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地方選:ツイッターで見る立民への逆風とガースー人気

立憲民主党が「小西問題」を放置しているためでしょうか、ツイッター上では泉健太代表自信を含め、立憲民主党の議員らが発信するツイートに対し、一般国民からの厳しい反応が寄せられている状況です。なかには「(今回の統一地方)選挙の敗北の全責任を小西(氏)に押し付けるつもりだろう」、といったコメントも見られます。その一方で、「あの人物」は相変わらず、選挙応援で大盛況のもようです。

小西問題の深刻さ

いわゆる「小西問題」とは、最近だと、立憲民主党の小西洋之・参議院議員が何らかの手段で入手した「総務省の行政文書」をもとに高市早苗・経済安保担当相を追及したことや、衆院憲法審を念頭に「サル」、「蛮族」と暴言を吐いたことなどを広範囲に指すようです。

このうち高市氏に対する追及の件については、『勝負あり:高市氏が小西文書「捏造」を説明してしまう』などでも説明したとおり、小西氏がいう「政治側が放送法の解釈に介入していた」などとする疑惑については、すでに「結論」は出てしまっています。

これで、「勝負あり」でしょう。高市早苗氏が昨日公表した資料によれば、総務省が「あった」と言い張っている2015年2月13日の「大臣レク」についても、捏造という可能性が非常に濃厚になったのです。高市氏の説明は大変に歯切れがよく、かつ、説得力もあります。高市氏は「小西文書」を逆手に取り、その論駁力の高さを示してしまったのかもしれません。すでに結論がついている『小西文書』本稿では「どうせオールドメディアは取り上げないであろう話題」を、じっくりと取り上げておきたいと思います。昨日の『小西文書は国家公務員法...
勝負あり:高市氏が小西文書「捏造」を説明してしまう - 新宿会計士の政治経済評論

もっとも、この「小西文書問題」に関しては、少なくとも小西氏がどうやってこの文書を入手したのか、入手の経路や経緯に違法性はなかったのか、疑問は残ります。これらについて立憲民主党などによる調査、捜査当局による捜査などがなされている形跡は見られませんが、なんとも納得し難い点です。

ただ、もうひとつの「サル」「蛮族」などの暴言問題については、さらに理解に苦しみます。

この発言は明らかな暴言であるにも関わらず、小西氏は「謝罪会見」(?)には応じたものの、発言そのものを陳謝・撤回したというわけでもなく、それどころか小西氏の発言を報じたメディア、小西氏のツイートに反応した個人らに対し、片っ端から「法的措置」をチラつかせる始末。

これについては『小西氏暴言で玉木氏「立憲民主は整合的な対応が必要」』でも紹介したとおり、たとえば国民民主党の玉木雄一郎代表なども、立憲民主党が小西文書問題で高市氏に辞職を求めてきた点などを踏まえ、「立憲民主党にはそれと整合する対応が必要」などと苦言を呈しているほどです。

小西洋之・参議院議員といえば、総務省の行政文書(いわゆる「小西文書」)を巡り、高市早苗氏に議員辞職などを迫りながら舌鋒鋭く追及した人物です。その小西氏が「サル・蛮族」などの発言に対し、ほとんど処分らしい処分を受けていないことを巡り、国民民主党の玉木雄一郎代表は、「整合性を取る対応をしないと立憲民主党に対する信頼は成り立たない」と指摘しました。正論です。そして、同じ指摘は、新聞、テレビを中心とするオールドメディアに対しても成り立ちます。小西氏の言動に頭を悩ませる立憲民主党昨日の『二次被害拡大?...
小西氏暴言で玉木氏「立憲民主は整合的な対応が必要」 - 新宿会計士の政治経済評論

もっとも、小西氏自身は現時点において、4月2日付のツイートを最後に、ツイート活動を休止しているようです。さすがに立憲民主党側からも小西氏に「ツイートを控えよ」という指示でも飛んだのでしょうか?

泉健太代表にツイッター上で厳しい声

さて、こうしたなかで、ツイッターを眺めていて気付く興味深い現象があるとすれば、立憲民主党の議員らに対する厳しい意見です。

たとえば党代表である泉健太氏が本日午前に発信した、こんなツイートが、興味深いところです。

泉氏は吉田忠智氏(※4月23日投開票の参院補選に立候補)の選挙応援のために大分県入りしたのですが、「いいね」の数は本日16時時点で233件です。ツイートの表示回数は4.5万回ですので、割り算すれば約500回表示につき「いいね」が1個、という状況です。

泉氏が最大野党の党代表であるという事実を踏まえると、じつに少ない気がしますが、それだけではありません。ツイートの返信欄を見ても、立憲民主党に対する擁護意見もないではないのですが、ざっと90%以上が立憲民主党に批判的です。

それも、やはり「小西(氏)の問題を放置するな」、といった声に加え、なかには「どうせ(統一地方)選挙では敗北するのだから、小西(氏)に全責任を押し付けるつもりだろう」、などのコメントも散見される状況です。

元ツイートよりも多くの「いいね」がついた事例

党代表ですらこうなのですから、一般議員となれば、かなり大変です。たとえば、逢坂誠二・衆議院議員は昨日、北海道議選で候補者とともに遊説に歩いた、とする趣旨のツイートを発信したのですが、これについては本日16時時点でついている「いいね(♡)」の数が108件です。

ところが、これに対し、「小西(氏を)除名しないと、せっかくの努力も無駄になりますよ」、などと立憲民主党を批判するコメントに対しては、「いいね」が149件も付いています。元ツイートよりも多くの「いいね」がついているわけです。

こうした状況は、なかなかに興味深いものです。元ツイートよりも多くの「いいね」がつくという状況自体が、立憲民主党への逆風の証拠だからです。

ガースー人気は健在!?

ちなみに「応援演説」という話題に関しては、こんなツイートも紹介しておきましょう。

これらは菅義偉総理大臣が本日までに投稿したツイート群ですが、どの写真で見ても、神奈川県議選、横浜市議選などの候補者の応援演説で数えきれないほどの聴衆を集めた写真が投稿され、これにはいずれも1000件以上の「いいね」がついています。

これらのうちのひとつは、たとえば84,000回以上表示され、「いいね」が1,500件以上ついている、というものもありますが、約56回表示されると1件の「いいね」が押されているという計算です。表示回数に対する「いいね」の割合は、泉氏の8~10倍、といったところでしょうか。

菅総理といえば、2021年10月に辞任した際、メディアでは「不人気」などと揶揄されていましたが、その菅総理は選挙応援で多くの人を集める能力がある人物でもあります(『菅は菅でもカン違い、集客力は段違い=総選挙応援演説』等参照)。

「首相なんて、誰がやったって同じさ」。ひと昔前、こんな無責任なことを述べる者がいましたが、2009年以降の3年3ヵ月の民主党政権で日本国民が得た知見とは、この「誰がやったって同じ」とする考えが完璧な間違いだったという点ではないかと思います。こうしたなか、「菅は菅でもカン違い」、との典型的な事例をひとつ発見しました。それは、「菅の集客力」です。安倍総理「負けたら日本は再びあの悪夢のような時代に逆戻り」産経ニュースは昨晩、こんな記事を配信しました。安倍元首相、全国遊説開始 激戦区テコ入れ―――2021/10/21...
菅は菅でもカン違い、集客力は段違い=総選挙応援演説 - 新宿会計士の政治経済評論

もちろん、神奈川県といえば菅総理の地元でもあるため、この「ガースー人気」も、「地元で多くの支持を集めているだけだ」、という言い方もできなくはありません。

ただ、菅総理が発信するツイートには、「いいね」の数が岸田文雄・現首相を凌駕することもあるようですし、少なくとも菅総理の支持者は「神奈川県にしかいない」、というわけでもないでしょう。いずれにせよ、オールドメディアが報じる人物評は、案外あてにならないものなのかもしれない、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (13)

  •  菅氏は、支持者からは元々仕事ぶりを評価されていましたし、総理辞職後は難癖イチャモンの手が緩んだ(辞めたしもう良いかとばかりの好評価も一部あったか)ためか、政治にあまり関心が無い人々からも「実は良い首相だったんだー」などという声をよく聞いたなと感じています。
     空気を読めない朝なのに斜陽な朝日新聞や泡沫野党党首などは「逃げた!」とキャッキャしていましたが、ほとんど響かず。マスコミの印象操作力はまだまだ強いと言えそうですが、それが無くなった所ではネット発の情報で塗り替えられるくらいには強くなってきたのかな。
     この人気であれば、激務は酷ですが、良くない政権後の立て直しなど、短期的にリリーフ執権して欲しいとも思います。

     あ、立民の方は
    「革靴ってたかが選挙期間に歩くだけで潰れんの?それかソールがちょい削れただけで潰れた扱い?」
    てのと、
    「吉田氏はなんで落ち武者みたいに髪垂れてるの?……あテロップの端が出現した瞬間なのか、動画編集くらいちゃんとやれよ。」
     くらいしか感想ありませーん。

    • あの線が無ければクリックして再生しませんでした。
      高等テクニックを感じました。

  • 知り合い見てるとやっぱテレビ疑いなく受け入れてる人はまだまだ多いなあとは思う

  • 素朴な感想ですけど、ツイッターを使った選挙運動を使いこなした人、使いこなせなかった人に分かれたということではないでしょうか。もちろん、この選挙運動が効果があるのか、また、ツイッターと他のこととを組み合わせて効果があるのかは別問題です。

    • すみません。追加です。
      もし菅義偉(前)総理のツイッターで選挙運動が優位になるのなら、(使う人次第かもしれませんが)選挙運動のツイッターが、オールドメディアより効果がある、ということになるのではないでしょうか。

    • アメリカの大統領選挙では、オバマ元大統領やトランプ前大統領は、ネットを使いこなしました。ということは、アメリカで起きたことが日本でも起きつつあるということでしょうか。

  • つい2時間ほど前、小西議員がツイートを再開した様です。
    中身は「東京新聞と朝日新聞が社説で味方してくれました!」という物。
    それらの社説は今更小西文書に賛同し、養護する内容……

    このままだと小西議員が不満で爆発しちゃいそうだから、
    東京新聞と朝日新聞が慰める事にしたんだろうか?と疑いたくなります。
    どういう訳か、小西議員を称賛するツイートもそれなりにありますし……

    やはり立憲民主党は小西議員を切るつもりは毛頭ないみたいですね。

    • この2紙は、小西議員に不利な事実には 「報道しない自由」 を行使していたから、 これらの新聞を情報源にしている層には、これまでの流れに矛盾は感じないのかも。
      でもそれ以外の新聞は、あの毎日新聞でさえ報道したわけだから、読者にちょっとでも知性があれば 「どういうこと?」 と思うはず・・・なんですけどね。

  • やっぱり、電波利権に目を向ける政治家はオールドメディアからは目の敵にされやすいのかな。