で逮捕されたわけでもないのに、離党勧告はさすがに異常。ネットで炎上したくらいで離党させられるなら、自民党の公募には誰も応募しなくなる。

    というか、大阪府連の狙いはそこだろう。今、自民党の党本部と大阪府連は対立している。大阪府連に選挙を任せていてはダメだと判断した党本部が、府連の公認を下ろして新たな候補者を公募していて、松川氏も応募を呼び掛けるツイートをしていた。

    つまり大阪府連から見ると、松川氏は府連を裏切って党本部の側についた人間。だから松川氏を潰したいのだろう。反維新のためなら共産党とも組むような大阪府連が、党全体や日本全体のことなど考えているわけがない。

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