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玉木氏、立民は「政権取れないし、取るべきじゃない」

国民民主党の玉木雄一郎代表が19日、出演したラジオ番組で、立憲民主党の小西洋之・参議院議員の「サル・蛮族」発言、あるいは小西氏が報道機関に圧力を加えたことを謝罪していないことなどを巡り、「そんなことを言っている政党は政権を取れないし、取るべきじゃない」、「こんなことを続けていたら、野党第1党は日本維新の会になると思う」などと述べたそうです。これ自体は正論でしょう。「小西問題」を巡る立憲民主党の対応は、「組織」としてあり得ないものだからです。

オールドメディアの記憶力の低さ

昨日の『社会のネット化で「75日経っても記憶に残る」時代に』では、「どうも立憲民主党には、『炎上』したら人のうわさが消えるまでおとなしく待つ、という性質があるようだ」、とする話題を取り上げました。

むかしから、「人のうわさも75日」、などといわれてきました。「小西問題」――、すなわち立憲民主党の小西洋之・参議院議員を巡り、総務省の行政文書を違法に入手した疑いや「サル・蛮族」発言、報道機関への恫喝などの問題を巡っても、ひと昔前なら「人のうわさも75日」で忘れ去られることを狙うことも可能だったかもしれません。しかし、このネット化社会では、それは異なります。岸田首相暗殺未遂事件という衝撃的な事件の直後ではありますが、やはりこの「小西問題」はネット上で引き続き大盛況だからです。「人のうわさも75日」む...
社会のネット化で「75日経っても記憶に残る」時代に - 新宿会計士の政治経済評論

この点、ネットが普及する前だと、新聞、テレビが話題にしなくなってしばらく経過すれば、「世間からうまく忘れ去られてしまう」、という対応が可能でした。

今回話題になっている「小西問題」――立憲民主党の小西洋之・参議院議員による、いわゆる「小西文書」の問題、「サル・蛮族」発言問題、報道機関などに対する圧力の問題など――に関しても、これとまったく同じことがいえます。

このうちとくに3月29日に小西氏が発したとされる、衆院憲法審メンバーを念頭に置いた「サル」、「蛮族」などの問題発言(というよりも「暴言」)に関しては、正直、一般社会常識に照らし、多くの人が違和感を覚えるものであったことは間違いありません。

ただ、新聞、テレビなどのオールドメディアの「中の人」も、基本的には記憶力が極端に低いようですから、なにかほかの話題が出てくれば、すぐにそちらの話題に切り替える、という傾向があります。

これには阪神・淡路大震災が発生した1995年、連日のように被災地のことを報じていたくせに、同年3月20日に地下鉄サリン事件が発生すると、とたんに地震のことをほとんど報じなくなった、という「前科」を思い出していただくのが手っ取り早いでしょう。

いずれにせよ、現在の立憲民主党、あるいは小西氏には、「このまましばらくおとなしくしていたら、そのうち『小西問題』は忘れ去られる」という考え方でもあるのかもしれません。

ネットに半永久的に残る立憲民主党の行状

しかし、残念ながら、このネット化社会において、そのような旧来的な対応は通用しません。なぜなら、ある人の非常識な行動というものは、ネット空間には半永久的に残ってしまうからです。

新聞、テレビと異なり、ネット空間では情報の「タテヨコ検索」が容易です。

ここで、「タテ検索」とは「時系列に調べること」、「ヨコ検索」とは「複数サイトの情報を調べること」を意味します。たとえば今から5年後の2028年の参院選で、千葉選挙区の有権者が小西氏のことを調べたとすれば、今年の小西文書問題や暴言問題、メディア恫喝問題などについては確実に検索に引っかかって来るでしょう。

それでなくても昨年の参院選では、千葉選挙区では、小西氏よりも上位で自民党候補が2人当選しています。

参議院議員通常選挙・千葉選挙区 上位6人(2022年7月10日執行、敬称略)
  • 当 臼井 正一 656,952(自由民主党)
  • 当 猪口 邦子 587,809(自由民主党)
  • 当 小西 洋之 473,175(立憲民主党)
  • 落 佐野 正人 251,416(日本維新の会)
  • 落 坂井 和子 194,475(日本共産党)
  • 落 礒部 裕和 161,648(国民民主党)

(【出所】総務省『選挙関連資料』)

前回は日本維新の会の佐野正人候補が25万票を獲得しています。

小西氏はおそらく連合などの組織票も得ているのだとは思われますが、それでも今後5年の間に間違いなく1~2回行われるであろう衆院選などで、立憲民主党の党勢がさらに退潮し、日本維新の会が伸びるようなことがあれば、たとえば佐野氏と小西氏の得票数が「逆転」することだってあり得るでしょう。

立憲民主党の党勢自体に影響を与える

また、「小西問題」のダメージは、それだけではありません。

とくにネット・ユーザーを中心に、小西氏のみならず、小西氏にちゃんと処分することもできない立憲民主党に対し、良い印象を持つ人は少ないはずです。

この点、現状では、とくに地上波テレビに関しては、まだ社会的影響力を維持しているため、オールドメディアの「報道しない自由」によって立憲民主党に対し悪い印象を持たない人もいるのかもしれませんが、オールドメディアの社会的影響力が減れば減るほど、「オールドメディアが守ってくれる」という機能は低下します。

小西氏本人の次回選挙での当落よりも、むしろ、ほかの選挙における立憲民主党の候補者がどうなっていくのかについては、大変に気になるところでもあるのです。

玉木氏が「立民は政権取れない」=ラジオ番組で

こうしたなかで、もともとは小西氏と同じ民主党の出身で、現在は国民民主党を率いている玉木雄一郎氏が、なかなかに興味深い発言をしたようです。

玉木国民代表「立民は政権取れない」

―――2023/04/19 09:13付 Yahoo!ニュースより【時事通信配信】

時事通信によると玉木氏は19日のラジオ日本の番組(※)で、小西氏の「サル・蛮族」発言を巡り、立憲民主党について「そんなことを言っている政党は政権を取れないし、取るべきじゃない」と批判したのだそうです。

(※なお、ここでいう「ラジオ日本の番組」とは、おそらくは岩瀬惠子さんがパーソナリティを務める『岩瀬惠子のスマートNEWS』のことでしょう。)

時事通信によると、小西氏は番組で、小西氏が報道機関への圧力ともとられかねない自身の言動を謝罪していないことについても問題視。立憲民主党との選挙協力についても「難しそうだ」としたうえで、むしろ日本維新の会の方が「政策的には近い」、「こんなことを続けていたら野党第1党は維新になる」などと述べたそうです。

このあたり、著者個人的には、玉木雄一郎氏という人物、あるいは国民民主党という政党を巡っては、最近は正論も大変多くて好感が持てる反面、「無条件で信頼して良いのか」に関しては、若干の疑問を持っていることも事実です。

これに加えて日本維新の会が(凍結中とはいえ)立憲民主党と共闘関係にあるという点を踏まえると、日本維新の会も信頼に値するのかどうかという点に関しても、疑問点ではあります。

しかし、少なくとも玉木氏のこのラジオ日本の番組内での発言については、個人的にはかなり共感できますし、選挙という手続が「よりマシな候補者を選ぶプロセス」である以上、立憲より維新のほうが「マシ」だと判断する有権者が増えれば、「維新が立憲を抜いて野党第1党」という可能性も、十分にあるでしょう。

いや、「立憲民主党は政権を取れない」というよりも、「立憲民主党は政権を取るつもりがない」、という方が、むしろ正確かもしれません。というのも、小西問題発覚後の立憲民主党の対応は、通常の「組織」では考えられないほど杜撰なものだったからです。

小西氏本人の謝罪が遅すぎたこともさることながら、その「謝罪の態度」も大変に悪く、立憲民主党としての処分も「遅すぎ」、かつ、「軽すぎ」です。まさに有権者を舐めているとしか思えない態度でしょう。

有権者としては、そんな立憲民主党を、「野党第1党」の地位から追放する権利を持っています。そして、もしも立憲民主党が「野党第1党」でなくなれば、国会の野党質問時間の配分権を含め、立憲民主党がこれまで持っていた野党利権の多くが崩壊します。

その意味では、とりあえずは今週末の統一地方選後半戦と5つの衆参補選について、興味深く眺めてみる価値はあるでしょう(※もっとも、一部選挙区の自民党候補者がかなりおかしい人物だといううわさもあるため、自民党が勝利するのが日本にとって良いかどうかは別問題ですが…)。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • 選挙が池を綺麗な水に変えていく行動なのだとしたら自民党に拘らなくて良いですよね。
    誰が良いかな、を考える。

  • 私の中の政党別マシ度ランキング
    国民 > 維新 >>>>> 共産, 社民 >>>>> 立憲

    立憲民主党、早く日本から無くなれ。

  • *野党第一党に望ましいのは、”共闘”の余地のある野党

    少なくとも、野党第一党が「立民・共産(何でも反対党)」でさえなければいいと思う。
    同じ「さる野党」でも「なんでも非々」ではなく「是々非々」の方が望ましいからです。

  • 玉木党首や新宿会計士様の
    ご指摘を待つまでもなく、
    THE小西議員(以下、略称:ザコニシ)問題は
    立憲民主党の印象悪化(適正化?)に
    日々作用していると感じます。

    いかなる手段を使っても政権を取る(?W)
    だけが政党の目的ならば、今の
    ちゃんと謝罪しないザコニシさんと
    ちゃんと処分できない立民党は
    下手を打っていることとなります。
    ただ、ザコニシさんと立民党が
    国民に非難されても
    自ら謝罪や処分が未だできないのは
    それが彼らのコアな指向とアイデンティティを
    全否定するものだからなのでしょう。

    でも、朝日新聞手法をお借りすると
    「だが、ちょっとまって欲しい。
     政権を取ることだけが、 
     政党の目的なのだろうか?」

    たしかに、
    独裁国家や未開国では
    政権を取らないことは
    その意見が抹殺されたり全滅を意味します。
    しかし、
    日本のような高度な民主主義国家では
    もちろん少数意見も主張が認められており
    ただ、そんなこんなの少数の意見が
    多数派国民良識層の意見を
    押しのけては通りはしないというだけの
    あったりまえのことです。

    今、岐路に立たされる立憲民主党の
    選ぶ道は2つあると考えます。

    ①政党の目的は政権を取ることしかなく
     手段を選ばず国民そっちのけ路線。
     泉代表が誤魔化してる間に
     マスゴミと裏で手打ちして
     日本国民無党派層を目眩ましで
     柳の下の二匹目の泥鰌を狙う

    ②政党の目的は支持者の主張を
     国政に忠実に届けることです。
     党風と支持者の有り様を体現した
     ザコニシさんを党首に推したてて
     自分たちのコアな主張を繕わず
     主張する。

    先に述べたように、
    政権取れなくても隣国とウッシッシが
    できないだけで主張はできるわけですし
    それに、国民二回は騙されませんから(笑)
    本来の政党の目的として正当な②を
    選択するべきでしょう

    #ザコニシ立憲民主党党首実現を応援します!

  • 玉木ン氏、web空間一部では以前から「タマに正気になる」と評されてましたけん、イツマデ正気保てるのかハラハラしますナ

  • 立憲民主党としての小西氏の処分で、岡田克也幹事長が、相当長い間熟考しこの程度の処分で良いと判断したことについて、私は、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦、枝野幸男、安住淳、芳野友子各氏のご意見を伺いたいと思いますね。マスコミさんが率先して伺って一覧表にまとめて広く国民に知らせてくださったらゴミからの離脱の小さな一歩にはなるかも?と思いますけれども。
    答えは既に判ってますかな?『党の方針に従う』?芳野さんはまともだと信じたいな。