「じつは、ロシアはウクライナを侵略していなかった」――。こんな衝撃的な情報が飛び込んできました。これが事実なら、いままでの西側メディアの報道は、すべてウソだったのでしょうか?種明かしをしておくと、じつは、「ロシアがウクライナを侵略していない」という主張の情報源は、ロシアのラブロフ外相です。
2022/03/11追記
本文中の誤植等を修正しております。
GSやディズニーなどがロシア撤退
ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、連日のように、新たな話題が出て来ます。
これについては国際決済銀行(BIS)がロシア中銀の参加資格を停止したとする話題(『国際決済銀行がロシア中銀を排除』参照)に加え、本日はほかにも、ゴールドマン・サックスやJPモルガンがロシアでの事業清算を発表した、とする話題も出てきています。
Goldman Sachs, JPMorgan unwinding Russia businesses
―――2022/03/11 05:37 GMT+9付 ロイターより
これに加え、ディズニーがロシアでの事業を停止する、といった報道もありました。
Disney to pause all business in Russia
―――2022/03/11 05:00 GMT+9付 ロイターより
正直、三々五々、さまざまな話題が出て来るので、それらの整理が追い付かないというのが実情のようです。
その一方で、なかなかに衝撃的な話題を発見しました。
「ロシアはウクライナを侵略していなかった」!
いくつかのメディアではすでに報じられているとおり、ウクライナのドミトロ・クレバ外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は現地時間の10日、トルコ南部のアンタルヤで約1時間半にわたって会談したものの、停戦に向けた合意は形成できませんでした。
ところが、この会談後にラブロフ氏は、「ロシアはウクライナを侵略していない」、と発言したのだそうです。
Russia has not invaded Ukraine and will not invade any other country — Lavrov
―――2022/03/10 19:59付 タス通信英語版より
タス通信の原文では “Russia has nat invaded Ukraine” です。
タス通信によると、ラブロフ氏は「ロシアはウクライナを侵略しておらず、また、他国への侵略も計画していない」としたうえで、「むしろウクライナの側が、今月、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国に対して攻撃を計画していた証拠もある」と主張。
あわせてタス通信は、ウラジミル・プーチン大統領が2月24日のテレビ演説で、「ドンバス共和国首脳からの要請にこたえ、人々を保護するための特別な軍事作戦を実施することを決定した」、「ロシアはウクライナの領土を占領する計画もなく、目標は非ナチ化と非軍事化だ」とと述べたことを引用している、というわけです。
ウソにウソを重ねると…
この点、BBCニューズ・ジャパンに先週掲載された次の記事によれば、ロシア政府の支配下にあるガスプロムの子会社が所有するテレビ局「NTV」が流す午前8時のモスクワの情報番組では、「ウクライナ東部のドンバス地方の話題ばかり」を伝えているのだそうです。
ウクライナ侵攻をロシアのテレビで見る まったく別の話がそこに
―――2022年3月4日付 BBC NEWS JAPANより
いわば、ロシア国内では「ロシアはウクライナに軍事侵攻していない」ということにされているようであり、その虚構を守るために、ロシア外相も必死なのでしょうか。
このあたり、漏れ伝わる情報によれば、ロシア国内では依然としてインターネットは遮断されていないそうですので、さすがに新聞、テレビの報道を統制するだけでは、ロシア国民に対し、情報を隠しきることはできないのではないか、という気がしないではありません。
その意味では、「情報戦」という側面でも、今回のロシアの対応は興味深いところだと思う次第です(もっとも、これを「情報戦」というには稚拙すぎるかもしれませんが…)。
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この前プライムニュースで、小野寺さんに突っ込まれて、ロシア大使が「攻撃した」に変わった議論もありました。
ロシア政府関係者は、ロシアのプロパガンダのスピーカーだと思っとけば間違いないでしょう。
皆さんに、お尋ねします。
ロシア外相の発言は、「ロシアはウクライナで特殊作戦を実施しているのであって、戦争ではない」または「ウクライナは、大ロシアの一部であって、独立国家ではない。だから相手が独立国家出ない以上、戦争ではない」ということでしょうか。(中国が喜ぶでしょう)
蛇足ですが、ロシアの主張は、(戦前の)日本の満州事変や日華事変を、思い出せます。
ロシアは侵略していないそうですが、ウクライナでは戦車他のロシア軍装備を取得しても資産の取得として申告する必要はないようです。
通常の取引の取得でない上に、それらは破壊(!)されているために取得価格の評価ができないことが理由とされています。
interfax ukraine – No need to declare captured Russian tanks
https://en.interfax.com.ua/news/general/804441.html
ラブロフの会見映像をたまたま見たのですが、話しながら手元のイヤホンを弄んでるんです。
https://www.fnn.jp/articles/-/329677
2:45頃です。
これは病院を爆撃していないと話す場面のようです。
ラブロフ氏の会見映像でこういう仕草はあまり見た記憶がありません。
こういう仕草はストレスを感じているときに出てくると思います。(というのは学術的なことではなくて私の経験からの類推です。)
20年近く外相を務めた人物にしても、苦しい言い訳をしていることがストレスになっているのだろうかと。彼にとっても正念場なんでしょうかね。
同時にデタラメなプロパガンダをしていることの表れかもしれません。
コメントが消えている気がします。
戻りました。
機械チェックに引っかかった場合
数分〜一時間程度反映されないことがありますよ
いえ、一度すべてのコメントが消えたんです。
ロシアのサイバー攻撃かと思いました。
さすが日本で多大な影響力を持つブログをよく知ってるなと思いました。
その主張の妥当性や当否はともかく、ラブロフ外相が「ロシアは侵略などしていない」と発言すること自体には何の不思議も驚きもありません。むしろ、「侵略」を認めたとしたら、その方がよほど大問題です。
国連憲章は侵略戦争を禁止していますが、自衛戦争は禁止していません。ただし、問題なのは、「自衛」の範囲について、誰もが納得する明確な定義がないことです。いわゆる予防戦争は自衛の範囲内として認められるのか否か、この点ですら、実は学術レベルでも定説はありません。
この点に関しては、パリ不戦条約の頃から大きな問題となっており、実際、大日本帝国もナチスドイツも「自衛」と称して戦争に突入しました。従って、今回ロシアが「自国民保護」と「自衛」を目的とした「特別な軍事行動」であり、けして戦争でも、まして侵略でもないと主張すること自体には、何も不思議なことはありません。
ロシアはさらに「ウクライナでの核テロリズムの策動阻止」という「口実」を繰り出してきましたが、この「口実」はアメリカが湾岸戦争を仕掛けた時の「口実」と等価です。従って、ロシアの「口実」が嗤われ、非難されるのであれば、アメリカのそれも同様に非難しなければ、ダブルスタンダードとの誹りを免れません。
結局のところ、今回のロシアの軍事行動も、ロシアが「敗け」れば侵略ということになるでしょうし、「勝て」ばいずれうやむやになるのではないかとすら思います。
メキシコやパナマあたりがロシアや中国と軍事同盟結んで核ミサイル配備しそうになったら
アメリカは武力侵攻するかもしれないからね
どこかの国の人も、道徳的優位性として、「他国を侵略したことが無い」と嘘をついていますね。
ポーランド訪問中のハリス副米大統領が、ポーランド大統領との合同記者会見において不謹慎なジョークとげらげら笑いを飛ばしたとして、非難されつつあるそうです。これがアメリカ人のやることです。アメリカ人の誠意とはこのようなものなのです。永く記憶しましょう。
サヨクはノーカンにしてあげましょうよ
鳩山由紀夫氏を日本代表とされたらキツイじゃないですか
サヨクは基本クルクルパーなので、そこは生温かく見てあげないと
そっか…
じゃ日本も太平洋戦争なんかしてないし核兵器2発落とされるようなことしてないっ!
でもいいんですね。
真珠湾なんてアメリカの自作自演だし他の戦線の写真も同時の合成写真で戦争もぶりょく闘争も無かったって言ったもん勝ちでいいんですね?
楽だわ〜
すごい知恵教えてもらっちゃった。
北方領土かえそうな!
いや、さすがに、大日本帝国は「帝国の自存と自衛のために」宣戦布告しちゃってますから、太平洋「戦争」などなかったという主張には無理があります。
あえて比較するとすれば、満州事変や北支事変でしょうが、最終的に日本が敗けちゃったので、「侵略」であったことにされてしまいました。
個人的には、満州事変にはまだしも擁護する余地が多少はあると思っていますが、北支事変となるとさすがに擁護のしようがありません。
龍様
まぁ冗談なんですが…
ロシア・韓国・北朝鮮・中華人民共和国等々…
思いつき、そう思ったらそれが歴史な国々です。
ロシアはでっかい北朝鮮でした。
「ロシアはウクライナを侵略していない」というラブロフ外相の発言を聞いたウクライナ国民は、呆れかえると同時に、はらわたが煮えくり返る思いだったと思います。心から同情いたします。
日本国民も、某隣国から「日本の自衛隊機が我が国海軍艦艇に低空威嚇飛行をした。謝罪せよ。」と平気な顔で見え見えの噓を言われ、同じような思いをしたことがあります。
ただし、同じ憤りでも、日本国民の憤りなど、ウクライナ国民の憤りに比べれば「屁」のようなものですけれど。