14年目の通貨危機?
本日の「速報」(?)です。隣国の通貨・ウォンが13年5ヵ月ぶりの安値を記録しました。たった1ヵ月で6%近くも下落した計算です。しかも13年5ヵ月前といえば、韓国がリーマンショック後の通貨安から脱しつつあった時期でもあります。下手をしたらリーマン・ショック前後の水準にも手が届きそうになっています。果たして私たちは再び通貨危機の実例を目撃することになるのでしょうか?
先週金曜日の雇用統計などの結果もあってか、ユーロ、円、ポンドなどの主要国通貨が米ドルに対してさらに下落する展開が続いているのですが、こうした動きが新興市場諸国にも「飛び火」しています。
ことに、当ウェブサイトでもしばしば言及してきたとおり、いくつかの新興市場諸国は通貨安に極端に弱く、通貨が下落すれば、それが契機となってその国から外国人投資家の資金が逃げ出してしまう、といった現象も生じ得ます(このあたりは鶏と卵のような関係といえるかもしれませんが…)。
こうしたなか、通貨安のひとつの目線があるとしたら、「心理的な節目を突破するかどうか」、でしょう。
たとえばトルコの通貨・リラは、すでに1ドル=18リラの大台を突破し、史上最安値水準に突入していますが、それだけではありません。ユーラシア大陸東端の小国・韓国でも、昨日は通貨が対ドルで2009年以降の最安値水準に突入したようだからです。
韓国ウォンは昨日、終値ベースでは1ドル=1371.4ウォンを、日中最安値ベースでは1ドル=1375.0ウォンを、それぞれ記録しました。1370ウォンの大台を超えたのは、終値ベースで1ドル=1379.5ウォン、日中最安値ベースで1ドル=1392ウォンだった2009年4月1日以来、じつに13年5ヵ月ぶりのことです。
これについてグラフ化しておきましょう(図表1、図表2)。
図表1 USDKRW(終値ベース)
(【出所】韓国銀行データより著者作成)
図表2 USDKRW(日中最安値ベース)
(【出所】韓国銀行データより著者作成)
いかがでしょうか。
とくにここ数日、韓国ウォンの下落ペースが激しく、一時1300ウォンの大台を割り込んだ8月5日時点の1ドル=1298.3ウォン(※終値ベース)と比べ、73.1ウォンも下落しました。下落率にして5.6%、といったところでしょうか。
そして、金融市場の不安定な地合いが続けば、やはりどこかの「不安定な国」で均衡が破られ、通貨危機が再び生じるかもしれません(それがトルコなのか、韓国なのかは知りませんが…)。
ただし、インフレ対策を重視せざるを得ない米国が、特定の国の金融不安を積極的に救済する方向に動くかどうかについても、また微妙でしょう。結局のところ、新興市場諸国のどこかが「とんだ」として、それが世界の金融市場全体に与える不安の度合いは、限定されているからです。
そういえば、13年5ヵ月前といえば、韓国ウォンがリーマン・ショック時の暴落からようやく回復しつつあった時期でもあります。当時の韓国は日本や米国などからスワップの資金を付けてもらうなどして危機を乗り切りましたが、現在、それらの「安全網」はありませんし、復活する兆しもありません。
そして、もうすぐリーマン・ブラザーズの経営破綻から14年が経過しますが、私たちは14年ぶりの「通貨危機」を目撃することになるのでしょうか?それとも単独の国が「とんじゃって」お終いなのでしょうか?
その答えが見られるかどうか、個人的には隠れたテーマのひとつでもあるのです。
View Comments (11)
韓国にとっては、同胞の北朝鮮の存在が救いかもしれない。
国があんな状態になっても、人はちゃんと生きていける。
ちょっとやそっとの経済破綻なんて、へっちゃらさ!
ケンチャナヨというんですよね?
「とんじゃって」終わりではないでしょうか。
もしかしたら、日本も大打撃だから救済するべき!とか宣う輩も出てくるかもしれませんが、存続している方が日本にとって不利益しかないように思いますし。
政府が日和らないことを祈るばかりです。
先のコメント主様もおっしゃっているように、岸田さんが日和ることが最大の心配ですね。
どうあがいても安倍さんに勝てなかった陰謀論者、反日さん、あちら系、オールドマスゴミ、ノイジーマイノイティ(お花畑という呼称は、冗談でなく本当にお花畑様に失礼なのでやめます)は、「東京オリンピック反対運動」を菅さんに毅然と拒否されました。今は「国葬反対運動」に勤しんでいるようですね。岸田+林のふがいなさが本当に心配です。
さて、独り言ですが、英国新首相トラスさん、国葬に参加するついでに、TPPと安保条約関連で来日してくれないかなー。
USDKRWを取り上げる時は、同時にJPYKRWも取り上げていただけると韓国の苦境具合が抽出できて助かります。
対外債務を何でしているかがポイント=主体はドル。故にUSDKRW。
JPYKRWでは韓国の苦境具合は分からない。
これからは投資、貿易決済は\でしか認めないと宣言すればJPYKRWでも良いが。
ああ、「14年目の通貨危機?」なんて甘美な言葉。今宵のお酒が楽しく飲めそうです。1ドル1347ウォンまで上がったんでしたっけ?
日本にb比二・反日を恒常的にやってる国相手この程度コメントもまだ優しい方でしょう。予後いまして。
なんか、「とんで イスタンブール」とか「ウォンドルは とんで逝く」とか心ない?揶揄が ”とび” 兼ねない状況ですね。
https://jp.investing.com/currencies/usd-krw
↑ウォンドルの足取りもスパンを最大(最長)にすれば、1997年来 25年を費やしての壮大な三角持ち合い。相場はこなれ、抵抗なくとんで逝ってしまいそうでもあります・・。
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https://www.youtube.com/watch?v=9pMjQEMV_Uw
↑夢想花 / 円 広志(不謹慎にも思い出してしまいました)
以前、ここのコメント欄でみた、
ウォンドルじゃなく円ドルも関係変数になるんじゃないかというのが気になります。
つまり、今1ドル140円なので、1ドル1400ウォンまでは耐えられると韓国政府がみている説です。
確かに、1200ウォンが適正レートと韓国が見ていても無理なら、戦略的退転として1円10ウォンまで前線を退くのは悪くない戦略です。
韓国は日本から部品等を輸入して製品を米国等に売るのですから。
何故そう思うのか?
自分の目が節穴だからかもしれませんが、韓国の焦りというのが余り見えないからです。
もし、通貨危機1歩手前ならなりふり構わず日本や米国に抱き着き攻撃をかますはずなのにそれがみえません。
下っ端の教授が、それとなくスワップが、必要などと記事にはするものの、日米政府に執拗にスワップスワップとしつこく来ない。
確かに、今は日米ともに関係が希薄で出来ないかもしれませんが、本当のピンチになれば関係なく必死にすりよってきます。
そういうふうに見えるので突然IMF💀はないのではないか。
逆に1ドル125円まで上がると、韓国の為替介入が追いつかずァボーンするのかも知れません。
韓国の中間素材・対日貿易は円決済が多いらしいので
JPY/KRWが100円=1000Wのレンジを維持していれば
仮に1$=1500Wでも対日輸入は影響が少なく
輸出競争力も為替が原因で日本より不利になる事もないのでしょう
ご指摘のように黒田総裁が金利を上げる等で
1$=125円くらいまで円高が進んでいるのに、ウォンは1$=1350W みたいな状況の方が
面白い姿が見られる気がします
岸田が弱いな~
安部元総理の国葬なんてしなければならない! 日本国のために長期に渡って頑張った!
それを国葬で送らなければ今後だれが国のために頑張るだろうか!
で押し切れば良いんだよ。
反対署名が15万人?20万人。
今時こんな少ない人数。ATMの新聞購読者数じゃないの。赤旗もか
TVも含め自民党だけが悪いの叩き方はいつもの世論工作。
それに惑わされないでくれ。
級統一教会問題は宗教と政治、圧力団体と政治。の対立で論議対策をして欲しい。