「日本が首脳会談取消」のウソが1年も経たずに事実に
現在の日韓関係がギクシャクしていることは事実ですが、それは「韓日に誤解があるから」ではありません。むしろ「日本が韓国のことを正確に理解した結果」です。こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期大統領が岸田首相を大統領就任式に招待した目的が「韓日の誤解を解くこと」にある、とする記事を掲載していたようです。
大変面黒い記事を発見しました
尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期韓国大統領が日本に派遣してきた「政策協議代表団」を巡り、さっそく、面黒い記事が出て来ました。韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された、こんな記事です。
「韓日の誤解を解こう」…韓国次期大統領、就任式に岸田首相招待
―――2022.04.25 06:48付 中央日報日本語版より
…。
タイトルを見ただけで、思わず頭の中に「?」マークが浮かびます。現在の日韓関係に関しては、少なくとも日本が韓国を「誤解」した結果ではなく、「理解」した結果ではないかと思ってしまうからです。
この中央日報の記事自体、「尹錫悦氏が岸田文雄首相に宛てた親書のなかで、5月10日の大統領就任式への招待が盛り込まれた」、という情報であり、すでに聯合ニュースなどの他メディアでも報じられたもので、正直、新しい情報はほとんど含まれていません。
ただ、これに関する中央日報の記事の記述が、大変に強烈です。冒頭の記述が、これだからです。
「韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が冷え込んだ韓日関係に突破口を見出すために日本の岸田文雄首相を大統領就任式に招待するカードを出した」。
…。
「突破口」もなにも、日韓間の諸懸案も、結局のところは「韓国が約束を破り続けるかどうか」にかかっています(もしくは何とかして岸田首相を「騙そう」とするかどうか、でしょうか?)。
岸田首相と「代表団」との面会はあるのかどうか
また、今朝の『期待大きければ失望も大きい:韓国の協議団は裏目に?』で説明したとおり、今のところ「政策協議代表団」が岸田首相と面会するかどうかについては不透明ですが、中央日報の記事では、こんな具合に「岸田首相との面会が確定した」かのような記載を続けています。
「24日から5日間の日程で日本を訪問している韓日政策協議代表団は、5月10日大統領就任式の招待内容を記した尹氏の親書を岸田首相に手渡す予定だ。代表団は27日に岸田首相と面談する日程を日本側と調整中だ」。
このあたり、中央日報の記述が正しいのかどうかについては、あと数日で明らかになるでしょう。
中央日報はまた、代表団の団長である鄭鎮碩(てい・ちんせき)韓国国会副議長は、「最悪の状態で放置されてきた韓日関係を改善して正常化することが我々の国益に符合する」とする尹錫悦氏の認識を紹介したうえで、岸田首相の大統領就任式出席について次のようにも述べた、と報じています。
「世界各国のどの首脳も出席意志を送って下されば最善の礼節を守って迎える準備をしている」。
日韓関係を「最悪の状態で放置」してきたのは韓国の側ですし、また、「礼節」という言葉が韓国の政治家の口から出て来るという時点で、なかなかに驚く話ではありますが、それよりも、韓国の政治家による「日韓首脳が会えば関係改善の契機になる」とする発想も、随所に見えてきます。
実際、中央日報によると、尹錫悦氏の関係者はこう述べたそうです。
「岸田首相を就任式に招いたのは韓日首脳間の疎通を通した信頼回復の意志であり、別途首脳会談を開こうという提案だ。尹氏は両国がひとまず互いの誤解を解いて信頼関係が構築された状態で各種懸案を議論することが問題解決の近道だと考えている」。
「会えば誤解が解ける」、「会えば何とかなる」という発想自体、なかなか理解に苦しむものでもあります。
もっとも、中央日報の記述を読んでいてちょっと気になったのは、韓国大統領就任式に日本の首相が出席した事例は、2008年2月の李明博(り・めいはく)元大統領の就任式に福田康夫首相(当時)が出席して以来、14年ほど絶えている、という点でしょう。
よく日韓関係について述べる人は、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の5年間で日韓関係が「悪化」した、などと主張するのですが(だからこそ「5年ぶりの保守政権だから関係改善の好機だ」とする主張が出てくるのですが)、こうした認識が正しいのかどうについては、ちょっとした情報の端々から読み取ることができるかもしれません。
1年間でウソがすっかり「事実」に!
もっとも、この中央日報の記事、「日韓関係が改善されない原因は日本の側にある」とでも言いたいかのような記述も出て来ます。その一例が、昨年6月にG7サミットにゲストとして招かれた文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が菅義偉総理と会談できなかったことです。
これについては、当ウェブサイトでは『文在寅韓国大統領、日韓首脳会談が開催できず「残念」』などでも紹介しましたが、文在寅氏は菅総理に近づいたものの、そもそも日本側は韓国との首脳会談を行う予定すらありませんでした。
さきほどの『英G7サミット、日本にとっての「成果と課題」とは?』とは別件で、もうひとつ、G7ネタです。日経が「日本はアジア唯一のG7参加国として、G7拡大に反対している」などと報じましたが、これは分析としてトンチンカンと言わざるを得ません。これに加え、今回のG7では「日韓首脳会談」「日米韓3ヵ国首脳会合」が実現しなかったそうです。それにしても良かっ残念でした。菅総理、ぎこちなかったが…菅義偉総理大臣が参加した、英・コーンウォールでのG7首脳会合(サミット)が閉幕し、菅総理は帰国の途に就きました... 文在寅韓国大統領、日韓首脳会談が開催できず「残念」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ところが、これについて中央日報は、こう述べています。
「昨年6月には主要7カ国(G7)首脳会議を契機に菅義偉当時首相と別途首脳会談日程を協議して実務段階で合意していたが、日本側が一方的に取り消したことによって白紙化していた」。
この言い分、おそらくは日韓首脳会談が実現しなかったことを文在寅氏から責められた韓国政府外交部が苦し紛れにでっち上げたウソですが、こうしたウソが1年も経たずに事実であるかのように報じられること自体、何かと考えさせられるところです。
誤解じゃなくて理解
ちなみに中央日報によると、尹錫悦氏の関係者は日韓関係が「最悪なところまで突き進んだ」理由について、「両国首脳をはじめ最高位級で信頼関係が形成されなかったところが大きい」としつつ、「岸田首相が就任式に出席するなら、韓日関係を新たに変化させる出発点を作るにあたり役立つと期待している」と述べたそうです。
個人的に、現在の日韓関係が「最悪」なものかどうかについてはよくわかりませんが、少なくとも両国の信頼関係を壊したのが日本ではなく韓国であるという事実を踏まえるならば、首脳会談で一時的に岸田首相を騙しおおせたとしても、もはや日本国全体の認識を変えさせることはできません。
いずれにせよ、『「関係改善にはまず日本の過去の反省が必要」=韓国紙』などでも取り上げたとおり、現在の日韓関係は、少なくとも日本が韓国を「誤解している」結果もたらされたものである、というより、「正確に理解した」結果もたらされたものである、と考えた方が正確ではないでしょうか。
現在の日韓関係は日本人の韓国理解が進んだ結果では?日韓関係を巡って、韓国メディアから「関係改善論」への期待が激しくなってきたように思えます。ただ、この期に及んで日本が譲歩する格好での日韓関係「改善」論は、韓国メディアが報じれば報じるほど、かえって難しくなるのではないかと思います。日韓関係を巡る3つの落としどころ『「韓国が」日韓関係を悪化させた』などを含め、当ウェブサイトではもう何十回、いや、下手をすれば何百回となく申し上げてきたとおり、日韓間の諸懸案のほとんどが韓国により作られたものです。。... 「関係改善にはまず日本の過去の反省が必要」=韓国紙 - 新宿会計士の政治経済評論 |
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■旬の見出し■
【NEWSIS・韓国日報・東亜日報・KBS・MoneyS・聨合ニュース】
韓日政策協議団、親書を持って訪日…「岸田面談調整中」
【YTN】
韓日代表団、親書を持って出国…27日、岸田と面談の模様
【中央日報】
韓日の誤解を解こう…」尹次期大統領、就任式に岸田首相を招待
【毎日経済】
5年間放置した最悪の韓日関係、政策協議団が突破口に
【TBS】
韓日政策協議団、5日間の日本行き…27日、岸田首相と会談するもよう
【MBC】
韓日政策協議団が日本入り。「韓日関係の改善を模索」
【MBN】
韓日政策協議団、親書を持って訪日…27日、日本の首相に会う
【ハンギョレ・NEWS1】
政策協議団「当選者親書」を持って訪日…岸田首相との会談は実現するか
【文化日報】
韓日政策協議団、今日訪日…岸田首相との会談が実現
誤解(오해)、錯覚(착각) は韓国人が良く使う都合の良い言葉です。
この言葉の後には自分擁護と誤魔化しの言葉が続いて出てくる事が多いです。それらに惑わされず、さらに追及すると「感情的にならないで」と言葉が続きます。これらを意訳すると「私が悪い事は分かっているが、謝る気は毛頭ないから、黙って俺言うことを聞けば悪いようにはしない」となります。無茶苦茶ですが、こうやって韓国人は責任を逃れます。
오해という言葉を久しぶりに聞いた気がします。
駄文にて失礼します
射撃レーダー照射の騒ぎの中で流れた一つのニュースを思い出しました。
海軍トップがレーダー問題の部隊を訪問 対応を叱責?
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190107003000882
これって、謝罪にも釈明にもなんにもなってない、苦しい言い訳でもしているつもりかと思っていたんですが、彼らの習慣からはそれなりに意味のある行為だったのかもと思いました。
どっちにしても、「だからどうした」でしかないですが。
この際日本政府は、日韓間の問題は、誤解などではなく韓国側の「錯誤」と彼らにはっきりと伝えるべきでしょう。
韓国政府並びにメディアそして何よりも韓国国民が勝手に妄想している、 日本に対してはどのような虚偽や捏造に基づく誣告や告げ口外交、自称慰安婦像に代表される様々な嫌がらせ、根拠なき謝罪と場合小の請求を要求しても一切構わないのだと「錯誤」していることこそが、日韓間の問題の根底にあるのだと彼ら自身が認識できるまでは、日本は彼らをまともに相手にするべきではないと考えています。
しかし、基本的に「機能性文盲状態」に陥っている彼らには、婉曲なもの言いではこちら側の真意は伝わらないと思います。彼らに会う際にははっきりと「お前たちが悪いからこうなったんだ」と云って、これまでの悪行の数々をAペーパーに箇条書きにして渡してやればいいのです。
彼等は次期大統領の親書を携えてやってきたそうですが、どのような内容の文面なのか大いに興味があるところです。絶対に日本政府はしないでしょうが、できたら公開してもらいたいものだと思っているのは、私だけではないでしょうね。
毎度、ばかばかしいお話しを。
日韓関係は、外交儀礼の建前社会で、いかに、(第三者に見られることを前提とした)もっともらしい理由で、相手の要求を断るかの競争になったんだって。
おあとがよろしいようで。
「突破口」とか「カード」とか言ってるのをみると、なにか招待状の返礼品を期待してるんだろうと勘繰ってしまうのです♪
就任式への招待って、関係国の首脳に新大統領の顔を知ってもらうためのものだろうから、変な意味付けをしないで、他の国の方を招待するのと同じように、淡々と招待だけすれば良いのにって思うのです♪
"招待状"の形態が"カード"なのやもしれません
…もしかすると定規の目盛付きマグネットになってて冷蔵庫に貼れるのかも!?
誤解は無く明白な嫌がらせであり敵対行為ですよね。
それを解消するにはセレモニーへの招待ではなく韓国の国内法で韓国が問題を解消するとともに敵対行為や嫌がらせを止めること、謝罪など具体的な行動を積み重ね、これを何年も継続して初めてやっと信頼の芽ができてくると思います。
信頼を壊すのは速いが作るのはすぐには無理なのを解らせるしかない。
最後に仏像も返せ!
誤解は無く明白な嫌がらせであり敵対行為ですよね。
それを解消するにはセレモニーへの招待ではなく韓国の国内法で韓国が問題を解消するとともに敵対行為や嫌がらせを止めること、謝罪など具体的な行動を積み重ね、これを何年も継続して初めてやっと信頼の芽ができてくると思います。
信頼を壊すのは速いが作るのはすぐには無理なのを解らせるしかない。
最後に仏像も返せ!
すいません。2個投稿になってしまいました。
それと、最初のところ 誤解は無く → 誤解では無く です。
誤解であったと誤解させるためだなと誤解してしまうので、誤解誤解言うのやめて欲しいです。
(5回言ってみましたドヤァ)
メディアの信憑性をチェックするって、こういうことですよね。
「目覚めた人」はこういう記事は読まないんでしょうねぇ。(棒)
尹錫悦次期大統領は、「日本政府は韓国政府を誤解している。文在寅政権はさておき、私(尹錫悦)の政権は日本政府に対する悪意など微塵も抱いていない。そのことは、岸田首相が私と膝突き合わせて話し合えば必ず理解していただけると確信している。そうした理解の上で、日韓両政府が各種懸案を議論することが問題解決の近道だ。」と言いたいのでしょう。
しかし、そのような主張は、国際社会では成り立ちません。前政権が外国政府に対して行った行為は、新政権も引き継がなければならず、前政権が外国政府に不法行為を行っていた場合は、新政権がそれを是正し、謝罪・賠償しなければ、正常な国家関係を取り戻すことはできません。
例えば、プーチン大統領が失脚し、ロシアに民主主義政権が誕生したとしても、新政権は、プーチン政権がウクライナに対して行った数々の不法行為の責任を100%引き継がなければなりません。
尹錫悦氏は、こうした国家関係の基本を本当に理解しているのでしょうか、疑問です。