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福島処理水は汚染水に非ず:IAEA基準に従い処理を

福島第一原発のALPS処理水の海洋放出を巡って、韓国メディアは頑なにこれを「汚染水」と間違った用語で呼び続けていますが、韓国がこれを何と呼ぼうが、日本政府と国際社会との協議は問題なく進行し続けていることは間違いありません。その一方で、韓国を「(旧)ホワイト国」に戻す政令改悪案へのパブコメは、5000件を超えたようです。

ALPS処理水のトリチウム量は安全水準以下

福島第一原発から発生する汚染水は、多核種除去装置(ALPS)により、ほとんどの放射性物質が安全基準を満たす水準にまで除去されています。ただ、放射性物質のうち、水素の同位体であるトリチウム(三重水素)に関してはALPSでも完全な除去が難しく、処理水にはトリチウムが含まれてしまっています。

もっとも、トリチウムの放射線量は紙1枚で遮れるほど弱いものであり、また、トリチウム自体、自然界にも存在するものであるという事情を踏まえるならば、安全性について十分なコントロールをしたうえで、海洋など自然環境に放出するのが合理的であるとされます。

こうした観点から、日本政府はALPS処理水について、トリチウムの濃度を安全基準値のさらに40分の1の水準にまで希釈したうえで海洋放出する方針を示しており、その方向で国際原子力機関(IAEA)との協議も順調に進んでいます。

すなわち、IAEAとの協議と並行し、社会に対する十分な説明を尽くすことを前提に、最終的には海洋放出を実行するのがもっとも合理的な選択肢、というわけです。

「汚染水」じゃなくて「処理水」ですが…

ただし、やはり社会に対する説明は必要ではありますが、日本政府がどこまで説明を尽くしたとしても、世の中には「科学を振りかざすな」などと感情的に叫ぶ人たちもいるくらいですので、国際社会との良好会を取ったうえで、どこかの段階で海洋放出を決断せざるを得ません。

こうしたなかで、とくに処理水のことを「汚染水」と頑なに呼び続け、ALPS処理水の放出を陰に陽に妨害し続けている国のひとつが、隣国です。

その韓国メディア『中央日報』(日本語版)に5日、興味深い記事が掲載されていました。

IAEA、日本の汚染水監督過程に「問題なし」趣旨の報告書発表

―――2023.05.05 08:36付 中央日報日本語版より

中央日報は「日本政府の福島第1原発汚染水放流」(※「汚染水」という誤植は原文ママ)を巡って、その処理過程を検証中のIAEAが中間報告書で、「日本規制当局が点検対象から除外した危険核種があるとは考え難い」と評価した、などと報じました。

中央日報を含めた韓国メディアが、そもそもなぜ、処理水のことをわざわざ「汚染水」と頑なに誤報し続けているのか理解に苦しむところですが、ただ、IAEAなどの国際基準・国際社会をベースに議論が進んでいる話題を取り上げるときは、どこか舌鋒の鋭さが感じられません。

国際標準に弱い韓国

このあたりは日韓関係を読み解くうえで、大変に興味深い点です。

考えてみれば、韓国メディアや韓国の政治家らからは、口を開けば「韓日関係の特殊性に照らし、日本が誠意を示すべき」などとする主張がナチュラルに出て来るのですが、これも裏を返せば、自分たちの主張が国際社会の法や慣習、常識に照らして筋が通っていないことを、暗黙の裡に理解している証拠でしょう。

そういえば、ALPS処理水のことをわざと「汚染水」と間違った用語で呼び続けたうえ、その海洋放出を巡っても頑なに「日韓2ヵ国間の協議」にこだわるのも、韓国にとっては日本との「水面下の折衝」の方が好都合だ、という意味でもあります。

したがって、日本としては、韓国との交渉は可能な限り、国際法、あるいは国際社会の基準・規則・慣習・常識に従い、二国間ではなく多国間の場で行うのが正解でしょう。

いずれにせよ、この福島処理水の海洋放出は、日本国民にとっては民主党政権禍の負の遺産をひとつ片付けるというだけでなく、日韓関係についても韓国とではなく、IAEAという「国際機関」との協議を通じて解決しようとする試みという意味で、大変に重要な意義があります。

いずれにせよ、日韓関係は可能な限り密室協議を避け、オープンな場で議論を進めるべきであり、その意味では岸田文雄首相の実務能力、説明能力の低さ(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)は返す返すも残念です。

「仮定のご質問には答えません」は岸田首相がちゃんと考えていない証拠衝撃的な「岸田ディール」。振り返れば振り返るほど「信じられない内容」と言わざるを得ません。とくに韓国の「ちゃぶ台返し」の可能性については、岸田文雄首相は記者会見で「仮定の質問には答えません」と述べ、シャットアウトしてしまいました。こうした記者団とのやり取りから浮かぶのは、「キシダ・フミオ」という政治家の「実務担当能力のなさ」、「戦略的思考力のなさ」、そして「プライドの高さ」です。不誠実な「キシダ・フミオ」岸田ディールの衝撃:首...
岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ - 新宿会計士の政治経済評論

政令改悪案に対するパブコメは?

さて、韓国を「(旧)ホワイト国」に復帰させるとする輸出貿易管理令の改悪案を巡っては、今年5月末まで、当ウェブサイトの冒頭にガイダンスを掲載し続けることとしています(『パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します!』等参照)。

本記事は2023年5月31日まで当ウェブサイトトップページに掲載し続けます電子政府の総合窓口(e-gov)トップからパブリック・コメントを入力する方法についてまとめました。手順が大変わかり辛いのですが、本ページを参考にしながら、是非ともパブコメに積極的に応じていただきたいと思います。また、実際に入力したコメントにつきましては、本記事の読者コメント欄にて入力していただいて構いません(※その際、個人情報などについては消してください)。2023/04/29 20:00追記本記事に関するバックグラウンド等について追記しています...
パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します! - 新宿会計士の政治経済評論

ここで「受付番号」は、「595123034」という9桁の「案件番号」に続き、あなた固有の9桁の数値が付されます。たとえば山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士が4月28日時点でコメントを提出した際の受付番号は次の通りでした。

受付番号 595123034000000255

9桁の案件番号「595123034」に、怪しい自称会計士のコメントに付与された番号「000000255」がセットであることがわかります。おそらくこの「000000255」は、「255人目のコメント提出者」を意味するのだと思います。

現時点でオピニオン提出者が何人いるのかを確認するためには、適当なコメントを入力して提出すれば良いのかもしれませんが、著者自身は同一人が複数のコメントを出すのは一種の不正だと考えているため、そのような方法を取ることはできません。

したがって、これからオピニオンを提出される場合は、そのオピニオンの内容とともに、ぜひともこの「受付番号」(9桁の案件番号+9桁の固有番号)もあわせて、『パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します!』の読者コメント欄に入力してくださると幸いです。

(なお、当たり前の話ですが、パブコメに応募する場合、当ウェブサイト側から「賛成してほしい」、「反対してほしい」と要望することはありませんし、内容はについてもご自身で考えたものを書き込んでくださると幸いです。)

新宿会計士:

View Comments (17)

  • 毎度、ばかばかしいお話しを。
    韓国:「日韓友好のために、日本政府は福島処理水を汚染水と呼ぶべきだ。(朝日新聞も鳩山由紀夫(元)総理もそう言っている)」
    新宿会計士:「ということは、福島汚染水と呼ばない日本人は、日韓友好に反している、ということでしょうか」
    韓国&朝日新聞:「福島処理水から致命的な問題が見つかるまで検査を繰り返すべきだ」
    ありそうだな。

  • 処理水放出に現韓国政府が同意するとの発表が出たところで、それは言いがかりを引っ込めただけ、そうして当然のことです。政治材料にした韓国の不当性不誠実性はサイト主どのが述べる通りです。

  • ホワイト国になったから、さる隣国が輸入を無制限に出来るようになるとお考えですか、どこでかは失念してしまいましたが、様子を見てから期間は4年程度になるとのことでしたが、この様な決定は米国とも当然ながら協議のうえ決定されたと思われます、総理の訪韓後どの様な発言があるか
    で方針がわかるのでは。

  • いろいろな左翼系の人たちが
    「名誉毀損」
    「法的措置」
    とか、ことあるごとに叫んでおられて、場合によっては裁判で勝ってます。

    ということは、この手の言いががりも、
    「根拠無き誹謗中傷」
    「悪意のある名誉毀損」
    として代表訴訟したら勝てるのでわ?

    勝ち目アリ!と判断できる商魂の塊みたいな弁護士さんが居られたら、日本財団あたりと組んで、是非よろしく。

    寄付ではなくて、賠償金の配当付の出資をクラウドで募れば、1口乗りますわ。

  • IAEAが認めるALPS、すなわち処理水は、「汚染水」ではありません。韓国はウソを言わないように!
    処理水は、韓国の水より遥かに清潔です。水道から幼虫が出て来る水なんて、生まれてから見たこと無い。日本人なら当たり前。汚ったないな〜韓国は(爆笑)。核汚染より酷いゾ。
    パブコメ目標、10万件だ!

    •  思い出してしまった。
      ラオスの安宿で屋上のタンクを見たらボーフラが沸いていたのだけれど、あの水を歯磨きのゆすぎに使っていたような気がする。

      • 私も思い出してしまった。
        ネパールの山岳地帯の村の安宿で夜間に喉が渇いたのでお湯をもらって飲んだ。
        残りのお湯はペットボトルに入れて保存しておきました。

        翌朝明るくなってペットボトルを確認すると糸くずがたくさん入っていた。
        当時この村では電気が裸電球一つだけで室内でも暗くて
        お湯をよく確認できなかったのです。
        幼虫やぼうふらよりはましかw

  • 処理水については世界に向けて、それも政府や関係機関だけでなくそれぞれの国民に向けて日本から情報公開・説明を行い某一国に先駆けて理解を得るのが良いと考えますが、ある種の新聞社にかかると「告げ口外交」などと吹聴するのでしょうかね....

    •  余計なことはすべきではない
      先日のG7環境相会議において姑息なまねをして足をすくわれたことを忘れるべきではない

      • ご指摘ありがとうございます。主張するにしても時と場合をよく考えないと逆効果ですね.....

  • 岸田総理 韓国訪問、中止になれ。
     能登半島地震の災害対応へ、
     となれば良いのに!

  • 「100年前の歴史のために日本がひざまずいて許しを乞うべきだという考え方を受け入れることはできない」という発言、日本側に立ったように聞こえるが、そうではない。
    日本が100年前に韓国に対して犯罪を行なったという主張は、否定していない。
    韓国は日本に併合されたのであって、日本国の一部として制度やインフラなどの多くの改革・改善を行なっている。植民地ではないし、戦争もしていない。
    併合に反対していた日本の首相を暗殺した犯人は韓国の英雄で、それで韓国は併合を望んでいなかったなどと主張する。
    100年前に、日本が謝罪しなければいけない何かをしたのか。韓国はしたと「思っている」ようだが、ここをはっきりさせて、従来からの日本の歴代首相のコメントが間違っていたのなら、それを訂正することから始めるべきではないのか。
    竹島しかり、レーダー照射しかり、処理水しかり、慰安婦も自称元徴用工も、まだまだあるが、すべて論理と事実の提示で論破できることばかり。というか、日本はそのように進めようという強い意志を示すべきではないだろうか。
    今、訪韓するのは、現状の韓国の(感情的であるだけの)主張を認めることにならないか。韓国に、取り返しのつかない誤解をさせることにならないか。

  • 韓国に何らかの配慮をして、日本が得をしたケースの認識や記憶がまるでないので、丁寧に無視しておけば良い気がします。韓国メディアや日本の某新聞社の記事も含めて。

  • まさに
    「福島処理水は汚染水に非ず」です。

    福島の処理水に汚染水とのレッテルを貼るのなら
    平常運転時でその何十倍以上の
    トリチウムを垂れ流す韓国の原発は
    「韓国型汚染水原発」と呼ぶのが
    ふさわしくなってしまいます。

    水よりも何よりも汚染されているのは
    汚染水のレッテル貼って
    原発風評被害拡散活動してしまう
    韓流と自称自主避難者などの方面の
    心根こそがさらに汚染されていると
    言っても過言ではないなと感じます。

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