軍事侵略防ぐのは「世界市民の連帯」ではないことだけは間違いない
日本で開催されたG7が、過去にここまで大成功を収めたことがあったでしょうか。ハイライトはやはりウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領のG7参加ですが、それだけではありません。インドのナレンドラ・モディ首相が日本に贈ったマハトマ・ガンジーの胸像の話題、サミットのメイン会場である宇品島やエクスカーションの厳島神社などの「メッセージ性」なども強烈です。ただ、こうしたなかで個人的に目についたのが、北海道新聞のとある読者の声です。いったい何が書かれているのでしょうか?
目次
G7レビュー
歴史的なG7
まさに、「歴史的なG7」ではないでしょうか。
初日にはG7首脳が揃っては広島原爆資料館を訪問し、平和記念公園で献花。
2日目には宮島でG7首脳が夕日を眺めるなかで、ウクライナからウォロディミル・ゼレンシキー大統領が広島に到着。
さらには、招待国首脳としてG7に参加するために来日した、インドのナレンドラ・モディ首相が、インドが広島に贈呈したマハトマ・ガンジーの胸像の除幕式を執り行っています。
FOIPが実を結び始めている
故・安倍晋三総理大臣やその後継者である菅義偉総理大臣が長年続けてきた「価値観外交」が、見事に実を結び始めていることは間違いありません。かつてのパッとしない時代の日本外交を知っている身としては、本当に感無量、といったところです。
今回のG7も、安倍総理の置き土産である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」が良い意味で出てきたものでした。
たとえば、今回ゲストとして招かれた国には、米国とともに「クアッド」を構成している相手国であるインドと豪州に加え、また、南米の大国・ブラジルなども含まれています。「BRICS」のうちのインド、ブラジルがG7に招かれた格好で、「R(ロシア)」と「C(中国)」に対する牽制という意味では象徴的でしょう。
※もっとも、どうせなら「S(南アフリカ)」も招いておけばよかったのに、という気がします。同じ「S」でも今回岸田首相が招いたのは「違うS」です。
このあたり、岸田文雄・現首相に「プリンシプル」や「インテリジェンス」があるのかどうか、G7が一枚岩なのかどうか、あるいはインドが日本にとって本当に信頼し得るパートナーなのかどうかという点はとりあえず脇に置くとしても、現段階でG7が世界に発信するメッセージは、じつに強烈です。
今回のG7がウクライナ戦争勃発後1年あまりというタイミングで、戦線が膠着し、ゼレンシキー大統領が少しずつ外国に訪問できるようになり始めている、といった事情もあるのかもしれません。
しかし、そのゼレンシキー氏が訪問した地が、人類史上で初めて「生身の人身に対する核攻撃」を受けた都市・広島だったというのは、さまざまな意味で、じつに象徴的でもあります。
宮島の厳島神社、必勝しゃもじ、サミットメイン会場…メッセージ性も!
そういえば、広島・宮島に関して言えば、岸田首相が3月にウクライナを訪問した際に贈呈した、例の「必勝しゃもじ」(『ロシアのメディアが岸田「必勝しゃもじ」を報じた意味』等参照)などでもでも知られています。
岸田首相がゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」を贈ったという話題を、ロシアのタス通信が報じました。日本は120年前の日露戦争でロシアに勝利した国です。想像するに、その日本がウクライナに対し「戦勝のお守り」を贈ったというのは、ロシアにとっての「悪夢のシナリオ」を惹起させるものなのかもしれません。こうしたロシアの反応を見ると、この「必勝しゃもじ」、ロシアに対するメッセージとしては悪くなかったのではないでしょうか?必勝しゃもじと岸田首相「必勝しゃもじ」に批判集まるキーウを「電撃訪問」した岸田文雄首相が... ロシアのメディアが岸田「必勝しゃもじ」を報じた意味 - 新宿会計士の政治経済評論 |
岸田首相がゼレンシキー氏に「必勝しゃもじ」を贈ったのは、じつはゼレンシキー氏に「サミットでは広島に来てくださいね」、という含意でもあったのでしょうか。
「象徴的」という意味では、宮島の厳島神社が日露戦争当時、勝利を祈願する場であったという歴史的事実、メイン会場となっている「グランドプリンスホテル広島」が所在する宇品島は、一帯は旧日本陸軍の出征拠点として整備された過去がある、といった点を踏まえると、本当に印象的です。
まさに、ロシアに対する最大の当てこすりでもあるからです。
わかってやったのだとすれば、岸田首相はじつは大変に厭味ったらしい(?)人物なのかもしれません。
世界市民の連帯
北海道新聞の「とある読者の声」
さて、ウクライナ戦争の勃発、中国の軍事的伸長など、世界情勢の激変という状況を踏まえるなら、人々の意識も大きく変化しているのではないでしょうか。
口で「ヘーワ、ヘーワ」と唱えているだけで、あるいは「ケンポーキュージョー、ケンポーキュージョー」という題目を唱えているだけで、「この日本という国が戦争に巻き込まれないで済む」、などと短絡的に考える人は少数派になりつつあるようにも思えます。
こうしたなかで、個人的にちょっと「興味深い」と思ったツイートが、これです。
元北海道議会議員の小野寺まさる氏が発したツイートですが、北海道新聞の紙面に掲載された『読者の声』の内容が取り上げられています。
「世界市民の国際的連帯で平和を!」
この投稿を寄せたのは49歳の高校教諭の方だそうで、こんな内容です。
- 北海道新聞の調査では防衛費増額への賛成意見が過半数だったが、そのための増税には反対とする回答もまた過半数だった
- 増税せずに防衛費を増やせば社会保障費や地方交付税の削減が避けられないが、少子高齢化対策や格差是正が重要な課題となっている今、それらを大幅に削減する余地はない
- 仮に相互の武力攻撃が現実になれば、核兵器使用を含む総力戦となり、先の大戦とは比較にならない破滅的な結果になるのは明らか
…。
「増税せずに防衛費を増やせば」のくだりは、端的にいえば経済学に対する知見が完全に不足しています。経済が好調であれば、べつにわざわざ増税をしなくても、税収は増え、防衛費の増額も簡単に実現できることもあるからです。
また、「相互の武力行使」が現実のものとなった場合にも、自動的に「核兵器使用を含む総力戦」となるわけではありません。実際、今回のウクライナ戦争においても、(少なくとも現時点においては)核兵器は使用されていません。
ただ、「増税せずに防衛費を増やせば」の部分と、「相互の武力攻撃が」の部分については、一見すると何の脈絡もないように見えますが、そんなことはありません。どちらも、こんな記述につながるからです。
「結局、私たちに残された選択肢は、世界市民の国際的な連帯による平和の構築しかないと思う」
…。
新聞が衰退するのも何となく理解できる
おもわず、「はぁ?」と脱力してしまう人も多いのではないでしょうか。
「世界市民」とやらが「国際的に連帯」して、とおっしゃいますが、そもそもロシアや中国に、その「世界市民」とやらが存在するのでしょうか?そして、その「世界市民」とやらと連帯することで、ロシアや中国が外国に侵略戦争を仕掛けることを防げるとでもいうのでしょうか?
断じて「否」でしょう。
今回のウクライナ戦争でもわかるとおり、侵略戦争は侵略される側ではなく、侵略する側の意図で発生します。しかも、侵略する側はたいていの場合、独裁国家です。ウラジミル・プーチン容疑者も事実上の独裁者ですし、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席に至っては自らの思想を憲法に書き込んだほどの人物です。
この手の言説の卑怯な点は、「侵略戦争を仕掛ける側がどちらなのか」という点を、意図的に無視している点にあります。
いずれにせよ、49歳といえば、一般には「壮年」と呼ばれるはずですが、そのような年齢の方がこんな文章を執筆されたという点には、個人的には素直に驚いてしまう次第です。
もっとも、冷静に考えてみれば、この手の言説、現代社会で日常的に目にすることもめっきり少なくなったように見えます。こんなことをいまどき主張したところで、このネット社会において、多くの人に支持されるという可能性は低いからです。
新聞、テレビくらいしか情報の入手手段がなかった時代ならば、人々はたいていの場合、新聞を取っていましたし、日本の有力紙のなかにはかなり現実離れした左派的な主張を繰り返すメディアも多かったのです。
しかし、現代社会だとそもそも新聞の部数は急速に減っており(『環境破壊議論するなら真っ先に問題視すべきは新聞紙だ』等参照)、また、ネットサイトでこの手の言説が支持を受けることも難しいのが実情でしょう。
なぜ日本の新聞は部数が急減しているのか――。それには単純に、紙媒体の新聞は情報が古く、使い勝手が悪く、保存も検索も難しいという不便さだけによるものではありません。新聞社の「感覚」が、私たち国民の関心事とは、かなりズレているからではないでしょうか。こうしたなか、とある雑誌のウェブ版に、新聞記者の皆さんが環境について語り合う座談会が掲載されていたようです。環境について語るなら、真っ先に問題視すべきは環境にやさしくない紙媒体の新聞ではないでしょうか?各種データで見る、新聞部数の急減新聞の部数が急減し... 環境破壊議論するなら真っ先に問題視すべきは新聞紙だ - 新宿会計士の政治経済評論 |
というよりも、紙媒体の新聞が部数を急激に減らしている理由も、何となくわかる気がしてしまいます。
ウクライナ戦争停止の努力を「中国に」求める
さて、G7広島サミットの話題に関連し、もうひとつ、大変興味深いくだりがあるとしたら、共同声明(コミュニケ)第51項(PDFのページ数でいえばP36)に含まれる、こんな記述ではないでしょうか。
We call on China to press Russia to stop its military aggression, and immediately, completely and unconditionally withdraw its troops from Ukraine. We encourage China to support a comprehensive, just and lasting peace based on territorial integrity and the principles and purposes of the UN Charter, including through its direct dialogue with Ukraine.
わかりやすくいえば、G7は「中国に対し」、ロシアにウクライナ侵攻を止めさせるように求める、というものです。
習近平さん、困ったことになりましたね(笑)。
いずれにせよ、G7広島サミットは、平和をもたらすための努力とは、「世界市民の連帯」ではありません。「連帯」するのは志を同じくする諸国であり、その目的は軍事独裁国家に対して軍事侵略の野心を挫くとともに、軍事侵略に対してはしかるべき懲罰を与えることにあります。
したがって、G7としても、ロシアの軍事侵略に大きな懲罰を与えることを通じ、中国の軍事侵略の野心を挫くことが必要であり、その観点からは、今回のG7には一定の成果があったと述べて間違いないでしょう。
サミット解散は?
なお、個人的には一部で取りざたされる「サミット解散」(『「ゼレンシキー来日」実現でサミット解散の可能性は?』等参照)にも興味を覚えます。
本日以降開催されるG7広島サミットに合わせ、ウォロディミル・ゼレンシキー大統領が広島を訪問するとの報道が出てきました。「関係者の話」としてブルームバーグが報じたものですが、これが事実なら、ロシアに対してだけでなく、中国や韓国などに対しても、非常に重要な効果がありそうです。なにより一部でささやかれていた「サミット解散」が「ゼレンシキー解散」となるのか…。それでなくても注目点が多々ある今回のG7、関連する情報を注視する価値はありそうです。ゼレンシキー大統領が訪日か事実だとしたら、これは久しぶりのス... 「ゼレンシキー来日」実現でサミット解散の可能性は? - 新宿会計士の政治経済評論 |
岸田首相の心中を察するに、日本維新の会の伸長を抑えたいという観点に加え、来年9月の自民党総裁選に向けた布石という観点からも、タイミングとしてはたしかに絶妙ではあります。この点についても、引き続き注目に値する論点かもしれません。
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この高校教師のような方が北海道新聞を読み、投稿し掲載される。内容と言えば旧ソ連かロシアか、中国の共産党プロパガンダ新聞に載っている「理想的な世界同時革命」なんでしょうね。道新含め、お花畑で夢想している様に見えます。(※別に高校教師の方々すべてを枠に入れた糾弾ではありません)。
しかしG7を見て、「私たちに残された選択肢は、世界市民の国際的な連帯による平和の構築しかないと思う」という程度のコメントしか出来ない浅薄な日本人の大人が居る、というのは、G7、インドに敵対する中露らが、自由主義・民主主義国家の中には低劣な考え方の人が大勢いるな、と冷たい笑いと弱い環を再認識した気分になるのではないでしょうか。
世界市民という単語に興味を感じました。
コスモポリタンやインターナショナルは実に危険な用語なんですね。親も兄弟もない、むしろ憎む、偉大な理想社会を建設する闘志に萌えた思想戦士たちは国境を越えて孤独を埋める連帯を築いて連帯し合い同時革命を目指す。困ったことにアメリカ社会を蝕むネットを通じた銃器愛好家の連帯も本質的には同じメンタルを持っています。
はにわファクトリー様
コスモポリタンやインターナショナルなんて言葉、まだ一部で通じるんですネ。連帯もそう。とても危険思想の香りがします。自由社会を蝕んでいる組織がある事に、もっと多くの人たちに理解して貰いたいです。
めがねのおやじ さま
筆のすべりに反応していただき光栄です。山上事件がアメリカで活動する旧統一教会分派の影響を受けたものでないかと危惧した向きは多かったのです。名前は書けません。暴力集団、銃器愛好家、ネットゲ愛好サークルは根っこでつながっています。
100%妄想ですが、もし安倍晋三総理が存命でサミットを広島で開催する場合、何が違ったであろうかを書いてみました。
安倍晋三の外交センスと実行力はおそらく当方の想像の上を行くのですが、最低現実的に対処すべきことは書いたつもりです(笑)。
・招待「国」に台湾を加える。
一部の会議にオブザーバー国家として台湾を招待すると思います。中華人民共和国をカウンターウエイトで呼ぶかどうかについては想像の範囲を超えますが。
G7の首脳と台湾が会議できる機会を与えて東アジアの安全保障にG7からメッセージをする必要が有る段階だと思います。
・G7首脳の訪問先に「呉」が加わる。
呉市の見るべきスポットに海自の潜水艦を改造して資料館とした「鉄のくじら」という施設があります。
こちらを見ていただきながら日本ができるウクライナ戦争終結後の地雷や機雷の除去について参加者に意識共有するのではないかと思います。
もちろん自衛艦に台湾含めた首脳の体験乗船もありますが、これも世界へのメッセージになります。
他にも有るかもしれませんが、当方の思いつくのはこれくらいです。
インテリジェンスと日本発の民主主義国家の安全保障戦略への改善意識の欠如。
管理人様も常に書いてますがコレが無いのが現在の日本にとって不幸です。
この問題がボディーブローの様に後日効いてくる気がしますね。
鉄のくじら
⇒てつのくじら館
が正しいです。失礼しました。
「相互確証破壊」という気が狂ったような概念による戦争の抑止。しかしそれが(絶対に正しいなどとはとうてい言い切れないものの)間違っているとは言えない現実。
ただしそれにはひとつの前提がある。もしも核兵器が使われたら何がおこるのか。すなわち「広島で何がおきたか」を多くの(できれば世界中の)人が知っているということである。
核廃絶など夢物語だという人は多い。私もそう思う。であればこそ核のボタンを握る者は広島を知らねばならないのだ。
今回の各国(特に核保有国)首脳による平和記念資料館の見学は大きな価値があったと信じたい。
>厳島神社が日露戦争当時、勝利を祈願する場であった
>宇品島は、一帯は旧日本陸軍の出征拠点として整備された過去がある
広島市は屈指の軍事都市だったそうです。原爆投下候補地の筆頭だった理由もそこにあります。
余談。
呉港が連合艦隊の本拠地だったことはよく知られていますが、司令部があったわけではありません。連合艦隊司令部は19年9月までは旗艦の中にあり、それ以後は戦況の逼迫を理由に神奈川に置かれました。
また、海軍軍令部は常に帝都に置かれていました。
SEALDsが侵略者と酒を飲んで食い止めるって言ったときは、「まだ学生さんで若いし、世の中は話せばわかるって思ってて、ある種の理想や使命感を持っているんだな。若者らしくて、ほほえましいなー」と思えないこともなかったけど、もう50歳にもなろうとして、これはいかがなものかと…。
いや、世界市民の国際的な連帯って、婉曲的にNATOを指していて、きちんと核共有とか国際的な集団防衛機構に加盟しろってことを言っていたりしないかな笑
札幌市白石区。
柘植久慶の著作によれば、有史以来、地球上で戦争が行なわれていなかった時間は、累算でもわずか6年ぐらいしかないとのことだ。
人類の歴史は戦争の歴史。備えておかないと悲惨な目にあう。
悲惨とはどういうことか。
1945年5月にベルリンにいたドイツ人女性でソ連兵にレイプされなかった人はいないのではないかと言われている。あまりのひどさに特定のソ連兵の専属になりたがったドイツ女性もいた。なぜ? 輪姦されるのを防ぐため。
ドイツ人女性の件は旧ソ連人女性をドイツ兵がレイプした報復でもあるのでしょうね。
独ソ戦はお互い相手を絶滅しようとした戦争でしたから悲惨です。
メインテーマから外れますが、
>1945年5月にベルリンにいたドイツ人女性でソ連兵にレイプされなかった人はいないのではないかと言われている。あまりのひどさに特定のソ連兵の専属になりたがったドイツ女性もいた。なぜ? 輪姦されるのを防ぐため。
との記載がありました。そうかもしれませんが、事実はかなり違うようです。ドイツ人女性が飢えをしのぐために行動せざるを得なかったことは事実で、記録も刊行されており図書館で簡単に借りることもできます。あまりの窮状だったようなので図書館で借りて冒頭部だけを読みましたがそれはそれは悲惨なもので命をつなぐために仕方のないことだったようです。著者は自分が世を去った後にに出版してくれと書き残し、そのような対応がとられたようです。
署名を忘れてしまったのですが、私にドイツ人女性との縁談が舞い込んだときドイツ人女性はどういう性格なのかを調べるために川口・マーン・恵美さんが書かれた「国際結婚ないしょ話」を読み、その本の参考文献にドイツ人女性が戦後悲惨な暮らしをせざるを得ない事情が書いてあると言うことだったので取り寄せてみた次第です。
日本でもアメリカ兵に強姦された女性がいたようで、恐らくドイツでも同じでしょうから強姦がなかったとは言いませんが、飢え死にせずに生き残るために強姦などよりはるかに悲惨な状態だったようで、ソ連兵全員が強姦したわけではないと思いますのでソ連兵の名誉のためにも、事実が書かれた本があるのですから、興味のある方はその本を読まれたらよろしいかと思います。
ちなみに私は具体的な中身の記事には興味がなかったのでその本は冒頭部だけしか読んだことはありませんから、多少内容が違っている可能性も否定はできませんが。
1945年のベルリンがどういう状況だったのかは、わからずに話すとプロパガンダに加担することになると思いますよ。
慎重に。
例えばジューコフ自伝では、3~4月の市外戦の最中にも、電気も電話も生きてたし新聞や牛乳や生卵も配達流通していた由。
潜水艦と機雷で海上封鎖されて干し上げられた東京とは、違うのです。
戦後も、占領軍が人モノの移動を禁止していたから末端での物資欠乏が発生していた面もあります。
アドレナリンばくばくの当事者に言うのは無理がありますが、戦後の世代がスジ論で言うなら、
「治安維持できなかった(あまつさえ報復として加担さえした)占領軍の不始末であり、戦争犯罪」
としか言えませんわな。
勝ったらなにをしてもよい訳ではありません。
広島にG7が集まって献花したのには、それをようやく認める機運が出てきたという見方もできると思いますよ。
パヨクの教育では、ジュネーブ条約とかまったく教えないみたいですが、近代戦争は職業兵士同士が郊外でルールに則って殺し合いするものです。
(少なくとも建前上は。)
北海道新聞の投稿内容ではなく新聞投稿自体のお話です。
もう十数年以上も前の話で恐縮です。
当時、国労(旧国鉄労働組合)の関西の支部のホームページに
新聞投稿欄は無料で使える強力な手段ですという内容のPDFが掲載されていました。
新聞の投稿欄が社説よりよく読まれているので
組合員は積極的に組合側の主張を投稿せよという主旨。
組合員個人が自分の考えを投稿するのではなく、
組合の主張を個人を装って投稿するのはおかしいと思いましたが、
それよりも気になったのが投稿欄がよく読まれるという根拠です。
新聞の社説と投稿欄の読まれる率が掲載されていたのですが、
それぞれ一割くらいとそれに0.何パーセントが多いくらいでした。
例を挙げると10パーセントと10.2パーセントといったころでしょうか。
小数点以下の違いしかありません。
確かに無料ですが、社説と同程度ならほとんど読まれないのでは強力とは言えないでしょう。
国労も新聞投稿に頼らざるを得ないほど落ち目になったのかと思いました。
でもいまだにこんなことを左翼では勧めていて件の高校教師はバカ正直に実践しただけかもw
投稿欄を無くさないのもこんな理由があるのかもしれないのかなと思いました。
おもしろいPDFなのでダウンロードして保管した記憶があるのですが、
今パソコンのSSDを全ファイル検索しても見つかりません。
現在のホームページ(国鉄労働組合西日本本部。住所が当時と同じです。)にも
そのような内容の記載は見当たりませんでした。
今どき「新聞」に投稿してもどれだけの人間が読むか?
今は購読していないが、新聞は1面とテレビ欄と社会面くらいしか見ないのが大多数なのでは。
SNSならあっという間の「拡散」になる。
SNSは「真偽不明」なのが多いというけど、新聞だって100%事実だとは言い切れない。
新聞にはテレビのような「放送法」の縛りもないし、新聞は新聞社の「思想」の拡散手段である。
全国紙なら多少は「公平」?かもしれないが、地方紙は「活動家機関」みたいなもんだと聞くけどね。
ゼレンスキー大統領が乗っているはずとみなされたエアバス機は位置情報を公開しながら広島まで移動しました。見ていた方も多いと思います。情報戦の一環であり有効だと当方は感じます。
軍用機ですので隠密移動もできたはずだが、敢えてそうしない。ゼレンスキー大統領が欧州を出発し米国議会訪問を果たした時も航跡が人目に触れることに重大な政治的なメッセージ性がありました。ナンシー・ペロシ議長が台湾訪問を果たした時もたくさんがネットで航跡に見入ってました。仮想だ、バーチャルだと揶揄されるディジタル情報は、それが現実の表現表示手段である限りにおいては事実や本質として重視されないといけないとよく分かります。
ネットに目を凝らして記事を書いている記者、近ごろきっと多いですよね。低コスト効率取材、内容高精度化のためにネット技術活用度こそ報道産業の実力を量る物差しと思います。
ゼレンスキーの空港到着後の地上での移動をヘリを出してまでライブ中継するマスコミへ、テロ対策目線での批判があってそれは妥当だと思いました。
が、仏の政府専用機の移動航路を伝えることの批判へは違和感を感じていました。
FrightRaderで見えるってことは、自ら位置を広報して飛んでるわけですからね。(笑)
あ、flightraderだ。また同じ書き間違いを・・・
CTM1022 が整備を受けていた関空から広島へ移動したらしいです。
ポーランド行きの飛行計画は公表されてもいます。無事に送り届けて欲しいもの。ゼーさん、戦いに勝ってからもう一度訪日してください。
北海道新聞、教師、50歳手前・・・。
彼らはキュウジョウキョウの信者ですから、
永遠に解脱はしません。
道新の投稿の件は、進歩派あるいは左派の陥りがちな思考なのかもしれないです。
こういった人たちは、人間社会が理性を持って合理的にすべてが決定できると決めてかかっている面があるのですが、残念ながら「すべての人間」が「すべての場面」において「合理的にすべてが決定できる」というものは、真とはなり得ないでしょう。
その意味で、保守派のもつ「懐疑論」が大切なのだろうと考えます。
特に権威主義諸国に対しては、国内での適切な批判に晒される機会が少ないため、合理的な決定がなされているわけではないことに、留意する必要があります。
自由と民主主義がある国では、政府の政策は議会の場でチェックされたり、マスメディアの批判に晒されることがあるので、その面では権威主義諸国より優れていると考えます。