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岸田首相、不信任案なら即日解散「表明検討」=FNN

やはり解散総選挙はあるのか、その場合は16日なのか――。いくつかのメディアがこれについて報じているようですが、本稿ではFNNが「独自」と銘打って報じた内容に注目してみたいと思います。これによると野党が内閣不信任案を出してきた場合、岸田首相がその日のうちに「解散を表明することを検討」していることがわかった、というのです。じつにもったいぶった言い方ではあります。また、その具体的な日付については16日が想定されているというのですが、はて?

解散総選挙と岸田首相

はたして、「解散総選挙」はあるのか――。

これに関しては正直、よくわかりません。衆議院の解散は、首相の専権事項だからです。

著者自身の私見ですが、岸田文雄・現首相は全員者である菅義偉総理や故・安倍晋三総理らと異なり、非常に口が堅い政治家です。とにかく岸田政権下では、重要な意思決定がほとんど外に報じられない、という特徴があるように思えてなりません。

このあたり、岸田首相に対する評価はさまざまでしょう。

財務省ポチ、あるいはザイム真理教徒、などと揶揄されることもあり、最近だと韓国に対する異常なまでの譲歩も目立ちますが、その反面で厳しさを増す日本の安保環境のもとで「安保3文書」を制改定し、原発再稼働・新増設方針を打ち出すなど、保守派の有権者にとっては「踏み込んだ政策」を見せることもあります。

口が堅い岸田首相(必ずしも誉め言葉ではない)

ただ、従来の首相と比べ、「口の堅さ」という意味では卓越していることは間違いありません(これが良いかどうかは別として)。解散総選挙も同じで、岸田首相はあくまでも解散総選挙の有無やその時期を巡って、「適切に判断する」との立場を崩していないのです。

たとえば、岸田首相は13日の記者会見で、解散総選挙に関する記者の質問ついて、次のように答えています。

まず、岸田政権は外交・内政の両面において、これまで先送りされてきた困難な課題の一つ一つに答えを出していくことが使命だと覚悟して、政権運営をしてきました。御質問の解散・総選挙についても、基本姿勢に照らしていつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断していく、こうした考え方にあります。そして、こうした基本姿勢に照らして判断していくわけですが、今の通常国会、会期末間近になっていろいろな動きがあることが見込まれます。よって、情勢をよく見極めたいと考えております。そして、現時点ではそれ以上のことについてお答えすることは控えたいと考えます」。

もちろん、この発言を、「解散総選挙はあり得ない」という意味として受け止めるべきかどうかは微妙でしょう。岸田首相の「会期末の情勢をよく見極めたい」とする発言も、考え様によっては、国会の状況次第では解散を決断する、とも受け取れるからです。

FNN「独自」記事…不信任なら解散を「検討」

こうしたなかで、FNNプライムオンラインは「独自」と銘打って、14日、こんな記事を配信しました。

【独自】16日内閣不信任なら“即日解散” 岸田首相が表明検討

―――2023/06/14 11:54付 Yahoo!ニュースより【FNNプライムオンライン配信】

FNNによるとこの岸田首相の発言を巡って「与野党ともに緊張が高まっ」ており、これに加えてFNNの取材で、「内閣不信任決議案が16日に提出されれば」、岸田首相がその日のうちに解散を表明することを検討していることがわかった、などとしています。

「解散を表明することがわかった」、ではなく、条件付きで、「~ならば」、「~すること」を「検討している」ことが「わかった」、とするもので、ずいぶんともったいぶった言い方に聞こえます。

ただ、この記事に注目する価値があるとしたら、こんな記述です。

ある関係者は『16日が最大のヤマ場になる』と話している」。

FNNは、「内閣不信任案が16日にも提出されるとの見方があり」、「岸田首相自身、提出されればその日のうちに解散を表明することを検討」しているとしつつ、岸田首相がこうした意向を「周辺に伝えた」、とする「複数の政府与党関係者」の発言を取り上げています。

この「16日」という日程は、国民民主党の玉木雄一郎代表も、先日、言及しています。

玉木氏「16日解散も念頭」 陛下の外国訪問を踏まえ

―――2023/6/10 13:37付 産経ニュースより

玉木氏の「16日発言」は、天皇陛下が17日からインドネシアをご訪問されることを踏まえた見方であり、今回のFNNが報じた「複数の与党関係者」の発言は内閣不信任案への対応で、それぞれ理由は異なりますが、「16日がヤマ場」という点では一致しています。

自民党にとってのベクトルは議席↑と議席↓

それでは、岸田首相は果たして本当に解散するのでしょうか。

これに関しては、当ウェブサイトとしては『選挙でカギを握る自民・立民「99人のボーダー議員」』を含め、これまで何度も指摘してきたとおり、自民党の立場からすれば、いまこの瞬間に解散総選挙を行う理由がある、ということです。

自民党は多少、票と議席を減らすかもしれませんが、解散時期があと倒しになればなるほど選挙情勢が厳しくなる可能性があるからであり、これに加えて現在だと「維新タナボタ効果」――最大野党・立憲民主党が票を減らし、自民党が漁夫の利を得る効果――も期待できるからです。

そもそも解散総選挙ともなれば、立憲民主党は自民党よりも確実に議席を減らすであろうと想定されますので(著者私見)、そのことを理解したうえで、わざわざ立憲民主党が内閣不信任案を出すものかは疑問です。

泉健太代表自身、獲得議席が150議席を割り込んだ場合は代表を辞任すると表明しているほどですので、もし泉氏が「わが身大事」と思うのならば、不信任案自体を引っ込め、結果的に解散総選挙は行われない、というシナリオも現実味を帯びてきます。

このように考えたら、今回のFNNの報道自体も、自民党がFNNを通じ、解散総選挙をするかどうかという「ボール」を立憲民主党側に投げてみる動きだ、という言い方もできるかもしれません。自民党としてはより精緻な選挙情勢分析を持っているでしょうし、現在選挙をした方が良いのかどうか判断する際にも、そうした材料を参考にしているはずです。

実際、これに関してFNNの記事では、こんな記述もあります。

解散した場合の最新の選挙情勢が予想以上に厳しいことがわかり、政府与党内で慎重な意見が出ている」。

この「予想以上に厳しい」とは、もちろん、自民党、あるいは自民・公明両党という「連立与党」から見て、という意味でしょう。

なぜ「予想以上に厳しい」のかはわかりませんが、想像するに、直近の「LGBT法案」であったり、増税をほのめかす動きであったり、あるいは韓国に対する融和姿勢であったり、と、現在の岸田政権ないし自民党が岩盤保守層を積極的に敵に回しかねない動きに出ている、といった事情でもあるのかもしれません。

余談ですが、FNNによると岸田首相は13日、麻生太郎総理(現・自民党副総裁)や茂木敏充幹事長らと意見交換したものとみられ、解散に踏み切るかどうかは「情勢を見極めたうえで最終判断する見通し」などとしています。

FNNのこの報道が正しければ、岸田首相は自身の出身である宏池会(岸田派)に加え、自身を支える2つの派閥(麻生派と茂木派)を側近として意思決定を行っているということでしょう(最大派閥である安倍派はどこに行ったのでしょうか?)。

いずれにせよ、とりあえずは16日の展開には要注目、といったところでしょう。

新宿会計士:

View Comments (16)

  • 岸田首相の本会議での発言、記者会見などを見て感じるのは、言ってる事が要領を得ない、のらりくらり、それが持って生まれたキャラなのか、大変分かりにくいです人ですネ。私には馴染めませんし、ハッキリと言って欲しい時もある。でも、寡黙か意味不明を言うかの方が、万人受けするのでしょう。

    (野党が内閣不信任案を出してきた場合)岸田首相がその日のうちに「解散を表明することを検討」していると(嘲笑)。ま、16日には分かるんだ。多分解散アリかな?

  • FNNねぇ‼️また翔クンがフジテレビ女性記者に寝物語したのでしょうか⁉️昨夜のキシダ会見はLJBTQ法案衆議院可決を隠す為の少子化対策に過ぎません‼️一番大事な財源をまたまた先送りして中身無しです。気になったのは、解散を聞かれた時に見せた笑顔です‼️此はやる気満々だなと思いました。強引に一人で邁進して党内を混乱させたLJBTQ法案を16日可決させた後に立憲民主党からの内閣不信任案件を受けて解散総選挙に突っ込んで行くのでしょう‼️拙速に進めたLJBTQ法案化を隠し、今後の増税ラッシュで批判受ける前に、選挙で勝利して秋の臨時国会で一斉に増税ラッシュに持ち込む腹積もりでしょう‼️多少自民党議員の数減らしても大きな負けは無いと踏んでいると思われます。是非とも我々民意の審判を受けて貰いたい‼️

  • チワワ岸田さん、自信満々ですね、バイデン民主党からの強力な応援を信じているのかもしれません。日経平均もバブル期以降の最高値、影の岸田応援団によるLGBT法案への応援相場なのかもしれません。

    全く国民に目を向けなくとも、マスメディア業界、教育界、国際金融、及びバイデン民主党からの強力なサポートがあるので、怖いものなしなのでしょう。
    グローバルリベラリスト、たいしたものです。

  • >【独自】自民党の情勢調査、衝撃の数字 自民42議席減で単独過半数割れ、維新が34増、立憲は17増…これで解散はできるのか 6/14(水) 19:33配信

    (正確だとされる)自民党の情勢調査の結果がこのとおりなら、麻生氏が今ではないと進言したとの報道と符合する。自民単独過半数割れなら進退直結でしょうね。

  • >FNNのこの報道が正しければ、岸田首相は自身の出身である宏池会(岸田派)に加え、自身を支える2つの派閥(麻生派と茂木派)を側近として意思決定を行っているということでしょう(最大派閥である安倍派はどこに行ったのでしょうか?)

    最大派閥とはいえ、どちらかというと自民党内部で異質なのは安倍派ですしね。岸田派、麻生派、茂木派かあ。要するに自民党内リベラルで結束してるんですかね。
    (まあ最近は派閥色は薄まってますが)
    岸田内閣が次回も大勝すると、移民促進やジェンダーフリーなどは加速するだろうし、時期を見て増税や緊縮財政に動くんでしょうね。これで公明党を切るというならまだ救いもあるけど、そうはなってないし…。

    • 読売の記事ですが、岸田政権は取り巻きだけで動かしていて安倍派は蚊帳の外だそうです。
      しかし、LGBT少子化促進法の次に日韓スワップ協議とか一部のプラスを帳消しにしてマイナスでしかないので岸田不支持で動こうと思います。
      社会保障削っておいて韓国に金ドバなど、立憲はともかく維新が突っ込めば票分捕れるのになー(棒)

  •  立憲民主は「内閣不信任案如きで解散は大義が無い」と火病ってますが、じゃあ今まで民主党時代から出してきたあれは何だったんだよ、と突っ込まれて当然。
     奴らが不信任決議案の価値を貶めた罪は万死に値するでしょう。

  • 株価の動きを注視するのも総理大臣の仕事と思いますが。
    「一寸先は闇」は政界だけでなく、株価(景気)も同じこと。
    1990年のバブル株価超え!
    岸田さん!今でしょう!
    公明とは血の涙でお別れ!
    (多少の返り血はご愛嬌)
    岸田さん!もってますよ。
    歴史に残る名宰相!!
    楽しくなってきましたよ。

    https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2022/07/irepo220705/

  • 異次元の少子化対策も発表したし、株価も絶好調、息子の不祥事もありますがゼレンスキー効果もまだ残っているのではないか。
    背後に迫ってくる維新の足音はまだ遠い。
    自公協力は東京以外では大丈夫だ。
    立憲民主党は今ひとう勢いがない。
    岸田首相は今ならいけると思っているのでしょう。
    立憲民主党が内閣不信任案を出すかどうかが分かれ道ですかね。
    選挙の結果はどうなるか分かりませんが。

  • 解散のドタバタで本当に通したいのは韓日通貨スワップなのかもしれません。本当にどこの国の工作員なのか。悪夢の民主党政権を倒すために工作していた日々再びやらないとなのかしら。全力で。解散結構。責任は首で取ってもらいましょう。
     日韓通貨スワップ再開で調整、月内の閣僚級対話で協議=政府筋(ロイター)
    https://jp.reuters.com/article/idJPL4N3862SZ?il=0
     協議するということは、協議してやっぱりできませんは普通ない話、つまりテーブルについた時点でもうやるという結論は出ているというお話で、こんな茶番もありません。
     ・・・というか冷静に考えてみると、本当に韓国は瀬戸際で今夜が峠みたいな状態なのね。こんな最悪な時期に最悪な手段とらないといけないほど重体らしい。でも延命画策したところで結局ご臨終じゃないのかしら。いよいよダメだというフラグがたったわけだから、数日持たずにアメリカの銀行みたく即死すると思うんだけど。時間かけて間に合うのかなあ。

    • 陰謀論者様

      NHKや朝日も報道しましたね。日韓通貨スワップはもう規定路線だと思います。岸田政権の対韓国外交については、すごい勢いで先祖帰りしてますから。

      あとは、今月末の財務対話でどこまで具体的に決まるかです。財務対話で「日韓通貨スワップ再開の協議をすることで合意しました!」と発表するんだろうなと思っていたのですが。現時点で協議再開の方向だと報道されるレベルなら、もう金額や期限についての話も出てるんでしょうかね。もしかしたら想像以上に早く締結までいってしまうかもしれません。韓国側は必死でしょうし。

      韓国の財界は以前からずっと、日米と合計1000億ドル規模のスワップが必要だと言い続けています。米国とは無理だろうから日本にオールインして1000億ドルスワップを要求してる危険性すらあると思います。
      個人的には、領事館前の慰安婦像を片付けてもらわないと財務対話すらしてはいけないと今でも思ってますがね。なにゆえ原理原則を曲げてまで、レーダー照射してくるような反日国家を毎度助けてやるのか。残念です。

      • 追記です
        >「通貨スワップ協定」の再開が決まれば金融分野での日韓の関係改善を象徴する形となるだけに、今回の「日韓財務対話」でどこまで踏み込んだ議論が行われるかが焦点となります(NHK)

        「金融分野での日韓の関係改善を象徴する形」
        この表現、先日韓国マスゴミでも見かけました。
        意地でも韓国が外貨に困っていることと、韓国を一方的に助けるものだと認めたくない韓国側。それと日韓マスゴミの連携プレーにより、今回の日韓通貨スワップはこの表現で推し進めていくのでしょう。

    • だがLGBTやら韓国への譲歩は迅速に決めると言うのが一番タチが悪いのです。何も決められないならまだしも

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