前衆議院議員で日韓議連幹事長だった河村建夫氏は現在、日韓親善協会会長に就任されています。その河村氏が先日、韓国を訪問し、「政権交代を機に日韓関係を改善しようとする気持ち」を韓国側に伝達したのだそうです。ただ、韓国メディアと異なり、日本の側のメディアはこの話題について冷ややかに見えますし、日本国民も醒めているように思えてなりません。じつはこれこそ、文在寅政権が日韓関係にもたらした、大きな「遺産」なのかもしれません。
河村氏の訪韓
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日、こんな記事が掲載されていました。
日韓親善協会会長、韓国次期大統領の秘書室長と面談…「日韓関係を改善しようという思いを感じた」
―――2022.04.13 11:46付 中央日報日本語版より
これは、11日から3日間の日程で韓国を訪問していた河村建夫・日韓親善協会会長が12日午後、尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期大統領の秘書室長である張済元(ちょう・さいげん)氏と会い、「韓日関係」に関して意見を交わした、となどするものです。
中央日報はまた、河村氏が「韓日親善協会」の定期総会にも出席し、「一衣帯水の日韓関係だから、いがみ合う関係は互いにプラスにならない」、「(韓国の)政権交代を機に新しい日韓関係をつくる必要がある」と話した、とも報じています。
「一衣帯水の関係」!
なんだか、この表現、久しぶりに見た気がします。「一衣帯水の関係だから日韓関係を改善しなければならない」というロジック、一周回って却って斬新に見えてしまうのは、気のせいでしょうか?
いずれにせよ、この手の発言を読んで、当ウェブサイトの読者の皆さまなどであれば、「またか」とウンザリする方も多いと思います。
『「韓国が」日韓関係を悪化させた』などでもしつこく議論してきたとおり、現在の日韓関係を「悪化」と呼ぶのであれば、その「関係悪化」という状態をもたらしたのは、ひとえに韓国側の約束破り、条約無視、国際法違反などの不法行為の数々だからです。
「日韓関係が悪化」したのではない!「主語」は正しく使おう「日韓関係が悪化した」という表現を見かけますが、これは正しくありません。現在の日韓関係を「悪化」と定義するならば、「韓国が日韓関係を悪化させた」と表現すべきでしょう。もっとも、現在の日韓関係をもたらしたのは、少なくとも韓国側の行動だけでなく、我々日本人の側が、韓国を「正確に」理解するようになった、という側面もあります。このように考えると、現在の状態こそが「良好なもの」だ、とする意見もあるようです。日韓関係が「良好ではない」理由は明らか著... 「韓国が」日韓関係を悪化させた - 新宿会計士の政治経済評論 |
この手の「お互いに努力しなければならない」といった言説、韓国が日本に対してさまざまな不法行為を仕掛けたという事実を無視したものであるという点において、正直、不当であると思わざるを得ないのです。
日本の側では大きく報じられていない
ところで、この話題を巡って、非常に気になる点があるとしたら、日本の側で河村氏の動静がほとんど報じられていないように見える、という点です。
大手メディアのなかでは、朝日新聞や産経新聞、時事通信などが河村氏の訪韓について記事を出していますが、どの記事も扱いはそれほど大きくありません。
日韓は「一衣帯水」河村元官房長官が訪韓、尹次期大統領の側近と面会
―――2022年4月12日 19時45分付 朝日新聞デジタル日本語版より
河村元官房長官「日韓改善へ意欲感じた」 韓国次期大統領側近と面談
―――2022/4/12 19:08付 産経ニュースより
河村氏、尹氏側近と会談 関係改善へ意思共有―韓国
―――2022年04月12日19時59分付 時事通信より
河村氏の訪韓から一両日待ってみたのですが、大手メディアではこれら以外の記事はほとんど見当たらず、日本の側では河村氏の動静にあまり注意を払っている気配が見られません(※地方紙なども含めて検索すれば、もしかしたら「大きく取り上げている」という事例もあるのかもしれませんが…)。
ついて行かない国民の意識
冷静に考えてみたら、河村氏は昨年10月の衆院選で事実上の引退を余儀なくされ、ご長男の建一氏(46)も比例北関東ブロックで出馬したものの、次点で落選しています(ただし、夏の参院選に比例で再び挑戦されるようですが…)。
河村氏は長年、日韓議連の幹事長という立場から、日韓関係の「改善」を強く主張してきたというご経歴の持ち主ですが、それと同時に昨今の日本社会において、河村氏の主張が多数の日本国民に支持されるようには見えません。
その意味においては、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が日韓関係に残した「最大の遺産」は、日本国民の意識の変化だったのではないかとも思う次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
この点、韓国メディアの報道を眺めていて感じるのは、こうした日本社会の「」冷めた姿勢」があまり伝わっていないフシもあります。しかし、すでに議員ですらなくなった河村氏が韓国に出掛けてなにを話したとしても、それが私たち日本国民の意見を代表しているものではありません。
いずれにせよ、政権交代を機に韓国側で「韓日関係改善」に前のめりになっているフシもありますが、少なくとも日本国民の意識がそこについていこうとしているようには見えない、などと思う次第です。
View Comments (14)
現議員でなくてもよいのなら、ワタミさんに行ってもらった方が面白かったのですが。
しきしま様
渡邉美樹ワタミ会長兼社長が自由民主党参議院議員(外交防衛委員会委員長)時代に、韓国から来日した国会議員団に一人で応対した「ワタミのワンオペ」の事ですね。
これが面白かったのは、渡邊氏は外交防衛委員会委員長の肩書きがあったとは言え、参議院議員としての任期が間もなく終えようとしていた事ですね。
実は、渡邊氏は2013年に訪韓した際に、韓国側から嫌がらせを受けていた為、これが伏線となって、あのワンオペに至ったのだろうと思います。
つまり日本は、(韓国に)冷遇されたのだから、借りを返す為に(韓国にワンオペで)遣り返したのです。
政権の移行中に邪魔だと思わないんですかね。
実際、尹氏の秘書室長としか会えなかったようですが。
韓国議員のように、ノーアポ、ノープランで訪韓したんでしょう。
>「一衣帯水の日韓関係だから、
キモい。やめてくれ。
としか思いません。w
用日メディアの必死さが伝わってきます。時計は戻らないと思いますが。
慰安婦合意や日韓請求権協定に立ち戻り、自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを謝罪し、仏像の返還をし、 ... などを具体的に要求し説得するのではなく、「お互いに仲良くしようね」とかなんとか言ってきたのでしょうね、河村さん。 女子高生みたい。 可愛い 💛
河村氏については、韓国にむけて、
しっかり、合意や条約を守ることの重要性を説いてきていただきたいものです。
それだけですね。
すでに、日本に向けて、韓国の話をする段階は終わってますし。
愛、愛、愛、愛
歓待のようです
ポロッと歓待であれぐらい?
シレッとリーク、こりゃそうです
河村健夫は、現役時代韓国からの電話があると、日本の官邸内の情報を伝えていたそうですから、立派なスパイ。日本国家に対する反逆行為。
親善協会会長就任どころか、自民党から除名の上、名誉剥奪して当然でしょう。
昨今の日本の対韓感情の冷めっぷりを突き詰めていくと、
「もう日本は韓国と友好関係じゃなくても良いと割り切った」と言う結論が
避けられなくなりますからね。
「反日」と言う”正義”の下に国が成り立っている韓国としては、そんな結論は
絶対に受け入れられない。だから韓国メディアもそんな結論は絶対に報じないのでしょう。
単純に見て見ぬふりではなく、本当に気付いていない、理解できない可能性もありますが。
>いずれにせよ、政権交代を機に韓国側で「韓日関係改善」に前のめりになっているフシもありますが、
政治家も国民もGG大好きって事で、「前のめり」というか「前かがみ」というかw
河村さんははじめ、