韓国大統領選を、大接戦の末に尹錫悦氏が制したようです。これにより、おそらく日本のメディアは、「韓国側から日韓関係『改善』に推力が働くだろう」、などとする分析を掲載すると思います。しかし、あらかじめ申し上げておきますが、韓国が日本との約束を誠実に守る方向に舵を切るかどうかは微妙です。同氏が「保守派」なのかという点もさることながら、むしろ過去の事例に照らせば、「保守政権」下で日韓関係がギクシャクしていたという事実を思い出しておく必要もあるでしょう。
尹錫悦氏が大統領選制する
大接戦となった韓国の大統領選を、尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏が制したようです。
大統領選の直前で候補を一本化したこと(『「野党候補一本化」?最後まで読めない韓国大統領選挙』等参照)で、尹錫悦氏が圧倒的にリードするとの予想もあったなかで、薄氷を踏むような勝利だったのも意外です。
韓国大統領選で、野党の候補が一本化される、との報道が出て来ました。安哲秀(あん・てつしゅう)氏が大統領選への出馬を無条件で辞退し、尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏に候補を一本化する、というものです。これが事実なら、最後の最後まで大接戦を続ける韓国大統領選における波乱ともなりかねません。さて、この一本化が大統領選にどのような影響を与えるものなのでしょうか。最後の最後まで大接戦韓国で来週、大統領選挙が実施されますが、各種世論調査によれば、李在明(り・ざいめい)、尹錫悦(いん・しゃくえつ)の両候補の接... 「野党候補一本化」?最後まで読めない韓国大統領選挙 - 新宿会計士の政治経済評論 |
尹錫悦氏は「保守政党」とされる「国民の力」の公認を受けているため、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が左派政党である「ともに民主党」を出身基盤としていることを踏まえるならば、「政権交代」が生じた、という言い方をしても良いでしょう。
じつは、これ自体、当ウェブサイト的には「あまり考えたくないシナリオ」でもありました。なぜなら、「尹錫悦政権」が実現した場合には、日韓関係が再び「古き悪しき時代」に戻ってしまうという懸念があるからです。
個人的な主観ですが、韓国の政権は伝統的に「左派」が純粋な反日、「保守派」が用日、という違いがあると考えています。
ここで、「用日」とは読んで字のごとく、「歴史問題などで日本に道徳的優位に立ちつつ、外交・技術・経済などの協力については進めよう」という、ある意味では大変にご都合主義的な考え方です。「ツートラック」という表現をすることもあります。
日韓の歴史諸懸案がいつまで経っても解決しないのも、韓国の側が次から次へと新しい問題を創り出し、日本の謝罪が「まだ足りない」、日本の賠償が「まだ足りない」と言い続けているからでもあります。
ただ、「用日派」は、歴史問題を「日本に対し道徳的優位を確立し、日本から非常に安い値段で協力を引き出すこと」に利用しているフシもありますので、その意味では、純粋な反日派と比べて、よりタチが悪い、という言い方をしても良いでしょう。
「保守政権で日韓関係改善」、本当か?
この点、おそらく日本のメディアを中心に、「保守派が大統領に選ばれたのだから、日韓関係は改善方向に向かう」、といった論説も出て来るのではないかと思いますが、これに対しては正直、「何を根拠にそうおっしゃるのか」と言いたい気持ちでいっぱいです。
そもそも論ですが、「保守政権下だと日韓関係がうまく行く」という命題自体、どうもよくわかりません。
韓国が日韓関係をないがしろにし、中国との関係強化に大きく舵を切ったのは、「保守」だったはずの朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領ですし、同じく「保守」だったはずの李明博(り・めいはく)元大統領に至っては、竹島不法上陸や天皇陛下侮辱発言で、日本国民の感情をいたく傷つけています。
こうした実例を思い出しておくと、「保守政権だから日韓関係が改善する」、などと考えるのは、ちょっと議論が飛躍し過ぎでしょう。
政治家としての指導力が未知数の尹錫悦氏
もっとも、ここで尹錫悦氏が「保守派の政治家」なのかと問われれば、そこもまた微妙です。
尹錫悦氏自身、これまでのキャリアを検事として過ごしてきた人物でもあり、行政に携わった経験はありません。正直、「政治家」としての行政手腕は未知数と考えて良いでしょう。
また、尹錫悦氏が検事総長に抜擢されるなどの頭角を現したのも、「左派」である文在寅(ぶん・ざいいん)政権下での話ですので、尹錫悦氏が政治的な思想として「保守派」に属しているといわれても、なんだか違和感を拭い去ることができません。
(なお、尹錫悦政権下で文在寅氏が捜査対象となるのかどうかについても、大変に気になる論点でもあります。)
いずれにせよ、日韓諸懸案については、自称元徴用工・慰安婦問題にせよ、竹島不法占拠問題にせよ、基本的には「韓国が作り出している」という点が大きなポイントです。
裏を返して言えば、韓国が作り出した日韓諸懸案の数々については、結局のところ、「①韓国が国際法に照らし、自力で解決する」、「②日本が韓国に譲歩する」、「③日韓関係が行き詰まる」、のいずれかしか「落としどころ」がないからです。
しかも、韓国国民の反発を考えれば、「自分の国が国際法違反をしている側だ」と韓国自身が認め、こうした違法状態を解決する、といった解決策は、大変に困難です。
はたして尹錫悦氏に、それができるでしょうか。
まずは当選直後、あるいは今年5月に政権が発足した際、尹錫悦氏が日韓関係についてどういうメッセージを発するかについては眺めてみたいと思います。
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おはようございます。
韓国大統領選挙、面白かったです。
開票速報を、ついつい徹夜で見てしまいました…。ああお肌に悪い…。
午前過ぎて、尹候補が追いついて逆転しちゃったんですよね。
でも、李在明候補もがんばりました!
敗北宣言も、しっかりちゃんとしてましたし。
負けちゃったけど、得票数は5年前のムンムンよりも多かったとか?
得票差も、今までで一番の僅差、だとか、です。
今からちょっと仮眠します…。(+.+)(-.-)(_ _)..zzZZ
>尹錫悦氏が日韓関係についてどういうメッセージを発するか
方向性を示すだけで具体性の欠片もない言及に終始するのではないのでしょうか?
行動を伴わない願掛けは無意味。世界平和を唱えるだけでは実現しないのと同じ。
・・だと思います。
お早うございます.早速のエントリ有難うございます.
日本にとっては実に困った展開になりましたね.
これで尹新政権がアメリカに対して少し従順な態度(例えば文政権で反故にしてバイデン現米大統領の顔を潰した慰安婦合意に韓国は再び戻ると宣言して文政権で解散させた財団を復活させる等)をとれば,外交音痴のバイデン政権は日韓が対立した際に米政府が常にやって来たのと同じく,日本に対して韓国の要求への一方的譲歩を強要して来る危険性が非常に高くなりました.
具体的には,潜在的には日本に青天井の出費の危険性のある自称徴用工への慰謝料支払い判決に日本政府と企業とで基金を作って対応せよという「指示」が,米政府から岸田政権に飛んでくる可能性が一気に高まりました.
これが潜在的には青天井の対韓賠償に道を拓く理由は,不払い賃金とかでなく慰謝料を認めるということは,問題の「徴用」(実際には大法院判決で慰謝料請求を認められたのは徴用工でなく応募工ですが,日本政府も被告企業もその点に関して反論しなかったので,日本側も彼らを(戦時)徴用工として認めてしまった)が国際的に合法とされている戦時徴用(合法な行為に対して慰謝料支払いの義務は生じない)では無いと意味する判決であり,即ち日本による朝鮮併合の合法性を否定する判決だからです.その結果,現存および将来に生まれて来る全ての韓国人や北朝鮮人に対して自身または先祖が受けた不法な併合による精神的苦痛への慰謝料請求権が法的に認められることになってしまいます.
こうなると,尹大統領が慰安婦合意への復帰をしない(つまり韓国民が大反対して韓国内政的に慰安婦合意への新政権による復帰が不可能となる)ことを日本としては祈る以外にありません.
そしてアメリカ政府に対しては,「日韓請求権協定を覆しサンフランシスコ講和条約で定まった極東の戦後処理とその結果としての戦後体制をリセットする判決には日本として絶対に従えない.アメリカ政府が日本よりも韓国を重視して,日本にサンフランシスコ講和条約体制のリセット判決に従えと強要するならば,サンフランシスコ講和条約体制で確立した日米同盟もリセットする以外になく,日本はアメリカと縁を切らざるを得ない(他の国と同盟を結ばざるを得ない).しかし,日本列島がアメリカに敵対する同盟の傘下に組み込まれた時,アメリカは韓国を維持出来るとお考えか?」と明確に主張して,アメリカに対して日韓の何れを選ぶのかをきちんと迫るしかありません.
おっしゃるとおりです。官邸の方にもぜひ意見具申を。
会計士様の仰る様に、これで流れが変わった、とか言い出すんでしょうねエ。
パックネ大統領の事を思い出せば、そんなことは無いって判るんですが。
日韓利権も安倍氏以降でかなり細りました(知らんけど)から、昔の夢よもう一度、と思ってる輩が蠢きだすと思います。
聞く力(だけ)の岸田政権では、スワップ復活まで行くかも知れません。政調会長の踏ん張りに期待します。
門外漢様
「流れが変わった」と言っている輩は
(どんなに国益が損なわれようと日本が折れる形でいいから)日韓関係を改善してほしいのが先ず先にあり、そのための口実にできるなら何でもいいという発想なのでしょうね。
また、岸田首相が自称する「聞く力」とは
下心ありありで擦り寄ってくる人の要望を聞く力でしかないですよね
最近は外国人留学生を「国の宝」と嘯いて新年度から来日できるように全力で尽くそうで
一方で蔓延防止で修学旅行等がなくなってしまった日本人学生の事は気にも留めていません
岸田首相にとて日本人学生は国の宝じゃないらしい
そらそうだろ
「今の日本の若者は無能で怠け者しかいない」というのが経団連の判断だから
ずっと前から、日本の若者に投資するのは諦めて、海外の優秀な人材を輸入することに熱心
×「今の日本の若者は無能で怠け者しかいない」
○「易く使い潰せる労働力として留学生が良い隠れ蓑になる(不法就労?シラネ)」
下心ありありで擦り寄ってくる人の要望通りですね
重力節になりたくないぶんさいいんの巻き返しが有るかな?
皆さまおはようございます。おっしゃる通り、悪しき関係に逆行しては困るのでが尹氏が大統領になっては困るとの思いでしたが、心の中では、だからといってあんな反日野〇が大統領になるのは腹立つとの思いでした。
今朝のサンケイ2面に歴代大統領の発言・主張がまとめてありました。
廬武鉉:「日本と外交戦争」。李明博:「訪問したければ独立運動で亡くなった方たちに心から謝罪して欲しい」。朴槿恵:「加害者と被害者という歴史的な立場は千年の歴史が流れても変わらない」。文在寅:「加害者である日本が開き直ってむしろ大声を上げる」。
残念ながら、彼らはやはりまともではありません。新大統領が次にツートラックをほざいた段階で、経済的にかの国を焼け野原にすべきかと思います。
文在寅大統領とそのお仲間、李在明氏とそのお仲間がお縄につくことほぼ確定。で、あまり時をおかずに野党候補一本化に協力した安氏と仲違いして安氏とそのお仲間もお縄につくことでしょう。
嫌韓主義の立場から、1年以上前からイ・ジェミョン推しを公言してきた私にとっては、予想されていたとはいえ、大悲報です。今後の日本のとるべき立場については、①「我が国の一貫した立場」の固守②韓国に今後決して謝らない(”謝罪”の意味合いが日韓では異なり、韓国では上位下位を決定づける行為)、従って1998年の日韓共同宣言には戻らない③日韓懸案のパッケージ処理案よりも、既存の条約・合意の履行を優先、で臨むべきと考えます。岸田-林ラインは信頼しがたく、安倍-高市-佐藤自民党外交部会長ラインに期待します。韓国側から明確な譲歩もないまま中途半端に、首脳会談を開いてはいけない。まあ良いポイントを考えると、対中国包囲網にもう少し韓国も入ってくるかな。でもな韓国世論はコウモリ外交支持だし、バイデン政権も当面はウクライナに手を取られるだろうしな。
対中包囲網に入ってくる方がむしろヤバかったりして。いわゆる「害をなす無能な味方」として。
本物、本物、本物、ユン・ソギョルです。
完全に本物です♪
ユン・ソギョルが現れました♪
韓国の選挙では歌って踊る文化があることを知り肝を抜かれました。
とは言え日本にも選挙カーから上半身を反らしてターザンのような姿勢で有権者と握手する疑惑のデパートとか商社などと呼ばれた議員も居ましたし、サリンで有名な某カルトも尊師マーチなるものを歌ってました。
厳かな雰囲気で行うべきだなどと言うつもりはないですが、祭大好きお祭りじゃー的なのもどうなのか。候補者の命がかかっている割に国民のノリは案外、軽いようですね(笑)
メディアリテラシーが低くて扇動に影響を受けやすい国民性なのだろうと悪い視点で受け止めてました。
まずは尹さんおめでとうございます。
韓国はしばらくは政権まとめるのにごたつくでしょうが、日本の問題は岸田、バイデンリスクですね。少しぐらいなら韓国に譲歩しようと言う流れにならないと良いけど。