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ブーメランの名手?立憲民主党巡る広報業務委託費疑惑

CLPというウェブサイトが立憲民主党から総額約1500万円を受領していたとして、ネット上で大きな話題となっています。CLPは共同代表が辞任するという対応を取るそうですが、そうなってくると、疑惑は立憲民主党にも飛び火したようです。どうもあまり耳慣れない会社に対し、巨額の広報業務委託費が計上されている事実が確認できるからです。

CLPというウェブサイトを巡る疑惑

当ウェブサイトではこれまで、NHK問題というものをしばしば取り上げて来ました。

これは、NHKが「公共性」を騙りながら、受信料利権をかたくなに守ろうとしている、という論点であり、年が明けてからも『社会はチューナーレスTVによりNHK排除に動くのか』などでNHK問題に触れたつもりです。

ただ、「公共性」を謳っている「メディア」は、NHK以外にもあるようです。

Choose Life Project』(ないしは「CLP」)というウェブサイトが、それです。

CLPのトップページを見ると、「自由で公正な社会のために――公共のメディアをめざす」といううたい文句が掲載されています。

ところが、このCLPというサイトを巡って、現在、とある「騒動」が生じているのです。

発端は今月5日、小島慶子氏、津田大介氏、南彰氏、望月衣塑子氏、安田菜津紀氏が連名で発表した、『Choose Life Projectのあり方に対する抗議』という抗議文章です。

これによると、CLPが2020年春から約半年間にわたり、大手広告会社や制作会社をはさむ形で立憲民主党から「番組制作費」として1000万円を超える資金提供があったと指摘。そのうえで、次のようにCLPを批判したのです。

報道機関でありながら、特定政党から番組制作に関する資金提供を受けていたことは、報道倫理に反するものです。公正な報道の根幹を揺るがす行為であり、またその事実を出演者及びクラウドファンディングの協力者、マンスリーサポーターなどに一切知らせていなかったことは、重大な背信行為です」。

CLPが立憲民主党からの資金受領を認めた

これを受けてCLP側は翌・6日、これに対する「説明」を公表しています。

「Choose Life Projectのあり方に対する抗議」へのご説明

―――2022.01.06付 CLPより

このなかでCLPは、2020年3月からの期間、立憲民主党から総額約1500万円の製作費を受け取っていたこと、2020年7月からのクラウドファンディングでも、立憲民主党から支援を受けていた事実を明らかにしていなかったことを認めました。

そのうえで、「公共性」を名乗ってクラウドファンディングを行ったことについては、「信頼を著しく損ねてしまった」、などと述べたうえで、佐治洋氏が共同代表を辞任する、と述べています。

正直な感想を申し上げるならば、このCLPというメディア、べつに国費が投入されているわけでもなく、クラウドファンディングなどで支援を集めている存在であるため、個人的には、べつに立憲民主党が支援していたとしても、大した問題ではないとは思います。

もちろん、「立憲民主党から(一時的にとはいえ)1500万円の製作費を受け取っていたこと」、「そのことを隠してクラウドファンディングを行ったこと」は、倫理的には問題がある話かもしれませんが、べつに何らかの法律に抵触しているわけではありません。

あるいは、「クラウドファンディングによる支援」などと言わず、通常の商業ベースで会員登録費を徴収し、あるいは広告を貼りつけるなどして収益化しても良いのではないか、という気がしてなりません。

ただ、運営は商業ベースではなく「公共性」を重視する、というのがCLPの方針である点、さらにはCLP(あるいは佐治洋氏)が今回のような対応を取ると判断したことについては、我々部外者にとっては尊重するよりほかに方法はありません。

もうひとつ、個人的な感想を申し上げるならば、立憲民主党からの支援が自分たちの基準でいうところの「公共性」に抵触するという点を踏まえ、ちゃんと説明責任を果たそうとしていることについては、高額な人件費についてダンマリを決め込むNHKと比べ、はるかに誠意がある、といえるかもしれません。

疑惑は立憲民主党に飛び火

もっとも、本件については資金を受け取った側もそうですが、資金を出した側である立憲民主党にも、ちゃんとした説明をしていただきたいと思う人は多いでしょう。

これに関し、立憲民主党の泉健太代表は先週7日、記者団からコメントを求められた際、「現時点で調査中」、「代表の私からコメントさせていただく内容は今はない」、などと述べています。

「病床確保の調整本部をぜひ作るべき」泉代表会見

―――2022/01/07付 立憲民主党HPより

立憲民主党ウェブサイトから泉氏の正確な発言を抜粋すると、こんな具合です。

旧立憲民主党が、インターネット番組の制作会社であるChoose Life Projectに資金提供していたとされることについては、『私からも幹事長を中心に調査するよう指示しております。現時点で調査中ということであって、代表の私からコメントさせていただく内容は今はない状況ですが、事実関係の確認が終わり次第、幹事長から説明をさせていただきたい』と説明しました」。

ここで「旧立憲民主党」とありますが、何だか不思議な言い方です。

これについて朝日新聞の報道によると、泉代表は、問題の資金提供がなされた時期が2020年3月以降であり、「旧立憲民主党は(2020年9月に)解散し、(現在は)新たな政党としてできあがっている」、などと述べたのだとか。

立憲・泉代表「知らなかった」 ネットメディアへの資金提供問題

―――2022年1月7日 17時50分付 朝日新聞デジタル日本語版より

何だか強烈な言い分ですね。

強烈なブーメラン

そういえば、立憲民主党といえば、「Dappi問題」という疑惑を追及してきた政党でもあります。

この「Dappi問題」とは、ツイッター上で野党に対し批判的なツイートを繰り返す「Dappi」というアカウントについて、立憲民主党側から「自民党によるネット世論工作の一環ではないか」、などとする追及がなされていたからです。

つまり、今回の資金提供疑惑は、立憲民主党に対して強烈なブーメランとなっている格好です。

また、今回の話題に関しても、「立憲民主党がCLP以外のメディアに対しても資金を提供していたのではないか」、などと疑問を抱くのは当然のことでしょう。

この点、立憲民主党の政治資金収支報告書を眺めていると、少なくとも2020年11月27日2021年11月26日に公表されたバージョンでは、あまり目にしない会社に対して数千万円レベルでの後方業務委託費などの支出がなされていることが確認できます(2021年11月26日のバージョンではP28~29、2020年11月27日のバージョンではP65~66)。

このあたり、立憲民主党が「ブーメランの名手」と呼ばれるのも、何だかストンと納得してしまう次第です。

新宿会計士:

View Comments (21)

  • 立憲のブーメランって何故起こるのか?
    ・与党を批判する前に自分たちも同じ事やっていないか調べない
    ・あるいはやっていても自分たちは問題ないと信じていた
    ・あるいは問題だと分析する能力に欠けていた
    ・韓国と一緒で他人がやれば問題、自分は問題なし

    どれが理由でも、本当にアホかと思います。でも一番酷いのは自称「社会の公器」であるはずのマスゴミがだんまり。京アニの被害者の実名なんかより、この件やテレ朝看板ダイブ事件で国民の知る権利に応えていただきたいものです。

  • この件に関して
    CLPの動画コンテンツに出演した方が、立憲民主党からPRの依頼があり「予算はかなりの金額でした。」とのことです。
    https://twitter.com/nanatakamatsu/status/1478715361549852674?s=20
    この方は自身の立ち位置的に特定の政党から報酬を貰って仕事をするのは倫理的に問題があるとして断ったとの事です。一方で他の出演者らにも同様にかなりの予算をかけて依頼をだしていること、中には引き受けてしまった人もいる事は想像に難くないと思われます。

  • ご説明ありがとうございます。この件は、Twitterで知ってましたが、倫理的には問題あるとしても、法的に何が問題なのかよくわからなかったので、すっきりしました。

    いくつか突っ込みを。
    泉氏の発言は、「旧立憲民主党」がやったことだから関係ない、とでも言いたいのでしょう。でも、政党助成金は引き継いだとか。『別政党』と言い張るのであれば、引き継いだ政党助成金は国庫返納しないと、辻褄が合わない。
    私はほとんどテレビを見ませんが、「Dappi問題」に関しては、TBSとテレビ朝日が、あたかも自民党が悪いことをやっているかのように、かなりの尺を使って特集を組んで報道したとか。報道の公平性から考えれば、CLP問題も、同じ尺を使って報道するべきですね。
    まぁ、こんなことを立憲共産党や、オールドメディアに求めても無駄でしょうけどw

    政治資金規正法とかに引っかかってくれると面白いのに、と不謹慎にも思います。

    • CLPはTBSの元記者が設立したのだから、「報道特集」と「サンモニ」で「全力で」特集してほしいですよね。

  • 旧立憲民主党は今の立憲民主党とは違うから「俺は知らん」
    こんなの通る?

  • そうなんだ
    執行部代わると新政党になるんだね!

    じゃ私は菅自民党と安部自民党の支持者だったんたね。
    小泉自民党とか宮澤自民党とか宇野自民党とか小渕自民党とか支持したことがないし連立だかの公明党消えちゃって欲しかった理由がやっとわかった。

    選挙管理委員会仕事しろよ。
    同名の新政党が全く同じ政党名名乗っちゃダメでしょ?
    それで「民主」って書いた投票人の意思ってどうするのよ。
    法律変えれば?
    民主って付く政党いくつあるのよ…

    まぁ津田やイソコが言ってる時点で内ゲバなんだろうけど…
    東京新聞や神奈川新聞や沖縄タイムズや琉球新報や朝日新聞の株主の方が罪深くないですか?

    官僚・公務員もだけど退職・辞任・倒産すればセーフってやめませんか?
    なんか韓国の土建業者みたいだ。

  • 立憲と共産党が連携して作ったメデイアグループであるが、何故作ったか?
    朝日・毎日・地方新聞とか立憲共産党傘下のメディアグループは山ほどあり
    党から資金提供しないと運営できないメディアグループを作る事自体間違っている。
    TV・新聞等のオールドメディアだけでは一般人に通用しないと思ったのか?
    SNSを使ったとしても、結局仲間同士のグループ内活動となり、同人誌活動を
    SNS上に移行しただけのものとなっているか、妄想を現実だとニュース化している
    だけである(東京脱出とか)。
    オールドメディア→新メデイアと領域を広げても、活動が仲間同士だけなら
    肝心の8~90%の仲間以外に届かないのではと危惧する。
    立憲共産党の皆様にお願いします。
    仲間内から離れて、メディアの自称◎◎(あっち系とか共産系でないと、メディアの
    識者になれない)を切り捨て、まともな(現実が解る人)識者との論戦を
    オールドメディア上で展開して欲しいものである。

  • 先の選挙で
    立憲共産党路線の敗北を受けて、
    立憲と共産のウチゲバ騒動と
    見るべきでしょう。

    自分たちも同じ穴のムジナ
    だったのに告発で立憲攻撃しているのは
    共産党により近い顔ぶれの、
    韓流脱糞派アーチストによる
    自称従軍慰安婦像撒き散らし組の
    津田さんや、
    記者章はつけていてもただの
    どぶサヨ活動家の望月さんたち
    なのですから。

    それにしても、
    裏切り奇襲を受けた
    立憲民主党さんの狼狽ぶりが
    ブザマです。
    慌てて言い逃れに
    飛び出して来たのが
    ハッピー米山さんでは
    ますますイメージ悪化と
    感じます。

  • 関心度はそれほどなので、あまり調べていませんが・・・
    立憲からCLPに広告宣伝費を経由した会社が「ブル〇ージャパン」ってところで(記事タグにもなってますが)、そこの代表が立憲の事務局長を引退した人で、その会社は元SEALDSメンバーを雇っているっていう、出所不明の怪情報も聞こえてきています。(怪情報ですからね!)

    いやー、こんなのが表沙汰になったら、ふだん小綺麗なことを言って道義的責任を追及してる特定界隈の人は、縁切りするでしょうなぁ。

    くわばらくわばら。

  • この件を津田大介氏、望月衣塑子氏、安田菜津紀氏らが批判したというのは意外ですが、バレた(バレる)以上批判したというアリバイ作りでしょうか?

    • いやいや。
      先の選挙での立憲共産党路線が
      国民のブーイングで失敗したからと
      お仲間で資金まで出した立憲民主党を
      裏切って悪者にして
      しゃあしゃあとまくしたてる
      共産党や半島に近いと知られる
      津田氏や望月氏の
      手のひら返しの保身の見事さには
      さすが、
      共産党がオウム真理教と同じ
      公安指定であるのはダテじゃあない
      と舌を巻きます。

      • ブルージャパンへ4年9億円支出してるのにCLPへの1500万程度で身内の左巻き出演者らが抗議文とはなぜ?彼らがアクションを起こさなければここまで話題になることもなかったろうと疑問でしたが、共産党がらみで裏で完全にこじれたと聞けばなぜか納得してしまいそうです。

  • 悪夢のような民主党政権も旧民主党だから立憲民主党は知らんがな?って。
    秘書給与流用事件で有罪判決を受けた辻元清美氏も旧辻元清美氏やからええんや?って。
    世が世ならば切腹、今どきの政治家には気概というか真剣さがありませんね。
    政治家の責任って何やろね?(政治家って)楽でええね。と、思います。

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