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    Categories: 金融

金融工学等の立場からコスパで論じるハンバーガー概論

かねてより申し上げているとおり、著者自身はハンバーガー評論家であるだけでなく、金融評論家でもあります。こうしたなか、金融工学等の立場から論じておかねばならないのが、コスト・パフォーマンス(略して「コスパ」)です。意外と看過されやすいのですが、某ハンバーガーチェーン店では、市価650円程度の株主優待を使用すれば、売価1,110円分の商品があなたのものになるかもしれない、という、大変に重大な論点です。

650円の株主優待で1,110円分の商品があなたのものに!

当ウェブサイトを運営する「新宿会計士」は、ハンバーガー評論家であり、エクセル評論家であり、さらには金融評論家でもあります。

そして、「金融評論家」という立場から、絶対に欠かせない論点のひとつが、「コスパ」です。

某著名ハンバーガーチェーン店の場合、期間限定メニューを別とすれば、ハンバーガーの入手方法としては、次の2つのパターンが考えられます。

  1. 店頭でおカネを払ってハンバーガーを購入する。
  2. 株主優待券でハンバーガーを購入する。

多くの方が考える最善の方法は1ですが、じつは、期間と条件次第では、2の方法の方が、額面よりもかなり安い値段でさまざまな食品をゲットすることができる、という点でも知られています。

まず、株主優待券を使えば、1枚の優待券で①ハンバーガー、②サイドメニュー、③ドリンク、の3点と引き換えることが可能です。

たとえば、期間限定で「はみだしトリプルチーズ」なる商品がありましたが、この商品の店頭での販売価格は540円也です(※ただし、期間限定商品であるためか、販売が終了している店舗では入手できないようです。詳しくは同社のウェブサイト等にて直接お問い合わせください)。

次に、株主優待券で引き換え可能な商品のうち、ポテトを除けば、サイドメニューのなかで最も高いのが「サイドサラダ」280円也です(厳密にはポテトのLサイズが330円ですが、同商品はスマホアプリのクーポンを使えば190円に値下げされることが多いです)。

さらに、ドリンクに関しては、通常のコーラーだのサイダーだのといった商品はLサイズが250円也ですが、「スイーツ」メニューにある「メロンソーダフロート」(おそらく合成着色料の「緑3号」を主成分とする甘い炭酸水をアイスクリームで割った商品)290円也と交換すれば、最も高い商品をゲットすることが可能です。

すなわち、1枚の優待券で①期間限定はみだしトリプルチーズバーガー540円也、②サイドサラダ280円也、③メロンソーダフロート290円也、合計して1,110円相当(!)があなたのものになる、という仕掛けです。

ちなみに金券ショップにおける同社の株主優待券の販売価格は、都内某所の場合650円でしたので、じつに460円(!)相当が手に入るのと同じ経済効果をもたらす、というわけです。

大きなサイズのハンバーガー、緑色3号入りのクリームソーダなどが「健康に悪い」、などと懸念されるあなた。

大丈夫!

サイドサラダを食べればそれだけで元気モリモリ間違いなし、です。

単位がおかしい「夜の倍サイズ」

ただ、この「コスパ」という観点からは、また違った視点も出て来ます。

たとえば、同じ某チェーン店の場合、夕方5時以降限定の「夜メニュー」として「倍ハンバーガー」という選択肢が設けられています。

これは、100円を払えば肉などの中身(パンで挟んでいるもの)を2倍にしてもらえるというサービスです。

たとえば、通常のハンバーガー(110円也)やチーズバーガー(140円也)の場合だと、100円追加すれば「夜限定倍ハンバーガー」(210円也)「夜限定倍チーズバーガー(240円也)」の出来上がり、というわけです。

ただ、正直、「倍ハンバーガー」、「倍チーズバーガー」は、当ウェブサイトとしてはとうていおススメできません。

その理由は簡単で、もとの「ハンバーガー」、「チーズバーガー」は、それぞれ中に挟まれている肉が1枚だからであり、それを倍にしても2枚にしかならないからです。

そこで、当ウェブサイトなりのおススメは、最初から2枚肉が入っている商品を「倍指定」する、というものです。

たとえば、「ダブルチーズバーガー」(340円也)という商品がありますが、これを「夜限定倍サイズ」に指定すれば、「倍ダブルチーズバーガー」(440円也)、すなわち「ダブル×2倍」=「肉4枚」、という凶悪な商品が、たった100円の追加料金で実現してしまうのです。

先ほどの肉が2枚の「倍チーズバーガー」と比べれば、同じ100円玉でも肉が2倍になるという意味ではお得感も2倍です。

同様に、「パン+肉+パン+肉+パン」で構成されている「ビッグハンバーガー」(390円也)についても、100円玉を追加すれば、「パン+肉+肉+パン+肉+肉+パン」、という、大変に強烈な商品が完成します(いわゆる「夜限定ビッグハンバーガー」、490円也)。

こうした「単価がおかしいハンバーガー」の存在には、私たち一般消費者としては十分な注意が必要であることはいうまでもありません。

セットは得か?

さて、こうしたなかでもうひとつ看過できない論点があるとしたら、「果たしてセットは得か」、という論点でしょう。

たとえば、某店の名物であるビッグハンバーガーは単品が390円ですが、ポテト(M)とドリンク(M)を付けて690円であり、この場合、金融工学の立場からは、「ポテト(M)とドリンク(M)の合計値が300円」、と評価できます。

この点、ポテト(M)が280円、ドリンク(M)も220円であり、合算すれば500円ですから、セット指定すれば200円の値引き状態が実現するわけであり、一見するとビッグハンバーガーとポテトとドリンクをバラで購入するよりもセット購入する方が200円安くなるようにも見えます。

しかしながら、先ほども指摘したとおり、某店の場合、スマホのアプリでポテト(L)が190円という価格で購入可能であり、また、ドリンクをSサイズにダウングレードすれば100円ですので、それぞれをバラで購入すれば購入額を680円に抑えることができます。

なんと、10円もお得です(!)。

さらには、テイクアウトして自宅で食する場合だと、ビッグハンバーガー単品(390円也)、クーポン利用ポテト(L)(190円也)を購入し、自宅に戻る途中のドラッグストアなどで炭酸飲料水などを100円前後で購入すれば、結果としてセットで買うのと大差ない価格で、ポテトと飲料を大量にゲット可能です。

こうした論点については、意外と看過されやすい部分であり、くれぐれも注意していただきたいと思う次第です。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

なお、当ウェブサイトの議論に対しては、「金融工学の知見をそれほど利用していないのではないか」、というご批判があることは承知しています。

しかし、「株主優待物も株価の一部を構成するものである」とする財務論の立場からすれば、これもれっきとした

「準金融工学」的な議論として成り立つ……のかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (41)

  • 今日は、油断していたニダ。
    この記事は、アメリカ人のように太らせて、医療費を増大させ、結果として経済効率を下げようとする陰謀ニダ。

  • ここのハンバーガー屋のことかどうかはわかりませんが、写真で見ると強烈ですなぁ。

    https://www.mcdonalds.co.jp/menu/dinner/

    経済性の追求が出来ないのは寂しいですが、最近は食が細くなったので、ふつうのセットで結構です。(笑)

  • 「金融工学」と銘打ったタイトルからすると、お勧めの数々のテクニック、ちょっとセコいですね(m(^_^)m シツレイ)。こうやってお得にハンバーガーがゲットできるのであれば、お店の側からすると、その分通常の値付けを上げないとペイしないはず。結局、情報弱者が割を食うことになるのなら、こういうテクニックを広めることは、格差社会をより助長することに繋がりかねないと危惧する次第です(笑)。

    わたしはマ○ドを利用したことがあまりない人間で、回数から言えばモ○の店に入った方がはるかに多いのですが、マ○ドと言えば思い浮かぶ光景があります。

    バブル華やかなりし頃、今は閉店してしまった老舗百貨店のワキにできたその店。午後3時を過ぎた頃から、下校途中の高校生達で当時はいつもあふれかえっていました。そう毎日大枚をはたいていたとも思えませんが、女子高生がルイ・ヴィトンのバックをもっているなんてのはザラだった頃で、わずかな昼食の予算で、良心的価格かつボリューム満点の店を普段から探しているようなサラリーマン感覚からすれば、親の顔が見てみたいと言いたくなる光景でした。長居できる雰囲気ではなし、客回転も速かったでしょうから、店もずいぶん儲かっていたと思います。

    しかし、それもいっとき。バブル崩壊とともにいつ見ても店は閑古鳥。いつの間にやら、店のあった場所は百貨店に商品を配送する業者用の駐車スペースに変わっていました。子供がもらえる小遣いの額なんかは、平成不況のしわ寄せをもろに受けたんでしょう。

    ところが、日本の個人金融資産額の推移を見ると、リーマンショック語の一時期を除くと、一貫して伸びているようなんですね。

    フィデリティ資産運用ナビ『個人金融資産4,000兆円を目指す』
    https://invest-navi.fidelity.co.jp/articles/columns/jme4jvg4

    バブル期直前の水準に比べて、現在は約5割以上アップ。上記サイトは、資産運用の会社のものですから、その伸び方が少なすぎるというのが記事の趣旨なんですが、それはともかくとして、日本社会は決して貧困化などしていないことだけは確かなんでしょう。だけど、みんなカネを使わなくなった。金銭感覚が堅実になったという言い方もできるでしょうが、カネを失うことに臆病になったという方が、むしろ実態に近いような気もします。

    本日のお題、新宿会計士さんはエンタメネタとして提供されたんだと思いますが、マ○ドというキーワードに触発されて、意識がちょっとほろ苦い方向に飛んでしまいました。

    • >日本の個人金融資産額の推移を見ると、リーマンショック語の一時期を除くと、一貫して伸びているようなんですね。
      >日本社会は決して貧困化などしていないことだけは確かなんでしょう。

      伊江太さんの上の2行目の主張の当否は「貧困化」という語の定義次第ですね.

      貧困化の定義を
      1.「全国民の保有する資産総額が減少すること」とか「1人当たりの資産額が減少すること」(人口が変化するのでこれら2つの定義は等価ではないことに注意)であるならば,引用1行目の事実と日本の人口が減少中であることから,どちらの定義を採用しても引用2行目の伊江太さんの主張は正しいですね.

      ですが,貧困化の定義を
      2.「国民の資産額の中央値が減少すること」とか「世帯の可処分所得額の中央値が減少すること」であるならば,伊江太さんの主張は恐らく間違っていて,実際に日本は貧困化していることになると私は推測します.私がそう推測する理由は,全ての被雇用者の中で正規雇用されている人の比率がどんどん減少しているという事実があるからです.

      つまり,アメリカのように国全体としては経済的に成長し国民が保有する資産の総額が順調に増大している一方で,富める者は益々富み,貧しい者は益々貧しくなり(つまり現在の貧困層は過去の貧困層よりも貧困の深刻さが増し),貧富の格差が拡大する状況を,「豊かになった」と呼ぶか「貧しくなった」と呼ぶかの問題,つまり呼び方の問題ですよ.

      国民の中間層がどんどん薄くなり貧富が両極端に分離することは社会の安定度を損ない社会不安や犯罪の増大といった危険を孕むので,私個人は総計としての国富の額が増えても中間層がどんどん消失し極めて少数の富裕層以外は貧困層に陥ってしまう変化は「貧困化」と呼ぶほうが適切だ(つまり「貧困化」の定義としては,私は2を採用するということ)と考えています.

      >だけど、みんなカネを使わなくなった。

      当然ですね.使えるお金を持っているのは一部の裕福な人々だけというアメリカに似た社会へと日本社会は変貌しつつあるのですから.

      実際,しばしば報道されるように金融資産ゼロという人あるいは世帯(推測するに非正規雇用されている人々)が日本ではどんどん増加しているというのが事実であれば,そんな預貯金ゼロの人々はそもそも使えるお金を持ってないのですから,彼(女)らにとってはお金を使いたくても(返済の当てもなく消費者金融で無謀な借金をして使うのでない限り)先立つモノがありません.

      • 冥王星様

        「貧困化」についてのわたしの認識が、所得の偏りを無視してるんじゃないかというご意見。それについて全面反論なんかできないのは、勿論分かっていますが、かと言ってそんなことも知らずにコメントを書いたわけでもありません。そして冥王星さんの、この日本が向かっているのが究極の格差社会だという見方については、わたしは同意できません。

        わたしは理系の人間で、昨今話題の中心になっている武漢肺炎についてのさまざまな議論が、結局どれほどの根拠に基づいているものなのか、ある程度は判断できる分野で仕事をしていました。そして、大いに不満を感じているのが、「木を見て森を見ず」みたいな生煮えの意見がいかに多くの「専門家」連によって撒き散らされ、それがあたかも確定事実の如くに幅をきかせて、世に拡がっていることです。

        わたしの社会、経済的事象への理解なんかは、ごく一般のレベルでしょうから、冥王星さんが論及されている「事実」のひとつひとつについて、根拠を挙げて論駁することはとてもできません。しかし、長年,決して恵まれた経済的ポジションにはない、普通の一市民と生きてきた肌感覚から、多くの社会、経済分野の専門家が唱える日本の暗澹たる将来像というのが、同じように「木を見て森を見ず」の議論のように感じるのです。

        お聞きしたいのは、冥王星さんは、自らの生活感覚として、日本がお書きになったような社会になっている、あるいはなりつつあるとお感じなのでしょうか。

        それがホントなら、2000年以降、日本の刑法犯罪、とくに窃盗が驚くほどの速さで減少しているのはなぜでしょう? 自殺の件数も同じく減少しています。街がホームレスや物乞いで溢れないのはなぜでしょう? 東日本大震災のような災害時に、略奪、暴動などが一件も起こらないのはなぜでしょう? 一般市民が怖くて立ち入れないようなスラムなど一向に広がらないのはなぜでしょう? 平均寿命が世界で最高レベルに達した今でも、さらにそれが伸び続けているのはなぜでしょう? 所得の伸びが著しかった時代に生活の基盤を築き、比較的経済的に恵まれているはずの高齢層ほど、日本の格差社会の非を鳴らし攻撃する立民、共産への支持率が高く、「貧困化」の最大の被害者のはずの若者層の多くが、それを促進した元凶と目されるべき自民党を支持する、このパラドックスはなぜ生じるのでしょう? ハローウィンなどと言えば、誰によばれることもなく仮装した男女が街に溢れ、スポーツ観戦、ライブコンサート等々、大勢の人間が機嫌良く集まって、生活をエンジョイする。そんな風潮がますます進むこの日本社会をどう考えればいいのでしょう?

        アメリカの格差社会に触れておられますが、わたしは20数年前、アトランタに出張した際、ごついガタイのポリスが数十メートルおきに立って、辺りを睥睨している「繁華街」、郊外の、豊かな木立に囲まれ、いかにも安全で住み心地の良さそうな「ゲーテッドコミュニティ」、そして町外れの荒涼たる荒れ地に数知れず並ぶ「トレーラーハウス」の群れ、そういうのを実際に目しました。そのとき感じたのは、「日本を決してこんな社会にしてはならない」ということでしたが、幸いにこの国がそんな方向に向かっているようには一向に感じられないのです。

        • 少なくとも私が研究職として勤めていた企業(一応,日本人ならば誰でも名前を知っていると思います)では非正規化しても重大な支障のない事務職などの職種は(少数の将来の…人事畑や勤労畑や経理畑の…幹部候補としての採用を除き)どんどん非正規化され,ほぼ完全に非正規雇用だけになりました.この非正規化の流れはその企業だけのものでなく日本の大企業ならば多少のペースの差こそあれ,大同小異の流れだと思います.

          >「日本を決してこんな社会にしてはならない」ということでしたが、幸いにこの国がそんな方向に向かっているようには一向に感じられないのです。

          さあ,それは単に日本は未だ目に見える段階になっていないだけではないでしょうか?

          日本の少子化の最大の原因は若年層で未婚率がどんどん高くなっていることにあると私は推測しています.

          そして若年層の未婚率が高いのは,若年層ほど非正規雇用の比率が高く,非正規雇用故に年収は低く雇用が安定していないので,経済面の不安から結婚を考えられない(ましてや子供をもうけるなど論外)と若い人々は考えているからでしょう.

          勿論,以上の私の推論を厳密に裏付けることの出来る大規模な統計は存在しないと思いますが,直近のプッシュ型インフレが発生するまではずっと物価が安定していた日本においてインフレに基づく賃金上昇効果はほぼゼロと看做しても間違う恐れはないので,雇用の非正規化によって現在の若年層の年収が過去(例えば20年前)の同じ年齢の年収よりも中央値が下がっているのは確かでしょう.

          更に,日本は少子高齢化のために不足する労働力を外国人労働者をどんどん入れることで解決する方向へと舵を切りつつあります.

          こんなことをすれば,確実に20~30年後の日本は現在の欧米と同じ移民問題を抱える事態になります.

          また低賃金で雇える外国人労働者の大量導入によって不足する労働力を補うという解決策を採ることで,労働力の不足を技術革新によって解決するための投資意欲を削ぎますし,その結果,労働者1人当たりの生産性は向上せず,従って労働者の賃金も上昇せず,後の世代の労働者ほど賃金は低く抑えられる事態になり,将来になればなるほど貧富の格差による日本社会の分断が確実に進展することになるでしょう.

          私はアメリカの,特に保守層の根本的な間違いは「政府が民に干渉するのは少なければ少ないほど良い」という自由競争至上主義を信奉したことにあります.そして自由競争至上主義を信奉するという間違いによってアメリカの豊かさにとっては単なるアイコンの役割しかなかったプール付きの大豪邸でなく豊かさの本当の証拠であった分厚い中間層を破壊して殆ど消滅させてしまったことがアメリカ保守層が犯した最大の失敗だと考えています.

          私がそのように考える理由は,アメリカに限らずどの国においても,保守層が重要と考える国家の伝統を支えるのは極めて少数の大富豪なのではなく,大多数の国民が伝統を大事だと思えるだけの精神的余裕を持つことであり,精神的余裕は経済的な裏付けがあって初めて持てるものだからです.そして大多数の国民が精神的余裕を持てるほどの経済的な裏付けを持つ状況は,分厚いそこそこ豊かな中間層がその国に存在することで初めて実現されるからです.

          分厚いそこそこ豊かな中間層は徹底した自由競争社会では維持不可能です.何故ならばお金はより多く持っている者に更に集まる性格があるからです.

          この理由は次の思考実験で簡単に説明できます.金持ちと貧乏人とが1回100円ずつを賭けて見掛け上は期待勝率5割ずつで公平なはずの丁半博打をどちらかの持ち金ゼロになるまで繰り返すとしましょう.この場合,ほぼ確実に金持ちが貧乏人を破産させて勝つことになります.何故ならば,金持ちのほうが貧乏人よりも連続して負けることが許される回数が多いからです.特に最初の保有資金の差が大きければ大きいほど金持ちが勝つ確率は高くなります.

          現実の社会では,金持ちと貧乏人との勝負は期待勝率5割ずつですらありません.確実に金持ちに有利になっています.何故ならば,人脈やそれから得られる情報などの点で必ず金持ちの側にアドバンテージがあるからです.

          つまり,レッセフェールによる自由競争は必ず社会の貧富格差を拡大する方向に作用するということです.言い換えると,社会の伝統を大切にする上で不可欠であるそこそこ豊かで心に余裕のある中間層を維持するには経済活動に対する政治の介入が不可欠だということです.

          社会で貧困層が増えれば増えるほど,現状の社会制度に対する不信を抱く人々が増え,伝統的な社会制度を否定し破壊しようとする共産主義のような虚偽にまみれた一種の宗教に感染する人々が増えます.日本においてそのような人々の増大が行き着くところは,この国がもはや日本と呼ぶに相応しい国ではなくなるという事態です.

          さて,伊江太さんの質問に対して私なりの答えを示しましょう.

          >それがホントなら、2000年以降、日本の刑法犯罪、とくに窃盗が驚くほどの速さで減少しているのはなぜでしょう? 自殺の件数も同じく減少しています。街がホームレスや物乞いで溢れないのはなぜでしょう? 東日本大震災のような災害時に、略奪、暴動などが一件も起こらないのはなぜでしょう? 一般市民が怖くて立ち入れないようなスラムなど一向に広がらないのはなぜでしょう? 平均寿命が世界で最高レベルに達した今でも、さらにそれが伸び続けているのはなぜでしょう? 所得の伸びが著しかった時代に生活の基盤を築き、比較的経済的に恵まれているはずの高齢層ほど、日本の格差社会の非を鳴らし攻撃する立民、共産への支持率が高く、「貧困化」の最大の被害者のはずの若者層の多くが、それを促進した元凶と目されるべき自民党を支持する、このパラドックスはなぜ生じるのでしょう? ハローウィンなどと言えば、誰によばれることもなく仮装した男女が街に溢れ、スポーツ観戦、ライブコンサート等々、大勢の人間が機嫌良く集まって、生活をエンジョイする。そんな風潮がますます進むこの日本社会をどう考えればいいのでしょう?

          非常に大雑把に言えば,貧困化が進んでいる若年層の親の世代は,彼らの現役時期は一億総中流社会が実現していた(最後の)時代であり,持ち家やそれなりの金融資産を形成できた人も多かった筈ですし,引退後も年金,特に親がサラリーマンならば厚生年金はそこそこの額が支給されているからです.

          言い換えれば小泉改革によって雇用の非正規化が始まった後に就職期を迎えた世代も,親は老後も子を養い続けられる経済力を持っている場合が多いのです.

          実際,以前からかなりの家族で一人っ子でしたし,未婚率がどんどん上がっているのでその一人っ子は独身ならば親と同居という比率も高いでしょうが,同居している一人っ子を多少の資産もあり親が養い続けるのは不可能ではありません.

          ですが,この「親が老後も子を養う」という構造が成立するのは1世代だけです.今,非正規雇用で低賃金ゆえに親から経済的な援助を受けている世代は,自分自身の資産を形成するだけの経済的余裕はないので,その世代が子供をもうければその子供たちを自分が親に養ってもらったように養ってやることは出来ず,従って貧困化が明確に露呈することになります.

          つまり,現在は引退した世代の持つ経済力によって貧困化を覆い隠せているだけだと考えられるということです.

          だから20~30年後に貧富の格差拡大による日本社会の分断が明らかになると予測するのです.そして,その時限爆弾のタイマーは既に起動ボタンを押されているのです.

          なお,若年層が立憲や共産党よりも自民党を支持するのは当然です.立憲は民主党で日本国内の雇用を徹底的に破壊してその当時に就職期を迎えた若者の人生を破壊した記憶が未だ生々しいからです.低賃金どころか失業=無賃金というプレゼントを民主党は若者に与えたのですよ.

          その地獄の民主党政権の後を継いだ自民党の安倍政権は非正規ではあるが,ともかく雇用を生み出して失業率を非常に低くしました.無賃金よりも低賃金でも職がある方が遥かにマシな社会なのは明らかですね.他方,立憲は地獄を作り出した民主党の焼き直しであるのは誰も知っている事実ですから,無賃金=就職氷河期という若者にとっての地獄を日本に実現した立憲と低賃金であろうとほぼ完全雇用を実現してくれた自民党のどちらを選ぶかは言うまでもありません.

          それと北朝鮮・韓国・共産チャイナ・ロシアと日本の周辺諸国が日本に対して極めて攻撃的になっていることも自民党の追い風になっているのは明らかです.しばしば国民の不満を逸らせるために為政者が採る手段は,洋の東西を問わず国民共通の敵としての敵国を創り出し国民の怒りの矛先を海外に向かわせることですが,現在の日本の場合は日本政府が敵を作り出さなくとも,隣国が「我々は日本の敵だぞ」と自分から宣言・行動してくれているような状況です.

          そして,少なくとも予断や先入観なく公平に物事を見る人ならば誰にとっても明らかに日本に対して敵対的な言動をそれらの国々がしていると見えるにも拘らず,立憲や共産党はそれらの国々の肩を持ち日本がそれらの国々に譲るべきだといった言動をしているのです.これでは予断や先入観のない人々は立憲や共産党を支持する筈がありませんし,若い世代ほどそういった予断や先入観に汚染される(つまりマスゴミの嘘に暴露されている)期間が短いのですから,若い世代ほど自民党支持なのは当然です.

          • 冥王星様

            わたしのつたない反論に対して、丁寧なご教授、ご指摘ありがとうございます。

            残念ながら、わたし程度の知識では、この分野での論争などとても太刀打ちできない。お説の内容の内、現時点に関する分析に関しては、ほぼ同意というか、反論はまず無理筋だと感じています。

            それでも、現状の外挿上に米国の現状のような未来が待っているか、今は未だそれが見えていないだけかと言ったら、わたしにはどうもそうは思えないのです。単に頭の構造の問題なのか、戦後の焼け跡時代から今日の発展までを見てきた、生れ育った時代背景がそうさせるのか、日本は日本、極端に振れる以前に予定調和的解決が図られるのがこの国、というような楽観的期待がそう裏切られることはないと、つい考えてしまう。これは理屈の問題じゃないんですけどね。

            ひとつこうかなと考えているのは、経営上の利益に見合うだけの賃金の伸びがない、正規職がドンドン非正規職に置き換わる、そうした下から上への収奪とも見えるかなりの部分は、種々の公的、社会的サービスを通じて、環流されている。日本の場合、その割合が実のところ相当に大きいし、高齢化社会の進行の下では当然ですが、これからそれがさらに大きくなって、社会の安定化が図られていくであろうと、まあそんな風に思うのです。

          • 結局、
            トドノツマリ、
            ジリ貧…もとい均衡縮小路線を強化再生産してきた30年だったとシミジミ

            ソレコソ30年程前、
            墓で安眠する日までメシを喰わなけりゃならない~
             と演奏ったミュージシャンも居ましたが、安眠なんて無理無理無理無理

    •  迷王星さんのいう通りですが、
       何故、一億総中流が消え、男の若者までスーパーでパートをやるはめになったのか?
       正社員が非正規にされてしまったのは何故だ?
       マル優(元本300万円までの利息は非課税が、3~4セットできた)を廃止し、貧乏人までのにあこぎな消費税を導入したのは何故だ。

  •  マクドナルドの創業期・成長期を扱った「ファウンダー」という映画がおすすめです。アマゾンプライムに加入していればただで見られます(会員でなくても、お試し期間1カ月以内に退会すれば無料で観れます)。
     「ファウンダー」(=創業者)はマクドナルド兄弟ですが、会社を大きくする野心があるだけで別に悪人ではないレイ・クロックというシェイクミキサーセールスマンが会社を乗っ取り大きくするという実話です。
     経費削減のためにマックシェイクをパウダー式に変更したものの、なぜかコストのかかる冷蔵式に戻せざるを得ないという、豆知識も電影で描かれています(なぜ冷蔵式に戻したのか忘れましたが)。

     いつものネタですが、「なぜマックのポテトはカリカリでおいしいか」について岡田斗司夫氏の動画も是非。
    https://www.youtube.com/watch?v=hy_E03oaKQU

    • 「電影」は映画の広東語です。IMEに登録しておいたのを忘れました・・・。すみません。

  • 隊長っ!

    ハンバーガーとサンドイッチの本質的違いがわかりませんっ!

    恐縮ですっ!

    • ハンバーグを挟んでいるのがハンバーガー。
      それ以外はサンドイッチ。
      シンプルです。

      • クアアイナ好きです。
        パンはカイザーロールを選びガッツリが多いですがターキーのサンドイッチも好き。
        新宿店を利用しますが新宿はハンバーガー激戦区でShake Shackなどチェーン店やショーグンバーガー、J.S.Bergersなどたくさんのハンバーガー屋さんがあります。
        ハワイ気分だとクアアイナ行きます。
        あとビール飲めるの大事。

  • でも、マクドナルドのハンバーガーってあまりおいしくないんですよねえ。株主優待券を手にしてまで食べたいとは思えません。

    • ハンバーガー好きで食べ歩きしますけど大手チェーンのは食べないですね。
      結局はガッカリするのでコスパ悪いです。
      年のせいか美味しくないものを食べるのって時間の無駄って思ってしまいます。

  • けしてハンバーガーが嫌いというわけではないのですが、普段はほとんど行きません。だって、けしてお安くはないんですもの。出先でちょっと軽く食べようとなったら、大抵は牛丼屋に行ってしまいます。コスパという点では牛丼の圧勝だと思いますので。

    でも、Wendy'sのチリコンカーンは時々食べたくなりますねぇ......

    • ブラジルの日系人にチリコンカーンって言ったら通じなかったのを思い出しました。「ああ、カルネ(肉)ね」って言われた。

  • プロレススーパースター列伝のスタンハンセンの巻で、無名時代のハンセンの食事がパンと牛乳、よくてハンバーガーという記載がありました。やはりマクドのハンバーガーだったのでしょうか。

  • やはり朝マックは考察対象外であったのだ…

    そんなに朝マック嫌われてるのかな?自分は好きですが。

    • 粉がパラパラさえなければ…
      朝も100円2倍が期待されるところであります

    • 朝マックのハッシュドポテトが好きです。あれを朝以外でも出してくれるようになれば、もう少しマックにも行くかもしれないんだけどなぁ。

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