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CLP問題巡り「党として説明は終了」=立憲・泉代表

立憲民主党にブーメランが突き刺さるなか、追い打ちをかけるような話題が出て来ました。立憲民主党の泉健太代表は先週金曜日の会見で、CLP問題などを巡っては「わが党としての説明を終了している」などと述べたのだそうです。第三者委員会を設置するでもなく、また、一部で指摘されているCLP以外のメディアへの支出の問題点についてもダンマリを決め込む立憲民主党に、果たして「もりかけ」問題などを偉そうに追及する資格はあるのでしょうか。

ブーメランがクリーンヒット

産経ニュースに昨晩、こんな記事が掲載されていました。

正念場の立憲民主、参院選前の国会論戦に強い危機感

―――2022/1/16 19:41付 産経ニュースより

産経によると、立憲民主党の泉健太代表は「政策立案型」への転換を掲げている一方で、「党内には先の臨時国会での論戦が迫力を欠いたことや、政党支持率が低迷する現状への不満や不安がある」などと指摘。

そのうえで、国対幹部は「臨時国会は試運転だったが通常国会は攻撃的にいく」、などと述べた、としています。

「攻撃的」というのがよくわかりませんが、これについて産経にはこう書かれています。

主な標的とするのは新型コロナウイルスの新変異株『オミクロン株』への対応だ」。

具体的には、泉代表が14日の会見で「米軍由来の感染拡大を招いたことは問題だ」と述べたとおり、「水際対策を追及する」、としているほか、「国土交通省の統計書き換えや、森友学園問題をめぐる財務省の決裁文書改竄の真相究明なども重視」する、などとしています。

こうした「揚げ足取り」で「論戦」をしている気持ちになっていることこそ、立憲民主党の支持率が伸び悩む理由ではないか、といった気がしてなりません。

立憲民主党にブーメランが突き刺さる「根本的な理由」』を含め、当ウェブサイトで最近、わりと頻繁に言及しているのが、立憲民主党の「ブーメラン問題」です。これは、立憲民主党が舌鋒鋭く問題を追及すると、たいていの場合、立憲民主党側で似たような不祥事が発覚する、という問題のことです。

CLP問題で党執行部が福山哲郎前幹事長に対し処分を見送ったことを受け、立憲民主党党内で波紋が広がっているそうです。ただ、立憲民主党を巡る疑惑というものは、CLP問題に限らず、次から次へと出てきているのが実情です。立憲民主党は109議席だった公示前勢力が昨年10月末の総選挙で96議席へと減少し、また、最近だと各種メディアの世論調査でも支持率が低迷しており、さらにはいくつかのメディアの調査では日本維新の会に支持率で逆転されています。果たして立憲民主党は、あるいは特定野党は今年7月の参院選で、有権者からど...
立憲民主党にブーメランが突き刺さる「根本的な理由」 - 新宿会計士の政治経済評論

最近だと「CLP問題」、つまり「CLP(Choose Life Project)」というメディアに対し、立憲民主党が約1500万円の資金を番組制作費などの名目で提供していた、というものがそれです。

立憲民主党はこれまで、いわゆる「Dappi問題」、つまり「野党に対し批判的なツイートを繰り返すアカウントが、自民党によるネット世論工作の一環ではないか」、などとする疑惑を舌鋒鋭く追及していた立場ですので、いわば、立憲民主党は自身にブーメランがクリーンヒットした格好です。

泉健太代表「わが党としての説明を終了している」

こうしたなか、立憲民主党が徹底的に自分に甘いのではないか、という疑惑については、『徹底して自分に甘い立憲民主党、政党支持率下落も当然』でも取り上げたとおりですが、これに対し、なかなか信じられない続報がありました。

すでに「政党支持率」では日本維新の会に逆転されている立憲民主党は、とことん「他人に厳しく自分に甘い」政党だと思わざるを得ません。例のメディアに対する番組制作費支出問題を巡り、福山哲郎前幹事長の処分を行わないと決めたようです。これだと支持率が落ちるのも当然でしょう。その一方で、昨日は国民民主党が都民ファーストの会と合流する、といった話題も出て来ました。支持率で「維新>立憲」政党支持率の「逆転」『今夏、社民党を待つ「2%の壁」』などを含め、これまでにしばしば当ウェブサイトで取り上げてきた論点のひ...
徹底して自分に甘い立憲民主党、政党支持率下落も当然 - 新宿会計士の政治経済評論

産経ニュースに先週金曜日、こんな記事が掲載されていたのです。

立民・泉氏、資金提供問題の説明終了を宣言

―――2022/1/14 13:12付 産経ニュースより

産経によると、このCLP問題を巡り、泉氏は14日の記者会見で、「わが党としての説明を終了している」、と述べたのだそうです。

これまでさんざん、「もりかけ問題」などで舌鋒鋭く自民党を批判してきた行動と比べると、その扱いのあまりの軽さに驚きます。本件についてはべつに第三者委員会などを設置したわけでもなく、西村智奈美幹事長が12日に「調査し、記者会見した」ことをもって説明が終わり、というのも凄い話です。

小西参議院議員「次元が異なる問題」

こうしたなか、ウェブ評論サイト『JBプレス』に先週金曜日、山本一郎氏が執筆した次のような記事が掲載されていました。

政治とメディアの共犯関係を可視化したCLPと「柔らかい実弾」/左派陣営による眉間ブーメランを最大限楽しむべきだと思う理由

―――2022.1.14付 JBプレスより

山本氏のざっくばらんとした独自の文体に対し、違和感があるという方もいらっしゃるかもしれませんし、個人的に「ちょっとこれは書き過ぎかな?」と思う内容もないではありませんが、それでもたとえば次の具合に、端的に指摘する記述については「なるほど」と思います。

立憲民主党代表の泉健太さんは、記者会見で『国民民主党と合流前の旧立憲民主党時代のことで、当時代表の枝野幸男執行部でのこと』と線引きをするような表現に終始しました。また、幹事長の西村智奈美さんは、説明責任はおろか支出内容もあまりはっきりしない会見をしておりました。あれだけ情報開示しろ、納得のいく説明をしろと繰り返していた立憲民主党にとって、非常に手痛い事件となったことは間違いありません」。

こうしたなか、小西洋行参議院議員がこの記事に対し、1月15日付で反論するツイートを発しています。

小西ひろゆき (参議院議員)

品位のない記事だが、
『「Dappi・・は自民党からお金をもらってデマ流しているんだ、ふざけんな」と新聞報道までやって、国会でも立憲民主党の小西洋之さんが自民党に詰め寄ったり』は完全に事実に反する。
私は本件で自民に詰め寄ったことなど一度もない。
実にひどい。
―――2022/01/15 10:29付 ツイッターより

このツイートの続きに、こんなツイートもありました。

小西ひろゆき (参議院議員)

そもそも、このjbpressの記事にはDappiは虚偽の違法ツイートを繰り返していて、その組織的かつ継続的な違法行為の資金が何だったのかという問題に関する指摘が全くない。
立憲のCLPへの資金提供とは全く次元が異なる問題だ。
しかるべきタイミングまでに訂正がなければ法的措置を検討します。
―――2022/01/15 10:34付 ツイッターより

「違法ツイート」というのもなかなか斬新な響きですが、「CLPへの資金提供とはまったく次元が異なる問題だ」といわれても、なんだか戸惑ってしまいます。いったいどこがどう「次元が異なる問題」なのか、このツイートを眺めていても、よくわかりません。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、そもそもCLPの問題自体、立憲民主党によるメディアへの広告費支出の「氷山の一角ではないか」とする指摘が出ている件についても、立憲民主党はなんにも説明していません。

今回の立憲民主党の対応を眺めている限りにおいては、「もりかけ」「桜」などの自民党の「不祥事」(?)を追及すればするほど、結局は自分たちにとって跳ね返る、ということではないかと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • 結局のところ、この類いの話は、対岸の国の論調と同様、「自分達がやってるような(やましい)ことは、相手もやってるに違いないっ!」という、自分自身の思想や行動を基準において、周囲の人々のことを決めつける、いつも通りの思考回路からきているものなんでしょうねぇ。

  • 泉代表がNHKで自らのことを語っています。
    ・・・と思ったら、自民党のことを言っているようでした。
    https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/75307.html
    「やはり首はすげ替えられたけれども、頭は替わったけれども、体質は変わっていない」

    ついでにどうでもいい人の話。
    最近一部フェミたちとツイートバトルを展開していた「室井卯月」氏ですが、誰も助けてくれなかったことで「リベラル側の人々はずるい」と気づいてしまったようです。

    https://twitter.com/damarekozou35/status/1482685344621694978?s=20

    以上、しょうもないコメントでした。

  • 充分な説明は無く、「疑惑が深まった」だけでしょう。
    それでも「学術会議の6人を任命しろ」と政府批判を続けるところは、「同じ事を言い続けるしか手段が無い」何処かの国と同じでしょう。

  • 元ジェネラリストさま
    同感です。
    泉氏は、立憲の党首となって、才能が開花した様に思います。
    どこかで洗脳されるか、替え玉なのか。

    • なんでしょうね、立憲(民主の系列)の幹部を務めた人はほぼ例外なく、より劣化して、しかも一度劣化すると二度と元に戻りません。
      立憲の党内には、何らかの「正しさ」を持った人が搦め捕られる「何か」があるような気がします。正しさを逆手に取られてまんまと「立憲化」するかのような。

      内部のことはわからないんですけど、最近話題になってる、引退した元事務局長がつっつかれたら、なにかヒントが見えてこないかなぁという期待が多少。
      立憲のことはどうでもいいのですが、メカニズムには興味があります。

      返信のつもりが独り言になってしまいました。すみません。

  • こんにちは。
    国会議員が、自分にとって都合が悪い、批判している記事に対し、二言目に「法的措置を検討」と連発することに空恐ろしさを感じるのは私だけでしょうか。
    もしかして、私も訴訟を検討されるの?

    • なんちゃってギター弾き様

      所謂「言論弾圧」ですね。
      コニタンは批判をされると直ぐに「法的措置を検討」とか言って、「(スラップ)訴訟を起こすぞ!」と恫喝します。
      こんな男を国会に送り出す千葉県民もおかしいですよね。

  • 毎度、バカバカしいお話しを。
    立憲の泉党首が、「朝日新聞が騒いでないので、CLP問題が大した問題でない」と言ったんだって。
    おあとが、よろしいようで。

  • 泉代表は「私は何も知りません」作戦に切り替えた様ですね。
    実際にお飾り代表で何も知らないのか、案外知っているのかは分からないけど、
    支持率や議席を減らすのを覚悟してでも説明をしない方がマシと判断したのでしょうか?

    小西議員は……いつも通りですね。この人は元々ネットユーザーと対立しまくっているから
    (確か、ニコニコの放送で恥をかいてからそうなったんでしたっけ?記憶があいまい)、
    こういう時”いくら炎上してもいい囮役”として働いているのかな?

    いずれにしても、CLPとブルージャパンの件はもっと大きな騒ぎになって欲しい物です。

  • 立憲民主党の議員って、すぐに「訴えてやる!」って言うけど、訴訟慣れしてない日本人としては、これって脅しのようでキライです。そもそも、自身が批判されると、すぐ訴えるって、いつも党是の如く言っている、「言論の自由」を何だと思ってるんだ。

    訴えるなら、憲法違反と言い張る「学術会議任命責任」にして欲しいものです。

  • 「党として説明は終了」???

    説明は終了してないけど・・
    『党としては終了している』政党の間違い
    ではないでしょうか?

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