日韓関係が「悪化」し始めたのは、文在寅政権下での話だとは限りません。「保守派」の李明博元大統領が任期末に島根県竹島に上陸したこと、天皇陛下を侮辱する発言を行ったこと、同じく「保守派」の朴槿恵前大統領が訪日しなかったこと、米中二股外交を繰り広げたことなど、いくつもの要因が重なっていることを忘れてはなりません。こうしたなか、「保守派」(?)の尹錫悦氏が大統領に就任した場合、いかなるリスクがあるのでしょうか。
目次
文在寅氏は「反日」ではない
私たちの隣国・韓国では、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の任期があと3ヵ月で切れるのを控え、3月投開票の大統領選に向けての話題で持ちきりになっているようです。
こうしたなか、世の中では、よく、「日韓関係が悪化しているのは文在寅現大統領の反日路線のせいだ」、といった言い方をする人もいるのですが、個人的には、この見方には同意しません。
いや、現在の日韓関係が健全なものではない、という点については、基本的には同意しますが(※これを「悪化」と呼ぶかどうかは別問題として)、ただ、今日の日韓関係をもたらした原因が「文在寅氏の反日路線」だ、というのは、分析としてはやや不正確だと思います。
そもそも論ですが、文在寅氏のこの5年間の行動は、「北朝鮮」というキーワードを使って補助線を引けば、すっきりと整理ができるものばかりであり、日本に対する行動も、その例外ではありません。
文在寅氏は大統領就任直後、前任の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権時代の2015年12月に取り交わされた日韓慰安婦合意をさっそく反故にします。
具体的には、2017年12月には「慰安婦合意タスクフォース」が日韓の外交機密文書を、日本側の了解なく勝手に公表してしまいましたし、日本との約束に基づいて設立された慰安婦のための財団についても、日本側の了解なく勝手に解散してしまいました。
それだけではありません。
文在寅政権下で「大法院」(※最高裁に相当)は2018年10月と11月、日本企業に対して下した判決のなかで、日韓請求権協定に反する状態を作り上げてしまいましたし、2018年12月に生じた火器管制レーダー照射事件でも、いまだに日本に対し謝罪を行っていません。
こうした行動だけを見ていると、文在寅氏本人、あるいは文在寅政権下で任命された最高裁判事らが、大変に反日的な人物たちである、という印象を抱くのも、ある意味では当然のことでしょう。
途中でいきなり日本に擦り寄り始めた文在寅氏
しかし、やたらと強気な姿勢も、途中から変化します。文在寅氏は2019年秋ごろから、今度はなぜか日本への擦り寄りを開始したのです。
2019年11月4日、ASEAN関連首脳会議に参加するためにタイを訪問していた文在寅氏は、控室で安倍晋三総理大臣に突然話しかけ、その姿を(おそらくはスマートフォンで無断で)撮影した画像を、韓国大統領府が勝手に公表する、といった珍事が発生しています(図表)。
図表 控室で言葉を交わす安倍晋三総理と文在寅大統領
(【出所】韓国大統領府)
また、安倍総理が2020年9月に辞任し、菅義偉総理が就任するや、こんどは朴智元(ぼく・ちげん)国家情報院長らの「側近」を日本に派遣し、菅総理に対し日韓首脳会談の実施を持ち掛けるなどしていたことは、記憶に新しい点です。
といっても、『菅総理「日韓関係健全化のきっかけ要求」の本当の意味』などでも触れたとおり、菅総理は韓国に対し、「日韓関係を健全なものにするためのきっかけは韓国が作らなければならない」とする姿勢で一貫。
東京五輪直前には、読売新聞が「文在寅氏が日本を訪れ、迎賓館で菅総理と日韓諸懸案について協議する」、といった「盛大な誤報」を発する、というオチまで付きました(『文在寅氏訪日失敗:なぜ読売新聞は「間違えた」のか?』等参照)。
昨日の『読売「日韓首脳会談で徴用工など協議へ」をどう見るか』でも取り上げたとおり、読売新聞は昨日早朝に「日韓首脳会談を元赤坂の迎賓館で実施する」、「日本政府は駐韓大使館の相馬公使を更迭する構え」などと報じました。しかし、『日韓メディアが「文在寅韓国大統領が訪日断念」と速報』ですでに結論が出ていますが、この読売報道の内容自体、結果的に「大外れ」でした。一連の騒動に加え、文在寅氏が今後、どう動くかについても、興味は尽きないところです。文在寅氏の訪日スルスル詐欺ここ数週間、当ウェブサイトで「訪日ス... 文在寅氏訪日失敗:なぜ読売新聞は「間違えた」のか? - 新宿会計士の政治経済評論 |
北朝鮮という補助線を引くとよくわかる
この点、文在寅氏が途中で日本に対する態度をコロッと切り替えた理由も、おそらくは「北朝鮮との交渉」という側面が大きかったのではないでしょうか。
これについては、先日の『鈴置論考に見る文在寅政権の5年と「日韓関係の未来」』でも紹介した、わが国を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の『韓国は猿芝居外交のあげく四面楚歌に… 「文在寅」退任でも日韓関係は修復せず』という記事が参考になります。
優れた韓国観察者の鈴置高史氏、「文在寅後も日韓関係は修復せず」――。文在寅政権の5年を総括する鈴置氏の最新論考が昨日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に掲載されました。これだけでも大変読みごたえがある記事ですが、それだけではありません。文在寅政権後に「保守政権」が誕生したとしても、日韓関係が修復に向かうことはない、という点について、鈴置氏は2つの視点から明らかにしています。直接に韓国を知る時代ウェブ評論が時代を変える?著者自身が「新宿会計士」の名義を使い、ウェブ評論を開始したのは、ちょうど日本... 鈴置論考に見る文在寅政権の5年と「日韓関係の未来」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
鈴置氏は、2018年6月にシンガポールで、2019年2月にハノイで、それぞれ開かれた米朝首脳会談を巡り、「韓国が仲介したことにしてもらった」のは、米朝それぞれに思惑があってのことだと指摘していますが、裏を返せば、韓国は仲介役として「花を持たせてもらった」あとは、米国からは、完全に無視されていたのです。
そして、2019年11月といえば、米朝交渉がほぼ完全に決裂し、文在寅氏が「進退窮まっていた」時期でもあります。
つまり、文在寅氏は北朝鮮(や米国)との関係が「うまく行っている」(と自分で勘違いしている)ときには日本に対し強気に出ていたのであり、それが行き詰まったときには、逆に日本に擦り寄る、という行動を取っていたことを思い出す必要があるのです。
だからこそ、「文在寅氏は反日」、「文在寅氏が反日思想の持ち主だったから、日韓関係を積極的に壊した」、などと結論付けるのは、やや短絡的です。
というよりも、文在寅政権下の韓国は、自称元徴用工判決問題にせよ、日本の対韓輸出管理適正化措置のきっかけとなった「物資の迂回貿易・目的外使用」疑惑にせよ、輸出管理を巡る政策対話に応じないことにせよ、基本的な外交プロトコルを無視した行動が目立ちます。
そして、そのことは、対日外交だけでなく、対米外交でも、対北外交でも、同じようなことがいえるのでしょう。
「保守派に戻れば日韓関係改善」は幻想
こうした点を理解せず、「反日の文在寅氏が退いて後任が保守派の大統領となれば、日韓関係は改善する」、などと結論付けると、今後の日韓関係を大きく読み誤ります。とくに、日本を卑下する動きは、すでに文在寅政権以前から生じていたことを忘れてはなりません。
その一例が、新しい大統領が就任した際、外国を訪問する順序です。
韓国の外交の慣例上、最初の訪問国は米国ですが、その次の訪問国は日本だ、などとされており、李明博(り・めいはく)政権のころまでは、だいたいこの傾向が守られていたようです。
ただ、この「慣例」を破ったのは、文在寅氏ではなく、「保守派」と呼ばれていた朴槿恵氏です。
朴槿恵氏は、大統領就任直後こそは米国を訪問しましたが、2番目の訪問国としては日本ではなく中国を選びました。
それだけではありません。
習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席が力を入れ、「一帯一路」構想を財政面から下支えするためと思われる「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)を設立すると表明した際にも、米国の反対を押し切り、韓国は参加を決めます(※ちなみにAIIBに対しては、日米ともに参加していません)。
さらには、2015年9月3日に天安門広場で行われた「抗日戦勝利75周年記念式典」に、「西側諸国」の首脳としてはほぼ唯一、黄色い服を着て参加したのが朴槿恵氏でした。まさに「米中二股外交」そのものでしょう。
これに激怒したのか、翌月に朴槿恵氏が訪米した際に、バラク・オバマ米大統領(当時)は朴槿恵氏を冷遇し、晩餐会を開催しないどころか、ジョー・バイデン副大統領(当時。現大統領)との昼食会であしらう、といった扱いをしています。
あるいは、朴槿恵前大統領のさらに前任者である李明博元大統領も、就任した当初は「保守派であり、大阪生まれの元在日韓国人だから、日本に対して親和的になるに違いない」、といった期待を持っていた人もいましたが、現実には2012年8月の竹島上陸・天皇陛下侮辱発言などの挙に出ました。
すなわち、「保守派政権になったら日韓関係は良くなる」などと考えること自体、読みとしても非常に底が浅く、かつ、過去の事例にも合致しない考え方ではないか、などと思う次第です。
尹錫悦氏「米国の次に日本を訪問」をどう考えるか
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には本日、こんな記事が出ていました。
<韓国大統領選>首脳会談の順番は? …李「効率的時点に」 尹「米・日・中・朝」
―――2022.02.04 07:49付 中央日報日本語版より
中央日報によると、大統領選に出馬している4人の有力候補が3日、地上波テレビ局3社の合同招請大統領候補討論会の場で、日米中朝4か国の首脳と「どのような順番で首脳会談を行うつもりか」という共通質問に答えたのだそうです。
これについて左派政党で与党の「ともに民主党」から公認されている李在明(り・ざいめい)前京畿道知事は、「状況に合わせて最も効率的な時点で相手に会うのが重要」などと答えたのだそうですが、これに対し、李在明氏と並ぶ有力候補である尹錫悦氏は次のように答えたのだとか。
「順番を決めるといえば、米国、日本、中国、北朝鮮。なぜなら、民主党執権期間に『親中親北』の屈従外交を展開した中で韓米・韓日関係が崩れ、これを正常に回復することが優先だと考える」。
このあたり、ちょっと個人的には驚いてしまいました。
たしかに、米韓関係については文在寅政権下で大きく崩れたという側面もありますが、日韓関係については、むしろ朴槿恵政権時代のことを思い起こしてみた方が良いと思います。朴槿恵氏は、少なくとも大統領在任中、1回も日本を訪れていないからです。
しかし、個人的にもうひとつ懸念されるのは、こうした尹錫悦氏の発言を真に受け、「よし、日米韓3ヵ国連携の時代が戻って来たぞ!」などと早とちりする者が、(とくに外務省あたりに)いるのではないか、といった点です。
万が一、尹錫悦氏が次期大統領に当選し、2番目の訪問国に日本を選ぶとしたときに、外務省、あるいは一部のメディアあたりが「韓国が日本に対して譲歩してきた」、「だから日本も韓国に譲歩すべきだ」、などと大騒ぎし、原理原則をかなぐり捨てる、といった展開は、十分に警戒しなければなりません。
岸田・バイデンペアに尹錫悦氏が重なると…?
ことに、岸田文雄・現首相は、外相時代の2015年、「明治期の産業革命施設の世界遺産登録」、「日韓慰安婦合意」と、少なくとも2回、韓国に騙された張本人でもありますし、林芳正外相も佐渡金山の世界遺産登録を巡り、「韓国と誠実に議論する」などと述べたりしている人物でもあります。
日韓外相電話会談
―――2022/02/03付 外務省HPより
このように考えるならば、「日本=岸田文雄首相」、「米国=ジョー・バイデン大統領」、「韓国=尹錫悦大統領」という状況が揃ってしまうと、またしても「日米韓3ヵ国の古い関係」に戻ってしまうのではないか、といった懸念もあります。
その意味では、「尹錫悦大統領」が実現してしまった場合、安倍総理を筆頭とする自民党の「保守派」議員らが、岸田文雄首相にどこまで圧力をかけることができるか(あるいはできないか)次第では、今後の日韓関係も大きく変わっていくのかもしれない、などと警戒してしまうのです。
View Comments (32)
韓国大統領が首脳会談の為だけに来日する事は、もう無いんじゃないかと思います。
同感。日本から行くことはまずあり得ず、韓国から来ても大したお土産は出せないので相手も来れないでしょ。
ここまでの岸田総理を観るかぎり、減点法下で合格ラインを死守したいとする気概しか伝わってきません
しかも主索は財務省が明暗示するベクトルに沿っているようにしか見えません
海外から「きっしーこーち会の親玉だし押せば通せるんじゃね?」位の認識を持たれていても疑問は無いので、大韓民国に用日政権が再立するのは鬱陶しいかもしれません
どなたが大統領になろうと、こんなめんどくせー国との首脳会談など開いても日本の利益はゼロ、韓国は脇の甘そうな岸田さんならまた騙せると踏んでいるので日本の敷居をまたがせないことが最良の選択。
>菅総理は韓国に対し、「日韓関係を健全なものにするためのきっかけは韓国が作らなければならない」とする姿勢で一貫。
岸田さんも韓国が上記きっかけを作るのであれば首脳会談は行なうよと言えばよろし。
鈴置さんの受け売りになりますが「誰が大統領でも韓国が日本に妥協する事はできない。それをしたら大統領といえど朴槿恵で味をしめた国民に弾劾される。」ごもっともなご意見かと。
韓国の新聞社を見ればわから通り、保守派から革新(親北)まで、反日ということだけは共通してます。中央日報が「保守」と呼ばれているのを見て苦笑しますが。中央日報って「韓国人の平均値」みたいな新聞ですよね。ノー天気で安っぽく、深みがない。
親北のハンギョレが日本語版始めた時、紙面見て笑いました。反日アクセル全開の紙面だったからです。日本が嫌いなら、日本語版作るのやめればいいのに、と。
韓国人にあるのは、「反日」と「用日」しかありません。我々がすべきことは、この厄介な国家との関係をフェードアウトすることしかありません。
それとも、漢民族、満州族、モンゴル族のように朝鮮族を叩いてしつけますか?日本はこれができないでしょうからね。これができるとモアベターなんですが。
そもそも韓国の新聞はどれも事実に基づいて報道するというジャーナリズム精神を欠いていて、中国みたいに新聞=宣伝=プロパガンダなんですよね。
韓国の国際法違反状態の放置を、立憲共産党を除く良識ある野党及び自民党有志が国会で、もっと頻繁に執拗に質問すべきと思います。
参列している外務官僚が暇過ぎて、勉強する気力すら失せている様にしか見えません。そう危惧する理由は、特定アジアの意を受けた特定野党は、モリカケサクラ(略して; MKS)やヘイトやジェンダーなどに特化し、まるで敵性国家とも思えるような韓国の理不尽な対日姿勢に関する件には、一切質問しません。だからNHKも放映無しです。
日本国の名誉に関わる質問は絶対せず、MKSやヘイトばかりの質問では、外務官僚の出番も無く、不誠実国家に対するカウンター勉強にすら、熱が入らないのも尤もかと思う訳で、これは国の損失です。
ですから国会で、良識ある野党や自民有志が、韓国案件について政府を執拗に追及すれば、外務官僚もハッと我に帰るのではと期待したいのです。また、メディアの報道しない自由も謳歌できなくなるでしょう。
外交に関する機微な案件なら政府も答えないでしょうが、不誠実極まりない韓国の行いに対して、政府が整理したであろう見解を質問を受けた形で国会に示す事は、これこそが日本国民の知る権利だと思います。
「もりかけサクラ」をMKS、良いですね!早速使わせていただきます。
MKSは、48とかのアイドルじゃありませんので誤解なきように。
韓国と日本の政治体制の違いとしてよく持ち出されるのが、国家のリーダーの選抜方式が前者では直接方式であるのに対し、後者では間接方式であるところでしょうか。
これを踏まえて韓国人たちはよく韓国は民主主義が高度に発達しているが、日本はその点遅れているなどと発言することもあるようです。いかにも韓国人らしい幼稚な理論ではありますが、何かにつれ日本と韓国を比べたがる彼ららしい反応ではあると思っています。
無論、直接間接いずれにせよそれぞれにメリットとデメリットがあるわけです。この場合も大統領制と議員内閣制の相違点も絡めて議論しないといけないのに、あまり意味のない結論を急ぎすぎるのはいかにもあの民族らしい性行なのでしょう。
さて大統領制における直最大のメリットは、国民全員が大統領を直接選ぶことを実感できるという点にあると思われます。では最大のデメリットとは何でしょうか。それは最大のメリットの裏返しの部分にあると私は考えます。
つまり大統領を選ぶ選挙民自身が愚かであれば、選び出される大統領は自ずと愚かな大統領とならざるを得ないという、ある種のパラドックス現象が生じてしまう点です。
蟹は甲羅に似せて穴を掘ると言います。
国民が小さければ、必然的に小さい大統領しか生まれないでしょう。国民が己にとって耳障りの良いのポピュリズムな政策を連呼する大統領を選ぶようでは、つまり韓国人自身が覚醒しない限り、右であろうが左であろうが、愚かな大統領しか誕生しないのは当たり前ではないかと考える今日この頃です。
西ヨーロッパと北米を除く多くの民主主義国家で権威主義的な、あるいは独裁的な指導者が誕生しています。近年の例だとトルコ、ハンガリー、ボリビア、ベネズエラなど。民主的に選挙で指導者を選んでいても、我が国や西欧、北米のようなまともな民主主義国家になれない国の方がはるかに多いわけです。結局、国民がポピュリズムやフェイクニュースなどに惑わされずに適切な選択ができるというのは、国民に根強いた民主主義の土壌とも言えるものです。
この民主主義の土壌というのは、単に国民の教育水準や経済水準が高いというだけではダメで、国民一人一人の持つ人間性や価値観の面でも高いレベルにないとダメだというのが韓国の状況を見て実感しているところです。
後遺症無く重症化しないコロナの新型がそこそこ蔓延しててくれないかな…
近隣諸国と往来が最小限の方が住みやすいや。
皆さん心配し過ぎじゃないですかね。
たとえ尹錫悦「大統領」が存外マトモであったとしても、どうせ何もできはしません。精一杯頑張っても、現在よりさらに悪化させないくらいでしょう。うかつに「旧悪」を改めようなどとしたら、とてもじゃないが国内が持ちません。すでにそれほど深く「韓国的真実」が韓国社会に根付いており、もはや転回可能点などとっくに越えているように思われますので。
佐渡金山の一件でも明らかなように、もはや日本の世論も無意味な対韓譲歩を容認しません。そして、岸田総理にも、安倍&菅亮総理が築いた路線を覆すだけの肚と政治力はないでしょう。いずれにしても、世論を敵に回し、安倍&菅(&麻生)各氏を敵に回してまで対韓宥和に動くべき理由はありません。
唯一の変数と言えば、アメリカの出方ですが、最近の論調を見る限り、アメリカでも日韓関係の「悪化」は韓国側に責任があるとの認識が広まっているように見えます。また、対中関係やウクライナ問題で手一杯のアメリカにとって、当面朝鮮半島問題の優先順位はかなり下がっているでしょう(北はそれが気に入らなくて懸命に花火を上げているようですが)。ならば、アメリカとしても、日本に「不当な譲歩」を強いるような圧力を掛けても何もいいことはありません。せいぜい、「まあ、話くらいは聞いてやってよ」くらいだろうと思われます。懸念があるとすれば、バイデン大統領の不定見・不見識ぶりですが、これはある意味どうしようもないですね。
以上から、たとえ尹錫悦氏が大統領になろうと、基本的な構図は変わりようがないと考えます。尹錫悦「大統領」の訪日についても、特に拒む理由はありませんが、具体的成果の何もない儀礼的な会談に終始することになるでしょう。それ以上のことを望むべきではありませんし、要は戦争にならない程度に関係をマネージメントできれば上々です。韓国が変われない以上、これ以上悪化することがなければ、尹錫悦「大統領」としては成功の部類でしょう。
え?李在明氏が大統領になったら?
きっと、それはそれは「愉快」なことになるんでしょうね。今から期待しています。
龍さま だけじゃないか
日韓関係は、日米関係、米韓関係の影響を受けます。過去の経験が、アメリカの介入の幻想を拭う事が出来ない人が、多いんだと思います。
近年の日韓関係における日本政府の対応の変化は、安倍元総理が「戦後を終わらせた」事に有ると思いますが、昨日の小野寺さん見ると、存外変わって無いなと思いました。
日韓首脳会談が行なわれる為の必要条件は、「国際法違反の状態を韓国政府が改善する」事だと思います。
もし尹錫悦氏が大統領になっても、棚上げしようというだけで、必要条件を満足する事は出来ないと思います。
もしも改善したら、それこそ中朝工作機関は「ロウソクデモ」を再開するでしょう。
竹島、処理水、佐渡まで加わって、今年、来年と韓国が日本に譲歩する事は、国民感情が許さないでしょう。
そして月日が経つほど、日韓の葛藤は韓国が増やしていくんだと思います。
いささか悲観的なきらいもありますが、麻生総理の勇退もそう遠くないと見えますし後継者が立つ辺りで自民党内の勢力図も動きそうで…
財務省の筋と宏池会、大宏池会構想など考えてしまうと不安の種は消えじ…であります
不安があるというのはわかりますし、私自身不安が全くないかと言えばけしてそんなことはありません。
しかし、安倍元総理だって、元々は岸元首相の流れを汲む親韓派でした。実際、就任当初、安倍元総理はいろいろと対韓宥和を試みていました。何度か試みた上で匙を投げたということだったのでしょう。岸田総理は外相としてその過程をつぶさに見ていたはずです。なので、韓国が国際法違反を認め、修正するなどという驚天動地のことが起こらない限り、岸田総理が自発的に対韓宥和に動く惧れはあまりないと思ってます。というわけで、不安を完全には払拭できないというのはまだともかく、現時点で不安ばかりを言い立てても無意味だと考えています。
同感です。岸田総理も林外相も菅政権の方針を既に蹈襲した以上、韓国側が余程の努力をしない限り方針は不変でしょう。日本から動くことはあり得ません。
佐渡金山での対応がなければもっと安心できたんですけどね。
あれのせいで自民保守が見張ってないと韓国融和しかねない印象を感じてしまいます。
さすがに「見送り」は岸田総理の判断ではないでしょう。林外相にまで話が上がっていたかどうかすらも疑問です。
あくまでも想像ですが、外務省内の「揉め事はヤダ」な人たちが「見送り」の方向で進めようとしている過程で、意図的にかうっかりかで外部に漏らしたのではないかと思ってます。文化外交においては、"切った張った"のような状況はあまりなく、むしろそんな状況になってしまったら「失敗」と目されるでしょう。なので、切った張ったになりかねないような案件を避けたがったくらいではないかと想像します。
ところが、あにはからんや、情報が流れた途端、世論の大反発と自民党保守派の反発を買ってしまい、日本国内での政治問題になってしまった挙句、岸田総理が収拾する羽目になりました。本来、事務方案件として処理すべき案件を大臣どころか総理にまで上げてしまったのは、官僚としては大きな失態でしょうね。
まあ
♪不安並べたってキリがないし
ではありますが、
岸田総理が、という以上に"きっしーを御輿に担ぐこーち会に"危惧をオボエテおるところでアリマス…
お疲れさまです。
これからは、韓国の国民感情だけではなく対等に日本の国民感情も考えるべきだと強く思います。
まさか、首脳会談の ”順序” だけが切り札なんてことも・・。
♪は~るばる来たぜ箱だけ!(箱だけ!) 中味なかったよ・・。
m(_ _)m