ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、「価値ある情報の99%は英語」、「日本語情報はほとんど役に立たないどころか、むしろ有害」と指摘しました。この指摘に全面的に同意するつもりはありませんが、この「日本語情報」を「日本の大手メディアの報道」と置き換えれば、大変に共感できます。実際、ウクライナ戦争に関しては、当ウェブサイトでもあまり大手メディアのものを参照していないからです。
あまり参考にならない?日本の大手メディアの情報
ウクライナ戦争が勃発してから10日が過ぎようとしていますが、当ウェブサイトでもこれについてはずいぶんと取り上げてきました。
とくに、著者自身も金融評論家として、経済制裁についてはかなり以前から追いかけて来たという経緯もあり、ロシアの特定銀行をSWIFTNetから遮断するなどの金融制裁やその「限界」などについては、ずいぶんと議論してきたつもりです。
ただ、こうしたなかで、最近になって自分自身のウェブサイトの記事をいくつか読み返していて気付いたのですが、ウクライナ戦争に関して参考にしている情報源のなかに、日本の大手メディアのものはあまり含まれていないように思えるのです。
あるいは、『「北方領土は永久に忘れよ」発言こそロシア困惑の証拠』などでも触れましたが、日本のメディアの報道を部分的に参考にすることはあっても、そのメディアが勝手に付け加えた「見解」の部分については、まったく賛同できない、という事例もあります。
ロシア外務省幹部は日本が北方領土の主権を主張することを「永久に忘れた方がいい」と発言したそうです。これについてUHBは「ウクライナ侵攻で国際社会から孤立するロシアが強硬姿勢を強めていることを示唆したもので、今後の領土交渉がより一層、難航する恐れがある」と報じましたが、はて、そうでしょうか?むしろ、日本が主権をよりいっそう強く主張するチャンスではないでしょうか?ロシア外務省幹部「主権主張は永久に忘れた方がいい」FNNプライムオンラインに昨日、北海道文化放送(UHB)が配信した、こんな記事が掲載... 「北方領土は永久に忘れよ」発言こそロシア困惑の証拠 - 新宿会計士の政治経済評論 |
これは、大変に興味深い現象でしょう。
客観的事実は一次ソースで取ってくれば良い
当ウェブサイトでは以前から、「世の中の報道は、究極的には『客観的事実』と『主観的意見』の両者しかないい」と申し上げてきました。このうち「客観的事実」とは「誰がどう報じても同じような内容になる情報」、「主観的意見」とは「報じる者によって内容が大きく異なる情報」のことです。
新聞、テレビ等の大手メディアは、得てしてこの両者を混同して、「ロシア政府の高官がこう発言した」という「客観的事実」と、「これにより北方領土交渉はより難しくなった」という「主観的意見」を、同じ記事のなかに平気で混在させるのです。
社会がインターネット化する以前であれば、人々が時事的な情報を得る手段は、限られた数の新聞、テレビ、あるいはせいぜい雑誌、ラジオくらいしかありませんでした。
しかし、社会がインターネット化するに従い、「客観的事実」については、より「一次情報」に近いところから直接情報を取って来ることができるようになりつつありますし、「主観的意見」については、大手メディアだけでなく中小の独立系メディアなどからも広く得ることができるようになりつつあります。
実際、当ウェブサイトでも、「客観的事実」の部分については、国際決済銀行(BIS)や国際通貨基金(IMF)などの国際機関の金融統計、日本・米国・欧州連合(EU)などの政府機関の発表、ロイター、アルジャジーラ、WSJなどの外国メディアの報道、あるいは現地のツイートから取って来ることがあります。
もちろん、大手メディアの報道を引用することが皆無ではありませんが、その場合であっても、記事のなかの「客観的事実」の部分と「主観的意見」の部分を峻別するように努めていますし、さらには「大手メディア」ではなく、独立系のウェブサイトを参照することも非常に増えています。
長谷川幸洋氏「日本語情報はほとんど役立たず、むしろ有害」
こうしたなか、ジャーナリストの長谷川幸洋氏がウェブ評論サイト『現代ビジネス』に3月4日付で寄稿した『「プーチンが勝てるとは思えない」…これからロシアを直撃する「壮絶な報復」』のなかで、こんなことを述べています。
「私に言わせれば、約束説を語る人たちは『プーチンの代弁者』にほかならない。事実をよく調べず、丹念でもない。いまや『価値ある情報』の99%は、英語で世界に流れている。残念ながら、日本語情報はほとんど役に立たないどころか、むしろ有害だ。したがって、自分で日常的に英語情報をチェックしていない人の話が論外なのは、言うまでもない」(※下線部は引用者による加工。「約束説」とは、「1990年2月に当時のジェームズ・ベーカー米国務長官がミハイル・ゴルバチョフソ連共産党書記長に『NATOが東に1インチも拡大することはない』と語った」、とされる説のこと)。
さすがに「日本語情報はほとんど役立たないどころか、むしろ有害」、は言い過ぎでしょう。日本語で書かれた情報であっても優れたものはありますし、この長谷川氏の論考自体も日本語で書かれています。
ただ、長谷川氏のいう「日本語情報」を「日本の大手メディアが発信する情報」と置き換えれば、(全面的にとは言いませんが)大変に共感できる指摘です。総じて日本の大手メディアの報道の「ポンコツ」ぶりが気になって仕方がないからです。
実際、日本の新聞やテレビのウェブサイトなどを眺めていると、情報が1日や2日遅れている、ということも多々ありますし、酷いケースだと、番組制作スタッフが為替相場の動きに関する画像を要求した、という事例もあります(『一般ユーザーに為替レート画像を要求するTVスタッフ』等参照)。
テレビ番組スタッフの公式ツイッター・アカウントが一般のユーザーに対し、「ルーブルの為替相場の動きの画像をくれ」とお願いしたようです。なんだかビックリする話です。テレビ局であれば、BloombergなりReuterなりといった情報ベンダーからマーケットデータを直接入手し、エクセルなどでチャチャッと加工して見栄えの良いグラフを作成するスキルがありそうなものですが…。「マスゴミ」というネットスラングいつのころからか、新聞、テレビを中心とするマスメディア、あるいはマスコミのことを、「マスゴミ」と称する人が増えてきた... 一般ユーザーに為替レート画像を要求するTVスタッフ - 新宿会計士の政治経済評論 |
ちなみに該当するツイートは、本稿執筆時点においては、まだ削除されていなかったようです。
本当に驚く限りです。
情報は賢く取捨選択を
もちろん、大手メディアのなかでも、きちんと丹念に情報を集め、統計を読み込んだうえで議論している人もいないではないのですが、少数派でしょう。
その一方、最低限の英語力があり、理論的な考察能力があり、インターネット上を検索する労を厭わない姿勢があれば、大手メディアを凌駕する優れた考察を提示することができることもあるのです。インターネット時代は、つくづく便利だと痛感せざるを得ません。
ただし、ツイッターなどのSNS上には偽情報、誤りなどもかなり含まれているようですし、インターネット上の「まとめサイト」では、こうした誤った情報を断定的に垂れ流すというケースもあります(該当する「まとめサイト」はいくつかあるのですが、その実名については、敢えて挙げません)。
おそらくはページビュー(PV)を集めるという目的で、衝撃的なタイトルで読者を釣り、広告収入で稼ぐ、というビジネスモデルなのでしょう(個人的には、そういう気楽な「まとめサイト」というジャンルに、ビジネスとして手を出すつもりはありませんが…)。
いずれにせよ、このインターネット時代においては「大手メディアだから正しい」、「中小メディアだから間違っている」などとバイアスを持つのではなく、情報を賢く取捨選択していきたいものだと思う次第です。
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TBSによる「グラフくれくれ」やら、UHBの頓珍漢な主張やら、
この手のエピソードには事欠きませんね。他にもアナウンサーや元政治家が
「ウクライナ人は何で降伏したり国外逃亡したりするのが嫌なの?」と言った趣旨の
発言を当事者のウクライナ人相手にしましたし……
業界全体のレベルが低すぎて、日本語の情報はアテにならないと言うのも
一理も二里もあります。この殿様商売の弊害はいつまで続くのやら……
GHQ史観に沿って考えたら降伏推奨、むしろ徹底抗戦は悪ってことになるから
そこは驚くことではない
ちょうど、「れいわ」がロシア非難の国会決議に反対した件を思い出していました。
反対する理由もよくわからなければ、メリットもさっぱりわかりませんでした。合理性が見えないのです。
で、彼らは、日本のマスコミの情報を元に、「ウケのよいと思う」選択をしたつもりなのかと思いました。
国会決議の反対理由は公式HPによると、
「ロシアを非難する立場だが、異常な事態を終わらせようという具体性を伴った決議でなければ意味がない」
だそうです。一方でれいわ幹部(名前忘れました)が番組で、
「ロシアと欧米の間にたって仲介しろ」的なことを言っていました。
総合すると、「ロシアを非難したい気持ちはあるけど、非難すると間に立って仲裁できないから非難しない」ということかなと。
寸分たりともロシアの立場を認めることを意味しますが、今の各国の動きや世論を見ると、とてもそんな立場を取る余地はありません。
でも、日本のマスコミの情報だけに頼っていたとすれば、そういう立場を取りうるかもしれないと思いました。
自分たちは世界の出来事から超越して無色透明でいられると思っているあたりも、日本のマスコミの無謬性と、とてもよく似ていると思いました。
コウモリ外交をやる国家の発想とも似ています。
全部つながっていたりして。
寸分たりとも
↓
寸分は
です。別のことを書こうとしていたのでおかしくなりました。
私もこの戦争に関してはBBCのサイトを読みに行っています。チラシ確保と女房用に最大手の新聞をとっていますが、もともと流し読みするくらいです。ただ、世間の関心につれてちょっとずつ内容が充実してきています。
テレビも新聞も業績悪化に伴い取材能力が衰えて来ているように感じます。ウクライナ語を操る人材など、真っ先に人員削減の対象になりそうです。特に今回は場所が場所だけに、ヨーロッパのメディアには勝てないでしょう。どうでもいい韓国の報道が多いのは、人材の配置が不均衡なことにも原因がありそうです。
いくらオワコンといっても、もうちょっと頑張ってもらいたいものです。
壁崩壊のころと似た大きなうねりを感じて、興奮しながら情報を求めていましたが、ちょっと落ち着いた感じです。ただ、戦闘の膠着が永続するとは限らず、まだ先のことはわからないと思いますが。
壁崩壊・ソ連崩壊の当時はBSの海外ニュースにかじりついていましたが、今回はテレビはほとんど見ませんでしたね。
テレビ報道は周回遅れだし、浅いし、量も少なかったので、役に立ちませんでした。
そこは大きく変わったなぁ、と思いました。
あとは、google翻訳の存在。
語学、カラッキシなのでとても助かりました。
いつかこんな時代が来るかと思い、英語の勉強をしてきませんでした。w
情報は賢く取捨選択を >
今回の、プーチン=ロシアによるウクライナ侵攻に関して、様々な立場の日本人による論考やロシア及びウクライナそれぞれへの非難・批判合戦が繰り広げられていますが、私が注目したのは本日付でデイリー新潮に掲載された佐藤優氏の(「プーチンは狂人でもナショナリストでもない」 佐藤優が読み解く「暴君」の“本当の狙い”)という論考です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a403d73d7df0893dfaa55129122b7507756f113
彼の云うプーチンの今回の行動とは、「ウクライナの政権転覆、つまりゼレンスキー大統領の首をすげ替える」ことであり、それは「ウクライナ国内のロシア系住民の保護、そして同国の非軍事化が目的である」としています。
その根拠は、ウクライナ東部に於いてロシア国籍を取得した人々がすでに70万人を超えており、彼らの多くがロシア語を話しロシア正教を信奉しているからだとしています。そしてゼレンスキー大統領がそうした親ロシア勢力を見捨てているからそれを改めさせ、彼らを保護するために今回の行動となったなどと説明しています。
またゼレンスキー大統領は当選直後こそ70%台の支持率があったが、その後30%台にまでに低下し、現在は更に低迷しているとも指摘しています。
一見、元外務省主任分析官という肩書きに恥じない的確な論考のようにも思えますが、よく見ればさりげなく眉唾な情報を織り込んだ表現も垣間見えるようです。
まずウクライナ東部に於けるロシア人の人数ですが、70万人という数字には正当な根拠があるのでしょうか。またゼレンスキー大統領の支持30%まで低下し、現在更に低くなっているというのは事実なのでしょうか。この辺り、佐藤氏は情報の根拠を明らかにしていません。
この辺り、日本の専門家を自称する人々の論評に共通する傾向のようにも思われます。
今何かと盛り上がっている、外務副大臣鈴木貴子氏に極めて近い人物として知られている佐藤氏です。今回の明らかにロシア側に寄り添った感の強いこの記事によって、氏のそうした立場を改めて確認することができました。
「ロシアの行為は全く是認できるものではありません」としながらも、「自衛のための軍隊だけを認める。それらが達成されたのち、ロシアは手を引くのではないかと思われます」とし、更に「ロシアが占領するとしてもこの(ドネツクとルガンスク)2州にとどまり、全土には及びません」と結論づけています。
この見立てが正しいものであったのかどうかを確認する場面など、絶対に目にしたくはありませんし、多くのウクライナ人はそれほど楽観的な人々などではないと信じています。
それはともかく、事実=ファクトの根拠は何なのか、それはいったいどこに示されているのか、我々は常にそう己に問いながらこうしたメディアに向き合わねばなるまいと、そのように自戒する日々です。
>またゼレンスキー大統領の支持30%まで低下し、現在更に低くなっているというのは
>事実なのでしょうか。この辺り、佐藤氏は情報の根拠を明らかにしていません
これについては2/14付でAFP通信が報道しています
(”zelensky approval rating”で検索かければこの辺りの英語の記事がヒットします)
また記事の内容も「ゼレンスキー大統領が当選直後は70%の支持率があったが、最近は30%切った」ということを語っているだけで、侵攻で支持率が低下したという内容ではありません。
記事のタイトルからすると一見プーチン擁護にも見えますが、この佐藤氏の記事は「プーチンはロシアの利益追求のため計算づくで動いている」と警鐘を鳴らしている内容であり、比較的冷静に分析した内容ではないかと思います。タイトルを見て最初から記事を疑って読むと、受け取る結論も偏ってしまうかと思いますのでご注意を。
匿名 様
これについては2/14付でAFP通信が報道しています
(”zelensky approval rating”で検索かければこの辺りの英語の記事がヒットします) >
全くヒットしません。貴殿の検索の範囲が広すぎるのかもしれませんが、訳のわからぬサイトに誘導されてしまいます。きちんとURLを書き込んでください。
以上
なのでとりあえず無視させていただきます。
あしからず。
.AFPのは見つからなかったけど、ワシントンポストにゼレンスキー大統領の支持率について少し記述ありましたね。
https://www.washingtonpost.com/opinions/2022/02/27/ukraine-russia-zelensky-president-changed-my-mind-inspired-millions/
A new poll shows his approval rating at 91 percent, three times what it was in December. His defense of Ukraine deserves praise.
これによると今は91%という高い率だけど、12月の調査ではその三分の一だったようです
とりあえず調べてみた 様
貴重な情報ありがとうございます。
メディアの情報には、当然ながら「鮮度」も求められていると思います。そういう意味では佐藤氏の情報は、かなり「鮮度」の落ちた情報だということでしょうね。
佐藤優氏は、マスメディアなどによってすっかり悪者にされましたが、氏の著書を何冊か読む限り、ことロシア関係については、彼の知見や分析は非常に参考になると思います。少なくとも私の知る限り、ロシアの内在的論理などについて、彼以上に知悉する「有識者」はいないだろうと思います。
ただし、彼は生粋の情報オフィサーでしたから、手の内を全部明かすなんてことはしません。差し障りのない範囲で公開しているだけです。彼は今でも各国の情報関係者とのコネクションを維持しているようなので、おそらく表面化されない/できないような情報もかなり集まっているだろうと想像されますが、各国情報機関の機微に関わるような情報を公開するようなことはけしてないでしょう。
もちろん、彼の発言がすべて真実である保証などありません。その点に関しては、読者側で判断するよりありませんが、彼が示すロシアの内在的論理に沿えば、今回のウクライナ侵攻を含め、ロシアの動きに関する「なぜ」の部分の多くを説明することが可能だろうと思います。
まあ、評価は人それぞれですが、とりあえずロシアの専門家を自称する大学教授たちや多くのジャーナリストよりも、私は佐藤氏の言説のほうを信じますよ。
龍 様
ロシアの内在的論理などについて、彼以上に知悉する「有識者」はいないだろうと思います >
なるほど、そういう論理で彼の論説を「彼以上に知悉する「有識者」はいないだろうと思います」と思うことは貴君の自由です。
しかし、私は佐藤氏が語る以前のソビエトの事情にも触れております。私のロシア語の恩師は、戦前の哈爾浜学院出身で卒業後と同時に同学院で教鞭を取られたN教授でした。N教授は第二次世界大戦終了直後に、日ソ不可侵条約を無視して哈爾浜になだれ込んできたソビエト軍によって身柄を拘束され、そのままシベリア送りとなった方です。
幸い、4年間だけの収監で済み日本に帰り着くことができ、私の母校となった大学に迎え入れられました。ソルジェニーツィンやサヴィンコフ(ロープシンと云った方が通りがいいかもしれません『青ざめた馬』などの作者でもあり、ケレンスキー政権で大臣を務めた人物でもあります)などの翻訳も行った方です。
因みに、N教授の後輩に内山剛介という人物もいました。N教授とは「俺お前」と言える間柄であったことは、私の学生時代にN教授自身に確認しております。N教授から直接聞いた言葉ですが「内村は俺と違って『あいつは俺と違って、優秀な奴だったから11年もくらっちまったんだ』」という呟きにも似た言葉を聞いたことを、昨日のように覚えています。内村は昭和31年、死ねリアからの最後の引き揚げ船で日本に帰還しています。
もし、ご興味があればご自身でお調べください。
それでは
訂正します。
「内村は俺と違って『あいつは俺と違って、優秀な奴だったから11年もくらっちまったんだ』」という呟きにも似た言葉を聞いたことを、昨日のように覚えています。
これを以下の言葉に置き換えてください。
「内村は俺と違って、優秀で頑固な奴だったから11年もくらっちまったんだ」という、苦い呟きにも似た言葉を聞いたことを、昨日のように覚えています。
また
内村は昭和31年、死ねリアからの最後の引き揚げ船で日本に帰還しています
死ねリア ×
シベリア ○
でしたね。
酔っ払って書き込むとこういうミスを多発してしまうようです。
失礼
愛知県東部在住 様
ご紹介の記事を読みました。
ロシアの行動論理を述べたものにしても、2月24日あたりに状況を見立てたものならまだしも本日、3月6日の記事としては無茶苦茶です。
軍事侵攻以来、熾烈な経済制裁を招いたプーチン大統領を国益主義者というにはあたらず、その記事前段、ドンバス・ルガンスクを見捨てた場合に政権崩壊するリスクを秤にかけて軍事侵攻に踏み切ったことからしても不合理です。
NATOが機能不全との指摘も到底あたらず、"ロシアの安全保障上の大きなメリット"どころか、今のところ武器提供などドイツ他ヨーロッパ諸国の方針転換、ウクライナ・ジョージア・モルドバのEU加盟申請とデメリットしか招いていません。
記事ではプーチン大統領は狂人でもナショナリストでもなく、国益主義者としていますが、ロシアの行動理論を"プーチンの中には独自の価値基準"と示すに至っては現在の状況が示す通り国益を損なう独裁者をして狂人と呼ぶ他ないでしょう。
ロシア的立場の代弁として読めば価値があるとしても、むしろ執筆者が外交官僚であったこと、ご指摘の通り現在でも政治家に近い人物であることに不気味さを覚えざるをえないところです。
あの記事、ロシアの代弁ですかねえ
端的に言っちゃうと「ロシアはプーチンの考えた国益追求の理屈で動いてる」って話で、単なる状況分析だと思いますけど。
外交官僚だから大分他人事的な分析になってるところはありますが、「プーチンを非難してないから、ウクライナ側に立ってないから、これは擁護記事だ」って考えてませんか?
玉川徹の「ウクライナは降伏すべき」みたいな論外な意見は別にして、分析の中にはロシア寄り、ウクライナ寄りなど様々なものがあるわけで、ちょっとでも自分のいに沿わない論調を排除するのは視野狭窄になる恐れがあって危険ですよ。
佐藤何某?
ああ、左右どちらにも受けのいい評論をする蝙蝠ですね。
KY 様
まぁ彼は神学部卒という経歴を駆使していざとなれば意味のわからない神学論争で誤魔化すという、離れ業を行い兼ねませんからから、よほど身構えていないとあっという間に論破されます。(笑)
ご用心ご用心。
たわしもへちまのみに非ず へ
楽しいですか?
他者ののIDを騙るのは。
ご指摘の通り現在でも政治家に近い人物であることに不気味さを覚えざるをえないところです >
私も同様の「不気味さ」を覚えているところです。
愛知県東部在住 様
一日遅れのコメントなのです♪
ご紹介いただいた記事を読ませて頂いたのですが、あたしは論考としてちょっと物足りないと感じたのです♪
プーチン大統領によるウクライナ侵攻の目的は「プーチンの狙いはウクライナの政権転覆、つまりゼレンスキー大統領の首をすげ替えることです。」と言っているのです♪
その見込み自体に対して、あたしも明確に反論できるわけではないのですが、佐藤氏がそのような見込みを持っていると考える理由については、ドネツク、ルガンスクに関して、
>この地を取り戻そうとするゼレンスキーに対し、プーチンがそれを許せば国民を見捨てることとなり、政権が瓦解する可能性もある。
ということが掲げられてはいるけど、ほとんどは佐藤氏が考えるプーチン氏の内面に依拠している割に、プーチン氏の内面をそのように推論した根拠がほとんどないように思えるのです♪
そのためか、佐藤氏の主張は「プーチン大統領はウクライナの政権転覆を狙っているはずだから、ロシアのウクライナ侵攻の目的はウクライナの政権転覆だ。」ってな感じに思えるのです♪
もちろん佐藤氏の経歴を考えればプーチン氏の内面を深く理解しているという可能性もあると思うのです♪政策判断の一助として佐藤氏の意見を聞くのであれば、そのような背景や過去の実績を加味して判断することができるのですが、一本の論考として読むにはちょっと物足りなく感じるのです♪
また、ウクライナ侵攻の目的が政権転覆であって、ウクライナの支配ではないとすると、いきなり軍事侵攻から始めてウクライナ国民を団結させるんじゃなくて、内乱を起こさせるって方法もあると思うのです♪そういった努力(?)をした上での侵攻だったのかもしれないけど、そのところの説明がないので、「本当なのかな?」って気がするのです♪
あと、最後のところで「今回の軍事行動は、ロシアと事を構えない融和政権がウクライナで樹立されるまで続くでしょう。」という予想(かな?)が載っていたけど、軍事行動の終結は、目的を達成した場合だけじゃなくて、目的の達成を断念する場合もあると思うのです♪佐藤氏はプーチン大統領の意思という面から書いているのかもだけど、将来予測として書いてるならロシア軍の継戦能力についても触れて欲しかったのです♪
と、勝手な感想文を書いてしまったのです m(__)m
とっても申し訳ないんだけど、あたしは、ロシアのこともウクライナのこともよく知らないので、佐藤氏の論考が正しいかどうかの判断はできないのです♪
ただ、論考を読んだ感想としては、「なるほどそういうことだったのか(^o^)」という感じゃなくて、「そういう考えもあるかも。でも、いまひとつよくわからないな~(・_・*)(*・_・)(*~^~)/??」って感じだったのです♪
マスゴミは役立たず。
そのとおり。
今日もテレビで「プーチンは冷静さを失っている」「プーチンにとっては誤算」等々憶測だけでモノ言ってる人がいっぱい。 まちがってても責任取らないでしらんふり。
戦争なんて誤算の連続でしょう。
>「プーチンは冷静さを失っている」「プーチンにとっては誤算」
憶測じゃなくて事実なんですが。
プーチンに聞きましたか?
「プーチンは冷静さを失っている」「プーチンにとっては誤算」はメディアの希望的観測。そのほうが話が面白いから。
制裁は想定内。30年前まで同じ国だった、同じスラブ民族、ウクライナの反応など想定内。
仮に直接聞いても当人がそんなこと認めるでしょうか?
皆様ご存知と思いますが、個人的にはウクライナとロシアの基本的な情報の前提知識はユーチューブにある「オオカミ少佐のニュースチャンネル」がオススメですね。
どれも楽しめますが、この話題で言えば地政学入門のウクライナ編とロシア編。
up主は海自の元佐官クラスの方みたいです。
このサイトに来る方は楽しめると思います。
文部科学省が英語重視の方針を打ち出したこてを非難する意見が多かったが
日本語重視英語軽視の教育は日本を情報鎖国にする大変危険な考えだと、今回のことでも証明された(以前から散々証明されているが)
日本語が全然不自由でもかまわないから、せめて英語だけでも完璧にできる必要があるというのは事実だと認定された
日本語レベルを維持して英語ヒアリングとスピーキングを向上させるべきです。英語教育の時間をただ増やすのではなく、日本は教育方法を変えねばなりません。どうするかは簡単です。英語の先生は英語を喋れる人にさせればいいのです。
何十年も前の中学生のころ、オーストラリアからの短期留学生から英語の先生(文法)が逃げ回っていたのを思い出します。今は少しは改善されたのでしょうか。
また昔の話で恐縮ですが、十数年前、中国某所で香港エンジニアと共に働いた経験から、一般的な7帝大卒生のTOEIC点数は、香港科技大等卒業者の2/3もないのではないかと思いました。東京外大および阪大に吸収された大阪外大の英文科専攻者と同じくらいの英語力だったかと思います(今はわかりませんが)。
バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 様
>日本語が全然不自由でもかまわないから、せめて英語だけでも完璧にできる必要があるというのは事実だと認定された
は、どこで暮らすかにもよりますが、少なくとも日本国内で暮らすならば
ご期待のゴールからは程遠い内容と思いますよ。
不自由のレベルも完璧のレベルも曖昧ですので、そこは議論の余地があるのでしょう。
”全然不自由”レベルはボーダーラインでしょうか。
>文部科学省が英語重視の方針を打ち出したこてを非難する意見が多かったが
この非難の内容をご存じでしょうか?
>日本語重視英語軽視の教育は日本を情報鎖国にする大変危険な考えだ・・
”日本語重視英語軽視”の二項対立で論じること自体が浅慮のそしりを免れません。
ゆとり教育の失敗にも通じると思うのですが、一人の人間を一人前に育てるのに使える時間とその時間内で達成すべき事項の優先順位とレベルを論じなければ議論にならないでしょう。
また、店舗の売り子が必要とする英語と英文契約書を議論するビジネス実務英語では、要求される内容・優先順位が全く異なります。
言語は使わないとリスニング・スピーキングともにすぐさび付くので
日本語を母語とするものは、まずは日本語で論理的な思考及び表現、基本的な科学(人文科学含む)認識と表現ができる事、人間の心理の機微(日本人中心かもしれないが)および日本及び世界(主要国)の歴史文化を知る事等々を押さえ、その後に、コミュニケーションツールの拡張として外国語とその文化・思考背景を押さえるのが効率的と思います。更に外国語の習得には、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの実践と並行して文法を押さえるのが効率的と思います。今の時代の第一外国語は英語と言うのは異論有りません。
まあ、ヒアリングで音に聞き分け、スピーキングでの発生は幼少のころ訓練をした方が良いという話もありますので、遊びレベルで外国語に触れるのも良いと思います。
下記訂正します。失礼しました。
× ヒアリングで音に聞き分け、スピーキングでの発生
○ ヒアリングで音の聞き分け、スピーキングでの発声
まずは知的レベル、論理的思考力を高めることが必須では無いですかね。
学校で習う英語さえしっかり学習していれば、ネットで英語の情報はいくらでも読むことは出来ます。
情報があるのに関心が無いという事が問題なのでは無いでしょうか?
はるちゃんさま
>学校で習う英語さえしっかり学習していれば、ネットで英語の情報はいくらでも読むことは出来ます
同意見です。
当方は高校生英語で勝負しています。大学勤務時代に理系大学院生相手の英語教師さんでカフェテリアで雑談をしたとき、どうしてあなたは英語が使えるのと言われて、自分の英語は野良英語 street English だと返事した記憶があります。
徹底的にリスニングとリーディング。
文法の勉強も英語でしてしまえばよいしライティングはリスニングしながら書き写しをすれば良いと思います。
子供なら絵本から上級者なら講演までできます。
スピーキングはリスニングや文法ができないとどうにもなりません。
とにかく英語で考えることだと思います。私はかなりカベにぶち当たってます。
店舗の売り子が必要とする英語と英文契約書を議論するビジネス実務英語では、要求される内容・優先順位が全く異なります
まったくおっしゃる通りで日常英語と言っても友達と話すと不動産屋行って家探すや税金の申告するではまったくレベル違いますもの。
そう仰るのなら、エビデンスを示して下さい。
言ってる事が知性的とは言い難いリベラルな方々に似た様なコメントをいつもされてますよね。過去には明らかな嘘も記載されてましたし。
日本のメディアの海外特派員の質が著しく低いからではないか。
英語もできず、英和辞典片手に地元の新聞を読んでいる。
特派員が現地でインタビューしてる映像ってみたことないでしょう。
ジャーナリストとかいう以前の問題。
日本人の英語能力の向上が必須ですね
古文漢文は必修から外して英語をもっと増やすべき
うちの孫は物心ついたころから英語教室(ECCやベネッセがやっている)に通わせていた。(親が通わせたいと言うので)中学になって英語の勉強が始まったが、子供向けの英語教室などはっきり言って”何の役にも立たない”
「キリンのことなんて言うの?」「ジラフ~」「このお菓子おいしいね」「ヤミ~」
こんなもので英語ができるようになるとは思えないが、そこは商売上手、その教室でしか通用しない検定などを混ぜ(もちろん有料)証書などを発行し「上達してますよ」などと親心をくすぐっているようだ。 みなさんも騙されないように。
皆さんおっしゃるように日本マスゴミ運営関連者と大学教員や弁護士コメンテーターの質はあまりに酷いですね。ただ、朝食の時はテレビを見る派としては、「ろくな人がいなくとも選挙に行くべき」理論に基づいて、朝日、毎日、TBSを避けて、少しでもましなものを選んで見ています。さてそこでフジテレビのコメンテーターを比較してみましたが、お笑いコンビ「メイプル超合金」の人の話の方が、テレビ出まくり元市長弁護士よりはるかにまともだと、個人的には思っています。
NHKも含め日本のテレビ局のウクライナ関連情報収集力は酷いと思ってましたが、一つ発見しました。テレビ東京(WBS)が群を抜いてましでした。
①モスクワ駐在員は、「原子力発電所に攻撃したのはフェークニュースだ」と言っているモスクワの道行く複数の市民にインタビューした結果を放送していました。
----NHKは必ずスタジオからですね。多分、NHKはモスクワに残っても、テレ東は追い出されるかもしれません。
②ポーランド国境の記者は、新たに避難民用に敷かれた鉄道のことや、一時避難所の小学校でのインタビュー取材を取り上げていました。
そういえばNHKは場所も時間も違う2回目以降の両国交渉の動画も常に1回目動画の使いまわしですね。しかもしれーとそのことを明示せず。視聴者をバカにする姿勢がありありですね。ジャンパー来た国防大臣が先頭で入室してまずカメラを睨むという場面、憶えてしまいました。