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    Categories: 外交

韓国メディア、またしても「韓日首脳会談推進」と報道

韓国側から再び「韓日首脳会談が推進されている」とする報道が出てきました。著者自身の記憶に基づけば、今月2日に韓国政府高官が「韓日首脳会談の具体的な時期を日本側と話し合った」と述べ、それを日本政府高官が速攻で否定した、といういわくつきでもあります。あれから10日しか経っていないのに、またこんな話が出てきたというのも、不思議な話です。

日韓首脳会談を日本側が速攻で否定

今月2日、米ハワイで開催された日米韓の安保担当高官による会談などを終えて帰国した金聖翰(きん・せいかん)国家安保室長が「韓日首脳会談」を巡って、「具体的な時期を日本側と話し合った」と述べたところ、日本側が速攻でこれを否定したらしい――。

こんな話題を、先日の『首脳会談「時期協議」とする韓国発表を日本が速攻否定』で取り上げました。

韓国政府高官が金曜日、日韓首脳会談を巡り、「具体的時期を協議した」かのごとく述べたところ、それを日本政府高官が「強く否定する」というやり取りがあったようです。こうした認識の齟齬の背景には、やはり日韓諸懸案を「スタート」と見るか、「ゴール」と見るかという違いが存在しているのかもしれません。やはり、自称元徴用工問題を含めた日韓諸懸案については、無理に解決を図るのではなく、むしろ外交の在り方を見直していくための手段のひとつ、くらいに位置付けたくらいでちょうどよいのかもしれません。徴用工判決から早く...
首脳会談「時期協議」とする韓国発表を日本が速攻否定 - 新宿会計士の政治経済評論

長年、コリア・ウォッチングを行っている立場からすれば、「韓国政府高官の発表を日本側が否定する」というのは別に珍しい話ではありません。

ただ、自称元徴用工問題をはじめとする日韓諸懸案を巡り、韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領が「韓日問題の包括的解決」などと述べていることからもわかるとおり、どうも現在の韓国政府側には、日韓諸懸案を根本から解決する意欲はなさそうです。

というのも、韓国政府が述べる「包括的解決」とやらについては、どうも「韓国が自国による国際法違反状態を解消することなく、日本が日韓関係の『改善』に一方的に応じること」を意味しているフシがあるからです。端的にいえば、お話になりません。

当然、韓国側も、日本が首脳会談に応じれば、それをきっかけに国内外に向けて、「日本が韓日関係改善に応じた」、などと大声で宣言するであろうことは想像に難くありませんし、現在の日本の首脳も、「脇の甘さ」で有名な岸田文雄首相です。

正直、現状で岸田首相が下手に日韓首脳会談に応じてしまうのは、可能ならば避けた方が良いことは間違いなく、その意味では、「韓日双方が首脳会談の具体的日程で調整中」といった韓国政府高官発言を日本政府関係者が速攻で否定したことは良い反応だったと考えて良いでしょう。

中央日報「ニューヨークでの岸田首相との首脳会談」

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には本日、またしてもこんな記事が掲載されていました。

尹大統領、米ニューヨークで岸田首相と首脳会談を推進

―――2022.09.13 06:54付 中央日報日本語版より

記事タイトルでもわかるとおり、再び「日韓首脳会談」という話題です。10日ちょっと前に日本政府が否定したにも関わらず、またこんな話題が出てきたというのは、少し気になるところです。

中央日報によると、金聖翰氏氏は尹錫悦大統領が今月18日から24日まで5泊7日の日程で英国、米国、カナダを歴訪する、とするものです。具体的には、金聖翰氏が「ロンドンでエリザベス2世の国葬に参列し、ニューヨークで国連総会に出席し、カナダでジャスティン・トルドー首相との会談を行う」と述べたそうです。

そのうえで、本稿で注目したいのは、「韓国大統領室高位関係者」が明らかにしたとされる、次の記述です。

一般討論演説と前後して、米国のジョー・バイデン大統領や岸田文雄首相と韓米、韓日の二者会談も行う」。

この関係者は韓日首脳会談に関連しても『二者首脳会談になるか、あるいはプルアサイド(略式会合)になるかは分からないが、現在会談を推進中』と述べた」。

なんだかよくわかりませんが、韓国政府側が日韓首脳会談を実施しようと必死になっていることだけは間違いなさそうです。

日韓諸懸案と国際法、どちらを重視する?

さて、くどいようですが、著者自身は日韓関係を巡って、「破綻しないに越したことはない」とは考えているのですが、それと同時に日本が国際法の原理原則を韓国に譲歩するようなかたちでの「関係改善」については、絶対に避けなければなりません。

少し厳しい言い方ですが、日韓関係は日本が国際法の原理・原則を捻じ曲げてでも維持しなければならないほどの重要性はありませんし、なにより、日本が国際法の原理・原則を譲歩してしまうならば、日本にとっての打撃があまりにも大きすぎるのです。

日本が現在提唱している「自由で開かれたインド太平洋」(a Free and Open Indo-Pacific, FOIP)という概念は、「ルールに基づく秩序を大切にしましょう」という基本的な価値観が根底にあるのですが、日本が国際法の原理原則をかなぐり捨てて韓国に譲歩すれば、日本自身がこのFOIPを否定していることになります。

つまり、現在の日本は「日韓関係の破綻の回避」と「国際法の原理原則の遵守」という2つの矛盾する命題に直面しているのですが、日本がこの2つのどちらを優先しなければならないかについては、いまさら指摘する必要もないでしょう。

新宿会計士:

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