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「かぐや姫は宇宙戦争で地球に疎開中」=仏語版ウィキ

「かぐや姫=犯罪者」仮説も!?

インターネットの時代となり、情報については本当に気軽に入手できるようになったことは非常に良い話だと思われる反面、ネット上にはどうにも理解に苦しむ情報が掲載されていることも事実です。こうしたなか、かぐや姫さんがじつは犯罪者で地球に送致されていたとする説が出てきたようです。これについてどう考えていけば良いのでしょうか。

インターネットの普及は、私たち一般人にとっても、非常に大きな恩恵をもたらし始めています。そのひとつが、以前の『ネット「タテヨコの広がり」議論を深める読者コメント』でも触れた、「情報のタテヨコ検証」という論点です。

ネット時代における「タテヨコの広がり」という論点があります。これは、インターネットの普及で人々が多くのより情報源から情報を得ることができるようになったこと、同一メディアの過去の情報発信を追いかけることができるようになったこと、という2つの特徴を意味する当ウェブサイトの造語です。これを巡って本稿ではとある読者コメントを2つほど取り上げたうえで、その議論の広がりを確認してみたいと思います。ネット時代における「タテヨコの広がり」当ウェブサイトでこれまで取り上げてきた話題のなかには、「インターネット...
ネット「タテヨコの広がり」議論を深める読者コメント - 新宿会計士の政治経済評論

当ウェブサイトでいう「情報のタテ検証」とは、「ある話題を同じメディア・同じ人物などが時系列でどう報じてきたか」を検証するというものであり、また、「ヨコ検証」とは「ある話題を同じ時点において異なるメディアがどう報じているか」を検証するというものです。

この検証をすることで、あるメディアが誤った報道、偏った報道をしてしまった場合、あっという間にバレてしまうようになったのです。

それだけではありません。

最近だとツイッターなどのSNSが発達し、だれでも気軽にスマートフォンで写真や動画を撮影し、それをその場で投稿することができるようになるなどしたため、下手をするとメディアの報道よりもはるかに早いタイミングで、現地の状況を知ることができてしまうこともあります。

もちろん、ネット上に「フェイク・ニューズ」が皆無だと申し上げるつもりはありませんが、だからといって、「信頼性という意味では既存の新聞、テレビの情報のほうが高い」、「ネット上の情報は信頼できない」という話にはなりません。そもそも「フェイク・ニューズ」は既存の新聞、テレビといったメディアでも普通に観測されるものだからです。

したがって、このインターネット時代に重要なことは、私たち一般人であっても、手にする情報の妥当性については自分自身で判断しなければならない、ということですが、それと同時に、これらの情報については可能な限り検証する癖をつけるべきである、という点でしょう。

こうしたなか、物事を調べる際に、「ウィキペディア」というサイトを見たことがないという人はいないでしょう。

このサイト、とくに現代の政治史などについてはうまくまとめてあることが多いと感じるものの、専門知識などに関していえば記述自体が間違っていることも多く、情報源が明示されていないなど、正直、問題があると感じざるを得ないことも多々あります。

こうしたなか、ある分野について、外国語のウィキペディアを調査していたところ、こんな記述を発見しました。

  • Cet été-là, elle pleure à chaque fois qu’elle voit la pleine lune. Elle n’est pas capable de dire à ses parents adoptifs ce qui ne va pas, malgré tout leur amour pour elle.(その夏以降、彼女は月を見るたびに泣くようになった。彼女は養父母を愛しているにも関わらず、養父母に対しては何が問題なのかを伝えることができなかった。)
  • Son comportement devient de plus en plus erratique jusqu’à ce qu’elle révèle qu’elle n’est pas de ce monde et qu’elle doit retourner parmi les siens sur la Lune.(彼女の行動はますます不安定となってきた。彼女は自身がこの世のものではなく、月に戻らなければならないことを明らかにした。)

外国語の直訳でもあるため、日本語にすると非常に不自然ですが、これ、正体は「竹取物語」の一節であり、かぐや姫さんが月世界に戻る直前の様子を記述したものなのだそうです。そして、問題はこの次に出てきます。

Dans certaines versions du conte elle fut envoyée sur Terre comme punition temporaire pour un crime qu’elle aurait commis, tandis que dans d’autres elle y fut envoyée pour la maintenir en sécurité pendant une guerre céleste.

すなわち、意訳すると、こんな具合です。

物語のバージョンによっては、彼女は自身が犯した犯罪に対する一時的な罰として地球に送られてきたとされている。また、別のバージョンでは、宇宙戦争中に彼女の安全を保つために、彼女が地球に送られたとされている

…。

はて?

かぐや姫さんがじつは犯罪者であり、一時的に地球に強制送致処分となっていたとする説、あるいはかぐや姫さんの出身国が現在、宇宙戦争中であり、じつは一時的に疎開してきたとする説も、正直、個人的にはこの歳になるまで存じ上げませんでした。

いずれにせよ、ごくまれに外国語のウィキペディアを読んでみると、それなりに興味深い記述を見かけることがある、ということなのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (45)

  • すでにある話からの二次創作なら、どんな話もつくれます。そして、二次創作が名作になることもあります。

  • > かぐや姫さんがじつは犯罪者であり、一時的に地球に強制送致処分となっていたとする説

    これがホントの、「姫の犯した罪と罰」

    いまの全ては 過去のすべて
    必ずまた会える 懐かしい場所で
    いまの全ては 未来の希望
    必ず憶えてる 命の記憶で〜♫

  •  SFにおいてはありふれた設定であると思う

     青柳碧人により再度脚光を浴びることになった「昔話ミステリー」にも通じるものがあると思います

     倉持よつばによる「ももたろう」検証の方が興味深い
    ※敬称略

  • ∀ガンダムか。

    それはおいといて、ネットとオールドメディアの違いは、

    フェイクニュースもあるから、自分で判断してねと言うスタンスと

    フェイクニュースなんてありません。全て真実ですと言いながらフェイクニュースを混ぜてプロパガンダしてる違いだと思います。

    おそらく、朝日新聞も うちはプロパガンダの為にフェイクニュースも流してますよというスタンスならば、あの慰安婦報道やサンゴも叩かれなかったかもしれません。

  • フランス語版ウィキペディアにあるかぐや姫は、こちらが元ネタでしょうか?
    『かぐや姫が地球に「流刑」された理由とは? 運命に逆らえなかった悲劇の結末』(乃至正彦著)
    https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72139

    どのように解釈しようが、どのような自説を述べようが自由ですが……個人的には「義経ジンギスカン説」「キリストは青森に来た!」の類いと思っています。話しとしては、面白いんですけどね。

    • 「義経ジンギスカン説」 明治中期
      「キリストは青森に来た!」 昭和初期の竹内文書による

       お話としては確かにおもしろい w

  • かぐや姫が月で犯した罪ゆえに地球に…という話は、原典にもあったと思います。
    ソースを示しながらの話でなくて申し訳ありませんが、原典に触れながら話を展開しているものにコレがありました。
    「かぐや姫の物語」で「姫が犯した罪と罰」とは何だったのか?|Number5
    https://www.number5.site/the-sin-of-princess-kaguya/
    宇宙戦争の話は…寡聞にして存じません。

    • かぐや姫の物語が、罪を犯した結果の流刑と反省、月への復帰、つまり反省や贖罪の物語だったという説は、私もどこかで読んだ覚えがありますが・・・ネットではなかったと記憶していますがどこだったでしょうか。
      ご呈示のサイトではありませんでした。

  • 桃太郎も、原型は桃を食べて若返ってハッスルしてというものだったらしいですね。
     私の解釈だと楽園追放にでてくる林檎も同じような理由で生殖の暗喩で、生命の実がクローンや試験管babyで、知恵の実が有精生殖になるのです。

    • 桃太郎の原型は「不明」です

       桃を食べたおばあさんが若返り桃太郎を産む 回春型と呼ばれるパターンの一つ

       口伝が全国に散らばるため
      研究者のあいだでも確固たる定説はありません

  • 彼女はインド人でありスパイスを求めてインドに帰っていったなどと書かれてなくて良かったです。

  • 原典には

    かぐや姫は、罪をつくり給へりければ、かく賤しきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。

    とありますね。竹取物語は大抵、中学1年の2学期に習うものなので、忘れている方も多いかもしれませんが、教科書によってはこのくだりも記載されています。

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