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待望の通貨スワップは「完全ゼロ回答」=米韓首脳会談

昨日はジョー・バイデン米大統領が韓国を訪問して尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領との首脳会談を行い、共同声明を発しました。米韓首脳会談自体、一見すると和やかなものでしたが、正直、「サプライズ」はほとんどありませんでした。表向き、米国は日韓関係改善に向けて仲介するとした記述もなければ、米韓通貨スワップに関する記述もありませんでした。それどころか、韓国は米国から「為替介入をするな」と牽制されてしまった格好です。

要約

  • 暗黙の裡に米韓同盟は「米国人の犠牲のうえに成り立つもの」と指摘か
  • 「南シナ海」に言及したものの、中国に対する名指しでの牽制なし
  • 「日米韓」に言及したものの、米国による日韓関係「改善」への言及なし
  • 米韓通貨スワップへの言及なし
  • 米国が韓国に対し、事実上、為替介入を牽制

 

バイデン・尹錫悦両氏の発言

ジョー・バイデン米大統領は金曜日から韓国を訪れており、土曜日には尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領と会談しました。これに関しては米ホワイトハウスにさっそくいくつかの関連資料が公表されています。

まずは、首脳会談における両者の発言です。

Remarks by President Biden and President Yoon Suk Yeol of the Republic of Korea During Bilateral Meeting

―――2022/05/21 15:16 KST付 ホワイトハウスHPより

各大統領の発言内容を、当ウェブサイトなりの文責で(一部要約しながら)意訳すると、こんな具合でしょうか。

尹錫悦大統領

大統領、我々は経済安全保障の時代を生きています。経済は安全保障であり、安全保障は経済です。国際社会の貿易秩序の変遷とグローバル・サプライチェーンの崩壊は、我々の生活に対しても直接的な影響を与えます。

韓米同盟もこの経済安保という新しい時代に適応する必要があります。

昨日、大統領と私はともに最先端の半導体産業という、いわば「グローバルな中心地」をともに訪れました。そこで私が感じたのは、韓米の経済・技術同盟の強さです。

韓米両国は、引き続きマイクロチップやEVバッテリーといった戦略的産業分野で協力し、相互の投資を拡大し、そのうえで強力なサプライチェーンを構築するという共通の目標を達成していくつもりです。

そして、大統領、我々の今日の首脳会談では、両国の協力や経済安全保障のより一層の強化という、非常に価値のある機会を提供するだけでなく、その他の分野においても、我々がともに直面している差し迫った世界的な諸課題を解決するために協力するための機会となるはずです。

バイデン大統領

大統領、信じられないほどに温かい歓迎を頂いたことに感謝します。大韓民国の地を再び踏むのは大変に素晴らしいことです。あなたが大統領に就任されてから2週間も経過していないなかでこの訪問ができたことを、光栄に感じます。ご就任、おめでとうございます。

大統領、我々両国の同盟は共通の犠牲の上に築かれてきたものです。そして大韓民国の自由に対する我々の共通のコミットに加え、力による現状変更に断固として反対する姿勢は、数十年にもわたって、平和と協力を伴って繁栄をもたらしてきました。

今日、この訪問により、我々は両国の協力関係を新たな高みに引き上げるでしょう。

数十年にわたり、我々の同盟はこの地域の平和と成長、繁栄のリンチピンであり続けましたし、また、北朝鮮からの攻撃を阻止するうえで不可欠なものでもありました。今日、我々の協力関係は、グローバル・ステージにおいても、安定性を維持するうえで大事なものです。

我々両国はCOVID-19との戦いを継続し、サプライチェーンを確保し、気候変動危機に取り組み、地域の課題に対する協力関係を深め、そしてインド太平洋を自由で開かれた地域とするためのルールを策定するなど、その時々の機会と課題の両面に取り組むために協力しているのです。

内訳はなかなか厳しい

米国の韓国に対するさっそくの「ジャブ」

まさに、友好ムードそのものです。

もっとも、バイデン氏の「米韓同盟は多大な犠牲の上に構築されたものである」とする発言に、「朝鮮戦争で米国の多くの若者が命を落としたんだぞ」、「だから米国を裏切ったりするんじゃないぞ」、とするニュアンスが含まれていることは明らかでしょう。

また、「米韓同盟はリンチピンである」、とする表現は、バラク・オバマ元大統領らも使用していたものでもあります。そのうえで、「インド太平洋を自由で開かれた地域とする」とする発言も、(中国を名指しこそしていないにせよ)「中国を牽制する同盟に加われ」とする暗黙のメッセージ、というわけです。

その意味では米国の韓国に対するさっそくの「ジャブ」、といったところでしょうか。

共同声明のポイントは3つ

次に、共同声明についても確認しておきましょう。

United States-Republic of Korea Leaders’ Joint Statement

―――2022/05/21付 ホワイトハウスHPより

こちらの共同声明については少し長いのですが、要点をかいつまんで申し上げるならば、こんな具合です。

  • 米韓同盟が平和と繁栄のための「リンチピン」であることを改めて確認する
  • 米韓両国が「戦略的経済・技術パートナーシップ(A Strategic Economic and Technology Partnership)」に基づき、実務レベル、政治レベルでの調整を目的つぉひた経済的安全保障対話を開始する
  • 米韓両国関係については朝鮮半島を越え、グローバルかつ包括的な戦略同盟に発展させる。とくに、韓国は米国が掲げるインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)に参加する

この長文の共同声明も、一見すると、米韓同盟がさらなる高みに発展する、といった期待感に満ちているように見えなくもありません、予想どおり、インド太平洋経済フレームワーク(IPEF)に参加するとの表明も見られたからです。

中国を名指しせず

しかし、個人的な注目点のひとつである、「中国に対する牽制」に関しては、正直、予想どおり、大変に中途半端なものに留まりました。この文章の中で、「中国(China)」という単語が出てくるのは、次の箇所のみだったからです。

President Yoon and President Biden reaffirm their commitment to maintain peace and stability, lawful unimpeded commerce, and respect for international law including freedom of navigation and overflight and other lawful use of the seas, including in the South China Sea and beyond”.

海域名で「南シナ海」という単語が出てきます。

「南シナ海を含めた地域で、航行の自由・飛行の自由といった国際法の尊重が大切だ」、といった表現ですが、「南シナ海において中国が国際法に照らし違法な領土拡張を行っている」、などとハッキリ記載できていない点に、やはり中国に強く言えない韓国の弱みが見て取れます。

「日米韓」が2箇所で出て来るが…

次に、日本については2箇所、出てきます。

1箇所目は、これです。

“Both leaders underscore the importance of ROK-U.S.-Japan trilateral cooperation for responding to the DPRK’s challenges, protecting shared security and prosperity, upholding common values, and bolstering the rules-based international order”.

「両首脳は、北朝鮮の挑発に対すし、共通の安全保障と繁栄を守り、共通の価値を掲げ、ルールに基づく国際秩序を強化するための日米韓3ヵ国協力が重要であることを強調する」、といったところでしょうか。このあたりは従来の見解と変わるところははとくにありません。

一方、2箇所目は、「朝鮮半島を越えたグローバルで包括的な戦略連携」の部分に出てくる、こんな文章です。

“The two Presidents emphasize the importance of ROK-U.S.- Japan trilateral cooperation to effectively address common economic challenges”.

従来、「日米韓」はおもに「北朝鮮問題への対処」の部分で出てきていましたが、今回の米韓首脳会談では、「経済を巡る挑戦」という箇所でも、この「日米韓」が登場した格好です。

もっとも、個人的に事前に少しだけ気にしていた、「日韓関係『改善』」という表現については、出てきませんでした。

日韓関係改善に対しては言及なし

このあたり、ちょうど1週間前の『米国は日本に「日韓関係改善圧力」をかけてくるのか?』でも紹介したとおり、韓国メディアでは「米国が韓日関係改善に向け、日本に対して圧力をかけてくれるに違いない」、といった期待感が韓国側で蔓延していたフシがあります。

「日韓関係改善は避けられない課題だ。なぜなら米国がそれを望んでいるからだ。日本も韓国に譲歩しなければならない」――。予想どおり、こんな主張が最近になって増えてきました。その多くは韓国メディアに見られるのですが、本邦メディアも似たような主張を垂れ流しています。しかし、果たしてそうした見方は正しいのでしょうか?日韓関係改善論日韓関係改善論と基本的価値「日韓関係は良好であるに越したことはない」――。これは、昔から多くの人によって指摘されてきた内容ですし、総論としては、おおむね正しい議論でもあります。自...
米国は日本に「日韓関係改善圧力」をかけてくるのか? - 新宿会計士の政治経済評論

しかし、蓋を開けてみれば、少なくとも米国が日韓関係「改善」を仲介する、という合意は、(少なくとも表向きは)出てきていない、というわけです。当然と言えば当然かもしれませんが。

これに加え、日米豪印4ヵ国の枠組み(クアッド)に関しても、1箇所だけ、こんな記述が出てきます。

“President Biden welcomes President Yoon’s interest in the Quad, and noted complementary ROK strengths including tackling the pandemic, fighting climate change and producing critical technologies.”

尹錫悦氏がクアッドに関心を示したことを「歓迎する」、とだけ述べていますが、韓国が「クアッドに入る」と述べているわけではありません。当たり障りのない発言、といったところでしょうか。

藪蛇スワップ

通貨スワップはゼロ回答

さて、ここでもうひとつ気になる論点があるとしたら、通貨スワップでしょう。

韓国紙、米国に「永久通貨スワップ」「核の傘」を要求』でも指摘したとおり、韓国国内では「韓国がIPEFに参加するのと引き換えに、米国も韓国に対し『永久通貨スワップ』を提供すべきだ」、などとする主張がありました。

韓国の『ソウル経済』から、米国に対し「永久通貨スワップ」「核の傘の保証」「韓日関係改善のための役割」などの要求が出てきたようです。なかなかに強烈な主張ですね。これらに関し、米国にいったいどれだけのメリットがあるのかは知りませんが。ここ数日、韓国メディアからは、やたらと「日韓通貨スワップ」、「米韓通貨スワップ」に関する話題が出てきています。とりわけ、今朝の『「首脳会談で韓米通貨スワップを締結せよ」=韓国社説』でも紹介した『東亜日報』の社説は、なかなかに強烈でした。「米韓通貨スワップを締結すれば...
韓国紙、米国に「永久通貨スワップ」「核の傘」を要求 - 新宿会計士の政治経済評論

あるいは、『韓国メディア「韓米が通貨スワップに準じた協力模索」』でも取り上げたとおり、韓国政府高官が記者団のやり取りで、米韓両国が「通貨スワップに準じた協力を模索している」などとする趣旨の発言をした、という事件もありました。

またしても、通貨スワップに関する話題が出てきました。韓国メディア『ファイナンシャルニュース』によると、米韓両国が「通貨スワップに準じた通貨協力を始めた」、と記載されているのです。ただ、記事の説明を読んでみても、なんだかよくわかりません。これは、「速報」と称して良いのでしょうか。韓国の『ファイナンシャルニュース』というメディアの報道によると、米韓両国が「通貨スワップに準拠した通貨協力を始めた」のだそうです。米韓、通貨スワップに準拠した通貨協力を始める―――2022.05.18 16:23付 ファイナンシャルニュー...
韓国メディア「韓米が通貨スワップに準じた協力模索」 - 新宿会計士の政治経済評論

具体的には、金泰孝(きん・たいこう)国家安保室第一次長が18日午後の記者会見で、「韓米通貨スワップ再開の可否について」という質問に対し、「国際財政金融と、外国為替市場安定を前提に、韓米間でいかなる経済危機にも円滑で迅速に協力することを前提で論議している」と述べた、とするものです。

むしろ「為替介入をするな」とクギを刺された

結論からいえば、この金泰孝氏の発言どおりの合意が出てきました。といっても、通貨スワップは「ゼロ回答」であり、それどころか、米国側から「為替介入をするな」とクギを刺されてしまった格好です。

“To promote sustainable growth and financial stability, including orderly and well-functioning foreign exchange markets, the two Presidents recognize the need to consult closely on foreign exchange market developments. The two Presidents share common values and an essential interest in fair, market-based competition and commit to work together to address market distorting practices”.

「秩序ある、そして機能的な外国為替市場を含めた持続的な成長と金融の安定を促進するため、両大統領は外為市場の発展について、緊密に協議する必要性を認識した」。

「両大統領は、公正な市場原理に基づく競争に共通の価値観と本源的な利益を共有しており、市場を歪める慣行に対処するため、協力することにコミットする」。

簡単にいえば、米韓通貨スワップを締結するどころか、むしろ韓国が常態的に行っている不透明な為替介入を巡って、「それは公正な市場原理に基づくものではない」と米国が強く牽制した格好です。

米財務省はこれまで何度も韓国に警告を発していた

ちなみに韓国銀行はかなり以前から、外為市場に対する介入を常態化させており(『韓国の外貨準備が急減:韓国でいま何が起きているのか』等参照)、米財務省もこれに対し数次にわたって「為替介入をするのは例外的な事象に限定すべきだ」と何度も警告を発しています。

これから韓国からの日韓通貨スワップ再開攻勢は強まる韓国の外貨準備が前月比85億ドルのマイナスとなりました。「現金預金+有価証券」に限れば、マイナス幅はそれぞれ前月比で79億ドル、前年同月比で142億ドルにも達します。先月の『「為替介入」の証拠?減少基調に入った韓国の外貨準備』でも指摘したとおり、韓国の外貨準備はマイナス基調に入ったと考えて良いでしょう。ただ、米国は韓国と通貨スワップ、為替スワップのいずれも結んでくれないでしょうから、今後は「日韓通貨スワップ待望論」が韓国側で強まっていく可能性が濃厚で...
韓国の外貨準備が急減:韓国でいま何が起きているのか - 新宿会計士の政治経済評論

今回の米韓首脳会談の声明に含まれた内容も、米財務省の「為替監視レポート」に沿った言い回しが使われています。この「為替監視レポート」に記載された韓国に関する文言については『米国財務省が「韓国は為替介入を行っている」と認める』でも触れたとおりですが、その内容を再掲しておきましょう。

米財務省が先日公表した為替監視レポートを読んでいると、韓国が2020年下期にかなり多額の為替介入を行ったと読める記述があります。これは、当ウェブサイトでかなり以前から提唱してきた「韓国の資産バブルFRB主犯説」ともかなり整合している話題であり、また、韓国が公然と為替介入を行っている証拠でもあります(※もっとも、米国は韓国について「不透明」という表現は使っていませんが…)。韓国の資産バブル韓国の資産バブルFRB主犯説当ウェブサイトではかねてより、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う米FRBなどの金融緩...
米国財務省が「韓国は為替介入を行っている」と認める - 新宿会計士の政治経済評論

具体的には、米国財務省が昨年12月に公表した米議会向けの為替相場監視レポート “Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States” の25ページ目の記載です。

韓国(P25)

Korea reported net foreign exchange purchases of $11 billion (0.7% of GDP) in the spot market to stem won appreciation over the four quarters ending in June 2021. Treasury estimates that Korean authorities made most of these purchases in the fourth quarter of 2020, when the won appreciated 7.4%. Korea has well developed institutions and markets and should limit currency intervention to only exceptional circumstances of disorderly market conditions. Korea maintains ample foreign exchange reserves at $446 billion as of July 2021, equal to 2.5 times gross short-term external debt. Korea publicly reports its foreign exchange intervention on a quarterly basis. (※下線は引用者による加工)

つまり、米国財務省は韓国が「先進国に準じた経済大国」である以上、「為替介入は本当に限定的な局面でしか行うべきではない」、と述べ、為替介入を常態化させていることを暗に批判しています。

なお、『なぜ米国は韓国と通貨・為替スワップを締結しないのか』でも指摘したとおり、米国が韓国と通貨スワップや為替スワップを締結しないのは、ある程度は予想できた話ではあります。

「通貨スワップに準じた協力」は「FIMAレポ・ファシリティ」を意味するのだとしても、正直、FIMAレポ・ファシリティは為替スワップの代替とはなり得ません。韓国では現在、米韓通貨スワップ待望論がやたらと高まっている状況ですが、結論的にいえば米国が現状、韓国との通貨スワップ協定に応じる可能性は非常に低いです。そして、近日中にこうした期待はそのまま「日韓通貨スワップ待望論」に変化するのではないかと予想します。米韓通貨スワップ論米韓通貨スワップ待望論、あるいは「スワップに準じた協力」最近、なぜか韓国...
なぜ米国は韓国と通貨・為替スワップを締結しないのか - 新宿会計士の政治経済評論

しかし、「外国為替市場の安定」を逆手に取られ、むしろ「為替介入をするな」と命じられてしまったというのは、韓国にとっては意外な結果だったのかもしれません(※もっとも、韓国がこれに唯々諾々と従うとも思えませんが…)。

聯合ニュース「韓日関係、日本でも議論」

さて、少なくとも今回の米韓首脳会談、ホワイトハウス側の発表を見る限りでは、とりあえず米国としては韓国の「保守政権(?)」が米国側に戻ってきたかどうかを様子見している、といった側面が強いように見受けられますが、韓国メディアはそうは考えていないようです。

韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)には昨日、こんな記事が掲載されていました。

バイデン氏 韓米日の協力強調=韓日関係「日本でも議論」

―――2022.05.21 17:52付 聯合ニュース日本語版より

これによると、バイデン大統領は米韓首脳会談後に開いた共同記者会見で、日韓関係を巡って次のように述べたのだそうです。

韓米日が経済、軍事的に緊密な関係を維持することに大変重要だ。尹錫悦大統領とその懸案を議論したし、日本でも議論する予定だ」。

そのうえで、バイデン氏は「貿易障壁を解決する方法があると思う。われわれはこの問題を深く検討している。一部の貿易障壁は私の前任者が導入した」、などと述べたのだそうです。

これに関し聯合ニュースは次のように述べています。

韓日関係は韓国大法院(最高裁)の強制徴用判決などに対する事実上の報復措置として日本が2019年7月に対韓輸出規制を強化して悪化した経緯がある」。

こういうウソをナチュラルに述べるあたり、どうしようもありません。日本は韓国に輸出「規制」など適用していませんし、対韓輸出管理適正化措置自体は韓国の輸出管理の「不適切な事案」(おそらくは不正貿易など)の発生を受けてなされたものであり、韓国の自業自得だからです。

いずれにせよ、記事タイトルだけを読むと、米国が日本に対して日韓関係「改善」に向けた何らかの圧力を加えるかのような勘違いをしてしまうかもしれませんが、バイデン氏は、(少なくとも表向きは)そんなことは一言も述べていません。

その意味で、日韓関係「改善」に向けたボールは、依然として韓国側にあるのです。

新宿会計士:

View Comments (29)

  • 待望の通貨スワップは「完全ゼロ回答」
    →『待望の・完全ゼロ回答』と読んでしまいました。

    • 私も記事タイトルに喜びが溢れているように誤読してしまいました。

  • >「為替介入をするのは例外的な事象に限定すべきだ」

    「セルフ特別扱い」の国にそんなこと言及しても、馬耳東風でしかないんですよね。
    何ごとにおいても『例外無きが例外』との解釈が過言では無い社会なんですものね。

  • 共同声明の為替の部分を読むと、米韓スワップが議題に上ったが、アメリカに「ナイナイ」と断られて、それでも韓国が食い下がって「外国為替市場を含む金融の安定」という言葉を入れてもらい、アメリカがじゃあ「市場を歪める慣行に対処するために協力することにコミットする」と韓国の為替介入をけん制する語句も入れるならいいよと応じたと読める。

    明日のドル/ウォン相場がどう反応するかな。

    • ご指摘のとおりかと。韓国は金融の安定を理由に介入を続け、米国は市場を歪めるなと批判するということが繰り返されそうです。

  • 米韓首脳会談につき、事前に報道された内容を超えるものはなかった、という見解には同意します。米国の欲するサプライチェーンにおける対中包囲網(IPEF)に韓国も加わる。韓国の得られたものは特にない(あえて言えば最後の切符は買えて、締め出されることなかった)。いわんや米韓為替スワップなんて夢幻でしかない。しかし、日韓関係について「相互が受け入れ可能な方法による改善を促す」「これから東京に行き議論するつもりだ」の発言には、韓国内のものとはいえ、引き続き注視が必要か、と思います。もちろん米国が今すぐ日韓関係に関与してくるとは思いませんが、韓国が「最初の球出し」をさぼる言い訳にする懸念があるからです。引き続き、日本の外交当局は、韓国に対しては「問題を一方的に起こした韓国が、日本が納得できる解決策を用意すべき」、米国に対しては「日米韓はきちんとやるから、日本側に立つのでなければ、日韓につき中途半端な介入は、長期的な解決の妨げとなる」を言いこんで貰いたいと思います。

  • 米韓会談のわかりやすく的確で
    見事な解説をありがとうございます。
    はてさて朝日や半島メディアさんが
    どのように技法を駆使してうまく捻じ曲げて
    報道なさるのか、ここで正しい解釈を
    知ったうえでなので興味深いです。

    日本の学校教育で、
    天声人語の大衆誘導画策どおりの
    答えを書いて点数貰うことに
    飼いならされてしまっていましたが
    今ではその論旨の欺瞞探しが
    クロスワードパズルやナンプレ
    解くように頭脳トレーニングとして
    毎日楽しみです♪
    パズルやナンプレや囲碁将棋も
    解法定石や指南書がありますが
    「騙されない!朝日新聞の正しい読み方」
    (笑)の定石解法セオリーとして
    まとめていただけると嬉しいです。

    • 初学者の私ですが
      ここでの学びも参考にして
      毎日出題される朝日新聞の記事クイズには
      朝日の3つの戦法にあたりを付けて
      読むことが正解への道筋かと感じています。

      1『ベースからして虚偽である場合』
        自称従軍慰安婦でっちあげ等の
        劇場型の巧妙姑息なものもありますが
        そこまで巧妙でなく元ネタ当たれば
        すぐに虚偽発覚がほとんど。

      2『ソースは事実だが論旨展開が朝日(笑)』
        「だがちょっと待ってほしい」など
        朝日的キーワードを見落とさない。

      3『国民の多数の意見を装うもの』
        少数だったりそもそも創造主だったりする
        「わたし、アベしちゃおうかな」が歴史的傑作(笑)。
        日々大量生産される記事の
        「市民が・・」「市民団体が・・」は
        「そんなこんなの少数の」を語の前に補完して
        眉唾で読み進めリアル社会での実像を見抜く。
           

    • 世相マンボウ さま

      すばらしい戦法分析です。
      1『ベースからして虚偽』 ... 事実認識のゆがみ
      2『ソースは事実だが論旨展開が』 ... 論理導出のゆがみ
      3『国民の多数の意見を装う』 ... 世論とは自分の文章のことと騙る傲慢さ
      新聞記者の常套手段として広く知られているところ、記事ひとつひとつを読むときこれら3つに嵌合する要素が埋め込まれていないかチェックする姿勢を心がけたいものです。

      • 情報の1次ソースまで調べて分析しているこのサイトは貴重です。
        ガイム省の官僚の方たちも、朝日新聞・日経新聞に頼らずに(頼っていないと思いますが)
        是非このサイトで最新の情報収集を行ってくださることを願います。

        >はてさて朝日や半島メディアさんが
        どのように技法を駆使してうまく捻じ曲げて
        報道なさるのか

        どうなるか楽しみです。

    • はにわファクトリーさま 匿名さま
      ご返信ありがとうございます。

      私は、ホテルや喫茶店で暇つぶしに
      新聞を選ぶ時、そうした理由から、
      まっさきに朝日新聞さんを選びます。 (^^)/
      また、
      日本の道を左に西に踏み外した
      どぶサヨさんやイカレ左翼さんなどの、
      実社会ではお近づきにはなりたくない
      方面の考え方を、安全に観察できる点では
      その存在は貴重であることを
      朝日新聞さんの名誉のためにも申し添えます。

      もはや信頼に足る報道機関としては
      その地位を失った朝日新聞さんなのですが、
      このサイトも頼りにして
      エンタメ部門間違い探しクイズカテゴリーとして
      新たな効用を見出してその
      存在価値を認めて上げることは
      苦境の朝日新聞さんからは、きっと
      感謝されることだろうと考えます。

  • 共同声明の「リンチピン」の本文を読むと、朝鮮半島のことしか言及されていません。つまり、韓国は朝鮮半島の平和と安定のためのリンチピンとしてしかアメリカに認識されていません。
    対して、日本はどの地域の要と言ってくるのでしょう。そこに大きな差があります。

    • リンチピン、と言ってますが、リンチピンが壊れてると
      した場合、修理する様子がみえないなら、捨てる、交換する、
      はありですよね。

      • おっしゃるように、
        「リンチピン」なるものは
        あくまでただのピンとしての
        役割を果たしてるときだけ重要で
        抜けたり 折れたりしたら
        ゴミ箱行きだぞ の意味
        と解釈するのが妥当では?
        と感じます。

  •  聯合ニュースの報道が事実であるとすれば、バイデン大統領の「貿易障壁を解決する方法があると思う。われわれはこの問題を深く検討している。一部の貿易障壁は私の前任者が導入した」という発言中の『私の前任者』とはトランプ前大統領以外には考えられず、したがって『貿易障壁』とはトランプ前大統領が導入した『鉄鋼・アルミ追加関税』などを指すと解釈すべきです。
     バイデン大統領の発言をどのように解釈すれば『貿易障壁』=『日本政府の対韓輸出規制』となるのか、聯合ニュースの執筆記者に、是非、教えていただきたいと思います。
     なお、この聯合ニュースの記事をそのまま借用して転載し、日本の読者に誤解を与えるような記事が日本の一部の新聞にもあります。(例:中日新聞Web)
     

  • 共同声明の中には決定的に韓国の行動を縛れるものも入っていないし、どうとでも解釈できる至ってフツーのものと思いました。私的には、結局行動でしか評価できないといういつもの結論です。で、多分韓国は今のまま何も変わらないでしょう。

    ある高名な国際政治学者の方が、「政権発足後時間もないのにここまでよくまとめた」と、共同声明を高く評価して期待感を表明しておられました。(ウクライナ戦争での核エスカレについてはとても参考になる見解を開陳されていた方)
    保守政権に変わったから韓国は変わるかも、と、普通の人はナチュラルにそう考えるのかもしれないですね。

  • 我々は世界になったとか言うファンタジーから少しずつ目を覚まそうとしている気もしますが、米国もまだ韓国を理解していないのかな。棒で叩かないと分からないのは中国が証明してくれているのに。ま、一応同盟国なので公にやれないところは有りますが。

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